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プロローグ 異世界の無法者(アウトロー)目覚める
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最初は主人公視点の回想です
人を殺した。
異世界に来て三十分足らずで、二人も殺してしまった。
しかし問題なのは、人を殺した事ではない。
人を殺しても何も感じない事に問題がある。
普通は初めて人を殺したのなら、色々な感情で脳が混乱を起こすはずなのにそれがない。
そして手に持っているナイフ。
ナイフなんて持っていなかったのに、それが今手に持っている。
しかも初めて持つナイフなのに手になじんでいる。
おかしい。全てがおかしいい。
これも俺は持っているただ一つのスキル「CAG」の影響なのか?
そこで目を覚ました。
「またあの時の夢か?」
そんな事を呟きながら起き上ろうとしたが、できなかった。
なぜなら大の字で寝ている体の腹部部分に茶色の毛玉が乗っていた。
毛玉の正体は知っている。
モフモフな外見と横縞の太い尻尾が特徴のレッサーパンダもどきのモフちゃんだ。
好奇心旺盛で人懐っこい上に、もふもふしている。
体と心が癒されるから、これはいい。
むしろ自分の左腕を枕して寝ている女の方に困惑している。
自称勇者と名乗っているノエルだ。
勇者であるだけに戦闘だけは超一級。その上顔もスタイルもいい。
これだけなら、第三者から嫉妬と妬みの対象になる筈だが、右腕を枕にして寝ている奴を見たら、そのな気持ちはなくなるだろう。
なぜなら俺の右腕には古びたローブを着こんだガイコツを寝ているのだから。
ガイコツの正体は魔法学者と自称するアンデットのエドモント。
俺のスキルに興味を持ち、無理矢理パーティーに加わった知的好奇心の塊である。
俺はエドモントに説明を求めた。
「エドモント。これについての説明をしてくれ」
もちろん返事が無い。ただの屍のフリをしている。
「エドモント」(怒)
俺ははもう一度エドモントに説明を求めた。ただし静かなる怒りとともに背後に鬼のスタ○ドが出現している。
「すいません。場の流れでこうなりました」
「俺が見張りを交代して、寝た後に何があったの?」
エドモントは昨夜の事を話し始めた。
「つまりノエルが眠たくなったからと、見張りを放棄して、俺の腕を枕して寝たと、言う事でいいのか?」
「ええ、その通りです」
「分からない事は、なぜモフちゃんが俺の腹の上で寝ている事と、睡眠を必要としないエドモントがなぜ俺の右腕を枕して寝たふりをしているの」
「それはですね。夜中にモフちゃんさんが目を覚ました。大の字になっているシンタローさんを見て、風邪を引いたら大変だと言って、腹の上に丸まって眠ったんですよ。私の場合はその場に流れの身を任せました」
俺は怒りを通り越してあきれ果てた。
「よく盗賊やモンスターが襲って来なかったな」
「いえ盗賊もモンスターも来ましたが、この状況を見て、私が笑いかけたら、なぜか皆見て見ぬふりをしてどっかにいきました」
それはそうだろう。こんな異常な状態を見て襲いかかるバカはいない。
「エドモント。朝食を作るから、ノエルをどかしてくれ、俺はモフちゃんを起こす」
「わかりました」
そう言ってエドモントは起き上がると、浮遊魔法を使って、ノエルを俺の左腕からどかした。
両腕が自由になった俺はモフちゃんを優しく撫でながら起こす。
「モフちゃん。朝だよ」
寝起きのいいモフちゃんは、キュと鳴きながら俺の頬を舐めた。
モフちゃんにとっての朝の挨拶。
本当にモフちゃんはいい子だ。
「それに比べてあの勇者様は……」
いまだに夢の世界に行っている勇者ノエルを俺は冷たい目で見つめた。
「まったく、これじゃ野宿した意味がない」
俺はそうぼやきながら、朝ごはんの作るのだった。
「この世界に来てもう一ヶ月か」
朝ごはんを作りながら、俺はこの一ヶ月で起きた様々なを思い出していた。
俺の名はシンタロー・タカクラ。
異世界人。
そして全てはあの日から始まったんだ。
あの日、学校で授業を受けている時に突然床が魔法陣のような模様で発光して、その時授業を受け持っていた教師はパニックを起こし、ドアにタックルをして教室の外に跳び出した。
俺を含むクラスメイトはその教師の行動に呆気にとられている間に異世界に召喚されてしまった。
王国に召喚された俺達は勇者に祭り上げられ、魔王を倒すことになったのだが、俺だけステータスが低いのとスキルがCAG一つだけだったのが原因で追い出された。
しかたなく、冒険者ギルドで冒険者登録をしようとしたんだが、城から手を回されたのか、冒険者になれなかった上に二人のチンピラに絡まれて路地裏で殺されそうになった所を、逆に二人を殺した。
持っていないはずのナイフをもって、その時自分の異常性に気づいた。
そして理解したCAGとはC(クライム)A(アクション)G(ゲーム)の略だと、問題なのはゲームソフトはおろかゲーム機ももっていない自分がなぜそんな能力を得たのか?
おそらくだが、ネットでゲームの実況をしていたおばあちゃんの動画を見た影響だろうと、それ以外考えられない。
それなら説明がつく。
事実返り血を浴びた自分の体から血が消えているし、殺したチンピラの死体が消えている。
そして今気づいたがステータス画面がそのゲームに出てきたのとそっくりだった。
その後、いろいろ試してみてわかったことがあった。
ステータス画面のSHOPを使うと様々な道具がネットショッピングみたいにポイントと交換で手に入る。
それこそ武器や装備だけじゃなく、水食料や生活雑貨まで。
ポイントは金はもちろん様々な物を換金して交換で手に入れられる。
それと同時にチンピラの死体がどこいったのか判明した。
ステータス画面のストレージに入っていた。
ストレージにはチンピラの死体および所持品も入っていたが、所持品の中の金に俺は注目したチンピラが持っているとは思えない大金が入っていた。
だが、すぐに理解した。
こいつらは城からの刺客だということを、最初は物取りの犯行だと思ったけど、こんな大金を持っている以上は違う。
城の奴ら、口封じか邪魔者の処分なのかは知らないが殺そうとしているのは明白。
俺はすぐに王都の脱出した。
人を殺した。
異世界に来て三十分足らずで、二人も殺してしまった。
しかし問題なのは、人を殺した事ではない。
人を殺しても何も感じない事に問題がある。
普通は初めて人を殺したのなら、色々な感情で脳が混乱を起こすはずなのにそれがない。
そして手に持っているナイフ。
ナイフなんて持っていなかったのに、それが今手に持っている。
しかも初めて持つナイフなのに手になじんでいる。
おかしい。全てがおかしいい。
これも俺は持っているただ一つのスキル「CAG」の影響なのか?
そこで目を覚ました。
「またあの時の夢か?」
そんな事を呟きながら起き上ろうとしたが、できなかった。
なぜなら大の字で寝ている体の腹部部分に茶色の毛玉が乗っていた。
毛玉の正体は知っている。
モフモフな外見と横縞の太い尻尾が特徴のレッサーパンダもどきのモフちゃんだ。
好奇心旺盛で人懐っこい上に、もふもふしている。
体と心が癒されるから、これはいい。
むしろ自分の左腕を枕して寝ている女の方に困惑している。
自称勇者と名乗っているノエルだ。
勇者であるだけに戦闘だけは超一級。その上顔もスタイルもいい。
これだけなら、第三者から嫉妬と妬みの対象になる筈だが、右腕を枕にして寝ている奴を見たら、そのな気持ちはなくなるだろう。
なぜなら俺の右腕には古びたローブを着こんだガイコツを寝ているのだから。
ガイコツの正体は魔法学者と自称するアンデットのエドモント。
俺のスキルに興味を持ち、無理矢理パーティーに加わった知的好奇心の塊である。
俺はエドモントに説明を求めた。
「エドモント。これについての説明をしてくれ」
もちろん返事が無い。ただの屍のフリをしている。
「エドモント」(怒)
俺ははもう一度エドモントに説明を求めた。ただし静かなる怒りとともに背後に鬼のスタ○ドが出現している。
「すいません。場の流れでこうなりました」
「俺が見張りを交代して、寝た後に何があったの?」
エドモントは昨夜の事を話し始めた。
「つまりノエルが眠たくなったからと、見張りを放棄して、俺の腕を枕して寝たと、言う事でいいのか?」
「ええ、その通りです」
「分からない事は、なぜモフちゃんが俺の腹の上で寝ている事と、睡眠を必要としないエドモントがなぜ俺の右腕を枕して寝たふりをしているの」
「それはですね。夜中にモフちゃんさんが目を覚ました。大の字になっているシンタローさんを見て、風邪を引いたら大変だと言って、腹の上に丸まって眠ったんですよ。私の場合はその場に流れの身を任せました」
俺は怒りを通り越してあきれ果てた。
「よく盗賊やモンスターが襲って来なかったな」
「いえ盗賊もモンスターも来ましたが、この状況を見て、私が笑いかけたら、なぜか皆見て見ぬふりをしてどっかにいきました」
それはそうだろう。こんな異常な状態を見て襲いかかるバカはいない。
「エドモント。朝食を作るから、ノエルをどかしてくれ、俺はモフちゃんを起こす」
「わかりました」
そう言ってエドモントは起き上がると、浮遊魔法を使って、ノエルを俺の左腕からどかした。
両腕が自由になった俺はモフちゃんを優しく撫でながら起こす。
「モフちゃん。朝だよ」
寝起きのいいモフちゃんは、キュと鳴きながら俺の頬を舐めた。
モフちゃんにとっての朝の挨拶。
本当にモフちゃんはいい子だ。
「それに比べてあの勇者様は……」
いまだに夢の世界に行っている勇者ノエルを俺は冷たい目で見つめた。
「まったく、これじゃ野宿した意味がない」
俺はそうぼやきながら、朝ごはんの作るのだった。
「この世界に来てもう一ヶ月か」
朝ごはんを作りながら、俺はこの一ヶ月で起きた様々なを思い出していた。
俺の名はシンタロー・タカクラ。
異世界人。
そして全てはあの日から始まったんだ。
あの日、学校で授業を受けている時に突然床が魔法陣のような模様で発光して、その時授業を受け持っていた教師はパニックを起こし、ドアにタックルをして教室の外に跳び出した。
俺を含むクラスメイトはその教師の行動に呆気にとられている間に異世界に召喚されてしまった。
王国に召喚された俺達は勇者に祭り上げられ、魔王を倒すことになったのだが、俺だけステータスが低いのとスキルがCAG一つだけだったのが原因で追い出された。
しかたなく、冒険者ギルドで冒険者登録をしようとしたんだが、城から手を回されたのか、冒険者になれなかった上に二人のチンピラに絡まれて路地裏で殺されそうになった所を、逆に二人を殺した。
持っていないはずのナイフをもって、その時自分の異常性に気づいた。
そして理解したCAGとはC(クライム)A(アクション)G(ゲーム)の略だと、問題なのはゲームソフトはおろかゲーム機ももっていない自分がなぜそんな能力を得たのか?
おそらくだが、ネットでゲームの実況をしていたおばあちゃんの動画を見た影響だろうと、それ以外考えられない。
それなら説明がつく。
事実返り血を浴びた自分の体から血が消えているし、殺したチンピラの死体が消えている。
そして今気づいたがステータス画面がそのゲームに出てきたのとそっくりだった。
その後、いろいろ試してみてわかったことがあった。
ステータス画面のSHOPを使うと様々な道具がネットショッピングみたいにポイントと交換で手に入る。
それこそ武器や装備だけじゃなく、水食料や生活雑貨まで。
ポイントは金はもちろん様々な物を換金して交換で手に入れられる。
それと同時にチンピラの死体がどこいったのか判明した。
ステータス画面のストレージに入っていた。
ストレージにはチンピラの死体および所持品も入っていたが、所持品の中の金に俺は注目したチンピラが持っているとは思えない大金が入っていた。
だが、すぐに理解した。
こいつらは城からの刺客だということを、最初は物取りの犯行だと思ったけど、こんな大金を持っている以上は違う。
城の奴ら、口封じか邪魔者の処分なのかは知らないが殺そうとしているのは明白。
俺はすぐに王都の脱出した。
応援ありがとうございます!
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