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第一章 親父たち追放される
親父たち、パレードに便乗する
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祭り当日。
親父たちは、勇者のパレードに便乗することにした。
目的はもちろん米、味噌、醤油の為である。
「うむ、それではこれから最終チェックを始める」
「拙者たちがあらかじめ調べたとおり、パレードは大通りを真っ直ぐ進んで、そのまま祭壇のゲートに入るルートだ」
「我々は、そのパレードに紛れ込んでゲートを通る手筈になっているでござる」
「だが、大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。冒険者たちもかなりの人数が同行する事になっている」
「うむ、我々は冒険者たちをサポートするポーターと呼ばれる運搬者になって、堂々とゲートを通ればいいだけだ」
「冒険者ギルドを通さずに、上級冒険者パーティーが直接ポーターを雇うことはあるらしいからな」
「冒険者ギルドも上級冒険者に対しては黙認しているでござる」
「しかし」
「しかし、なんだ軍曹」
「自分の経験からいって、あらかじめ入念に調べ、計画して今日という日しかないた時ほど予測不能な事態になる事があります」
「うむ、確かにわたしが大学で実験をした時にも、そのようなケースがあったな」
「儂も、スタントマンをしていた時にそんな経験があったでござる」
「確かに、拙者がVIPの警備に駆り出された時に突発的なトラブルが……」
「そういえば、わしも試合の前の日に酒を飲んでいる時に……」
「「「「もう酔っ払いネタはいい(でござる)」」」」
ブドウにツッコミを入れる親父たちであった。
しかし、この時の軍曹の予感は、この後最悪の形で的中するのだった。
スタートの街は勇者たちのパレードを一目見ようとする人々で混雑していた。
そんな中、親父たちは運良く冒険者たちが雇ったポーターの集団に紛れ込むことに成功し、今や遅しとその時を待っていた。
「教授、思ったより簡単に紛れ込めたな」
「うむ、予想以上にポーターの数が多かった」
「しかし、油断は禁物であります」
「確かに、どこに教会の刺客がいないとも言えないからな」
「今の所、怪しい気配はないでござる」
そう言って用心している親父たちをよそに出立式が開始された。
壇上の上には、この世界で初めて会ったヒイロ司祭がいた。
「おい、あれって神殿で会った時の坊さんじゃないか?」
「うむ、確かにそうの通りだ」
「鼻が天狗にみたいに長くなっている気がする」
「自分にもそう見えます」
「調子に乗っているでござるな」
長ったらしい演説の後、勇者たちが登場した。
「やっぱり、勇者は一緒に召喚された学生たちだ」
「だが、あの学生たち、何か変じゃないか?」
「死んだ魚のような目をしているぞ」
「自我が無いような状態でござるな」
「うむ、我々も追放されなかったら、危なかった」
そんな親父たちをよそに一人の勇者が勢い良く聖剣を抜いて、人々は喝采した。
親父たちはその姿を見て、別に意味で驚いた。
なぜなら聖剣は日本刀だったからである。
こうして一通りの出立式を終えて、パレードは開始された。
パレードの順番は、先頭が勇者(学生)たち、二番目が王国の騎士団、三番目が教会の聖騎士団、四番目が魔法使いや弓使いなどの後方支援部隊、五番目が従者や野営追行者などの補給部隊、六番目が上級冒険者、最後にポーター集団である。
次々と祭壇のゲートを使って魔王の本拠地に向かって行ったが、最後のポーター集団の時に問題は起きた。
突然、ゲートが機能停止したからだ。
原因はすぐにわかった。なぜなら原因が自分から名乗り出た。
「ギヒヒヒヒ、このゲートは我グレムリンキングが破壊した」
体格が成人男性の半分くらいの緑のモンスターが登場したのだった。
親父たちは、勇者のパレードに便乗することにした。
目的はもちろん米、味噌、醤油の為である。
「うむ、それではこれから最終チェックを始める」
「拙者たちがあらかじめ調べたとおり、パレードは大通りを真っ直ぐ進んで、そのまま祭壇のゲートに入るルートだ」
「我々は、そのパレードに紛れ込んでゲートを通る手筈になっているでござる」
「だが、大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。冒険者たちもかなりの人数が同行する事になっている」
「うむ、我々は冒険者たちをサポートするポーターと呼ばれる運搬者になって、堂々とゲートを通ればいいだけだ」
「冒険者ギルドを通さずに、上級冒険者パーティーが直接ポーターを雇うことはあるらしいからな」
「冒険者ギルドも上級冒険者に対しては黙認しているでござる」
「しかし」
「しかし、なんだ軍曹」
「自分の経験からいって、あらかじめ入念に調べ、計画して今日という日しかないた時ほど予測不能な事態になる事があります」
「うむ、確かにわたしが大学で実験をした時にも、そのようなケースがあったな」
「儂も、スタントマンをしていた時にそんな経験があったでござる」
「確かに、拙者がVIPの警備に駆り出された時に突発的なトラブルが……」
「そういえば、わしも試合の前の日に酒を飲んでいる時に……」
「「「「もう酔っ払いネタはいい(でござる)」」」」
ブドウにツッコミを入れる親父たちであった。
しかし、この時の軍曹の予感は、この後最悪の形で的中するのだった。
スタートの街は勇者たちのパレードを一目見ようとする人々で混雑していた。
そんな中、親父たちは運良く冒険者たちが雇ったポーターの集団に紛れ込むことに成功し、今や遅しとその時を待っていた。
「教授、思ったより簡単に紛れ込めたな」
「うむ、予想以上にポーターの数が多かった」
「しかし、油断は禁物であります」
「確かに、どこに教会の刺客がいないとも言えないからな」
「今の所、怪しい気配はないでござる」
そう言って用心している親父たちをよそに出立式が開始された。
壇上の上には、この世界で初めて会ったヒイロ司祭がいた。
「おい、あれって神殿で会った時の坊さんじゃないか?」
「うむ、確かにそうの通りだ」
「鼻が天狗にみたいに長くなっている気がする」
「自分にもそう見えます」
「調子に乗っているでござるな」
長ったらしい演説の後、勇者たちが登場した。
「やっぱり、勇者は一緒に召喚された学生たちだ」
「だが、あの学生たち、何か変じゃないか?」
「死んだ魚のような目をしているぞ」
「自我が無いような状態でござるな」
「うむ、我々も追放されなかったら、危なかった」
そんな親父たちをよそに一人の勇者が勢い良く聖剣を抜いて、人々は喝采した。
親父たちはその姿を見て、別に意味で驚いた。
なぜなら聖剣は日本刀だったからである。
こうして一通りの出立式を終えて、パレードは開始された。
パレードの順番は、先頭が勇者(学生)たち、二番目が王国の騎士団、三番目が教会の聖騎士団、四番目が魔法使いや弓使いなどの後方支援部隊、五番目が従者や野営追行者などの補給部隊、六番目が上級冒険者、最後にポーター集団である。
次々と祭壇のゲートを使って魔王の本拠地に向かって行ったが、最後のポーター集団の時に問題は起きた。
突然、ゲートが機能停止したからだ。
原因はすぐにわかった。なぜなら原因が自分から名乗り出た。
「ギヒヒヒヒ、このゲートは我グレムリンキングが破壊した」
体格が成人男性の半分くらいの緑のモンスターが登場したのだった。
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