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結婚式の準備
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陛下との交流が再開して数日後、私は久しぶりに王宮を訪れました。呼ばれたのは陛下の執務室で、今日は宰相様やエリック様などの側近の皆さんもお集まりです。そこで私は宰相様から、結婚式の準備を進めると言われました。
そう言えばすっかり失念していましたが、結婚式は確かに一月ほど先に行う予定でした。これはマルダーンとの同盟の証なので、国事として予定されていたものです。
そうは言っても実のところは仮の結婚だったので、あんまり準備に力が入っていなかったんですよね。陛下の番が見つかったら中止になるものでしたし、国として形が整えばそれで十分だったので、私も自分の事なのに他人事のような感覚でした。
「だから、この式はエリサ様のお好みは殆ど反映されていないんだ」
「そうですわね…私もどうでもよかったですし…」
これは本心です。あ、陛下の表情が少し曇った気がしましたが…それは仕方ありませんわ、陛下。だってお飾りのつもりだったから本当にどうでもよくて、無駄なお金はかけずに済むように…くらいしか思っていませんでしたもの。
「でも、番となられた以上、後で式のやり直しはききませんからな。やるならエリサ様のご希望を最大限に…と言う事ですな」
「そういう事」
なるほど、陛下の本当の意味での番になるのはまだ無理ですが、結婚式だけはちゃんとしようという事ですわね。それは仕方ありませんわね、あんなにお金がかかる事を後でもう一度なんて、無駄でしかありませんもの。
「エリサ殿は…どうしたい?何か希望があるなら遠慮なく言って欲しい」
「…実は私、結婚式を見た事も出た事もなくて……」
そうなのです。だからどうしたいかと聞かれても、答える術を持ちませんでした。結局、そういう事なら…と、ラルセンで代々受け継がれてきた形式に則った式で進める事になりました。この国の王妃になったのですから、それでいいと思いますわ。
ラルセンの国の王妃は番なので、あまり人前に出る事はないそうです。一番は王が番を人前に出すのを嫌がるからです。王の番は最大の弱点でもあるので、パーティーなんてとんでもない!と言うのが一般的なのだとか。その為、結婚式とそれに続く披露パーティーの最初の部分だけは出ますが、後は王のみの出席になるそうです。
「あとジーク、エリサ様の事、マルダーンにどう伝える?」
「番の事か…」
「ああ」
「…出来れば、今回は伏せておきたい。番と知れたら…危険な気がする」
「同感ですな」
やっぱり、皆さんもそうお考えなのですね。恥ずかしい限りですが…でも、皆さんと認識が同じでちょっと安心しました。私も…あの人達には番だとは言いたくありません。そんな事をしたら、陛下や皆さんに絶対にご迷惑をかけてしまう気がします。
「それで…マルダーンから出席する方は…」
「ああ、今回は王太子殿下とカミラ王女と連絡が来ていますよ」
「え…?カミラ王女?王太子妃ではなく?」
「王太子妃殿下は妊娠が判明したため急遽欠席となりました。その代わりにカミラ王女をお連れすると連絡がありましたよ」
「…そう、ですか…」
よりにもよってカミラが…正直言って彼女が来るなんてもう不安しかありません。私を馬鹿にするのが生きがいのような人なので、絶対に何かやらかしそうな気がします…そう断言出来てしまうなんて…全く恥かしいですわ。これならまだ、聡明だと評判が高かった兄の妃が来てくださった方がずっとよかったです。せっかくの結婚式ですが…何となく暗雲が垂れ込めてくるような気がして、私は気が重くなるのを感じました。
「心配ない、エリサ殿。必ず私が守ろう」
「陛下…ありがとうございます」
思いがけず陛下からそう仰って頂いて、私は少し心が軽くなるのを感じました。そうですわね、いくらカミラが非常識で我儘でも、他国の王宮でトラブルを起こす事はないでしょう、多分…
そうこうしている間に、今度は結婚式の衣装合わせになりました。一応式をする予定だったので、ドレスは既に仮縫いも終わり、最終段階に入っていました。
「エリサ様、お綺麗ですわ!」
「ほんと、妖精みたい」
「ベールで隠してしまうのがもったいないわね」
殆ど出来上がったドレスを身に着けて最終確認をされている私を、女子会メンバーの皆さんが褒めて下さいました。ドレスは陛下の髪色と同じ、淡い青みがかった銀色の生地に、所々に金と青の指し色が入っています。肌は露出を極力避けてハイネックに長袖で、スカートはふんわりしていて後ろが長くなっていています。
そして最大の特徴は、同じ仕様のベールです。このベールは色も青銀色で所々に金と青の刺繍や飾りが入っています。前はお腹の下まであり、後ろはドレスの裾と同じくらいに長いのです。番を見せたがらない王のためにと、そりゃあもうこれでもかと言うくらいにベールで隠されているので、ベールが下りている状態では一人でなんて歩けません。陛下かお付きの人に手を引いて貰わないと…本当に足元くらいしか見えないのです。
このドレス、実は大分前―確か最初の夜会の時―に希望を聞かれて、それに合わせて制作されていました。仮だと思っていたので興味がなかったのですが、今になって本番となってしまったので、デザイナーもお針子さんも大慌てです。それもあってか、一生に一度の事ですのよ!と他に何か希望はないかとこれでもかと言うくらいに聞かれました。
でも…殆ど出来上がったドレスは私の好みが反映されていますし、これ以上華美になるとドレスに負けてしまいそうです。結局、ラウラやベルタさん、ユリア先生とも相談して、少しだけ装飾を増やして貰う事にしました。
結婚式の衣装の件はこれで終わったかと思ったのですが…翌日陛下は人を連れてやってきました。お客様とは珍しい…と思っていると、何とその方は宝石商でした。も、もしかして…何だか背中が薄ら寒くなりました。
「結婚式で使う宝飾品も揃えないといけないだろう。気に入ったものがあったら言ってくれ」
やっぱり―!と私が心の中で叫んだのは言うまでもありません。そりゃあ、ドレスに宝石はセットではありますが…でも、どうせベールに隠れて見えませんよ?だったら必要ないのでは…
「最近はベールを飾るアクセサリーが流行っております。特に人気なのは…」
そう言って商人さんが出してきたのは、ベールに付けるタイプのアクセサリーでした。細い鎖が何連も重なり、所々に宝石が付いています。これをベールの上からたらすのだそうですが、ベールにも既に刺繍が組み込まれています。いえ、確かにキラキラして綺麗だろうな…とは思いますが…
「ああ、これ、流行っているよね~私の友達も使っていたよ」
「ええ?ベルタさんのお友達が?」
「うん、彼女は虎人の番だったんだけど、虎人も嫉妬深いからね、ベール必須だったんだ。だから髪飾りの替わりにこれにしたんだよ」
なるほど、ベールの上に付けるのは今の流行りなのですね。で、でも…
「エリサ殿、これくらいは一般的だから問題ない。それでなくてもドレスは華美ではないんだ。金額など気にせず気に入ったものを選んでくれ」
「そうそう、王妃が地味だと侮られる事にもなるからね」
「そうね、国事なのだから、それなりの見栄えも大事だわ」
陛下だけでなくベルタさんやユリア先生にまでにそう言われると、断れないじゃないですか…うう、確かに綺麗で心は惹かれますが…
結局、私は商人さんが示した三つのうち、二つ目のベール飾りにしました。色がドレスの色に合うのと、銀の細いチェーンが綺麗に反射してベールによく映えそうだったからです。
「陛下もちゃっかりしてるよね。国事だって言えばエリサ様も断れないもんね」
「そうね、でも、男性にとっては頑張り時ですもの。張り切るのは仕方ないわ」
「…そう言うものなんでしょうか…」
あまりにも散財が過ぎる気がして、私の精神が削られている気がします。いくら何でも贅沢過ぎないでしょうか…
「甘いわ、エリサ様。あれくらいなら全く贅沢が過ぎるって事はないよ」
「そうね。それに、番をどれだけ着飾らせるかは、男性のステータスでもあり楽しみなのよ。そのために人族でも男性は、働き始めると番のために貯蓄に励むんだから」
「だからって…」
「番にお金をかけないと、価値がないと周りから見られちゃうの。即物的だけど、番への愛情を目に見える形で表すためのものなのよ」
「そういう事。この国は力がある者が王になるけど、そこら辺も影響しているんだよ。だから、陛下の力を示すためにもそれなりの格好は必要なんだ」
なるほど…と納得しちゃっていいのでしょうか…いえ、嬉しいか嬉しくないかと聞かれれば、嬉しいのですが…ただ、あまりにも額が大きくて気が遠くなりそうです…どうも母国で染みついた金銭感覚は、そう簡単には変われそうもないのだと強く感じました。
そう言えばすっかり失念していましたが、結婚式は確かに一月ほど先に行う予定でした。これはマルダーンとの同盟の証なので、国事として予定されていたものです。
そうは言っても実のところは仮の結婚だったので、あんまり準備に力が入っていなかったんですよね。陛下の番が見つかったら中止になるものでしたし、国として形が整えばそれで十分だったので、私も自分の事なのに他人事のような感覚でした。
「だから、この式はエリサ様のお好みは殆ど反映されていないんだ」
「そうですわね…私もどうでもよかったですし…」
これは本心です。あ、陛下の表情が少し曇った気がしましたが…それは仕方ありませんわ、陛下。だってお飾りのつもりだったから本当にどうでもよくて、無駄なお金はかけずに済むように…くらいしか思っていませんでしたもの。
「でも、番となられた以上、後で式のやり直しはききませんからな。やるならエリサ様のご希望を最大限に…と言う事ですな」
「そういう事」
なるほど、陛下の本当の意味での番になるのはまだ無理ですが、結婚式だけはちゃんとしようという事ですわね。それは仕方ありませんわね、あんなにお金がかかる事を後でもう一度なんて、無駄でしかありませんもの。
「エリサ殿は…どうしたい?何か希望があるなら遠慮なく言って欲しい」
「…実は私、結婚式を見た事も出た事もなくて……」
そうなのです。だからどうしたいかと聞かれても、答える術を持ちませんでした。結局、そういう事なら…と、ラルセンで代々受け継がれてきた形式に則った式で進める事になりました。この国の王妃になったのですから、それでいいと思いますわ。
ラルセンの国の王妃は番なので、あまり人前に出る事はないそうです。一番は王が番を人前に出すのを嫌がるからです。王の番は最大の弱点でもあるので、パーティーなんてとんでもない!と言うのが一般的なのだとか。その為、結婚式とそれに続く披露パーティーの最初の部分だけは出ますが、後は王のみの出席になるそうです。
「あとジーク、エリサ様の事、マルダーンにどう伝える?」
「番の事か…」
「ああ」
「…出来れば、今回は伏せておきたい。番と知れたら…危険な気がする」
「同感ですな」
やっぱり、皆さんもそうお考えなのですね。恥ずかしい限りですが…でも、皆さんと認識が同じでちょっと安心しました。私も…あの人達には番だとは言いたくありません。そんな事をしたら、陛下や皆さんに絶対にご迷惑をかけてしまう気がします。
「それで…マルダーンから出席する方は…」
「ああ、今回は王太子殿下とカミラ王女と連絡が来ていますよ」
「え…?カミラ王女?王太子妃ではなく?」
「王太子妃殿下は妊娠が判明したため急遽欠席となりました。その代わりにカミラ王女をお連れすると連絡がありましたよ」
「…そう、ですか…」
よりにもよってカミラが…正直言って彼女が来るなんてもう不安しかありません。私を馬鹿にするのが生きがいのような人なので、絶対に何かやらかしそうな気がします…そう断言出来てしまうなんて…全く恥かしいですわ。これならまだ、聡明だと評判が高かった兄の妃が来てくださった方がずっとよかったです。せっかくの結婚式ですが…何となく暗雲が垂れ込めてくるような気がして、私は気が重くなるのを感じました。
「心配ない、エリサ殿。必ず私が守ろう」
「陛下…ありがとうございます」
思いがけず陛下からそう仰って頂いて、私は少し心が軽くなるのを感じました。そうですわね、いくらカミラが非常識で我儘でも、他国の王宮でトラブルを起こす事はないでしょう、多分…
そうこうしている間に、今度は結婚式の衣装合わせになりました。一応式をする予定だったので、ドレスは既に仮縫いも終わり、最終段階に入っていました。
「エリサ様、お綺麗ですわ!」
「ほんと、妖精みたい」
「ベールで隠してしまうのがもったいないわね」
殆ど出来上がったドレスを身に着けて最終確認をされている私を、女子会メンバーの皆さんが褒めて下さいました。ドレスは陛下の髪色と同じ、淡い青みがかった銀色の生地に、所々に金と青の指し色が入っています。肌は露出を極力避けてハイネックに長袖で、スカートはふんわりしていて後ろが長くなっていています。
そして最大の特徴は、同じ仕様のベールです。このベールは色も青銀色で所々に金と青の刺繍や飾りが入っています。前はお腹の下まであり、後ろはドレスの裾と同じくらいに長いのです。番を見せたがらない王のためにと、そりゃあもうこれでもかと言うくらいにベールで隠されているので、ベールが下りている状態では一人でなんて歩けません。陛下かお付きの人に手を引いて貰わないと…本当に足元くらいしか見えないのです。
このドレス、実は大分前―確か最初の夜会の時―に希望を聞かれて、それに合わせて制作されていました。仮だと思っていたので興味がなかったのですが、今になって本番となってしまったので、デザイナーもお針子さんも大慌てです。それもあってか、一生に一度の事ですのよ!と他に何か希望はないかとこれでもかと言うくらいに聞かれました。
でも…殆ど出来上がったドレスは私の好みが反映されていますし、これ以上華美になるとドレスに負けてしまいそうです。結局、ラウラやベルタさん、ユリア先生とも相談して、少しだけ装飾を増やして貰う事にしました。
結婚式の衣装の件はこれで終わったかと思ったのですが…翌日陛下は人を連れてやってきました。お客様とは珍しい…と思っていると、何とその方は宝石商でした。も、もしかして…何だか背中が薄ら寒くなりました。
「結婚式で使う宝飾品も揃えないといけないだろう。気に入ったものがあったら言ってくれ」
やっぱり―!と私が心の中で叫んだのは言うまでもありません。そりゃあ、ドレスに宝石はセットではありますが…でも、どうせベールに隠れて見えませんよ?だったら必要ないのでは…
「最近はベールを飾るアクセサリーが流行っております。特に人気なのは…」
そう言って商人さんが出してきたのは、ベールに付けるタイプのアクセサリーでした。細い鎖が何連も重なり、所々に宝石が付いています。これをベールの上からたらすのだそうですが、ベールにも既に刺繍が組み込まれています。いえ、確かにキラキラして綺麗だろうな…とは思いますが…
「ああ、これ、流行っているよね~私の友達も使っていたよ」
「ええ?ベルタさんのお友達が?」
「うん、彼女は虎人の番だったんだけど、虎人も嫉妬深いからね、ベール必須だったんだ。だから髪飾りの替わりにこれにしたんだよ」
なるほど、ベールの上に付けるのは今の流行りなのですね。で、でも…
「エリサ殿、これくらいは一般的だから問題ない。それでなくてもドレスは華美ではないんだ。金額など気にせず気に入ったものを選んでくれ」
「そうそう、王妃が地味だと侮られる事にもなるからね」
「そうね、国事なのだから、それなりの見栄えも大事だわ」
陛下だけでなくベルタさんやユリア先生にまでにそう言われると、断れないじゃないですか…うう、確かに綺麗で心は惹かれますが…
結局、私は商人さんが示した三つのうち、二つ目のベール飾りにしました。色がドレスの色に合うのと、銀の細いチェーンが綺麗に反射してベールによく映えそうだったからです。
「陛下もちゃっかりしてるよね。国事だって言えばエリサ様も断れないもんね」
「そうね、でも、男性にとっては頑張り時ですもの。張り切るのは仕方ないわ」
「…そう言うものなんでしょうか…」
あまりにも散財が過ぎる気がして、私の精神が削られている気がします。いくら何でも贅沢過ぎないでしょうか…
「甘いわ、エリサ様。あれくらいなら全く贅沢が過ぎるって事はないよ」
「そうね。それに、番をどれだけ着飾らせるかは、男性のステータスでもあり楽しみなのよ。そのために人族でも男性は、働き始めると番のために貯蓄に励むんだから」
「だからって…」
「番にお金をかけないと、価値がないと周りから見られちゃうの。即物的だけど、番への愛情を目に見える形で表すためのものなのよ」
「そういう事。この国は力がある者が王になるけど、そこら辺も影響しているんだよ。だから、陛下の力を示すためにもそれなりの格好は必要なんだ」
なるほど…と納得しちゃっていいのでしょうか…いえ、嬉しいか嬉しくないかと聞かれれば、嬉しいのですが…ただ、あまりにも額が大きくて気が遠くなりそうです…どうも母国で染みついた金銭感覚は、そう簡単には変われそうもないのだと強く感じました。
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