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王妃の愚行
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マリーア様から、ジーク様との関係を焦らなくてもいいと言われた私は、改めて自分で自分を縛っていた事に気付きました。王女として、王妃としての立場もあったでしょう。自分がジーク様を受け入れれば、全てが丸く収まると感じていたのも確かです。だからこそ、早くジーク様を受け入れなきゃと思っていましたが、どうやらそれは私の思い込みだったようです。その事を感じて肩の力が抜けるのを感じた私でしたが…
一難去ってまた一難、とはこの事を言うのでしょうか…
今度は、憤怒の表情をしたカミラがやってきました。はぁ…よりにもよって他国の王女がいる前でなんて、勘弁して欲しいですわ。部屋で謹慎するように言われているのに、どうやってここに辿り着いたのかと不思議でしかないのですが…
「どなたか存じませんが…ノックもなしに王妃の元に押しかけるとは、無礼にも程がありますわよ」
口元を扇で隠したまま、冷たくそう言い放ったのはマリーア様でした。その声にカミラは直ぐに反応し、マリーア様の姿を認めると顔を歪めました。まさか先客がいたとは思わなかったのでしょう。全く、恥をこれ以上晒すのは勘弁して欲しいのですが…
「な…!私はその王妃の姉なのよ。だったら…」
「姉だったとしても、それは過去の事。既に王妃になられたエリサ様は、貴女よりも格上の存在でいらっしゃいます。それとも、マルダーンの常識は違いますの?」
マリーナ様、容赦がありません。周辺国の間で美姫と評判の高いマリーア様がお怒りになると、それはそれで迫力がありますわね。気品などカミラとは雲泥の差があるので仕方ありませんが…
「な…何よ、偉そうに。あんたこそ何者なのよ?!」
「人に名を尋ねるなら、まずはご自身から名乗られては?私も一国の王女、あなたとは対等の立場な上、今は私がエリサ王妃陛下に拝謁しているのですよ」
ええもう、反論の余地もなく言い放つマリーア様に、思わず拍手を送りたくなりました。こうしてみると、同じ王女とは思えませんね。残念な方が自分の身内というのが限りなく不本意ですが…
「なんですってぇ!」
カミラが激昂しましたが…こんな簡単な挑発に乗せられるなんて、頭が痛いです。幸いにも騎士の皆さんが取り囲んでいるせいで、カミラは動けないようです。まぁ、ラルセンの騎士は獣人で体格もいいので、カミラも突破しにくいのでしょう。
「ここはマルダーンではございません。言動にお気を付けませんと、自国の恥にもなりましてよ」
どうやらマリーア様は、カミラで遊んでいるように見えます。マリーア様にそう言われたカミラは、一瞬ですが自分の立ち位置を理解したようですが…それも一瞬だけだったようです。
「煩いわね、私はエリサに用があるけど、あんたに用はないわ。さっさと出ていきなさいよ」
「貴女様に命令される謂れはございませんわ。それに私、ジークヴァルト陛下からの依頼で伺っているのです。文句がおありならジークヴァルト陛下に仰って下さい」
「はぁっ?!」
「ジーク様が?」
マリーア様の言葉に、私も驚くしかありませんでした。一体どういう事でしょうか、ジーク様の依頼でマリーア様はここにいらっしゃったとは…てっきり私に話があっていらっしゃったのだと思っていました。
「あ、あんたなんかにジーク様がそんな事を言うはずがないわ!」
「あら、どうしてそう言い切れますの?私、ジークヴァルト陛下とは幼馴染で、付き合いが長いんですのよ。そうね、貴女が生きている時間の倍以上は、ね」
「な…!」
「それに…許可なく陛下の愛称を口にするのは不敬ですわよ。いつからマルダーンの王女殿下はラルセンの国王陛下と対等になったのかしら?それともマルダーンの常識は違うのかしら?」
「わ、私はジーク様と…」
「ちなみに私、愛称を呼ぶ許可は頂いていますわ」
「は、あっ?な、何を…」
どうやらカミラは、私一人を何とかすればジーク様の妻になれると思っていたみたいですわね…なのに、ジーク様を愛称で呼ぶことを許された王女がいるなんて思いもしなかったようです。う~ん、ジーク様に憧れる女性なんていくらでもいるのに、そこは想定しなかったのでしょうか。
「貴女様は謹慎を言い渡されていた筈ですわよ。直ぐにお戻りになる事ね。もしここにいるのがジークヴァルト陛下達に知れたら…困るのはあなたではなくて?」
「…っ!」
マリーア様のいう事は尤もで、さすがのカミラも反論出来ないようでした。いえ、先ほどから役者が違うと言いますか…比べるのがマリーア様に申し訳ないレベルなのですが。カミラは私には大きく出られても、他国の王女であり美貌も気品も圧倒的に上のマリーア様に対抗する事は出来ないようですわね。
「どうぞお部屋へお戻りになって。これ以上の無礼は、この国の騎士達も見逃しませんわよ」
「無礼なのはどちらです?」
マリーア様の声に応えたのは、カミラではなく聞き覚えのある居丈高な声でした。いつからそこにいたのでしょうか…カミラの向こうに見えたのは、カミラの母でもあるマルダーンの王妃でした。今頃はまだ父王と挨拶回りが忙しいはずなのに、まさか王妃までやってくるとは思いもしませんでした。
「セーデンの王女風情が随分と我が娘を愚弄してくれたようね」
「まぁ、お言葉を返すようですが、それは被害妄想が過ぎるというものですわ。この国に礼を失して謹慎を申し付けられた方が、これ以上咎められないようにと親切心から忠告して差し上げましたのに」
あの王妃に対等に言い返すマリーア様に、私の方が血の気が引く思いがしました。いえ、元々カミラと王妃二人に対すると、私はこれまでの経験から萎縮してしまうので余計にそう感じるのかもしれませんが…
でも、確かに王妃はマリーア様よりも上の立場でありこの状況はかなりマズいような気がします。いくらラルセンとセーデンが友好国でも、王妃と王女の立場の差は、天と地ほどの差があるのですから…
「さすがは下賤な獣人の王女ね。あの泥棒猫の娘と気が合うなんて、似た者同士という事かしら?」
「まぁ、獣人を下賤だなどと…ここは獣人の国ですわよ。その国でそのようなお言葉を口にされるなんて」
「煩いわね、王女風情が調子に乗らないで。私はエリサに会いに来たの。お前に用はないから、さっさとお下がり」
「申しわけございませんが、私がここにいるのはジークヴァルト国陛下直々のご依頼故。マルダーンの王妃陛下と言えど、その言葉はお聞きできませんわ」
「なんですって」
王妃もカミラとあまり変わりないようです。まぁ、元より獣人の国との交流がない母国では、他国との交流は少ない方ですし、最近は国力が落ちて、まともに交流があるのはルーズベールくらいだと聞きます。でも、マリーア様はそのルーズベールの王子の婚約者でもいらっしゃるので、影響力は王妃よりも上かもしれません。
「だったらさっさと用を終わらせて下がりなさい!」
「それも無理というものですわ。だって…ジークヴァルト陛下が私をここに遣わされたのは、陛下がお許しになっていない者がエリサ王妃様の元に押しかけて来た時のためですもの」
「な…っ!」
にっこりと、それはもう艶やかにマリーア様が笑みを浮かべられました。ジーク様がマリーア様にそんな事を頼まれたなんて、私ですらも思いも寄りませんでした。カミラや王妃は尚更でしょう。カミラは呆然と、王妃は顔を赤くして憤っているのが分かります。
マリーア様の言い様は、誰かが私を害する可能性があると、ジーク様がその危惧を抱いていると言っているようなものです。自分達の行動が予測されていたなどと、考えもしていなかったのでしょうね。
「な、にを小賢しい事を!さっさとお下がりなさい!」
「ですから、そのご命令は聞けませんわ。それに…私はセーデンの王女、マルダーンの王妃陛下と言えど命令される謂れはございません」
「生意気な!」
「王女殿下!」
「マリーア様!」
きっぱりと、呆れを隠さずにそう言い切ったマリーア様に、王妃はとうとう我慢の限界を乞えたようです。手にしていた扇を、マリーア様に投げつけたのです。王妃が他国の王族に手をあげるなど、宣戦布告と取られても仕方がないとわかっているのでしょうか…騎士達も王妃の暴挙に声をあげています。私は目の前で起きている事が信じられませんでした。でも、このままでは…
「おやめください、マルダーン王妃陛下」
マリーア様が何だか楽しそうに見えたのもあってお任せしていましたが…これ以上マリーア様を危険にさらす事など出来ません。私は立ち上がると、義母でもある王妃にそう告げました。声が震えそうになるのを、必死で堪えながら…
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今度は、憤怒の表情をしたカミラがやってきました。はぁ…よりにもよって他国の王女がいる前でなんて、勘弁して欲しいですわ。部屋で謹慎するように言われているのに、どうやってここに辿り着いたのかと不思議でしかないのですが…
「どなたか存じませんが…ノックもなしに王妃の元に押しかけるとは、無礼にも程がありますわよ」
口元を扇で隠したまま、冷たくそう言い放ったのはマリーア様でした。その声にカミラは直ぐに反応し、マリーア様の姿を認めると顔を歪めました。まさか先客がいたとは思わなかったのでしょう。全く、恥をこれ以上晒すのは勘弁して欲しいのですが…
「な…!私はその王妃の姉なのよ。だったら…」
「姉だったとしても、それは過去の事。既に王妃になられたエリサ様は、貴女よりも格上の存在でいらっしゃいます。それとも、マルダーンの常識は違いますの?」
マリーナ様、容赦がありません。周辺国の間で美姫と評判の高いマリーア様がお怒りになると、それはそれで迫力がありますわね。気品などカミラとは雲泥の差があるので仕方ありませんが…
「な…何よ、偉そうに。あんたこそ何者なのよ?!」
「人に名を尋ねるなら、まずはご自身から名乗られては?私も一国の王女、あなたとは対等の立場な上、今は私がエリサ王妃陛下に拝謁しているのですよ」
ええもう、反論の余地もなく言い放つマリーア様に、思わず拍手を送りたくなりました。こうしてみると、同じ王女とは思えませんね。残念な方が自分の身内というのが限りなく不本意ですが…
「なんですってぇ!」
カミラが激昂しましたが…こんな簡単な挑発に乗せられるなんて、頭が痛いです。幸いにも騎士の皆さんが取り囲んでいるせいで、カミラは動けないようです。まぁ、ラルセンの騎士は獣人で体格もいいので、カミラも突破しにくいのでしょう。
「ここはマルダーンではございません。言動にお気を付けませんと、自国の恥にもなりましてよ」
どうやらマリーア様は、カミラで遊んでいるように見えます。マリーア様にそう言われたカミラは、一瞬ですが自分の立ち位置を理解したようですが…それも一瞬だけだったようです。
「煩いわね、私はエリサに用があるけど、あんたに用はないわ。さっさと出ていきなさいよ」
「貴女様に命令される謂れはございませんわ。それに私、ジークヴァルト陛下からの依頼で伺っているのです。文句がおありならジークヴァルト陛下に仰って下さい」
「はぁっ?!」
「ジーク様が?」
マリーア様の言葉に、私も驚くしかありませんでした。一体どういう事でしょうか、ジーク様の依頼でマリーア様はここにいらっしゃったとは…てっきり私に話があっていらっしゃったのだと思っていました。
「あ、あんたなんかにジーク様がそんな事を言うはずがないわ!」
「あら、どうしてそう言い切れますの?私、ジークヴァルト陛下とは幼馴染で、付き合いが長いんですのよ。そうね、貴女が生きている時間の倍以上は、ね」
「な…!」
「それに…許可なく陛下の愛称を口にするのは不敬ですわよ。いつからマルダーンの王女殿下はラルセンの国王陛下と対等になったのかしら?それともマルダーンの常識は違うのかしら?」
「わ、私はジーク様と…」
「ちなみに私、愛称を呼ぶ許可は頂いていますわ」
「は、あっ?な、何を…」
どうやらカミラは、私一人を何とかすればジーク様の妻になれると思っていたみたいですわね…なのに、ジーク様を愛称で呼ぶことを許された王女がいるなんて思いもしなかったようです。う~ん、ジーク様に憧れる女性なんていくらでもいるのに、そこは想定しなかったのでしょうか。
「貴女様は謹慎を言い渡されていた筈ですわよ。直ぐにお戻りになる事ね。もしここにいるのがジークヴァルト陛下達に知れたら…困るのはあなたではなくて?」
「…っ!」
マリーア様のいう事は尤もで、さすがのカミラも反論出来ないようでした。いえ、先ほどから役者が違うと言いますか…比べるのがマリーア様に申し訳ないレベルなのですが。カミラは私には大きく出られても、他国の王女であり美貌も気品も圧倒的に上のマリーア様に対抗する事は出来ないようですわね。
「どうぞお部屋へお戻りになって。これ以上の無礼は、この国の騎士達も見逃しませんわよ」
「無礼なのはどちらです?」
マリーア様の声に応えたのは、カミラではなく聞き覚えのある居丈高な声でした。いつからそこにいたのでしょうか…カミラの向こうに見えたのは、カミラの母でもあるマルダーンの王妃でした。今頃はまだ父王と挨拶回りが忙しいはずなのに、まさか王妃までやってくるとは思いもしませんでした。
「セーデンの王女風情が随分と我が娘を愚弄してくれたようね」
「まぁ、お言葉を返すようですが、それは被害妄想が過ぎるというものですわ。この国に礼を失して謹慎を申し付けられた方が、これ以上咎められないようにと親切心から忠告して差し上げましたのに」
あの王妃に対等に言い返すマリーア様に、私の方が血の気が引く思いがしました。いえ、元々カミラと王妃二人に対すると、私はこれまでの経験から萎縮してしまうので余計にそう感じるのかもしれませんが…
でも、確かに王妃はマリーア様よりも上の立場でありこの状況はかなりマズいような気がします。いくらラルセンとセーデンが友好国でも、王妃と王女の立場の差は、天と地ほどの差があるのですから…
「さすがは下賤な獣人の王女ね。あの泥棒猫の娘と気が合うなんて、似た者同士という事かしら?」
「まぁ、獣人を下賤だなどと…ここは獣人の国ですわよ。その国でそのようなお言葉を口にされるなんて」
「煩いわね、王女風情が調子に乗らないで。私はエリサに会いに来たの。お前に用はないから、さっさとお下がり」
「申しわけございませんが、私がここにいるのはジークヴァルト国陛下直々のご依頼故。マルダーンの王妃陛下と言えど、その言葉はお聞きできませんわ」
「なんですって」
王妃もカミラとあまり変わりないようです。まぁ、元より獣人の国との交流がない母国では、他国との交流は少ない方ですし、最近は国力が落ちて、まともに交流があるのはルーズベールくらいだと聞きます。でも、マリーア様はそのルーズベールの王子の婚約者でもいらっしゃるので、影響力は王妃よりも上かもしれません。
「だったらさっさと用を終わらせて下がりなさい!」
「それも無理というものですわ。だって…ジークヴァルト陛下が私をここに遣わされたのは、陛下がお許しになっていない者がエリサ王妃様の元に押しかけて来た時のためですもの」
「な…っ!」
にっこりと、それはもう艶やかにマリーア様が笑みを浮かべられました。ジーク様がマリーア様にそんな事を頼まれたなんて、私ですらも思いも寄りませんでした。カミラや王妃は尚更でしょう。カミラは呆然と、王妃は顔を赤くして憤っているのが分かります。
マリーア様の言い様は、誰かが私を害する可能性があると、ジーク様がその危惧を抱いていると言っているようなものです。自分達の行動が予測されていたなどと、考えもしていなかったのでしょうね。
「な、にを小賢しい事を!さっさとお下がりなさい!」
「ですから、そのご命令は聞けませんわ。それに…私はセーデンの王女、マルダーンの王妃陛下と言えど命令される謂れはございません」
「生意気な!」
「王女殿下!」
「マリーア様!」
きっぱりと、呆れを隠さずにそう言い切ったマリーア様に、王妃はとうとう我慢の限界を乞えたようです。手にしていた扇を、マリーア様に投げつけたのです。王妃が他国の王族に手をあげるなど、宣戦布告と取られても仕方がないとわかっているのでしょうか…騎士達も王妃の暴挙に声をあげています。私は目の前で起きている事が信じられませんでした。でも、このままでは…
「おやめください、マルダーン王妃陛下」
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