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第一章 勇者誕生
第二十話 追う者と追われる獣?
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前回までのあらすじ
シンタローを追放したヒンボー国では二つの問題を抱えている頃、シンタローはホットケーキ作り地獄を受けていた。
地獄のホットケーキ作りを終えて、モフモフ村を旅立って二時間後。
俺達は野営の準備をしていたが、空気は暗かった。
主にノエルとエドモントが負のオーラを出しまくっていた。
「シンタロー……ひどいよ……モフモフが……」
「シンタローさん……ひどいですよ……ホットケーキが……」
前者はノエル。
ホットケーキを食べてお腹一杯になり、モフちゃんたちに囲まれながら寝ている隙にモフモフ村から連れ出したことに対して、俺を恨んでいる。
後者はエドモント。
理由はノエルが暴走した時に一人だけ逃げ出したために、罰としてホットケーキ抜きしたことに対して、俺を恨んでいる。
普通に考えれば自業自得なのだが、この二人にそんな理屈は通じないが、一応、二人とも自分達が悪い事をしたと思っているのか?
俺に襲いかかってくることはなかった。
俺がそんな二人に対してできることと言えば、
「モフちゃん!あんな大人になってはいけません!」
反面教師として、モフちゃんに教えるくらいだった。
「キュル!」
モフちゃんは敬礼して、俺に答えてくれた。
本当にいい子だ。
そして、こんな時に限って……「キャアアアア!!」とトラブルはやって来るものだった。
「今のは女性の叫び声でしたね!」
さっきまで、負のオーラを不法投棄の如く垂れ流していたエドモントが言った。
「エドモント!切り替え早いな!」
「アンデットですから!さあ、助けに行きましょう!」
そう言って、エドモントが珍しく先頭に立って行動した。
この時、ノエルはまだ負のオーラを垂れ流したまま三角座りしたままであることに俺達は気づいていなかった。
叫び声の方へと向かうエドモントを追って、俺とモフちゃんは後を追いかけた。
そこで俺達は信じられないものを見た。
「助けて!殺される!」
追う者は典型的な山賊の格好をしていた。
それはいい。
問題は追われる者。
追われる者は人語を発する獣。
モフちゃんが通常のレッサーパンダくらいの大きさに対して、追われている獣はジャイアントパンダ並みの大きさであった。
「あれは?人語を発する巨大レッサーベアでしょうか?」
エドモントの疑問に、俺は無視して、ストレージからショットガンを取り出して、無言で弾を込め、目標に向かって引き金を引いた。
弾は見事に目標物の二つに当たった。
そう二つ。
追っている山賊と追われている獣にクリーンヒットした。
「し、シンタローさん……どうしたんですか?山賊はともかく、追われているレッサーベアまで殺すなんて、気でも狂ったんですか?」
「キュ?」
俺の行動に慌てるエドモントとモフちゃん。
「安心しろ。撃った弾はゴム弾だ。殺傷能力はゼロに等しい!」
「そうなんですか?」
「ああ、ただし痛いことには変わりがないがな!」
「シンタローさん。それはそれでひどいですよ!」
「キュル!」
エドモントの言葉に首を縦に振って、賛成するモフちゃん。
「あいつらの関係性がどういったものか、わからない以上はこの選択しかなかったから、仕方がないだろう!」
俺はそう言った山賊と獣を縛り上げ、野営地にもどることにした。
シンタローを追放したヒンボー国では二つの問題を抱えている頃、シンタローはホットケーキ作り地獄を受けていた。
地獄のホットケーキ作りを終えて、モフモフ村を旅立って二時間後。
俺達は野営の準備をしていたが、空気は暗かった。
主にノエルとエドモントが負のオーラを出しまくっていた。
「シンタロー……ひどいよ……モフモフが……」
「シンタローさん……ひどいですよ……ホットケーキが……」
前者はノエル。
ホットケーキを食べてお腹一杯になり、モフちゃんたちに囲まれながら寝ている隙にモフモフ村から連れ出したことに対して、俺を恨んでいる。
後者はエドモント。
理由はノエルが暴走した時に一人だけ逃げ出したために、罰としてホットケーキ抜きしたことに対して、俺を恨んでいる。
普通に考えれば自業自得なのだが、この二人にそんな理屈は通じないが、一応、二人とも自分達が悪い事をしたと思っているのか?
俺に襲いかかってくることはなかった。
俺がそんな二人に対してできることと言えば、
「モフちゃん!あんな大人になってはいけません!」
反面教師として、モフちゃんに教えるくらいだった。
「キュル!」
モフちゃんは敬礼して、俺に答えてくれた。
本当にいい子だ。
そして、こんな時に限って……「キャアアアア!!」とトラブルはやって来るものだった。
「今のは女性の叫び声でしたね!」
さっきまで、負のオーラを不法投棄の如く垂れ流していたエドモントが言った。
「エドモント!切り替え早いな!」
「アンデットですから!さあ、助けに行きましょう!」
そう言って、エドモントが珍しく先頭に立って行動した。
この時、ノエルはまだ負のオーラを垂れ流したまま三角座りしたままであることに俺達は気づいていなかった。
叫び声の方へと向かうエドモントを追って、俺とモフちゃんは後を追いかけた。
そこで俺達は信じられないものを見た。
「助けて!殺される!」
追う者は典型的な山賊の格好をしていた。
それはいい。
問題は追われる者。
追われる者は人語を発する獣。
モフちゃんが通常のレッサーパンダくらいの大きさに対して、追われている獣はジャイアントパンダ並みの大きさであった。
「あれは?人語を発する巨大レッサーベアでしょうか?」
エドモントの疑問に、俺は無視して、ストレージからショットガンを取り出して、無言で弾を込め、目標に向かって引き金を引いた。
弾は見事に目標物の二つに当たった。
そう二つ。
追っている山賊と追われている獣にクリーンヒットした。
「し、シンタローさん……どうしたんですか?山賊はともかく、追われているレッサーベアまで殺すなんて、気でも狂ったんですか?」
「キュ?」
俺の行動に慌てるエドモントとモフちゃん。
「安心しろ。撃った弾はゴム弾だ。殺傷能力はゼロに等しい!」
「そうなんですか?」
「ああ、ただし痛いことには変わりがないがな!」
「シンタローさん。それはそれでひどいですよ!」
「キュル!」
エドモントの言葉に首を縦に振って、賛成するモフちゃん。
「あいつらの関係性がどういったものか、わからない以上はこの選択しかなかったから、仕方がないだろう!」
俺はそう言った山賊と獣を縛り上げ、野営地にもどることにした。
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