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第二章 親父たち大陸横断する
親父たち、跡を濁しまくる。
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モヤシ村での親父たち&村人と無法者たちの決戦から一日半経った早朝。
無法者集団の首謀者であるカルロはやっとアジトに着いた。
「ハアハア、や、やっと着いた」
不眠不休で走ってきたカルロには一息つける暇がなかった。
なぜなら。
「うむ、ここがアジトのようだな」
「しかし、無法者集団の親玉にしては逃げ足遅くなかったか?」
「確かにブドウどのの言うとおりでござる!
「危機管理能力が欠如しているとしか思えない遅さだったな」
「肯定であります」
親父たちがカルロの真後ろに立っていたからだ。
「おまえら、何者だ!」
「「「「「通りすがりの無法者(でござる)!!」」」」」
棒読みのセリフと共に親父たちは名乗る。
親父たちの対応にカルロの思考能力は停止した。
その隙をついて親父たちはカルロを簀巻きにした。
「うむ、これで一安心だな」
「きっちりミイラにしたから縄抜けされる心配はない」
「猿轡もしたから、余計な雑音も入らないでござる」
「肯定であります」
「それじゃあ、アジトの中にあるお宝をいただこうか?」
「「「「賛成(でござる)」」」」
こうして親父たちは無法者集団のアジトを物色し始めた。
「うむ、思っていたよりも食料や酒などの物資が多いな」
「確かに、ここの連中が暴飲暴食をしていると思ってたから、対して期待していなかったんだが、予想外の収穫だ!」
「金目の物もかなりあるでござる!」
「影が間抜けな無法者を追跡した功績だな」
「肯定であります」
そんな親父たちの会話をよそにカルロは陸に上がった魚の如く、のたうち回っている。
本人にしてみれば精一杯の抵抗なのだろうが、親父たちの目から見ればミミズがうごめいているだけであった。
「なあ、村正」
「なんだブドウ」
「あの無法者は何がしたいんだ?」
「拙者にもわからん」
「二人ともそんなミイラよりもお宝をアイテムボックスに入れるでござる」
「「わかった!」」
こうして親父たちはアジトにあっためぼしい物を全て回収し、ミイラを引きずってモヤシ村にもどるのだった。
モヤシ村に戻った親父たちは旅を再開する為の準備をしていたが、ある問題を抱えていた。
「軍曹。これどうするつもりなんだ?」
「村正の言うとおりだ。この現状をどうするんだ?」
「うむ、無法者たちを倒すよりも、この後の後始末の方が大変なようだな!」
「困ったことになったでござる」
「……」
親父たちが頭を抱えている問題。
それは、軍曹が鍛えた村人たちであった。
圧倒的な筋肉の塊となった村人たちで溢れたモヤシ村。
「右を見ても左を見ても、老若男女問わず筋肉!」
「筋肉に比例して態度の肥大化しているような気がするでござる」
「それだけならまだいいが、軍隊特有のヤバい雰囲気がする」
「うむ、このまま放置すれば、後々の問題に発展するのは目に見えている」
「「「「軍曹。どうするんだ!」」」」
親父たちの問いに軍曹は答えた。
「何の問題もないであります」
「「「「なんで?」」」」
「彼らは自衛のために鍛えられた肉体を持っただけであります」
「じゃあ、村人はいいが村の周りはどうなんだ?」
「確かに村を守る柵はともかく、逆茂木が針の山の如く連なっている」
「うむ、どう見ても山賊の根城と化しているぞ」
「絶対におかしいでござる」
「ですから、自衛のために……」
「「「「過剰防衛と言うんだ!!」」」」
軍曹の自衛のためという、面目躍如は親父たちの前では役に立たなかった。
親父たちの出発の日。
村人たちは盛大に出発を祝ってくれた。
筋肉で。
「軍曹どの。本当に大丈夫でござるか?」
「大丈夫であります。昨夜遅くまで彼らには指導しましたから」
「その指導が問題だと思うんだが?」
「拙者もブドウの意見に一票!」
「うむ、村人たちがますます毒された気がする」
軍曹以外の親父たちの目からは、筋肉だけではなく目もあっちの世界に行ってしまった村人に加えて、村も要塞化が進んでいる。
こうして問題の種をモヤシ村に残しつつ、親父たちは旅を続けるのだった。
無法者集団の首謀者であるカルロはやっとアジトに着いた。
「ハアハア、や、やっと着いた」
不眠不休で走ってきたカルロには一息つける暇がなかった。
なぜなら。
「うむ、ここがアジトのようだな」
「しかし、無法者集団の親玉にしては逃げ足遅くなかったか?」
「確かにブドウどのの言うとおりでござる!
「危機管理能力が欠如しているとしか思えない遅さだったな」
「肯定であります」
親父たちがカルロの真後ろに立っていたからだ。
「おまえら、何者だ!」
「「「「「通りすがりの無法者(でござる)!!」」」」」
棒読みのセリフと共に親父たちは名乗る。
親父たちの対応にカルロの思考能力は停止した。
その隙をついて親父たちはカルロを簀巻きにした。
「うむ、これで一安心だな」
「きっちりミイラにしたから縄抜けされる心配はない」
「猿轡もしたから、余計な雑音も入らないでござる」
「肯定であります」
「それじゃあ、アジトの中にあるお宝をいただこうか?」
「「「「賛成(でござる)」」」」
こうして親父たちは無法者集団のアジトを物色し始めた。
「うむ、思っていたよりも食料や酒などの物資が多いな」
「確かに、ここの連中が暴飲暴食をしていると思ってたから、対して期待していなかったんだが、予想外の収穫だ!」
「金目の物もかなりあるでござる!」
「影が間抜けな無法者を追跡した功績だな」
「肯定であります」
そんな親父たちの会話をよそにカルロは陸に上がった魚の如く、のたうち回っている。
本人にしてみれば精一杯の抵抗なのだろうが、親父たちの目から見ればミミズがうごめいているだけであった。
「なあ、村正」
「なんだブドウ」
「あの無法者は何がしたいんだ?」
「拙者にもわからん」
「二人ともそんなミイラよりもお宝をアイテムボックスに入れるでござる」
「「わかった!」」
こうして親父たちはアジトにあっためぼしい物を全て回収し、ミイラを引きずってモヤシ村にもどるのだった。
モヤシ村に戻った親父たちは旅を再開する為の準備をしていたが、ある問題を抱えていた。
「軍曹。これどうするつもりなんだ?」
「村正の言うとおりだ。この現状をどうするんだ?」
「うむ、無法者たちを倒すよりも、この後の後始末の方が大変なようだな!」
「困ったことになったでござる」
「……」
親父たちが頭を抱えている問題。
それは、軍曹が鍛えた村人たちであった。
圧倒的な筋肉の塊となった村人たちで溢れたモヤシ村。
「右を見ても左を見ても、老若男女問わず筋肉!」
「筋肉に比例して態度の肥大化しているような気がするでござる」
「それだけならまだいいが、軍隊特有のヤバい雰囲気がする」
「うむ、このまま放置すれば、後々の問題に発展するのは目に見えている」
「「「「軍曹。どうするんだ!」」」」
親父たちの問いに軍曹は答えた。
「何の問題もないであります」
「「「「なんで?」」」」
「彼らは自衛のために鍛えられた肉体を持っただけであります」
「じゃあ、村人はいいが村の周りはどうなんだ?」
「確かに村を守る柵はともかく、逆茂木が針の山の如く連なっている」
「うむ、どう見ても山賊の根城と化しているぞ」
「絶対におかしいでござる」
「ですから、自衛のために……」
「「「「過剰防衛と言うんだ!!」」」」
軍曹の自衛のためという、面目躍如は親父たちの前では役に立たなかった。
親父たちの出発の日。
村人たちは盛大に出発を祝ってくれた。
筋肉で。
「軍曹どの。本当に大丈夫でござるか?」
「大丈夫であります。昨夜遅くまで彼らには指導しましたから」
「その指導が問題だと思うんだが?」
「拙者もブドウの意見に一票!」
「うむ、村人たちがますます毒された気がする」
軍曹以外の親父たちの目からは、筋肉だけではなく目もあっちの世界に行ってしまった村人に加えて、村も要塞化が進んでいる。
こうして問題の種をモヤシ村に残しつつ、親父たちは旅を続けるのだった。
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