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第二章 親父たち大陸横断する
親父たち、インディアンに襲われる(?)
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無法者たちから村人たちを救うために村人たちを魔改造した親父たち。
モヤシ村を後にして、元いた世界のイリノイ州に入った途端にゴーレム汽車を暴走させていた。
しかし今回の暴走はブドウが引き起こしたものではない。
親父たち全員が引き起こしたものであった。
「まだ追ってくるでござるよ」
「教授。ゴーレム汽車は大丈夫なのか?」
「うむ、大丈夫とは言えない状態だブドウ。早く何とかしないと爆発する」
「今、村正と軍曹が襲撃者を狙撃しているから、もう少しの辛抱だ」
親父たちは襲撃者たちの魔の手から逃げていた。
その襲撃者とは?
「しかし、インディアンが何で襲ってくるんだ?」
「本当でござる。インディアンに襲われる心当たりないでござる?」
「うむ、これは推測なのだが、彼らはインディアンではないな」
「教授。その心は?」
「うむ、インディアンは自分たちの縄張りでしか狩りを行わない。しかし襲撃者はそんなことお構いなしに追ってくる。それがおかしいんだ!」
「そう言われれば、もう何百キロも走っているのに追ってくるのはおかしいな?」
「馬だってバテてきているのに、まだ追って来ているでござるよ」
所変わって、ゴーレム汽車の後部で襲撃者をボウガンで迎撃してる村正と軍曹は愚痴をこぼしていた。
「まったく駅馬車の映画やっているじゃないんだぞ!」
「肯定であります」
二人の放つ矢は確実にインディアンを減らしていたが、それでもかなりの数が親父たちを追っていた。
「やばい、矢の数が少なくなってきた軍曹どうする?」
「相手の王将を取るであります」
「当てはあるのか?」
「後ろの方に立派な格好をした人がいます」
「あのインディアンの族長みたいな奴か?」
「距離はありますが、ボウガンなら可能であります」
「やってみる価値はあるか、わかった援護する。やってくれ」
「サーイエッサー!」
そう言って軍曹は狙撃体制に入り、矢を放った。
「「当たった!」」
矢は確かに当たった。
ただし、族長の乗っていた馬の脚に。
結果だけ見れば、馬は転倒し、馬に乗っていた族長も一緒に転倒した。
「おい、今あの族長。馬から落ちる瞬間、体を二回転しなかったか?」
「肯定であります」
その結果、襲撃者であるインディアン達は一時的に混乱し、親父たちはその隙をついて逃げ出すことに成功するのだった。
謎のインディアンの襲撃から逃れた親父たち。
だが、代償も大きかった。
ゴーレム汽車は無茶な運転によりオーバーヒートを起こし、しばらく使い物にならなくなっていた。
そのため、親父たちは荒野のど真ん中で立ち往生していた。
「教授。ゴーレム汽車の具合はどうだ?」
「うむ、動力部が冷却しない限り、使うことはできない。今使うと今度こそ間違いなく爆発するよ」
「まいったな。こんな障害物ゼロの場所じゃ、インディアン達が襲ってきたら、間違いなく、わしらは死ぬぞ!」
「肯定であります」
ブドウの問いに、なぜか穴掘りをしていた軍曹が答えた。
「うむ、それなら影が偵察に出ているから、何かあったら合図をするように言ってあるから大丈夫だよ」
「さすがに根回しがいいな教授」
「うむ、備えあれば憂いなしだよ。ゴーレム汽車を閉まったら、我々も軍曹の手伝いをしよう」
「そう言えば、なぜ軍曹は穴を掘っているんだ」
「塹壕であります」
「うむ、インディアンからの襲撃があっても自分たちの身を守るために私が軍曹に指示したのだよ」
「雪山でのビバークか?」
「あ、影が帰って来た」
二時間後。
親父たちはモグラのように土の中にいた。
「うむ、これで一安心だな」
「しかし、なんでインディアンが襲って来たんだ?」
「元いた世界で言うイリノイ州に入ったら、いきなり襲われた?」
「最初は縄張りに入ったよそ者を排除するためだと思ったけど、違うようでござる?」
「肯定であります」
「うむ、その通りだよ諸君!だが、予想はつく」
「教授、何か心当たりでもあるのか?」
「うむ、影とブドウにも言ったが我々が元いた世界のインディアンは自分たちの縄張りでしか行動しない。我々のような旅人を襲うなんて論外だ」
「だが、それは我々のいた世界の話であって、この世界のインディアンは違う可能性もあるんじゃないのか?」
「うむ、村正の言うことにも一理あるが、それはないな」
「理由は?」
「あのインディアンたちが偽物だからさ!」
「「「「え?」」」」
教授以外の親父たちが立ち上がった。
「うむ、諸君。落ち着いて座った方がいいよ。映画とか話のお約束だと、よく撃たれるシーンだから」
さいわいにして何事もなく親父たちの頭、主に頭髪は無事である。
「教授、どういうことなんだ?」
「あのインディアンが偽物?」
「インディアンに偽物も本物もあるんでござるか?」
「疑問であります」
教授に疑問を捲くし立てる親父たちを気にするでもなく、教授はたった一言だけ放った。
「鑑定」
「「「「あ!」」」」
「うむ、やっと気づいたようだね諸君」
教授がドヤ顔をして親父たちを見つめる。
「確かに鑑定なら、だが……」
村正は怒りに震える腕を抑えている。
「た、確かに鑑定なら……」
ブドウは酒を飲んでもいないのに顔が真っ赤なった。
「ふ、不覚でござる」
影はOrzの態勢にになった。
「…………」
軍曹はポーカーフェイスだったが、内心かなり動揺していた。
そして全員が調子に乗っている教授をぶん殴りたい衝動を抑えて納得したのであった。
※駅馬車 (1939年の映画)
アメリカの西部劇映画の名作と高く評価されている作品。
物語は駅馬車に乗り合わせた人々の人間模様が中心に描かれている。
モヤシ村を後にして、元いた世界のイリノイ州に入った途端にゴーレム汽車を暴走させていた。
しかし今回の暴走はブドウが引き起こしたものではない。
親父たち全員が引き起こしたものであった。
「まだ追ってくるでござるよ」
「教授。ゴーレム汽車は大丈夫なのか?」
「うむ、大丈夫とは言えない状態だブドウ。早く何とかしないと爆発する」
「今、村正と軍曹が襲撃者を狙撃しているから、もう少しの辛抱だ」
親父たちは襲撃者たちの魔の手から逃げていた。
その襲撃者とは?
「しかし、インディアンが何で襲ってくるんだ?」
「本当でござる。インディアンに襲われる心当たりないでござる?」
「うむ、これは推測なのだが、彼らはインディアンではないな」
「教授。その心は?」
「うむ、インディアンは自分たちの縄張りでしか狩りを行わない。しかし襲撃者はそんなことお構いなしに追ってくる。それがおかしいんだ!」
「そう言われれば、もう何百キロも走っているのに追ってくるのはおかしいな?」
「馬だってバテてきているのに、まだ追って来ているでござるよ」
所変わって、ゴーレム汽車の後部で襲撃者をボウガンで迎撃してる村正と軍曹は愚痴をこぼしていた。
「まったく駅馬車の映画やっているじゃないんだぞ!」
「肯定であります」
二人の放つ矢は確実にインディアンを減らしていたが、それでもかなりの数が親父たちを追っていた。
「やばい、矢の数が少なくなってきた軍曹どうする?」
「相手の王将を取るであります」
「当てはあるのか?」
「後ろの方に立派な格好をした人がいます」
「あのインディアンの族長みたいな奴か?」
「距離はありますが、ボウガンなら可能であります」
「やってみる価値はあるか、わかった援護する。やってくれ」
「サーイエッサー!」
そう言って軍曹は狙撃体制に入り、矢を放った。
「「当たった!」」
矢は確かに当たった。
ただし、族長の乗っていた馬の脚に。
結果だけ見れば、馬は転倒し、馬に乗っていた族長も一緒に転倒した。
「おい、今あの族長。馬から落ちる瞬間、体を二回転しなかったか?」
「肯定であります」
その結果、襲撃者であるインディアン達は一時的に混乱し、親父たちはその隙をついて逃げ出すことに成功するのだった。
謎のインディアンの襲撃から逃れた親父たち。
だが、代償も大きかった。
ゴーレム汽車は無茶な運転によりオーバーヒートを起こし、しばらく使い物にならなくなっていた。
そのため、親父たちは荒野のど真ん中で立ち往生していた。
「教授。ゴーレム汽車の具合はどうだ?」
「うむ、動力部が冷却しない限り、使うことはできない。今使うと今度こそ間違いなく爆発するよ」
「まいったな。こんな障害物ゼロの場所じゃ、インディアン達が襲ってきたら、間違いなく、わしらは死ぬぞ!」
「肯定であります」
ブドウの問いに、なぜか穴掘りをしていた軍曹が答えた。
「うむ、それなら影が偵察に出ているから、何かあったら合図をするように言ってあるから大丈夫だよ」
「さすがに根回しがいいな教授」
「うむ、備えあれば憂いなしだよ。ゴーレム汽車を閉まったら、我々も軍曹の手伝いをしよう」
「そう言えば、なぜ軍曹は穴を掘っているんだ」
「塹壕であります」
「うむ、インディアンからの襲撃があっても自分たちの身を守るために私が軍曹に指示したのだよ」
「雪山でのビバークか?」
「あ、影が帰って来た」
二時間後。
親父たちはモグラのように土の中にいた。
「うむ、これで一安心だな」
「しかし、なんでインディアンが襲って来たんだ?」
「元いた世界で言うイリノイ州に入ったら、いきなり襲われた?」
「最初は縄張りに入ったよそ者を排除するためだと思ったけど、違うようでござる?」
「肯定であります」
「うむ、その通りだよ諸君!だが、予想はつく」
「教授、何か心当たりでもあるのか?」
「うむ、影とブドウにも言ったが我々が元いた世界のインディアンは自分たちの縄張りでしか行動しない。我々のような旅人を襲うなんて論外だ」
「だが、それは我々のいた世界の話であって、この世界のインディアンは違う可能性もあるんじゃないのか?」
「うむ、村正の言うことにも一理あるが、それはないな」
「理由は?」
「あのインディアンたちが偽物だからさ!」
「「「「え?」」」」
教授以外の親父たちが立ち上がった。
「うむ、諸君。落ち着いて座った方がいいよ。映画とか話のお約束だと、よく撃たれるシーンだから」
さいわいにして何事もなく親父たちの頭、主に頭髪は無事である。
「教授、どういうことなんだ?」
「あのインディアンが偽物?」
「インディアンに偽物も本物もあるんでござるか?」
「疑問であります」
教授に疑問を捲くし立てる親父たちを気にするでもなく、教授はたった一言だけ放った。
「鑑定」
「「「「あ!」」」」
「うむ、やっと気づいたようだね諸君」
教授がドヤ顔をして親父たちを見つめる。
「確かに鑑定なら、だが……」
村正は怒りに震える腕を抑えている。
「た、確かに鑑定なら……」
ブドウは酒を飲んでもいないのに顔が真っ赤なった。
「ふ、不覚でござる」
影はOrzの態勢にになった。
「…………」
軍曹はポーカーフェイスだったが、内心かなり動揺していた。
そして全員が調子に乗っている教授をぶん殴りたい衝動を抑えて納得したのであった。
※駅馬車 (1939年の映画)
アメリカの西部劇映画の名作と高く評価されている作品。
物語は駅馬車に乗り合わせた人々の人間模様が中心に描かれている。
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