異世界でクライムアクション―噛み合わない争い―

マサカド

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第一章 勇者誕生

第二十六話 ナイトメアの悪夢3

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前回までのあらすじ
夢の中でナイトメアのヌエメアの襲撃を受けたシンタロー。
しかし、夢の中での記憶がないため、しゃべる黒い馬としか認識できていない為、敵とは認識できなかった上にヌエメアの最後の言葉が気になるためにパンダもどきモフミちゃん(仮名)を尋問することにした。

 朝。
 パンダもどきのモフミちゃん(仮名)の尋問は速攻で終わった。
 エドモントの「朝ごはんを食べさせませんよ」の一言であっさりと自分の知っていることを自白した。
 パンダもどきモフミちゃん(仮名)の証言によれば、さっき見た黒い物体と化したナイトメアのヌエメアと言って、相手の夢の中に入って、精神を攻撃するモンスターで、パンダもどきのモフミちゃん(仮名)はその使い魔。
俺達に命令で近づこうとしたが、ノエルによって犬神家と化した山賊のおっさんに運悪く捕まりそうになり、逃げていた所を俺に攻撃され、今に至る。
「肝心の黒い物体が言っていた『無手の勇』に関しては何も知らないとは……」
「仕方がありませんよシンタローさん!それよりも私は他に気になることがあるんですが?」
「何だ?エドモント」
「ナイトメアのヌエメアはなぜ黒い物体と化していたのでしょうか?」
「それに関してはだんだんと思い出してきたから、俺が説明する!ヌエメアは俺の夢の中に入ったからだ!」
「…………どうゆう意味ですか?それは?」
「奴は俺が勇者だと思って、俺の夢の中に入ったんだが、俺がモフちゃんを抱きかかえて寝ていたから、モフちゃんまで俺の夢の中に入ってしまった」
「え!それって……」
「夢の中では何でもありだ!モフちゃんは特撮物などのヒーローに変身して、ヌエメアを倒したんだ!」
「つまり、モフちゃんさんはシンタローさんの夢の中で自分の願望とするヒーローになってヌエメアを倒したということですか!」
「正解だ!エドモント!」
「策士策に溺れるですね!」
「もっとも、俺にとって一番のダメージはモフちゃんが人の言葉をしゃべることだったから、ある意味でヌエメアは最後の最後で一矢報いたことになるのかな?」
「たぶん、それは私のせいですから、ヌエメアは関係ないと思いますよ」
「そうなのか?それよりも、ヌエメアが最後に言った言葉が気になるから、今夜から資料の塔を出して、『無手』について調べてくれないか?」
「わかりました!私の非常に気になるから調べてみます。だけどシンタローさん!我々が今しなければいけないことは」
「わかっている!パンケーキを焼くことだろう。メイプルシロップもたっぷり使っていいから、調べ物の方は頼むぞ!後、モフちゃんたちを起こしてくれ!」
「任せてください!」
 そう言って俺、パンケーキを焼いた。
 この後、新たな問題は起こるとも知らずに。

 十分後。
 俺たちは朝ごはんを食べていた。
 いつもと変わらない風景ではなかった。
 いつもなら「アーン」をするノエルの口にモフちゃんが朝ごはんと言う名の餌を運んでいるのだが、一匹から二匹に増えていた。
 そうパンダもどきのモフミちゃんもノエルの真似をして、「アーン」している。
 そのためモフちゃんは交互にノエルとパンダもどきの口に朝ごはんを運んでいる。
「雛鳥が一匹増えた!」
 俺の悪夢はまだ終わりそうもない。
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