55 / 284
第二章 親父たち大陸横断する
親父たち、土木作業をする
しおりを挟む
前回、ゴーレム列車でひき逃げをした親父たちは、水を補給する為にとある村に立ち寄って、なぜか土木作業に従事していた。
「なあ、村正よ。わしらなんでこんなことをしているんだ?」
「ブドウ。忘れたのか?村人から水をもらう代わりに無法者集団に壊された村の復興を手伝うことになったんだろう」
「おお、そうだったな!すまんな。最近頭に違和感があるため、記憶があいまいになっているんだ。わしの気のせいか?」
(すまんブドウよ。真実を話すことはできない)
村正は心の中でブドウに謝罪した。
ブドウの違和感は気のせいではなかった。
なぜなら、ブドウの頭にはタンコブタワーができていたからだ。
前回ブドウの暴走を止めるために、村正がみね打ちでブドウの頭を叩きまくったのが原因で、記憶障害をブドウは起こしていた。
そして親父たちが、村で土木作業をしているのは、村の復興のためではない。
ブドウの暴走によって、ゴーレム列車でひいた集団は、この辺りを荒らし回っている無法者集団の一部であったことを村人から聞いた親父たちは、自分たちの身を守るために、無償で村を守ると称して、村全体を改造しまくっていた。
目的は無法者集団を殲滅して、後顧の憂いを断つためである。
教授は錬金術でこわれた柵を土で作った逆茂木や罠を作り、軍曹は村人たちを戦えるように鍛え、影は見回り、村正とブドウを三人の補助に回っていた。
「なあ、村正。村人の様子がおかしくないか?」
「軍曹が、村人を鍛えて無法者集団と戦えるようにすると言ってたからな。激しい鍛え方すれば、疲れもでてくるさ」
「だけど、見た目がおかしくなっているぞ」
ブドウに言われて村人を見た村正は驚いた。
なぜなら村人たちは、昨日までもやしっ子と呼ばれるような体格だったのに、今の体格は一言で表すなら筋肉であった。
「ブドウ……お前まさか村人たちにあのなんとか拳法を使って村人の体を……」
「無実だ。人体損害拳は使っていない」
「じゃあ、村人がああなったのは軍曹のせい」
「そうとしか考えられない」
「たった一日でどんな訓練すればああなるんだ?」
村正とブドウの疑問をよそに軍曹は村人(女、子供含む)たちを筋肉戦士に変えていく。
親父たちが無法者たちを迎え撃つ準備を進める一方で、ゴーレム汽車にひき逃げされた無法者集団の生き残りはアジトに戻り、ボスに報告していた。
ボスの名はカルロ。元々は農場主であったが、異常気象と魔物の異常発生よって、農地が荒れ、近隣の村から食料を強奪していくうちに、無法者集団のボスになった男である。
「鉄の獣にひかれた?貴様ら酒でも飲んで酔っ払っているのか?」
「すべて本当のことですボス」
「ボスはやめろ」
「へいブス」
ボスではなくブスと言われてカルロは無言で報告していた部下をぶん殴った。
「呼び方、変えればいいって問題じゃない。お前は馬鹿か!」
いきなりボスのカルロが殴っても周りの部下は誰一人として動じなかった。むしろ、「またあの馬鹿やった」と思っていただけだった。
「それでその鉄の獣はどこに向かったんだ」
カルロは他の生き残りに聞いた。
「モヤシ村です」
「あの貧弱な奴しかいない村か?おい、手下を全て集めろ。明日モヤシ村に向かう。あんな貧弱な奴らでも、鉄の獣についての情報ぐらいは持っているだろうからな」
こうしてカルロが率いる無法集団は親父たちが手ぐすね引いて待っているとも思わず、自ら地獄に向かって突き進むのだった。
「なあ、村正よ。わしらなんでこんなことをしているんだ?」
「ブドウ。忘れたのか?村人から水をもらう代わりに無法者集団に壊された村の復興を手伝うことになったんだろう」
「おお、そうだったな!すまんな。最近頭に違和感があるため、記憶があいまいになっているんだ。わしの気のせいか?」
(すまんブドウよ。真実を話すことはできない)
村正は心の中でブドウに謝罪した。
ブドウの違和感は気のせいではなかった。
なぜなら、ブドウの頭にはタンコブタワーができていたからだ。
前回ブドウの暴走を止めるために、村正がみね打ちでブドウの頭を叩きまくったのが原因で、記憶障害をブドウは起こしていた。
そして親父たちが、村で土木作業をしているのは、村の復興のためではない。
ブドウの暴走によって、ゴーレム列車でひいた集団は、この辺りを荒らし回っている無法者集団の一部であったことを村人から聞いた親父たちは、自分たちの身を守るために、無償で村を守ると称して、村全体を改造しまくっていた。
目的は無法者集団を殲滅して、後顧の憂いを断つためである。
教授は錬金術でこわれた柵を土で作った逆茂木や罠を作り、軍曹は村人たちを戦えるように鍛え、影は見回り、村正とブドウを三人の補助に回っていた。
「なあ、村正。村人の様子がおかしくないか?」
「軍曹が、村人を鍛えて無法者集団と戦えるようにすると言ってたからな。激しい鍛え方すれば、疲れもでてくるさ」
「だけど、見た目がおかしくなっているぞ」
ブドウに言われて村人を見た村正は驚いた。
なぜなら村人たちは、昨日までもやしっ子と呼ばれるような体格だったのに、今の体格は一言で表すなら筋肉であった。
「ブドウ……お前まさか村人たちにあのなんとか拳法を使って村人の体を……」
「無実だ。人体損害拳は使っていない」
「じゃあ、村人がああなったのは軍曹のせい」
「そうとしか考えられない」
「たった一日でどんな訓練すればああなるんだ?」
村正とブドウの疑問をよそに軍曹は村人(女、子供含む)たちを筋肉戦士に変えていく。
親父たちが無法者たちを迎え撃つ準備を進める一方で、ゴーレム汽車にひき逃げされた無法者集団の生き残りはアジトに戻り、ボスに報告していた。
ボスの名はカルロ。元々は農場主であったが、異常気象と魔物の異常発生よって、農地が荒れ、近隣の村から食料を強奪していくうちに、無法者集団のボスになった男である。
「鉄の獣にひかれた?貴様ら酒でも飲んで酔っ払っているのか?」
「すべて本当のことですボス」
「ボスはやめろ」
「へいブス」
ボスではなくブスと言われてカルロは無言で報告していた部下をぶん殴った。
「呼び方、変えればいいって問題じゃない。お前は馬鹿か!」
いきなりボスのカルロが殴っても周りの部下は誰一人として動じなかった。むしろ、「またあの馬鹿やった」と思っていただけだった。
「それでその鉄の獣はどこに向かったんだ」
カルロは他の生き残りに聞いた。
「モヤシ村です」
「あの貧弱な奴しかいない村か?おい、手下を全て集めろ。明日モヤシ村に向かう。あんな貧弱な奴らでも、鉄の獣についての情報ぐらいは持っているだろうからな」
こうしてカルロが率いる無法集団は親父たちが手ぐすね引いて待っているとも思わず、自ら地獄に向かって突き進むのだった。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる