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獣人の番と温度差
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結婚式まであと二日です。今日は宰相様とケヴィン様の番のお二人とお茶の予定が急遽入りました。
というのも、私もラウラも獣人との結婚がどういうものか今一つ理解出来ずにいたので、出来ればお二人に話を聞きたいと思ったのです。最初はベルタさんやユリア先生に聞こうと思いましたが、お二人とも未婚で、さすがにちょっと…と言われてしまいました。
そこに宰相様とケヴィン様の奥様が結婚式に出て下さるために王宮に滞在されると聞き、それならお二人に…となったのです。ジーク様の側近の奥様なのでいずれ顔合わせを…との話は以前からあったので、この機会に…とお茶にお誘いしました。
「初めまして王妃様、アルマと申します。お会いできて光栄です」
「セルマです。主人がいつもお世話になっております」
「いえ、こちらこそ急なお願いに応えて下さって、ありがとうございます」
アルマ様は兎人で、艶のある黒髪と紫紺の瞳を持つ小柄な女性でした、宰相様は白金の髪と金色の瞳をお持ちなので、色的には対のようにも見えます。殆ど外に出ないそうで、肌が雪のように白くて、黒髪がとても映えています。年齢は私達より少し上くらい、でしょうか。獣人なので実年齢はかなり上かもしれませんが。
一方のセルマ様は白金髪と灰色かかった青い瞳を持ち、ベルタさんほどではありませんが背が高くすらっとした方でした。クリっとした目がとても可愛らしく見えますが、年は二十代後半から三十代前半といったところでしょうか。狼人ですが、人族のケヴィン様を一途に思い続けたと聞いています。
お二人とは初対面なので会話が弾むかと不安でしたが、お二人と顔見知りのベルタさんやユリア先生が間に入って下さったお陰で、和やかな雰囲気でお話を聞く事が出来ました。
獣人と結婚したらどうなるか?については、お二人が結婚した経緯などをお話して貰う形で教えて貰いました。番至上主義がどんなものかから始まって、結婚したら蜜月と呼ばれる期間があって、その間は夫側に身体を合わせるために身体を重ねる事、その期間は種族が近い程短く、遠くなるほど長くなる事、などです。獣人は数か月から数年かけて、番の身体を作り変えるのだそうです。
蜜月の期間はずっと二人きりで過ごすのかと思っていましたが、お二人にそれはないと言われました。あれは誇張された話で、蜜月といっても数日休暇を取るのが一般的で、後は普通の生活に戻るのだそうです。実際、身体が出来上がるまで休暇を取っていたら、あちこちで仕事が回らなくなって大変よ、とセルマ様は笑い、それを聞いた私達はほっとしました。エーギル様の言い方では、正直不安しかなかったからです。
「アルマ様はお若い頃に宰相様と出会ったそうですね」
「ええ、まだあの人は成人を迎える前だったわね。私には無関係な人だと思っていたからもう、驚きしかなかったわ」
私が尋ねるとアルマ様が苦笑しながらそう答えられました。聞けばお二人は学生の頃に出会い、出会った直後から熱心に求婚されたそうです。
「でも最初は怖くて断っていたのよ。竜人なんて兎人からしたら恐怖の対象でしかなかったから」
「そうね、狼人の私でも竜人のオーラはきついもの」
「セルマもそう思うでしょう?しかもあの笑顔、胡散臭くしか見えなくって。もう、必死で逃げたわよ」
アルマ様が真顔でそう言いましたが…何となくわかる気もしました。あの笑顔は確かに曲者だと思います。
「も~しつこくて、どうやって逃げようかと悩んでいる間に外堀を埋め尽くされていたわ。あんの腹黒竜、いつの間にか両親たちまで味方につけて…」
アルマ様は忌々しそうな表情を浮かべました。宰相様はアルマ様を溺愛していると聞いていましたが…アルマ様の様子からすると仲がいい…とは言い難いようにも見えますが…これは一体…
「結局、周りを味方に引き込んで、なし崩し的に結婚させられたの。も~あの執着心の塊、ホラーでしかなかったわよ」
「そ、そうですか…宰相様はアルマ様を溺愛していると聞いていたので…意外でした」
「溺愛?私の意思は完全無視なのに?」
「か、完全無視ですか…?」
「そうよ。どうしたって逃げられないし、逃げたら痛い目を見るのはこっちだって悟ったから、さすがに諦めたわよ。それに…好きな事が出来るからまぁ、いいかなって」
「好きな事ですか?」
「私、アクセサリー作るのが大好きなの。一応店も持っているのよ。エリサ様の身に着けるアクセサリーや番のピアスを作ったのも私なの」
「えええっ?」
ジーク様から頂いた品が、アルマ様がお作りになった物だとは知りませんでした。あの素敵な細工をされたのがアルマ様だなんて…凄すぎます。
「アルマ様は人気のジュエリーデザイナーなんですよ。勿論、宰相様はアルマ様を表に出す事は禁じていますけど」
「そうね、自分の名前は出せないから男性名でやっているの。専ら家で作った物を売るだけなんだけどね」
「それでも、アルマ様のデザインは大人気なのですよ。私もケヴィン様にお願いして買って貰いましたわ」
セルマ様はアルマ様のアクセサリーのファンなのですね。でも、確かにあのピアスを見ればファンになるのも納得です。本当に素晴らしい出来でしたもの。
「アクセサリーは好きなだけ作っていいって言うから一緒に居るようなものよ。まぁ、さすがに三十年以上経てば少しは情も湧くし、今は昔ほど嫌じゃないけど」
何だか…凄い温度差があるのですね。結婚されてから三十年以上も経っているのも驚きですが…宰相様、溺愛しているというよりも、いつ逃げられるかと不安で執着している感じでしょうか…そう思うと、ジーク様はかなり、いえ、相当私を尊重して下さっているのですね…
「やっぱり兎人や人族はそう感じるのね。私、ケヴィン様が他の女性にとられないかと不安で仕方なくて…やっぱり執着のし過ぎは嫌われてしまうわよね…」
そう言って沈痛な表情を浮かべたのはセルマ様でした。そう言えばセルマ様は嫉妬深くて、これまでに何度も騒ぎを起こしたとも聞きましたが…
「でも、番が人族や兎人だったら不安になる気持ち、私はわかるわ。番に縛られない相手だと、いつ気持ちが離れていくかと心配になって当然だよ」
「ベルタさん…」
セルマ様に同意したのはベルタさんでした。お二人は狼人で番至上主義だから、相手に番の概念がないと不安になってしまうのですね。でも、好きな人の心変わりを不安に思う気持ちは人族も同じなので、わからなくもありません。ご自身が絶対に心変わりがないとなれば、その不安が一層強くなるのも仕方のない事でしょう。
「私も嫌われたくないから我慢しているんですけど…ケヴィン様から女性の匂いがすると不安でたまらなくって…陛下のようにもっと自重できればいいのだけど…」
「ジーク様が…」
「陛下は先王様のような事にならないようにと、物凄くご自身のお気持ちを抑えていると思うよ」
「そうね、私も噂で伺っていますけど…竜人は狼人よりもずっと番への思いが強いと聞きますわ。そう言う意味では、陛下はかなり無理をしていらっしゃると思いますよ」
「そうね、トール様も少しくらい陛下を見習って欲しいわ。まぁ、竜人としてはあれが普通なんだけど…」
アルマ様がため息を付いていますが、皆さんの様子からして、執着心の塊のような宰相様が竜人としては一般的なのですね。それならジーク様は…
その日の夜、私はジーク様に頂いたピアスの箱を取り出しました。アルマ様が作ったピアスは、片方は陛下の手元にあって、今ここにあるのは私の分です。それをそっと手に取ると、ランプの明かりを映して銀色のピアスが金色に輝きました。施された細工はとても細かくて綺麗で、きっとこれを選ぶ時、色々と考えて下さったのでしょうね…
ジーク様の事は…まだ迷っている自分がいますが、ラウラの言う通りだという事もわかっています。確かにお菓子を用意する時、ジーク様の分は誰よりも苦心していました。どう思われるかしらと心配になって、何度も確認していましたから…それが幻滅されないか、嫌われないかとの不安からのものだったと、今ならわかります。
それに、ジーク様が物凄く気を使って下さっている事も。皆さんの話からもその事は疑いようもありません…
(いい加減、向き合わなきゃ…)
ジーク様は今頃どうしていらっしゃるのでしょうか…無性にお会いしたくなりました。昨夜も色々考えて眠れませんでしたが、今夜もまた、私は自分の中のモヤモヤした気分に囚われて眠れぬ夜を過ごす事になりました。眠りについた頃にはすっかり夜が更けていましたが、私の中で何かが形になろうとしていました。
というのも、私もラウラも獣人との結婚がどういうものか今一つ理解出来ずにいたので、出来ればお二人に話を聞きたいと思ったのです。最初はベルタさんやユリア先生に聞こうと思いましたが、お二人とも未婚で、さすがにちょっと…と言われてしまいました。
そこに宰相様とケヴィン様の奥様が結婚式に出て下さるために王宮に滞在されると聞き、それならお二人に…となったのです。ジーク様の側近の奥様なのでいずれ顔合わせを…との話は以前からあったので、この機会に…とお茶にお誘いしました。
「初めまして王妃様、アルマと申します。お会いできて光栄です」
「セルマです。主人がいつもお世話になっております」
「いえ、こちらこそ急なお願いに応えて下さって、ありがとうございます」
アルマ様は兎人で、艶のある黒髪と紫紺の瞳を持つ小柄な女性でした、宰相様は白金の髪と金色の瞳をお持ちなので、色的には対のようにも見えます。殆ど外に出ないそうで、肌が雪のように白くて、黒髪がとても映えています。年齢は私達より少し上くらい、でしょうか。獣人なので実年齢はかなり上かもしれませんが。
一方のセルマ様は白金髪と灰色かかった青い瞳を持ち、ベルタさんほどではありませんが背が高くすらっとした方でした。クリっとした目がとても可愛らしく見えますが、年は二十代後半から三十代前半といったところでしょうか。狼人ですが、人族のケヴィン様を一途に思い続けたと聞いています。
お二人とは初対面なので会話が弾むかと不安でしたが、お二人と顔見知りのベルタさんやユリア先生が間に入って下さったお陰で、和やかな雰囲気でお話を聞く事が出来ました。
獣人と結婚したらどうなるか?については、お二人が結婚した経緯などをお話して貰う形で教えて貰いました。番至上主義がどんなものかから始まって、結婚したら蜜月と呼ばれる期間があって、その間は夫側に身体を合わせるために身体を重ねる事、その期間は種族が近い程短く、遠くなるほど長くなる事、などです。獣人は数か月から数年かけて、番の身体を作り変えるのだそうです。
蜜月の期間はずっと二人きりで過ごすのかと思っていましたが、お二人にそれはないと言われました。あれは誇張された話で、蜜月といっても数日休暇を取るのが一般的で、後は普通の生活に戻るのだそうです。実際、身体が出来上がるまで休暇を取っていたら、あちこちで仕事が回らなくなって大変よ、とセルマ様は笑い、それを聞いた私達はほっとしました。エーギル様の言い方では、正直不安しかなかったからです。
「アルマ様はお若い頃に宰相様と出会ったそうですね」
「ええ、まだあの人は成人を迎える前だったわね。私には無関係な人だと思っていたからもう、驚きしかなかったわ」
私が尋ねるとアルマ様が苦笑しながらそう答えられました。聞けばお二人は学生の頃に出会い、出会った直後から熱心に求婚されたそうです。
「でも最初は怖くて断っていたのよ。竜人なんて兎人からしたら恐怖の対象でしかなかったから」
「そうね、狼人の私でも竜人のオーラはきついもの」
「セルマもそう思うでしょう?しかもあの笑顔、胡散臭くしか見えなくって。もう、必死で逃げたわよ」
アルマ様が真顔でそう言いましたが…何となくわかる気もしました。あの笑顔は確かに曲者だと思います。
「も~しつこくて、どうやって逃げようかと悩んでいる間に外堀を埋め尽くされていたわ。あんの腹黒竜、いつの間にか両親たちまで味方につけて…」
アルマ様は忌々しそうな表情を浮かべました。宰相様はアルマ様を溺愛していると聞いていましたが…アルマ様の様子からすると仲がいい…とは言い難いようにも見えますが…これは一体…
「結局、周りを味方に引き込んで、なし崩し的に結婚させられたの。も~あの執着心の塊、ホラーでしかなかったわよ」
「そ、そうですか…宰相様はアルマ様を溺愛していると聞いていたので…意外でした」
「溺愛?私の意思は完全無視なのに?」
「か、完全無視ですか…?」
「そうよ。どうしたって逃げられないし、逃げたら痛い目を見るのはこっちだって悟ったから、さすがに諦めたわよ。それに…好きな事が出来るからまぁ、いいかなって」
「好きな事ですか?」
「私、アクセサリー作るのが大好きなの。一応店も持っているのよ。エリサ様の身に着けるアクセサリーや番のピアスを作ったのも私なの」
「えええっ?」
ジーク様から頂いた品が、アルマ様がお作りになった物だとは知りませんでした。あの素敵な細工をされたのがアルマ様だなんて…凄すぎます。
「アルマ様は人気のジュエリーデザイナーなんですよ。勿論、宰相様はアルマ様を表に出す事は禁じていますけど」
「そうね、自分の名前は出せないから男性名でやっているの。専ら家で作った物を売るだけなんだけどね」
「それでも、アルマ様のデザインは大人気なのですよ。私もケヴィン様にお願いして買って貰いましたわ」
セルマ様はアルマ様のアクセサリーのファンなのですね。でも、確かにあのピアスを見ればファンになるのも納得です。本当に素晴らしい出来でしたもの。
「アクセサリーは好きなだけ作っていいって言うから一緒に居るようなものよ。まぁ、さすがに三十年以上経てば少しは情も湧くし、今は昔ほど嫌じゃないけど」
何だか…凄い温度差があるのですね。結婚されてから三十年以上も経っているのも驚きですが…宰相様、溺愛しているというよりも、いつ逃げられるかと不安で執着している感じでしょうか…そう思うと、ジーク様はかなり、いえ、相当私を尊重して下さっているのですね…
「やっぱり兎人や人族はそう感じるのね。私、ケヴィン様が他の女性にとられないかと不安で仕方なくて…やっぱり執着のし過ぎは嫌われてしまうわよね…」
そう言って沈痛な表情を浮かべたのはセルマ様でした。そう言えばセルマ様は嫉妬深くて、これまでに何度も騒ぎを起こしたとも聞きましたが…
「でも、番が人族や兎人だったら不安になる気持ち、私はわかるわ。番に縛られない相手だと、いつ気持ちが離れていくかと心配になって当然だよ」
「ベルタさん…」
セルマ様に同意したのはベルタさんでした。お二人は狼人で番至上主義だから、相手に番の概念がないと不安になってしまうのですね。でも、好きな人の心変わりを不安に思う気持ちは人族も同じなので、わからなくもありません。ご自身が絶対に心変わりがないとなれば、その不安が一層強くなるのも仕方のない事でしょう。
「私も嫌われたくないから我慢しているんですけど…ケヴィン様から女性の匂いがすると不安でたまらなくって…陛下のようにもっと自重できればいいのだけど…」
「ジーク様が…」
「陛下は先王様のような事にならないようにと、物凄くご自身のお気持ちを抑えていると思うよ」
「そうね、私も噂で伺っていますけど…竜人は狼人よりもずっと番への思いが強いと聞きますわ。そう言う意味では、陛下はかなり無理をしていらっしゃると思いますよ」
「そうね、トール様も少しくらい陛下を見習って欲しいわ。まぁ、竜人としてはあれが普通なんだけど…」
アルマ様がため息を付いていますが、皆さんの様子からして、執着心の塊のような宰相様が竜人としては一般的なのですね。それならジーク様は…
その日の夜、私はジーク様に頂いたピアスの箱を取り出しました。アルマ様が作ったピアスは、片方は陛下の手元にあって、今ここにあるのは私の分です。それをそっと手に取ると、ランプの明かりを映して銀色のピアスが金色に輝きました。施された細工はとても細かくて綺麗で、きっとこれを選ぶ時、色々と考えて下さったのでしょうね…
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それに、ジーク様が物凄く気を使って下さっている事も。皆さんの話からもその事は疑いようもありません…
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ジーク様は今頃どうしていらっしゃるのでしょうか…無性にお会いしたくなりました。昨夜も色々考えて眠れませんでしたが、今夜もまた、私は自分の中のモヤモヤした気分に囚われて眠れぬ夜を過ごす事になりました。眠りについた頃にはすっかり夜が更けていましたが、私の中で何かが形になろうとしていました。
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