異世界親父騒動記

マサカド

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第一章 親父たち追放される

親父たち、追放と言う名のターニングポイント

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 親父たちは粗末な装備と僅かばかりの金の入った袋を渡されて追放された。
 ある程度の常識として、デストロイの街に行けたば、冒険者ギルドがあり、そこで冒険者になれば身分証を手に入れると教えて貰い、装備に着替えて、親父たちは旅立った。

 聖職者集団に所属していた若き聖職者は老いて、この時の事を聞かれたさいにこう言った。
「今にして思えば、あの時の選択が破滅へのターニングポイントだった」
 と、そう語りかけた。
 もしも称号だけでなく、他の部分も鑑定もしていたら、追放の選択肢はなかっただろう。
 しかし聖職者集団は思い違いをしていた。
 勇者の称号が無い親父たちでさえ、兵士達を死屍累々にかえる力があったのだから、勇者の称号を持った学生たちはそれ以上の力があるだろうと、親父たちを追放する事は、野に虎を放つことでなく、野に破壊神を放つことにひとしい行為であることに気づかないまま破滅していくのだった。
 
 一方、そんな聖職者たちの思惑に気づきながら、騙された振りをして親父たちは街に向かっていたが、途中で聖職者たちやそれに類する気配がないことを確認にして休憩をとった。
「抜けだせましたね」
「抜けだせた」
「戦場離脱」
「脱出成功」
「どうゆうことだね?」
 教授の工機 学以外は学生たちを見捨てた形で、自由になった事を喜んでいる。
「では休憩も兼ねてやる事をやっておこう」
「そうですね」
「そうそう」
「肯定だ」
「やっておかないとね」
「何をだ。何をやっておかないといけないのだ」
 またして、場の空気が読めないのは工機 学だった。
「「「「自己紹介」」」」
「それ」
 やっと理解できたのか、工機 学も納得した。
「では本官いや、わしから警察官の安土 警太郎」
「格闘家の家道 武だ」
「スタントマンの草野 半蔵」
「自分は、自衛官の防人 衛」
「T大学教授の工機 学」
「「「「……」」」」 
 なぜか、工機 学だけが疑いの眼差しを向けられるのだった。
 そんな反応もある中で、親父たちは自分の身の上話を始めた。
 全員が既婚者で、子供がいるとの事。
 そして全員が召喚された時、学生たちが在学していた学校の周りにいたことが、証明されたのだった。
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