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第一章 勇者誕生

第二十四話 ナイトメアの悪夢!

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前回までのあらすじ
特撮物とアニメが作り物だと教えられたエドモント。
ショックのあまりパントマイムのような驚きポーズのまま動かなくなった。
その事実から逃げるように眠るシンタローとモフちゃん。
しかし、そんな彼らに新たなる魔の手が…………。

 パンダもどきのモフミちゃんを抱き枕にして眠るノエル。
 驚きのポースのまま動かないエドモント。
 モフちゃんを抱きしめたまま寝袋で眠るシンタロー。
 そんな彼らを見つめている者がいた。
 一見すると黒い馬だが、悪夢を見せる魔物ナイトメアのヌエメア。
 エヌメアはターゲットが寝ていることを確認すると念話で使い魔に連絡を入れた。
(我が僕。聞こえるか?)
(Zzzzzz)
(起きんか!このバカ者がーーーーー!)
(ハ!エヌメア様!なぜ、そんなに怒っているんですか?)
(お前がいつまで経っても連絡を寄こさないだ!!(怒))
(連絡を入れたくても、今私は監視されていて、身動きが取れないんですよ!念話が使えるのなら目視できる場所からこちらを見ているからわかるでしょ!)
(小娘がくっついているだけだろうが!監視もクソもないだろうがーー!)
 この後、漫才のような会話を三十分ほど続けた魔物ことヌエメアと使い魔のモフミちゃん(仮名)はようやく本題に入った。
(ハァハァハァー…………それで、ヤツは眠っているのか?)
(はい!娘なら、あたしの腹の上で寝ています……ヨダレ流しながら……)
(違う!男の方だ!いい年してぬいぐるみを抱きしめている奴のことを言っているんだ!)
(この男ですか!気をつけてください!ただ者ではありません!)
(本当か!)
(出会った瞬間にいきなり攻撃されました!それにどこからともなく、食べ物を出しました!緑色の木(竹)でしたけど………)
(何!それでは間違いなく、奴はアレだな!)
(ヌエメア様はアレとは?)
(お前は知らなくていい!やはり私の仮説は正しかった!私はこれから奴の夢の中に入って奴を殺す!お前はそこから監視しろ!
(わかりました!)
 こうしてナイトメアのヌエメアはシンタローの夢の中に入って行った。
 そこがナイトメア(悪夢)であることも知らずに。

シンタローの夢の中
 俺は困惑していた。
 目覚めたら辺り一面砂漠だったからだ。
 エドモントもノエルもいない。
 あるのは寝袋と抱きしめていたモフちゃんだけ。
「キュ?」
 モフちゃんも目覚め、辺りの風景が変わったことに驚いていた。
 そんな俺達も元に黒い馬が現れた。
「フフフ……恐怖と困惑の表情を浮かべているな!無手の勇者よ!」
 モフちゃんの事を言っているようだ!
「お前は何者だ!」
「わしの名はヌエメア!貴様を殺す者だ!」
 俺はとっさにストレージから武器を取り出そうとしたが、できなかった。
「フン!何をしようとしたのか知らないが無駄だ!ここはお前の夢の中だ!精神がもっとも無防備になる場所!貴様の能力は使うことはできない。絶望して死ね!」
 そう言ってヌエメアは前足の蹄で俺のを蹴り殺そうとしたが、その前にモフちゃんが立ち塞がった。
「モフちゃん!」
 モフちゃんは手にもったペンライトを掲げた。
  その瞬間。あたりの風景は変わった。
「モフ!」
 モフちゃんが巨人になり、鳴き声が「キュ」から「モフ」に変わった。
 しかしもただ巨人化しただけではなく、赤白帽をつばが天辺になるようにかぶり、胸にはカラータイマー。
 さらに周りには昭和の特撮に使われたであろう建物のミニチュア。
 その状況に混乱するヌエメアもモフちゃんと同様に巨大化していた。
 バックミュージックと共にヌエメアと闘うモフちゃん。
「バックミュージックの歌詞のモフモフの国のモフトラマンって何?」
 俺の疑問を置いてけぼりにしてモフちゃんは光線を放ち、ヌエメアは爆発した。
 それと共に俺は光に包まれた。
 光が治まった後、また辺りの風景が変わった。
 今度は採石場。
 俺の目の前には馬の怪人!ヌエメアだろうか?
 ヌエメアは自分の体などを見て、また困惑していた。
 そんなヌエメアをよそにモフちゃんが高い所から登場。
 お腹には変身ベルトを装着して、ジャンプした。
 俺の予想通りナレーションの説明と共にモフちゃんは仮面モフダーに変身した。
 変身したモフちゃんは改造人間のコスプレをしていた。
「モフー!」
高いところでしっかり登場のポーズをとるモフちゃんこと仮面モフダー。
それが合図なのか?
ヌエメアも高い所にジャンプし、着地。
お互いに戦闘の構えを見せるが、二人(?)の間は百メートルも離れていた。
「モフ!」
 モフちゃんこと仮面モフダーは掛け声と共にジャンプしてキックを繰り出した。
 仮面モフダーの攻撃は当然届……………………いた。
「なんだ!このご都合主義は!」
 俺の疑問をよそに攻撃を受けたエヌメアは高い所から落ちたが、本人は無傷なのか?立ち上がったが、爆発した。
(最後の瞬間エヌメアはなぜ爆発したのか?疑問に思っただろうな)と、俺は心の中で思った。
勝利のポーズをとるモフちゃんこと仮面モフダーはそのまま三輪車にまたがってどこかに行ってしまった。
「今度モフちゃんにミニバイクを買ってあげよう!」
 そう、つぶやいた瞬間。
 俺はあることを悟った。
 光の巨人、改造人間とくれば次は…………。
 こうして俺はまた光に包まれた。
 光を治まった後、俺はプール付きの別荘にいた。
 突然プールの水は二つに分かれ、出てきたのは黒金の巨人。
「やっぱり!次は搭乗型二足歩行ロボットか!」
 そしてどこからともなく現れた飛行物体がロボットの頭部と合体した。
「絶対モフちゃんが中に乗っているな!」
 ロボットはポーズを取ると、バックミュージックが流れ始めた。
「スーパーロボット~♪モフジンガーZって!なに!語尾にZをつければかっこいいと思っているのか?」
 そのままモフちゃんを乗せたモフジンガーZは動きだした。
 動いた先には、当然の如く敵ロボット。
 メカになったヌエメアがいた。
 微動だにしないメカヌエメア。
 かすかに揺れているのは気のせいか?
 俺の疑問をよそにモフジンガーZは(バネ式)ロケットパンチで攻撃!
 おもちゃの技術だが、科学的には理に適っている仕掛けに思わず感心したが、俺はあることに気づいた。
(ハ!次の歌詞って……確か!)
 メカヌエメアに近付いたモフジンガーZはどこから取り出したのか熱した鉄板を当てた。
「★▽■◎▲☆◇~!」
 肉の焦げる匂いと共に声にならない声で叫び声をあげるメカヌエメア。
「もしかして中身は生身なのか!」
 どうやらヌエメアは巨大化した体を鉄板でコーティングした設定になっているようだ。
「なんなんだ?この拷問は?」
 そんな俺のツッコミに反応するように爆発するメカヌエメア。
 メカヌエメアが消滅したのを確認したモフジンガーZは俺の方を振り向き、話しかけた。
「シンタロー!」
「モフちゃんが喋ったーーーーーー!」
 そこで俺の意識は途切れた。
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