48 / 51
第二章 勇者の花嫁 魔王の花婿
第九話 奇妙な友情
しおりを挟む
前回までのあらすじ
進退窮まったシンタローたちにミスターモフモフが襲い掛かる。
ミスターモフモフによってモフちゃんが汚される………………ことはなかった。
俺達の前に魔王バステルンの手下である魔物たちがスクラムを組み、ミスターモフモフをブロックした。
「「「「「冒険者さん!この変態は私達が防ぎます!だから、早く!お逃げください!」」」」」
「お、お前たち……」
普通ならここで奇妙な友情と捉えて感謝するところだが、俺から出た言葉は違うものだった。
「ノエルと魔王を防ぐことができなかったのか?」
「「「「「すみません!!!」」」」」
「どういうことですか?シンタローさん!」
「モフちゃんをぬいぐるみとすり替えたのがばれたんだ!走るぞ!」
「はい!」
そう言って、俺達は魔王バステルンの城から逃げだした。
◇
三日後。
とある町の冒険者ギルド兼酒場のテーブルで俺達はダウンしていた。
「やっと手続きが終わった!」
「お疲れ様です!シンタローさん!」
「エドモントも手紙の代筆すまなかったな!」
「論文書くのに慣れていますから、それはたいしたことはないんですが、問題なのかアレですよ!」
「確かにアレだな!」
俺達が座っているテーブルを挟んで、モフちゃんを抱き締めているご機嫌なノエル。
「モフモフモフモフモフモフ~♪」
それを見て嫉妬しているミスターモフモフ。
「キーーーーーーーーーーー!」
その横でぐったりとしているモフミちゃんがいた。
「……………」
はっきり言って、カオスな状況だ。
「しかし、よくノエルさんとモフミちゃんさんと合流することができましたね!」
「ノエル曰く、モフちゃんレーダーを使えば、どんなにモフちゃんと離れていても、居場所がわかるそうだ!」
「あたしにだって、モフモフレーダーが備わっているわよ!」
(何と張り合っているんだ!このおっさんは?)と言いたい事を胸の内に仕舞い込んで、ミスターモフモフに問いただした。
「なぜ、あんたがここにいるんだ?ミスターモフモフ!」
「それは簡単よ!あたしもあなた達のパーティーに入るわ!」
「「なぜ?」」
「あなた達といれば、新たなモフモフ達と出会う事が出来るとあたしの第六感が言っているのよ!」
(迷惑だ!)と俺は思った。
「それは無理ですよ!」
俺より先にエドモントは返事した。
「あら、なぜなの!」
「このパーティーは勇者見習いであるノエルさんのパーティーだからです!ノエルさんに決定権がある以上はノエルさんが許可しないとはいることはできません!」
エドモントの正論に俺は確信した。
この変なおっさんはパーティーに加わることはないと思ったが、その希望はあっさり打ち砕かれた。
「それなら大丈夫よ!許可は貰っているわ!」
「「え!」」
俺達は驚いて、いまだにモフちゃんをモフモフしているノエルに問いただした。
「うん!オーケーしたよ!」
「なぜ?オーケーしたんだ!あのおっさんはモフちゃんの事を狙っているのに?」
「だって、あのおばさんの魔の手からモフちゃんを守るためだよ!」
「おばさんって、魔王バステルンの事か?」
「そうだよ!あのおばさんが、等身大モフちゃんぬいぐるみを壊したんだよ!」
「それって、お前と魔王がぬいぐるみを引っ張り合って壊したんじゃないのか?」
「違うよ!あのおばさんがモフちゃんぬいぐるみを離さないのが悪いんだよ!」
俺は心の中で「駄目だ、こりゃ」と呟いた。
「ノエルさん!なぜミスターモフモフさんを仲間に加えることがモフちゃんさんを守ることにつながるんですか?」
「取引したからだよ!」
「取引ですか?」
「うん!モフミちゃんをモフモフさせる代わりにモフちゃんをモフモフしないことと守ることを誓わせたんだよ!」
「ノエル!大丈夫なのか?」
「失礼しちゃうわ!人のモフモフを奪うような人にあたしが見えるの!!」
本人はそういっているが、俺にはミスターモフモフが一度狙った獲物は逃がさない鷹にしか見えなかった。
こうして、ノエルとミスターモフモフの奇妙な友情により、ミスターモフモフがパーティーに加わった。
シンタロー「そういえばミスターモフモフの本名知らないな!」
エドモント「そうですね!」
ミスターモフモフ「モフオ・モフーダよ!」
シンタロー&エドモント「…………………」
進退窮まったシンタローたちにミスターモフモフが襲い掛かる。
ミスターモフモフによってモフちゃんが汚される………………ことはなかった。
俺達の前に魔王バステルンの手下である魔物たちがスクラムを組み、ミスターモフモフをブロックした。
「「「「「冒険者さん!この変態は私達が防ぎます!だから、早く!お逃げください!」」」」」
「お、お前たち……」
普通ならここで奇妙な友情と捉えて感謝するところだが、俺から出た言葉は違うものだった。
「ノエルと魔王を防ぐことができなかったのか?」
「「「「「すみません!!!」」」」」
「どういうことですか?シンタローさん!」
「モフちゃんをぬいぐるみとすり替えたのがばれたんだ!走るぞ!」
「はい!」
そう言って、俺達は魔王バステルンの城から逃げだした。
◇
三日後。
とある町の冒険者ギルド兼酒場のテーブルで俺達はダウンしていた。
「やっと手続きが終わった!」
「お疲れ様です!シンタローさん!」
「エドモントも手紙の代筆すまなかったな!」
「論文書くのに慣れていますから、それはたいしたことはないんですが、問題なのかアレですよ!」
「確かにアレだな!」
俺達が座っているテーブルを挟んで、モフちゃんを抱き締めているご機嫌なノエル。
「モフモフモフモフモフモフ~♪」
それを見て嫉妬しているミスターモフモフ。
「キーーーーーーーーーーー!」
その横でぐったりとしているモフミちゃんがいた。
「……………」
はっきり言って、カオスな状況だ。
「しかし、よくノエルさんとモフミちゃんさんと合流することができましたね!」
「ノエル曰く、モフちゃんレーダーを使えば、どんなにモフちゃんと離れていても、居場所がわかるそうだ!」
「あたしにだって、モフモフレーダーが備わっているわよ!」
(何と張り合っているんだ!このおっさんは?)と言いたい事を胸の内に仕舞い込んで、ミスターモフモフに問いただした。
「なぜ、あんたがここにいるんだ?ミスターモフモフ!」
「それは簡単よ!あたしもあなた達のパーティーに入るわ!」
「「なぜ?」」
「あなた達といれば、新たなモフモフ達と出会う事が出来るとあたしの第六感が言っているのよ!」
(迷惑だ!)と俺は思った。
「それは無理ですよ!」
俺より先にエドモントは返事した。
「あら、なぜなの!」
「このパーティーは勇者見習いであるノエルさんのパーティーだからです!ノエルさんに決定権がある以上はノエルさんが許可しないとはいることはできません!」
エドモントの正論に俺は確信した。
この変なおっさんはパーティーに加わることはないと思ったが、その希望はあっさり打ち砕かれた。
「それなら大丈夫よ!許可は貰っているわ!」
「「え!」」
俺達は驚いて、いまだにモフちゃんをモフモフしているノエルに問いただした。
「うん!オーケーしたよ!」
「なぜ?オーケーしたんだ!あのおっさんはモフちゃんの事を狙っているのに?」
「だって、あのおばさんの魔の手からモフちゃんを守るためだよ!」
「おばさんって、魔王バステルンの事か?」
「そうだよ!あのおばさんが、等身大モフちゃんぬいぐるみを壊したんだよ!」
「それって、お前と魔王がぬいぐるみを引っ張り合って壊したんじゃないのか?」
「違うよ!あのおばさんがモフちゃんぬいぐるみを離さないのが悪いんだよ!」
俺は心の中で「駄目だ、こりゃ」と呟いた。
「ノエルさん!なぜミスターモフモフさんを仲間に加えることがモフちゃんさんを守ることにつながるんですか?」
「取引したからだよ!」
「取引ですか?」
「うん!モフミちゃんをモフモフさせる代わりにモフちゃんをモフモフしないことと守ることを誓わせたんだよ!」
「ノエル!大丈夫なのか?」
「失礼しちゃうわ!人のモフモフを奪うような人にあたしが見えるの!!」
本人はそういっているが、俺にはミスターモフモフが一度狙った獲物は逃がさない鷹にしか見えなかった。
こうして、ノエルとミスターモフモフの奇妙な友情により、ミスターモフモフがパーティーに加わった。
シンタロー「そういえばミスターモフモフの本名知らないな!」
エドモント「そうですね!」
ミスターモフモフ「モフオ・モフーダよ!」
シンタロー&エドモント「…………………」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
三国志演技の世界に転生?いや神隠し?
熊暁 翔帥
ファンタジー
夜自転車でコンビニ行き帰り道に道路の落下物にいたらどこ?という場所に、
しばらく行くとスプラッターな殺人現場が、髭達磨のおじさんを助けようと7キロ近いリュックをそのままフルスイングしおじさんを助けると、
おじさん誰ですか?曹操!?
と言う感じに、曹操と出会うことで異変に気づく。
転生猫耳少女の異世界クライムサスペンス
ウルティ
ファンタジー
主人公フィルが住まう街は、永世中立都市《ショールバード》。
人口百万人を超すこの街では、日夜、数多の事件が引き起こされていた!
魔術結社や裏ギルド、マフィアに憲兵隊、そして、各国の思惑が蠢く陰の世界。混沌とした事件の大海を、彼女は狡猾に掻き分ける!!
チートは無し!ざまぁ皆無!ハーレム滅亡しろ!!《異世界人》に強キャラヒーロー等、愉快な悪友達を巻き込む”異世界クライムサスペンス”がここに爆誕!!!
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる