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七章
よくある話だそうです
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「自分が、して欲しかったこと?」
ユーニスの言葉は私が思いもしなかったことだった。生まれてくる赤ちゃんのためにどうすべきか悩んでいるのに、自分のして欲しかったことをやっても意味があるとは思えなかったから。だって、それは赤ちゃんのためになるだろうか……
「ええ。お母様にこうしてくれたらいいのに、って思っていたことをするんです。辛いことや悲しいことがあった時はしっかり話を聞いてぎゅっと抱きしめてほしい、悪いことをしたらしっかり叱ってほしい、理不尽な目に遭ったら助けてほしい。どれも私がずっと思っていたことですわ」
それは私が願っていたことでもあった。両親に見て欲しい、愛して欲しい、守って欲しいとどれほど願っただろうか。結局それらは叶うことがなかったけれど、その想いは今も私の中で燻ぶっていた。ラリー様やユーニスたちに甘やかされているけれど、甘やかされればされるほど、そうされなかった寂しさや悲しさ、虚しさが強くなっていく気がしていた。
「私が自分の子にやって欲しかったことをすれば、私の気が済むんじゃないかと思うのです。そうすれば……いつかはこの心の中にある、ぽっかり空いた穴も小さくなっていくのではないかと思うのですよ」
「ぽっかり空いた、穴……」
それは意外過ぎる言葉で、信じられなかった。あんなに自信満々で強くて誰にも負けないユーニスが、私と同じような想いを抱えていたなんて。
「ユ、ユーニスが……信じられないわ……」
「そうですか? まぁ、私はこういう性格ですから、弱みを誰かに見せるなんて死ぬよりも嫌ですからそう見えないと思いますわ」
確かにユーニスはそうだろう。強くて誇り高くて毅然としていて……
「でも、心が弱くなる時だってありますわ。子どもの頃は特にそうでしたし、王妃様にお仕えしていた時も嫌になることは多々ありましたわ」
「そうね」
「育児は自分を育てるものでもあるそうですよ」
「自分を?」
「ええ。子どもを通じて自分を見直す機会になるのだそうです。ああ、これは王妃様の言葉で私が自分で気付いたものではないのですけれど」
「王妃様が……」
自信に満ち溢れて、揺るぎない強さを持つ王妃様が……そう思ったけれど、そう言えばエリオット様が処罰された時は酷く憔悴されて、育て方を間違えたと仰っていたのを思い出して気分が落ち込んだ。あの王妃様ですら子育ては難しいのだ。だったら私は……
「王妃様ですらエリオット様育ては失敗したと仰っていましたわ。だったら私など失敗しても当然じゃありませんか?」
「え?」
「失敗して当然なんですよ。きっと。でも、その中でも子供はちゃんと育つと思いますわ。私やアレクシア様のように」
「……」
「反面教師という言葉もありますもの。私たちが至らなくても、子供はちゃんと育ちます。それに、子育ては一人でするわけではありませんでしょう? アレクシア様には私もモリスン夫人も、出産経験のある侍女たちもいますわ。それにローレンス様も」
「え、ええ」
「一人で抱え込まずに、みんなで育てればいいのですよ。だから心配はいりませんわ。心配しなくてもアレクシア様には過保護な夫がいるのですから」
「過保護なって……」
「あら、違いましたか?」
「う、ううん」
ラリー様が過保護なのは否定しようがなかった。確かにラリー様がいてくれたら私が心配している間に何でもやってしまいそうな気がする。それにユーニスとモリスン夫人もいてくれるし、お義父様も。
「妊娠すると気分が落ち込んだりするそうですよ。マタニティブルーといってよくある話だそうですわ」
「よくある話?」
「ええ、よくある話です」
ユーニスがもう一度そう繰り返した。私に言い聞かせるように。
「ああ、出産後も気分が落ち込むそうですわね。アレクシア様はお優しいからそうなりやすいのでしょう。でも大丈夫ですわ。それは一時的なものだそうですから」
「そ、そうなの?」
「そうなのですよ。だからあまり気に病まないで、気分が悪くなければお茶にしましょう」
「お茶?」
「ええ。ベッドで寝ていても気が滅入るだけですわ。サロンは日差しがよく入り込んで明るいですし、そちらに参りましょう」
そういうとユーニスは侍女に頼んでサロンの暖炉に火を入れるように頼んだ。程なくして部屋が暖かくなったと知らせがあったので、私はユーニスに手を引かれてサロンへと向かった。
「あ、明るい……」
「ここは冬でも日差しが入り込むように作られた部屋だそうですわ。明るいから気分も上向きになりましょう」
確かにこの部屋は窓近くに暖炉があって、暖炉の前にも日が差し込んでいた。雪に閉ざされたヘーゼルダインでは日が差すことは少ないけれど、それでも晴れ間が出れば眩しいほどに明るくなった。
「さぁ、白湯ですが温まりますよ」
「あ、ありがとう」
悪阻でお茶の匂いもダメだけど白湯なら問題なく飲めて、お腹の中からぽかぽかと暖かくなった。そのせいだろうか、先ほどまでの鬱々とした気分は随分晴れて、気持ち悪さも少しだけ軽くなった気がした。
(考えすぎていたのかも、しれない……)
ユーニスが言った言葉はまだ全て受け入れられたわけじゃないけれど、一理あってそうかもしれないと思えた。確かに私一人で育てるわけじゃない。ユーニスもモリスン夫人も侍女たちもいるし、ラリー様は過剰なくらいに過保護で大切にしてくれる。何かあっても絶対に手を貸してくれるだろう。
その日を境に、私の悪阻は幾分落ち着いたように感じた。食欲も出て来たし口に出来るものも少しだけ広がって、ラリー様やユーニスを安心させられたと思う。何よりも、お腹に宿った赤ちゃんに何をしてあげようかと考える楽しみが出来て、ユーニスと一緒に手袋や靴下、帽子などを編むようになった。まだ上手出来ないけれど、何かを完成させる毎に一層気持ちが上向きになっていった。
ユーニスの言葉は私が思いもしなかったことだった。生まれてくる赤ちゃんのためにどうすべきか悩んでいるのに、自分のして欲しかったことをやっても意味があるとは思えなかったから。だって、それは赤ちゃんのためになるだろうか……
「ええ。お母様にこうしてくれたらいいのに、って思っていたことをするんです。辛いことや悲しいことがあった時はしっかり話を聞いてぎゅっと抱きしめてほしい、悪いことをしたらしっかり叱ってほしい、理不尽な目に遭ったら助けてほしい。どれも私がずっと思っていたことですわ」
それは私が願っていたことでもあった。両親に見て欲しい、愛して欲しい、守って欲しいとどれほど願っただろうか。結局それらは叶うことがなかったけれど、その想いは今も私の中で燻ぶっていた。ラリー様やユーニスたちに甘やかされているけれど、甘やかされればされるほど、そうされなかった寂しさや悲しさ、虚しさが強くなっていく気がしていた。
「私が自分の子にやって欲しかったことをすれば、私の気が済むんじゃないかと思うのです。そうすれば……いつかはこの心の中にある、ぽっかり空いた穴も小さくなっていくのではないかと思うのですよ」
「ぽっかり空いた、穴……」
それは意外過ぎる言葉で、信じられなかった。あんなに自信満々で強くて誰にも負けないユーニスが、私と同じような想いを抱えていたなんて。
「ユ、ユーニスが……信じられないわ……」
「そうですか? まぁ、私はこういう性格ですから、弱みを誰かに見せるなんて死ぬよりも嫌ですからそう見えないと思いますわ」
確かにユーニスはそうだろう。強くて誇り高くて毅然としていて……
「でも、心が弱くなる時だってありますわ。子どもの頃は特にそうでしたし、王妃様にお仕えしていた時も嫌になることは多々ありましたわ」
「そうね」
「育児は自分を育てるものでもあるそうですよ」
「自分を?」
「ええ。子どもを通じて自分を見直す機会になるのだそうです。ああ、これは王妃様の言葉で私が自分で気付いたものではないのですけれど」
「王妃様が……」
自信に満ち溢れて、揺るぎない強さを持つ王妃様が……そう思ったけれど、そう言えばエリオット様が処罰された時は酷く憔悴されて、育て方を間違えたと仰っていたのを思い出して気分が落ち込んだ。あの王妃様ですら子育ては難しいのだ。だったら私は……
「王妃様ですらエリオット様育ては失敗したと仰っていましたわ。だったら私など失敗しても当然じゃありませんか?」
「え?」
「失敗して当然なんですよ。きっと。でも、その中でも子供はちゃんと育つと思いますわ。私やアレクシア様のように」
「……」
「反面教師という言葉もありますもの。私たちが至らなくても、子供はちゃんと育ちます。それに、子育ては一人でするわけではありませんでしょう? アレクシア様には私もモリスン夫人も、出産経験のある侍女たちもいますわ。それにローレンス様も」
「え、ええ」
「一人で抱え込まずに、みんなで育てればいいのですよ。だから心配はいりませんわ。心配しなくてもアレクシア様には過保護な夫がいるのですから」
「過保護なって……」
「あら、違いましたか?」
「う、ううん」
ラリー様が過保護なのは否定しようがなかった。確かにラリー様がいてくれたら私が心配している間に何でもやってしまいそうな気がする。それにユーニスとモリスン夫人もいてくれるし、お義父様も。
「妊娠すると気分が落ち込んだりするそうですよ。マタニティブルーといってよくある話だそうですわ」
「よくある話?」
「ええ、よくある話です」
ユーニスがもう一度そう繰り返した。私に言い聞かせるように。
「ああ、出産後も気分が落ち込むそうですわね。アレクシア様はお優しいからそうなりやすいのでしょう。でも大丈夫ですわ。それは一時的なものだそうですから」
「そ、そうなの?」
「そうなのですよ。だからあまり気に病まないで、気分が悪くなければお茶にしましょう」
「お茶?」
「ええ。ベッドで寝ていても気が滅入るだけですわ。サロンは日差しがよく入り込んで明るいですし、そちらに参りましょう」
そういうとユーニスは侍女に頼んでサロンの暖炉に火を入れるように頼んだ。程なくして部屋が暖かくなったと知らせがあったので、私はユーニスに手を引かれてサロンへと向かった。
「あ、明るい……」
「ここは冬でも日差しが入り込むように作られた部屋だそうですわ。明るいから気分も上向きになりましょう」
確かにこの部屋は窓近くに暖炉があって、暖炉の前にも日が差し込んでいた。雪に閉ざされたヘーゼルダインでは日が差すことは少ないけれど、それでも晴れ間が出れば眩しいほどに明るくなった。
「さぁ、白湯ですが温まりますよ」
「あ、ありがとう」
悪阻でお茶の匂いもダメだけど白湯なら問題なく飲めて、お腹の中からぽかぽかと暖かくなった。そのせいだろうか、先ほどまでの鬱々とした気分は随分晴れて、気持ち悪さも少しだけ軽くなった気がした。
(考えすぎていたのかも、しれない……)
ユーニスが言った言葉はまだ全て受け入れられたわけじゃないけれど、一理あってそうかもしれないと思えた。確かに私一人で育てるわけじゃない。ユーニスもモリスン夫人も侍女たちもいるし、ラリー様は過剰なくらいに過保護で大切にしてくれる。何かあっても絶対に手を貸してくれるだろう。
その日を境に、私の悪阻は幾分落ち着いたように感じた。食欲も出て来たし口に出来るものも少しだけ広がって、ラリー様やユーニスを安心させられたと思う。何よりも、お腹に宿った赤ちゃんに何をしてあげようかと考える楽しみが出来て、ユーニスと一緒に手袋や靴下、帽子などを編むようになった。まだ上手出来ないけれど、何かを完成させる毎に一層気持ちが上向きになっていった。
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読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
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