39 / 51
番外編
モフレース2023
しおりを挟む
モフレース。
それはモフモフした獣をモフりながらゴールを目指す競技。
そんな不毛な競技に俺は解説役として参加させられていた。
「シンタローさん!なぜ?独り言を言っているんですか!」
「エドモント!おかしいと思わないのか?」
「何がです?」
「俺が解説で、エドモントは実況!ノエルとミスターはレースの参加者。モフちゃんはゴールの旗振り兼優勝トロフィーがわりで、この競技に参加させられていることが!」
「仕方ありませんよ!作者がB級映画のデスレース20○0をヒントに今回のレースを思いついたんですから」
「パクリじゃないか!しかもオブラートで隠す気もない!」
そんな会話をしている中、選手たちがスタート地点に集まってきた。
参加者は三人。
勇者見習いノエル。
自称モフモフマスターを目指すオ・ト・コ。ミスターモフモフ。
最後の一人は魔王バステルン。
「あの魔王も参加するのか!」
「これは波乱の予感しかありませんね!シンタローさん!」
「モフちゃんを巡って、醜い争いを見せられるのか……このレースって、確か競技中に獣をモフモフすれはランクに応じてポイントが与えられる仕組みだったはずだが……」
「そうですよ!そしてプラスタイムで順位が決まる競技になっています!」
エドモントの言葉に俺は頭を抱えた。
「シンタローさん!どうしたんですか?」
「エドモント!気づかないのか?」
「何がです?」
「このレース、裏を返せば、獣たちを犠牲にする競技だぞ!」
「い、言われてみれば、確かにまずいですね……」
「何とか中止にできないか?」
「無理です!」
「なぜ?」
「全員が、もうスタートしましたから!」
こうしてスタートしたモフレースは泥沼と化していた。
魔王バステルンが配下のコボルトたちを使って、ノエルとミスターの妨害という名の犠牲になり、ノエルが野生の熊やイノシシを抱きしめたことにより、口から泡を吐き、ミスターモフモフが分身したのかと思うほど高速で動き回り、ポイントを稼いだ。
その結果。
全員の順位は、同じだった。
「タイムとポイントを集計したらこうなりました!」
「無駄な奇跡を起こしやがった!この場合はどうなるんだ?」
「モフちゃんさんに決めてもらうことになるそうです!」
「モフちゃんに押し付けるなんて、主催者たちは無責任だな!」
そのモフちゃんが俺達の所にやってきて、俺の頭の上に乗っかった。
「エドモント!これって、もしかして……」
「シンタローさんが優勝者ですね!」
「キュ!」
エドモントの言葉に反応するモフちゃん。
これでいいのか?
反省会
シンタロー「そういえば、モフミちゃんはどうしたんだ?」
エドモント「一番最初に犠牲になって、今は他の犠牲者さんたちと共にモフちゃんさんに癒してもらっています!」
シンタロー「そうか!できれば、あいつらを宥めて、もらいたかったんだがな……」
シンタローの見つめる先には殺意の丸出しのノエルとミスターモフモフとバステルンがいた。
それはモフモフした獣をモフりながらゴールを目指す競技。
そんな不毛な競技に俺は解説役として参加させられていた。
「シンタローさん!なぜ?独り言を言っているんですか!」
「エドモント!おかしいと思わないのか?」
「何がです?」
「俺が解説で、エドモントは実況!ノエルとミスターはレースの参加者。モフちゃんはゴールの旗振り兼優勝トロフィーがわりで、この競技に参加させられていることが!」
「仕方ありませんよ!作者がB級映画のデスレース20○0をヒントに今回のレースを思いついたんですから」
「パクリじゃないか!しかもオブラートで隠す気もない!」
そんな会話をしている中、選手たちがスタート地点に集まってきた。
参加者は三人。
勇者見習いノエル。
自称モフモフマスターを目指すオ・ト・コ。ミスターモフモフ。
最後の一人は魔王バステルン。
「あの魔王も参加するのか!」
「これは波乱の予感しかありませんね!シンタローさん!」
「モフちゃんを巡って、醜い争いを見せられるのか……このレースって、確か競技中に獣をモフモフすれはランクに応じてポイントが与えられる仕組みだったはずだが……」
「そうですよ!そしてプラスタイムで順位が決まる競技になっています!」
エドモントの言葉に俺は頭を抱えた。
「シンタローさん!どうしたんですか?」
「エドモント!気づかないのか?」
「何がです?」
「このレース、裏を返せば、獣たちを犠牲にする競技だぞ!」
「い、言われてみれば、確かにまずいですね……」
「何とか中止にできないか?」
「無理です!」
「なぜ?」
「全員が、もうスタートしましたから!」
こうしてスタートしたモフレースは泥沼と化していた。
魔王バステルンが配下のコボルトたちを使って、ノエルとミスターの妨害という名の犠牲になり、ノエルが野生の熊やイノシシを抱きしめたことにより、口から泡を吐き、ミスターモフモフが分身したのかと思うほど高速で動き回り、ポイントを稼いだ。
その結果。
全員の順位は、同じだった。
「タイムとポイントを集計したらこうなりました!」
「無駄な奇跡を起こしやがった!この場合はどうなるんだ?」
「モフちゃんさんに決めてもらうことになるそうです!」
「モフちゃんに押し付けるなんて、主催者たちは無責任だな!」
そのモフちゃんが俺達の所にやってきて、俺の頭の上に乗っかった。
「エドモント!これって、もしかして……」
「シンタローさんが優勝者ですね!」
「キュ!」
エドモントの言葉に反応するモフちゃん。
これでいいのか?
反省会
シンタロー「そういえば、モフミちゃんはどうしたんだ?」
エドモント「一番最初に犠牲になって、今は他の犠牲者さんたちと共にモフちゃんさんに癒してもらっています!」
シンタロー「そうか!できれば、あいつらを宥めて、もらいたかったんだがな……」
シンタローの見つめる先には殺意の丸出しのノエルとミスターモフモフとバステルンがいた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたぼっちはフェードアウトして農村に住み着く〜農耕神の手は救世主だった件〜
ルーシャオ
ファンタジー
林間学校の最中突然異世界に召喚された中学生の少年少女三十二人。沼間カツキもその一人だが、自分に与えられた祝福がまるで非戦闘職だと分かるとすみやかにフェードアウトした。『農耕神の手』でどうやって魔王を倒せと言うのか、クラスメイトの士気を挫く前に兵士の手引きで抜け出し、農村に匿われることに。
ところが、異世界について知っていくうちに、カツキは『農耕神の手』の力で目に見えない危機を発見して、対処せざるを得ないことに。一方でクラスメイトたちは意気揚々と魔王討伐に向かっていた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
異世界で黒猫君とマッタリ行きたい
こみあ
ファンタジー
始発電車で運命の恋が始まるかと思ったら、なぜか異世界に飛ばされました。
世界は甘くないし、状況は行き詰ってるし。自分自身も結構酷いことになってるんですけど。
それでも人生、生きてさえいればなんとかなる、らしい。
マッタリ行きたいのに行けない私と黒猫君の、ほぼ底辺からの異世界サバイバル・ライフ。
注)途中から黒猫君視点が増えます。
-----
不定期更新中。
登場人物等はフッターから行けるブログページに収まっています。
100話程度、きりのいい場所ごとに「*」で始まるまとめ話を追加しました。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる