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第一章 勇者誕生
第八話 決戦前夜
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念願のサバイバルカーを手に入れたシンタロー。
サバイバルカーの機動力で一気に魔王の城がある山の麓に着いたが、そこで立ち往生した。
「着いた!」
「「「…………」」」
魔王の城が見えるところまで来たのに俺以外は全員無言だった。
なぜか?
答えは簡単。
車酔いしたからだ………………エドモントが!
「なぜアンデットなのに車酔いするんだ?しかも助手席に座っていたのに?」
「シンタローさん。吐きたいのに吐けない状況になっています。なんとかなりませんか?」
地面に倒れてたままエドモントが聞いてきた。
「じゃあ、車酔いに効くツボを押そうといってもエドモントにはツボがなかったな」
「アンデッドですから!」
「しかたがないアレを使うか!」
そう言って俺はSHOPからポイントと交換して、薬とミネラルウォーターを購入した。
「この薬を水と一緒に飲めば、楽になるはずだ!人間なら」
「この薬って毒ですか?」
「違う!酔い止めの薬だ!なぜ毒という発想になるんだ!」
「だって、シンタローさんが人間なら楽になるって言うから、てっきりそういう薬だと思ったんです」
「その発想に辿り着くエドモントの考え方が俺は恐ろしいよ」
そんな俺の言葉を無視してエドモントは薬と水を飲んで、速攻で治った。
「シンタローさん!この薬すごいですね。あっという間に治りました」
「おかしいな?そんなにすぐ効くはずないんだが?」
「あれ?そういえば、ノエルさんとモフちゃんさんはどこですか?」
「モフちゃんとノエルなら車の屋根に設置されているルーフテントで寝ている」
「寝ているんですか?」
「車の中で興奮しまくっていたからな。晩飯ができたら起こす」
「魔王の城に行かないんですか?」
「もうすぐ日が暮れるし、エドモントは車酔い、モフちゃんとノエルはお昼寝していたから、これ以上の先に進むことはできないから、ここで野営することにしたんだ」
「最後の晩餐ですか?」
「エドモント!不吉な事を言うな!」
俺はテントを設置し、ご飯を用意した。
一時間後。
カツレツを人数分用意できた俺は声をかけた。
「ご飯ができたぞ!」
俺の一言と共に四人が来た。四人?
「番号!」
「キュー(一)!」
「二!」
「三!」
「四!」
「誰だ!お前!」
いつの間にか、知らない人が混ざっていた。
「どうも!すいません!美味しそうな匂いにつられて、つい来てしまいました」
「本当に誰なんだ?お前!」
「怪しい者じゃありません。魔王の城に食料などの物資を届け来た商人です!」
「充分怪しい奴だろうが、こんな所までくる人間なんて、そうはいないだろうが!」
「シンタローさん!言葉のブーメランになっていますよ!」
「そうだよシンタロー!偏見はよくないよ!」
俺はエドモントとノエルにツッコミという名の攻撃を受けて、思考が停止した。
「疑う気持ちはわかりますが、これも商売なんです!客を選べるほど余裕がないんですよ」
「百歩譲って、この商人の言うことを信じるとして、なんで俺達の晩御飯にいるんだ?」
「そこにある美味しいそうご飯を食べさせてくれるなら魔王城での出来事を話しますがどうでしょうか?」
「いらん。さっさと立ち去れ!」
俺の一言に、信じられないと言う表情になった商人。
「シンタロー。いくら何でも冷たすぎるよ!」
「そうですよシンタローさん。ここは情報を手に入れるのが定石ですよ!」
「魔王の手先を信じる方がおかしいだろう!」
「「あ!」」
俺の一言にノエルとエドモントは納得し、商人は怒った。
「し、失礼な!魔王とは取引相手名だけで手先ではありません!」
「その取引相手を裏切る奴を信用できないと言っているんだ。それに商人が取引相手を裏切ると言うことは魔王の城の中で何か混乱が起きているんだろう」
「いいえ、そんなことはありませんよ!」
商人はポーカーフェイスだったが、俺にはそれが嘘だとわかった。
モフちゃんの方を見ると同じ考えなのか?頭を上下に振っていた。
「で、その情報って何だ?」
「ですから、そこにある料理を頂ければ、話します」
「そこにあるカツレツを?」
「ええ、そうです!」
俺は、無言で自分の分のカツレツを商人に渡した。
「情報を吐いてもらおうか?」
「食べた終わったら話します」
しかし商人はカツレツを食べた終えた後、文字通り煙に包まれて消えた。
「逃げたか」
「商人が逃げた!」
「シンタローさん!商人が逃げましたよ!何でそんなに冷静なんですか?」
「最初から予想していたからな。それにカツレツやらないと、いつまでも付きまとってきそうだったからな」
「そうなんですか?」
「ああ、それにあの商人の様子から魔王の城で何かあったのは確かなようだからな」
「じゃあ、ご飯食べたらすぐに魔王の城に乗り込むこもうよ」
珍しくノエルが提案したが、「夜の山登りは危険が多すぎるから駄目だ!」と俺は却下しし、自分のカツレツを作り始めた。
夕食後、納得いかないノエルをモフちゃんがモフモフしっぽ攻撃でなだめながら、ルーフテントに誘導し、そのまま二人は寝てしまった。
俺は様子を見た後、しばらくの間、焚火を眺めていた。
「シンタローさん。眠れないんですか?」
心配そうにエドモントが声をかけてきた。
「いや、緊張で眠れないわけではないんだ!」
「では、なぜですか?見張りなら私がしますんで、ゆっくり休んでください」
「ありがとう。でもここに来るまでに色々あったらから、物思いに耽っていただけだ」
「と言いますと?」
「俺はこの世界に召喚されて、召喚された国から追放されたのに皮肉にも一番早く魔王の元に向かおうとしているから、色々と考えてしまったのさ」
「確かに、シンタローさんの馬なし馬車は速かったですからね!」
「サバイバルカーだ。だがエドモントの言うとおり、休むことにしよう。見張りをよろしく頼む」
「アンデッドですから、居眠りしないのでまかせてください」
俺は横になり目を閉じた。
サバイバルカーの機動力で一気に魔王の城がある山の麓に着いたが、そこで立ち往生した。
「着いた!」
「「「…………」」」
魔王の城が見えるところまで来たのに俺以外は全員無言だった。
なぜか?
答えは簡単。
車酔いしたからだ………………エドモントが!
「なぜアンデットなのに車酔いするんだ?しかも助手席に座っていたのに?」
「シンタローさん。吐きたいのに吐けない状況になっています。なんとかなりませんか?」
地面に倒れてたままエドモントが聞いてきた。
「じゃあ、車酔いに効くツボを押そうといってもエドモントにはツボがなかったな」
「アンデッドですから!」
「しかたがないアレを使うか!」
そう言って俺はSHOPからポイントと交換して、薬とミネラルウォーターを購入した。
「この薬を水と一緒に飲めば、楽になるはずだ!人間なら」
「この薬って毒ですか?」
「違う!酔い止めの薬だ!なぜ毒という発想になるんだ!」
「だって、シンタローさんが人間なら楽になるって言うから、てっきりそういう薬だと思ったんです」
「その発想に辿り着くエドモントの考え方が俺は恐ろしいよ」
そんな俺の言葉を無視してエドモントは薬と水を飲んで、速攻で治った。
「シンタローさん!この薬すごいですね。あっという間に治りました」
「おかしいな?そんなにすぐ効くはずないんだが?」
「あれ?そういえば、ノエルさんとモフちゃんさんはどこですか?」
「モフちゃんとノエルなら車の屋根に設置されているルーフテントで寝ている」
「寝ているんですか?」
「車の中で興奮しまくっていたからな。晩飯ができたら起こす」
「魔王の城に行かないんですか?」
「もうすぐ日が暮れるし、エドモントは車酔い、モフちゃんとノエルはお昼寝していたから、これ以上の先に進むことはできないから、ここで野営することにしたんだ」
「最後の晩餐ですか?」
「エドモント!不吉な事を言うな!」
俺はテントを設置し、ご飯を用意した。
一時間後。
カツレツを人数分用意できた俺は声をかけた。
「ご飯ができたぞ!」
俺の一言と共に四人が来た。四人?
「番号!」
「キュー(一)!」
「二!」
「三!」
「四!」
「誰だ!お前!」
いつの間にか、知らない人が混ざっていた。
「どうも!すいません!美味しそうな匂いにつられて、つい来てしまいました」
「本当に誰なんだ?お前!」
「怪しい者じゃありません。魔王の城に食料などの物資を届け来た商人です!」
「充分怪しい奴だろうが、こんな所までくる人間なんて、そうはいないだろうが!」
「シンタローさん!言葉のブーメランになっていますよ!」
「そうだよシンタロー!偏見はよくないよ!」
俺はエドモントとノエルにツッコミという名の攻撃を受けて、思考が停止した。
「疑う気持ちはわかりますが、これも商売なんです!客を選べるほど余裕がないんですよ」
「百歩譲って、この商人の言うことを信じるとして、なんで俺達の晩御飯にいるんだ?」
「そこにある美味しいそうご飯を食べさせてくれるなら魔王城での出来事を話しますがどうでしょうか?」
「いらん。さっさと立ち去れ!」
俺の一言に、信じられないと言う表情になった商人。
「シンタロー。いくら何でも冷たすぎるよ!」
「そうですよシンタローさん。ここは情報を手に入れるのが定石ですよ!」
「魔王の手先を信じる方がおかしいだろう!」
「「あ!」」
俺の一言にノエルとエドモントは納得し、商人は怒った。
「し、失礼な!魔王とは取引相手名だけで手先ではありません!」
「その取引相手を裏切る奴を信用できないと言っているんだ。それに商人が取引相手を裏切ると言うことは魔王の城の中で何か混乱が起きているんだろう」
「いいえ、そんなことはありませんよ!」
商人はポーカーフェイスだったが、俺にはそれが嘘だとわかった。
モフちゃんの方を見ると同じ考えなのか?頭を上下に振っていた。
「で、その情報って何だ?」
「ですから、そこにある料理を頂ければ、話します」
「そこにあるカツレツを?」
「ええ、そうです!」
俺は、無言で自分の分のカツレツを商人に渡した。
「情報を吐いてもらおうか?」
「食べた終わったら話します」
しかし商人はカツレツを食べた終えた後、文字通り煙に包まれて消えた。
「逃げたか」
「商人が逃げた!」
「シンタローさん!商人が逃げましたよ!何でそんなに冷静なんですか?」
「最初から予想していたからな。それにカツレツやらないと、いつまでも付きまとってきそうだったからな」
「そうなんですか?」
「ああ、それにあの商人の様子から魔王の城で何かあったのは確かなようだからな」
「じゃあ、ご飯食べたらすぐに魔王の城に乗り込むこもうよ」
珍しくノエルが提案したが、「夜の山登りは危険が多すぎるから駄目だ!」と俺は却下しし、自分のカツレツを作り始めた。
夕食後、納得いかないノエルをモフちゃんがモフモフしっぽ攻撃でなだめながら、ルーフテントに誘導し、そのまま二人は寝てしまった。
俺は様子を見た後、しばらくの間、焚火を眺めていた。
「シンタローさん。眠れないんですか?」
心配そうにエドモントが声をかけてきた。
「いや、緊張で眠れないわけではないんだ!」
「では、なぜですか?見張りなら私がしますんで、ゆっくり休んでください」
「ありがとう。でもここに来るまでに色々あったらから、物思いに耽っていただけだ」
「と言いますと?」
「俺はこの世界に召喚されて、召喚された国から追放されたのに皮肉にも一番早く魔王の元に向かおうとしているから、色々と考えてしまったのさ」
「確かに、シンタローさんの馬なし馬車は速かったですからね!」
「サバイバルカーだ。だがエドモントの言うとおり、休むことにしよう。見張りをよろしく頼む」
「アンデッドですから、居眠りしないのでまかせてください」
俺は横になり目を閉じた。
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