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第二章 親父たち大陸横断する
親父たち、事件を押し付けられる
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親父たちの汽車に無賃乗車作戦が失敗に終った次の日。
線路に沿って、歩く親父たちの姿があった。
「なあ村正。なぜわしらは異世界でスタンド・バイ・ミーの真似をしているんだ。」
「ブドウ、忘れたのか?冒険者ギルドに消えた汽車の行方の捜せと依頼を押し付けられたんだろう」
「それは覚えている。わしが言いたいのは、線路に沿って歩く必要があるのかと聞いているんだ!」
「うむ、ブドウの言うことももっともだが、他の手はない」
「肯定であります。自分達よりランクが高いそれ専門の冒険者パーティーでも見つけることはできなかった依頼であります」
「冒険者ギルドはとりあえず探してますと、形を見せたいようでござる」
「しかし昨日、無賃乗車しようとした汽車も消えるなんて、拙者たちも神隠しに巻き込まれていたかもしれないと思うとぞっとする」
「確かに!」
「肯定であります」
「右に同じ」
「うむ、依頼の内容のおさらいを含めて、あそこのテーブルのような形をした石で休憩しながら、話をしよう」
全員が教授の意見に同意し、教授は石の上に地図を広げて、重しを乗せた。
「うむ、依頼内容は消えた輸送列車を探せとなっているが、もちろん輸送列車に乗っていた人たちも含まれている。消えた輸送列車はこれで五回目になるそうだ」
「すでに列車が消えた線路を何度も捜査しているが、何の痕跡も見つからず、突然となぜか物資を運んだ輸送列車だけが消えて、地元住民は何かの祟りだと言っている」
「うむ、その通りだよ村正。なぜか人を乗せた客車ではなく、輸送列車だけが消えている」
「祟りではなく、何者かによる完全な強奪であります」
「しかしそれなら、走っている列車はどこに消えたんでござる?」
「消えた輸送列車は、我々が今いるレッドロッカ駅とブランド駅の間で消えている。ただしこの二つの駅の間には荒野が広がっているだけ」
親父たちは地図を見た後に辺りを見渡した。
そこは荒野が広がっているだけであった。
「うむ、隠し線路がありそうな森もなければ、列車を止めるための岩もない」
「まさか列車が空を飛んだわけでもあるまい」
「物理的に蒸気機関では不可能であります」
「ちょっと待って?」
「どうしたブドウ?」
「今、地図を見て気づいたんだが、線路から少し離れた場所に森がある」
「それがどうした?」
「列車がこの森に消えた可能性があるかもしれない」
「ブドウ……もしかして酔っ払っているのか?」
「酒も飲んでないのに酔っ払うわけないだろう!」
「うむ、確かにブドウからアルコールの匂いはしない」
「肯定であります」
「しかし、酒でも飲んでないとこんな突拍子なこと言わないぞ」
「落ち着け、村正。何も突拍子なことを言っているわけではない。この世界には我々の世界にはない魔法が存在するんだ。それを使えば、すこし離れた森に汽車を移動させることもできるかもしれない」
「うむ、確かに可能かもしれない」
教授は納得したが、村正は納得できなかった。
「しかし、教授。仮に瞬間移動のような魔法があるとしたら、ゲートがなくなっただけで物流がストップするのはおかしくないか?仮にそんな魔法があったとして、汽車のような大きいものを一瞬にして移動させるためのエネルギーはどこからもってくるんだ」
「うむ、確かに色々と問題はあるだが、可能性はゼロでない以上。ブドウの意見を採用してもいいのではないか、他に手がかりのないことだし、後ろ向き姿勢でその森に行くのはどうだろう?」
「ワカリマシタ。トリアエズ、ソノモリニイキマショウ」
「村正…大丈夫か?壊れたロボットみたいな口調になっているし、目が死んだ魚のようになっているぞ」
「ダイジョウブ」
第三者の目から見れば、村正の精神はとても大丈夫ではなかった。
「うむ、それでは森に出発しようではないか。あれ、そういえば影はどこに行ったんだ?」
教授の疑問にすぐブドウが答えた。
「影はわしと同じ考えだったのか、森に向かって行った。先行偵察のつもりなのだろう」
そんな会話をしている間に影が戻ってきたが、その表情はタヌキやキツネにでもだまされた顔をしていた。
「影。森はどうだった」
「ブドウ殿。森よりも村正殿の方が心配でござる。一体何があったんでござるか?」
「うむ、影よ。心配いらない精神があっちの世界に旅立っているだけだから。しばらくすれば元に戻る。それよりもブドウと君の仮説はどうだった」
「それがおかしいのでござる。森に入ろうとするといつの間にか、外に出ているのでござる」
「うむ、どうやら仮説は当たったようだな。しかし森に入れないとなると詳しく調査もできない。我々が知らないだけで、子供が森に入らないようにするための処置かもしれない」
「肯定であります。しかしこれでは冒険者ギルドに依頼達成を認めさせることは難しいかもしれません」
「うむ、軍曹の言う通りだな。仕方ないおとり作戦で行こう」
「おとり?また輸送列車を犠牲にするのか?」
「うむ、その通りだよブドウ。輸送列車が通る時に我々がこの森で待機して輸送列車がどうなるのか、監視するのだよ」
「それ以外手はないでござるな」
「さっそく街に戻って必要な装備を揃えるであります」
「それに次の輸送列車は何時出発するのかも、調査しないとな」
こうして壊れた村正を脇に置いて話を進める親父たちであった。
線路に沿って、歩く親父たちの姿があった。
「なあ村正。なぜわしらは異世界でスタンド・バイ・ミーの真似をしているんだ。」
「ブドウ、忘れたのか?冒険者ギルドに消えた汽車の行方の捜せと依頼を押し付けられたんだろう」
「それは覚えている。わしが言いたいのは、線路に沿って歩く必要があるのかと聞いているんだ!」
「うむ、ブドウの言うことももっともだが、他の手はない」
「肯定であります。自分達よりランクが高いそれ専門の冒険者パーティーでも見つけることはできなかった依頼であります」
「冒険者ギルドはとりあえず探してますと、形を見せたいようでござる」
「しかし昨日、無賃乗車しようとした汽車も消えるなんて、拙者たちも神隠しに巻き込まれていたかもしれないと思うとぞっとする」
「確かに!」
「肯定であります」
「右に同じ」
「うむ、依頼の内容のおさらいを含めて、あそこのテーブルのような形をした石で休憩しながら、話をしよう」
全員が教授の意見に同意し、教授は石の上に地図を広げて、重しを乗せた。
「うむ、依頼内容は消えた輸送列車を探せとなっているが、もちろん輸送列車に乗っていた人たちも含まれている。消えた輸送列車はこれで五回目になるそうだ」
「すでに列車が消えた線路を何度も捜査しているが、何の痕跡も見つからず、突然となぜか物資を運んだ輸送列車だけが消えて、地元住民は何かの祟りだと言っている」
「うむ、その通りだよ村正。なぜか人を乗せた客車ではなく、輸送列車だけが消えている」
「祟りではなく、何者かによる完全な強奪であります」
「しかしそれなら、走っている列車はどこに消えたんでござる?」
「消えた輸送列車は、我々が今いるレッドロッカ駅とブランド駅の間で消えている。ただしこの二つの駅の間には荒野が広がっているだけ」
親父たちは地図を見た後に辺りを見渡した。
そこは荒野が広がっているだけであった。
「うむ、隠し線路がありそうな森もなければ、列車を止めるための岩もない」
「まさか列車が空を飛んだわけでもあるまい」
「物理的に蒸気機関では不可能であります」
「ちょっと待って?」
「どうしたブドウ?」
「今、地図を見て気づいたんだが、線路から少し離れた場所に森がある」
「それがどうした?」
「列車がこの森に消えた可能性があるかもしれない」
「ブドウ……もしかして酔っ払っているのか?」
「酒も飲んでないのに酔っ払うわけないだろう!」
「うむ、確かにブドウからアルコールの匂いはしない」
「肯定であります」
「しかし、酒でも飲んでないとこんな突拍子なこと言わないぞ」
「落ち着け、村正。何も突拍子なことを言っているわけではない。この世界には我々の世界にはない魔法が存在するんだ。それを使えば、すこし離れた森に汽車を移動させることもできるかもしれない」
「うむ、確かに可能かもしれない」
教授は納得したが、村正は納得できなかった。
「しかし、教授。仮に瞬間移動のような魔法があるとしたら、ゲートがなくなっただけで物流がストップするのはおかしくないか?仮にそんな魔法があったとして、汽車のような大きいものを一瞬にして移動させるためのエネルギーはどこからもってくるんだ」
「うむ、確かに色々と問題はあるだが、可能性はゼロでない以上。ブドウの意見を採用してもいいのではないか、他に手がかりのないことだし、後ろ向き姿勢でその森に行くのはどうだろう?」
「ワカリマシタ。トリアエズ、ソノモリニイキマショウ」
「村正…大丈夫か?壊れたロボットみたいな口調になっているし、目が死んだ魚のようになっているぞ」
「ダイジョウブ」
第三者の目から見れば、村正の精神はとても大丈夫ではなかった。
「うむ、それでは森に出発しようではないか。あれ、そういえば影はどこに行ったんだ?」
教授の疑問にすぐブドウが答えた。
「影はわしと同じ考えだったのか、森に向かって行った。先行偵察のつもりなのだろう」
そんな会話をしている間に影が戻ってきたが、その表情はタヌキやキツネにでもだまされた顔をしていた。
「影。森はどうだった」
「ブドウ殿。森よりも村正殿の方が心配でござる。一体何があったんでござるか?」
「うむ、影よ。心配いらない精神があっちの世界に旅立っているだけだから。しばらくすれば元に戻る。それよりもブドウと君の仮説はどうだった」
「それがおかしいのでござる。森に入ろうとするといつの間にか、外に出ているのでござる」
「うむ、どうやら仮説は当たったようだな。しかし森に入れないとなると詳しく調査もできない。我々が知らないだけで、子供が森に入らないようにするための処置かもしれない」
「肯定であります。しかしこれでは冒険者ギルドに依頼達成を認めさせることは難しいかもしれません」
「うむ、軍曹の言う通りだな。仕方ないおとり作戦で行こう」
「おとり?また輸送列車を犠牲にするのか?」
「うむ、その通りだよブドウ。輸送列車が通る時に我々がこの森で待機して輸送列車がどうなるのか、監視するのだよ」
「それ以外手はないでござるな」
「さっそく街に戻って必要な装備を揃えるであります」
「それに次の輸送列車は何時出発するのかも、調査しないとな」
こうして壊れた村正を脇に置いて話を進める親父たちであった。
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