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第一章 勇者誕生
第三話 勇者見習いノエルパーティーの今日の晩御飯
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エドモントが元エルフだったことよりも、俺は自分がエドモントの若い頃に似ていることの方に驚いてパニックを起こしていた。
「俺は人間。お前は仮にも元エルフだったんだろうが、似ているわけはないだろう」
俺は必死に否定した。
「嘘ではありません。髪や目の色は違いますが、私の若い頃にそっくりなんです」
「仮に千歩譲って、俺がエドモントの若い頃にそっくりだったとして、それが投獄されることになったと、どう繋がるんだ。まさか似ているだけで投獄される理由になるのか?」
「その事なんですが?色々と町で聞いたんですけど、今回が初めてじゃないようですよ?」
「それはどうゆう意味だ?」
「私が町で情報収集した結果、シンタローさんに以外にも投獄された人がいるんです」
「そんなわけないだろう。俺みたいな顔の奴ここいら辺にそんないるとは思えない」
「いえ、背格好や雰囲気が私に似ているだの、そんな理由で投獄されたそうです」
「…………」
俺はあまりのことに何も言えなくなり、エドモントも沈黙するしかなかったが、そんなサイレントワールドを破壊したのはノエルの一言だった。
「シンタロー。おなかすいた。ごはん!」
俺とエドモントはノエルの呑気さに苦笑した。
「エドモントとの話が長くなるから、そこら辺の飯屋で食べてきなさい」
俺がそう提案したが、ノエルは首を横に振り、モフちゃんも両手でバツを作った。
「シンタローさん。それは無理です」
「なぜだ?まだ夜遅い時間でもないだろう」
「この町の飯屋さんは軒並みノエルさんは入店をお断りになりました」
「ノエル。おまえ一体何をしたんだ?」
俺はあまりのことにツッコミを入れた。
「だ、だって……」
「落ち着いてくださいシンタローさん。シンタローさんが戻ってくる間に我々も色々あったんです」
「何があったんだ?」(怒)
俺はくだらないことだと予想はしていたが、やはり予想通りの答えが返って来た。
「シンタローさんが投獄されている間、我々はこの町の食事を頂いたんですけど、シンタローさんが作る料理より味が数段おちるどころか、まずいんです」
「そりゃ、俺のは醤油や味噌、マヨネーズなど色々調味料を使っているからな」
「ノエルさんが料理を口にするたびに「シンタローの方が美味しい」「シンタローの料理の方がうまい」と言っていたんです」
「そんなこと言われたら、喧嘩売っていると思われるだろうが!」
俺はこの町の料理人に思わず同情したが、ノエルはそんなことお構いなしに俺に料理をプリーズと無言で要求してきた。
「仕方がない。エドモントこの話はいったん保留して、俺はごはんを作る」
「キュル!」
「ごはん!ごはん!」
「お願いします。私もシンタローさんの料理が楽しみです!ところで、いつまでその変な変装をしているんですか?」
そうエドモントに言われて、俺は変装をしていた事に気が付いた。
俺の格好は頭にアフロのカツラ、服装はどっかのロックバンドの派手な衣装にサングラス。確かに変だ。
ちなみに警吏(この世界の警官)に職務質問をされた時は芸術家と言ったら、なぜか信じてもらえた。
俺は料理のためにアフロのカツラとサングラスを外して、ポイントを交換してインスタント食品を購入し、お湯を注いでフォークと共に全員に配った。
「シンタローさん。これはなんですか?」
「キュル?」
「なにこれ?」
「インスタント食品と呼ばれる物だ。こんな場所で火を使ってベッドなどに飛び火したら危険だから、今日の所はそれで勘弁してくれ」
「えー!シンタローの料理が食べたい!」
「どうしてもこれなんですか?私もシンタローさんの料理の方が……」
ノエルとエドモントが抗議したが、俺は魔法の言葉を唱えた。
「いやなら、食べなくてもいいぞ!」
その途端、二人は黙ってインスタント食品を食べた。
だが食べさせた後、俺は後悔することになる。
「シンタロー。これおいしいね!おかわり」
「シンタローさん。私もおかわりお願いします」
「お、お前らな……それで三杯目だぞ」(汗)
そんな俺達をモフちゃんは呆れた表情で見ていた。
「俺は人間。お前は仮にも元エルフだったんだろうが、似ているわけはないだろう」
俺は必死に否定した。
「嘘ではありません。髪や目の色は違いますが、私の若い頃にそっくりなんです」
「仮に千歩譲って、俺がエドモントの若い頃にそっくりだったとして、それが投獄されることになったと、どう繋がるんだ。まさか似ているだけで投獄される理由になるのか?」
「その事なんですが?色々と町で聞いたんですけど、今回が初めてじゃないようですよ?」
「それはどうゆう意味だ?」
「私が町で情報収集した結果、シンタローさんに以外にも投獄された人がいるんです」
「そんなわけないだろう。俺みたいな顔の奴ここいら辺にそんないるとは思えない」
「いえ、背格好や雰囲気が私に似ているだの、そんな理由で投獄されたそうです」
「…………」
俺はあまりのことに何も言えなくなり、エドモントも沈黙するしかなかったが、そんなサイレントワールドを破壊したのはノエルの一言だった。
「シンタロー。おなかすいた。ごはん!」
俺とエドモントはノエルの呑気さに苦笑した。
「エドモントとの話が長くなるから、そこら辺の飯屋で食べてきなさい」
俺がそう提案したが、ノエルは首を横に振り、モフちゃんも両手でバツを作った。
「シンタローさん。それは無理です」
「なぜだ?まだ夜遅い時間でもないだろう」
「この町の飯屋さんは軒並みノエルさんは入店をお断りになりました」
「ノエル。おまえ一体何をしたんだ?」
俺はあまりのことにツッコミを入れた。
「だ、だって……」
「落ち着いてくださいシンタローさん。シンタローさんが戻ってくる間に我々も色々あったんです」
「何があったんだ?」(怒)
俺はくだらないことだと予想はしていたが、やはり予想通りの答えが返って来た。
「シンタローさんが投獄されている間、我々はこの町の食事を頂いたんですけど、シンタローさんが作る料理より味が数段おちるどころか、まずいんです」
「そりゃ、俺のは醤油や味噌、マヨネーズなど色々調味料を使っているからな」
「ノエルさんが料理を口にするたびに「シンタローの方が美味しい」「シンタローの料理の方がうまい」と言っていたんです」
「そんなこと言われたら、喧嘩売っていると思われるだろうが!」
俺はこの町の料理人に思わず同情したが、ノエルはそんなことお構いなしに俺に料理をプリーズと無言で要求してきた。
「仕方がない。エドモントこの話はいったん保留して、俺はごはんを作る」
「キュル!」
「ごはん!ごはん!」
「お願いします。私もシンタローさんの料理が楽しみです!ところで、いつまでその変な変装をしているんですか?」
そうエドモントに言われて、俺は変装をしていた事に気が付いた。
俺の格好は頭にアフロのカツラ、服装はどっかのロックバンドの派手な衣装にサングラス。確かに変だ。
ちなみに警吏(この世界の警官)に職務質問をされた時は芸術家と言ったら、なぜか信じてもらえた。
俺は料理のためにアフロのカツラとサングラスを外して、ポイントを交換してインスタント食品を購入し、お湯を注いでフォークと共に全員に配った。
「シンタローさん。これはなんですか?」
「キュル?」
「なにこれ?」
「インスタント食品と呼ばれる物だ。こんな場所で火を使ってベッドなどに飛び火したら危険だから、今日の所はそれで勘弁してくれ」
「えー!シンタローの料理が食べたい!」
「どうしてもこれなんですか?私もシンタローさんの料理の方が……」
ノエルとエドモントが抗議したが、俺は魔法の言葉を唱えた。
「いやなら、食べなくてもいいぞ!」
その途端、二人は黙ってインスタント食品を食べた。
だが食べさせた後、俺は後悔することになる。
「シンタロー。これおいしいね!おかわり」
「シンタローさん。私もおかわりお願いします」
「お、お前らな……それで三杯目だぞ」(汗)
そんな俺達をモフちゃんは呆れた表情で見ていた。
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