異世界でクライムアクション―噛み合わない争い―

第二章 勇者の花嫁 魔王の花婿

第十一話 モンスター（?）現る

前回までのあらすじ
ノエルの故郷に向かうシンタロー一行。

　ノエルの故郷に向かって旅をする俺達は、二体の魔物と出くわした。
「エドモント！この魔物はなんだ？」
「コボルトと呼ばれている魔物ですよ！犬の頭が特徴です！」
「確かに犬の頭だけど、小型犬並みに小さいな！」
「コボルトはこれが普通の大きさですよ！」
　コボルト達は、怯えた顔で、震える手にした槍を向けていた。
「それに何で？こんなに怯えているんだ！」
「確かにおかしいですね？コボルトは臆病な魔物ではないんですが？」
「「モフモフ!!」」
　俺とエドモントは後ろを振り返った。
　そこには鼻息を荒くし、手をわきわきさせているノエルとミスターモフモフがいた。
　その瞬間。俺達は理解した。
　コボルト達は本能的にノエルとミスターモフモフが危険だと察していることを。
　俺達が再度コボルト達を見ると、コボルト達は逃げた。
　だが、ノエルとミスターモフモフに回り込まれた。
　普通は逆じゃないのか？
　モフモフハンターのモンスターと化したノエルとミスターモフモフが怯えるコボルト達に襲いかかろうとしたが間にモフちゃんが入って、二人の動きを止めた。
　俺とエドモントはその隙を逃さずに二人を羽交い絞めにした。
「ノエル！馬鹿なことはやめろ！」
「ミスターモフモフさんも落ち着いてください！」
「離して！シンタロー！モフちゃんが人質にとられているんだよ！」
「そうよ！あのモフモフ達は、モフちゃんを人質にする悪い子ちゃん！あたしのモフモフパワーでよい子ちゃんにして、ア・ゲ・ル！」
　ノエルとミスターモフモフの言葉に反応して、ますます怯えるコボルト達。
「モフちゃんは人質になんかなっていない！お前たちの魔の手からあのワンワン達を守っているだけだ！」
「嘘だ！ぼく達から見えない場所でナイフを突き立ってモフちゃんを脅しているんだ！」
「なんですって！それなら身ぐるみ剥いで、お腹のモフモフを堪能しなければならないわよ！」
　コボルト達は尻尾を股の間に挟んで怯えている。
　モフちゃんにナイフを突き立てる余裕なんかどこにもない。
　むしろ、ミスターモフモフの方が性犯罪者にしか見えない。
　この後、コボルト達はモフちゃんとモフミちゃんの手によって逃がされたが、ノエルとミスターモフモフを宥めるためにモフちゃんとモフミちゃんがその身を犠牲にしてモフモフされるのだった。

反省会
シンタロー「ミスターモフモフは同性でもセクハラは成立すると知らないのか？」
エドモント「シンタローさん！セクハラってなんですか？」
シンタロー「そこから説明することになるのか……」