206 / 213
七章
ユーニスの結婚式
しおりを挟む
それから半月後、まだ汗ばむ陽気の季節にユーニスの結婚式が行われた。その日は三日前から晴れ渡り、風にどこか秋の気配を含むいい日和の中だった。もう少ししたら領内は収穫の時期を迎えて忙しくなるだろう。
「まぁあ! さすがはユーニス様! お綺麗ですわ」
「本当に。奥様とはまた違った趣がありますわね」
「ええ。今年は二回も大きな結婚式が続くなんて、幸先がいいですわ」
婚礼衣装をまとい数々の宝飾品を身に着けたユーニスは、とても言葉で表現するのは難しいと思うほどに綺麗だった。衣裳も素敵だったけれど、やっぱりユーニス本人が輝くような笑顔を見せているのが一番だと思う。いつもは表情を崩さないように努めているけれど、本来のユーニスはとても表情豊かなのだ。
その証拠に、ユーニスを迎えに来たロバートが、あのいつも余裕の表情を崩さないロバートが、ユーニスを一目見て固まってしまったのだ。その衝撃はかなりのものだったのだろう。私たちは仮縫いや試着で見ているから免疫が出来ていたけれど、きっと全てを身に着けたユーニスを突然見たら、ロバートと同じだったと思う。
「……き、綺麗だ、ユーニス……」
耳まで赤くして、照れながらぎこちなくそういうロバートに、モリスン夫人はじめとする侍女たちが小さくガッツポーズをしていたのは仕方のないことだと思う。そのロバートの横でユーニスまで赤くなっていた。何だかんだ言ってユーニスも恋愛や男性に免疫がないのだから。
式は恙なく進み、ユーニスはヘーゼルダイン辺境伯令嬢からテイラー子爵令息夫人になった。近々子爵は爵位をロバートに譲るから、程なくして子爵夫人になるだろう。ヘーゼルダインの分家の筆頭がこの二人となれば心強い事この上ない。
それからユーニスとロバートは、半月の休暇を取った。二人とも仕事中毒なので二週間も要らないと言っていたが、そこは私とラリー様で一月と主張し、妥協して半月になったのだ。これも最初から半月というとその半分でと言い出すのを見越して、一月にした経緯がある。元から休暇を取らない二人だけど、側にいてくれると心強いけれど、新婚の時くらいはゆっくりして欲しいと思う。
「ユーニスがいないと変な感じだわ……」
王都にいた頃から常にユーニスが側にいてくれた。一、二日休みを取ることはあったけれど、同じ屋敷に住んでいるから顔を合わせない日はなかった。でも、結婚を機に二人は屋敷の側に居を構えたから、全く顔を見せないのだ。こんなことは初めてのことだった。
「シアはユーニスがいなくて寂しい?」
「ええ。だっていつも一緒でしたもの」
「そうだね。じゃ……寂しくないように私がその分構ってあげるからね」
「は? え? ええっ?」
ラリー様の部屋でのんびりお茶を頂いていた私達だったけれど、そう言うとラリー様は私をソファに押し倒して……昼間だというのに散々構い倒された。助けを呼ぼうにもユーニスはいないし、モリスン夫人たちは生温かい笑みを浮かべると黙って出て行ってしまった。
結局、ユーニスが戻ってくる日まで、暇があればラリー様に構い倒されて、一日の殆どをベッドの上で過ごすことになった。
(ラリー様、絶対狙っていたわね……)
一月の休みを最初に提案したのはラリー様だった。きっとこうなることを狙っていたのだろう、と思う。
「仲良き事はよくことじゃな。こうなると孫の顔を見れる日も遠くないかもしれんなぁ」
そう言ってお茶を飲みながら言ったのはお義父様だった。そう言えばユーニスもお義父様の養女になったから、私とユーニスの子はお義父様の孫になるのだ。
「実子には恵まれなんだし、ラリーは結婚しないと言っておったからな。まさか義理とはいえ娘が二人も出来るとはレイチェルも思わなんだだろう」
「お義父様、気が早いですわ……」
「そう言わずに早く孫を抱かせてくれ。孫が出来たら一緒にレイチェルの墓参りに行くんじゃ」
お義父様はお義母様だけを愛して、妾も再婚話も全て断ったという。愛情深い方だから子が欲しくなかったわけじゃないだろうけど、お義母様の身体を最優先にして諦めたのだ。そんな義父様のお願いなら叶えたいとは思う。思うけど、ユーニスは結婚したばかりだし、私たちだってまだ一年も経っていない。もう少し先でもいいんじゃないかと思う。
「そうは言うがなぁ、ラリーももう三十五じゃろ? 子が成人する年を考えると、早いに越したことはないと思うぞ」
そう言われると確かにそうかもと思う自分がいた。ラリー様の年なら学園に通っている子供がいてもおかしくない年だから。私の母だってラリー様と五歳しか変わらない。そう思うと早い方がいいと思うけれど……
(ラリー様が老いて弱っていく姿なんて、想像出来ないわ……)
今だって私の何倍も元気なラリー様なのだ。しかも怪我をしても私の力で即治るし、多少の体調不良だって何とかなるだろう。病気や毒には効きは弱いけれど、癒せない訳じゃないのだから。しかも今でも鍛錬は怠っていないと言うし、こうなると私が死なない限りラリー様は元気いっぱいな気がする。
(そりゃあ、私も子ども欲しいけれど……)
両親と妹に私にはどうにも出来ないことで家族として扱って貰えなかったから、家族に憧れる気持ちは強い。ラリー様は子どもたちを可愛がってくるだろうし、きっと賑やかで楽しいだろうと思う。思うのだけど……
(自分が母親になるなんて、想像出来ない……)
お母様に疎まれていたせいか、私は母親というものがよくわからなかった。私にとってはお母様よりもお祖母様の方が育ててくれた感が強く親しみを持っている。そのせいか、母親になった自分が全く想像出来ないのだ。そりゃあ、貴族は自分一人で育てるわけじゃないし、ユーニスやモリスン夫人たちは喜んで手伝ってくれるのはわかるのだけど、自信が持てなかった。
(……お母様みたいになったら、どうしよう……)
子供が出来たら盲目的になりそうで怖かった。我が子のことしか考えられなくなって、他のことなんでどうでもよくなったら、辺境伯夫人としてもセネット家当主としても失格だ。孤児院や救護院のことも、騎士たちの治療や未亡人の支援も大切なことなのに、子供との時間を奪う面倒事だと思うようになったりしないだろうか……
お母様のメイベルへの溺愛ぶりを冷静にみられるようになったけれど、それが私の不安を一層大きくしていた。私だってお母様の子だ。あんな風にただ可愛がり甘やかすだけのダメな親になったりしないだろうか。理性ではだめだと思っていても可愛いから仕方ないわねと思うような馬鹿な親にならないだろうか。そんな不安がいつの間にか心に重くのしかかっていた。
「まぁあ! さすがはユーニス様! お綺麗ですわ」
「本当に。奥様とはまた違った趣がありますわね」
「ええ。今年は二回も大きな結婚式が続くなんて、幸先がいいですわ」
婚礼衣装をまとい数々の宝飾品を身に着けたユーニスは、とても言葉で表現するのは難しいと思うほどに綺麗だった。衣裳も素敵だったけれど、やっぱりユーニス本人が輝くような笑顔を見せているのが一番だと思う。いつもは表情を崩さないように努めているけれど、本来のユーニスはとても表情豊かなのだ。
その証拠に、ユーニスを迎えに来たロバートが、あのいつも余裕の表情を崩さないロバートが、ユーニスを一目見て固まってしまったのだ。その衝撃はかなりのものだったのだろう。私たちは仮縫いや試着で見ているから免疫が出来ていたけれど、きっと全てを身に着けたユーニスを突然見たら、ロバートと同じだったと思う。
「……き、綺麗だ、ユーニス……」
耳まで赤くして、照れながらぎこちなくそういうロバートに、モリスン夫人はじめとする侍女たちが小さくガッツポーズをしていたのは仕方のないことだと思う。そのロバートの横でユーニスまで赤くなっていた。何だかんだ言ってユーニスも恋愛や男性に免疫がないのだから。
式は恙なく進み、ユーニスはヘーゼルダイン辺境伯令嬢からテイラー子爵令息夫人になった。近々子爵は爵位をロバートに譲るから、程なくして子爵夫人になるだろう。ヘーゼルダインの分家の筆頭がこの二人となれば心強い事この上ない。
それからユーニスとロバートは、半月の休暇を取った。二人とも仕事中毒なので二週間も要らないと言っていたが、そこは私とラリー様で一月と主張し、妥協して半月になったのだ。これも最初から半月というとその半分でと言い出すのを見越して、一月にした経緯がある。元から休暇を取らない二人だけど、側にいてくれると心強いけれど、新婚の時くらいはゆっくりして欲しいと思う。
「ユーニスがいないと変な感じだわ……」
王都にいた頃から常にユーニスが側にいてくれた。一、二日休みを取ることはあったけれど、同じ屋敷に住んでいるから顔を合わせない日はなかった。でも、結婚を機に二人は屋敷の側に居を構えたから、全く顔を見せないのだ。こんなことは初めてのことだった。
「シアはユーニスがいなくて寂しい?」
「ええ。だっていつも一緒でしたもの」
「そうだね。じゃ……寂しくないように私がその分構ってあげるからね」
「は? え? ええっ?」
ラリー様の部屋でのんびりお茶を頂いていた私達だったけれど、そう言うとラリー様は私をソファに押し倒して……昼間だというのに散々構い倒された。助けを呼ぼうにもユーニスはいないし、モリスン夫人たちは生温かい笑みを浮かべると黙って出て行ってしまった。
結局、ユーニスが戻ってくる日まで、暇があればラリー様に構い倒されて、一日の殆どをベッドの上で過ごすことになった。
(ラリー様、絶対狙っていたわね……)
一月の休みを最初に提案したのはラリー様だった。きっとこうなることを狙っていたのだろう、と思う。
「仲良き事はよくことじゃな。こうなると孫の顔を見れる日も遠くないかもしれんなぁ」
そう言ってお茶を飲みながら言ったのはお義父様だった。そう言えばユーニスもお義父様の養女になったから、私とユーニスの子はお義父様の孫になるのだ。
「実子には恵まれなんだし、ラリーは結婚しないと言っておったからな。まさか義理とはいえ娘が二人も出来るとはレイチェルも思わなんだだろう」
「お義父様、気が早いですわ……」
「そう言わずに早く孫を抱かせてくれ。孫が出来たら一緒にレイチェルの墓参りに行くんじゃ」
お義父様はお義母様だけを愛して、妾も再婚話も全て断ったという。愛情深い方だから子が欲しくなかったわけじゃないだろうけど、お義母様の身体を最優先にして諦めたのだ。そんな義父様のお願いなら叶えたいとは思う。思うけど、ユーニスは結婚したばかりだし、私たちだってまだ一年も経っていない。もう少し先でもいいんじゃないかと思う。
「そうは言うがなぁ、ラリーももう三十五じゃろ? 子が成人する年を考えると、早いに越したことはないと思うぞ」
そう言われると確かにそうかもと思う自分がいた。ラリー様の年なら学園に通っている子供がいてもおかしくない年だから。私の母だってラリー様と五歳しか変わらない。そう思うと早い方がいいと思うけれど……
(ラリー様が老いて弱っていく姿なんて、想像出来ないわ……)
今だって私の何倍も元気なラリー様なのだ。しかも怪我をしても私の力で即治るし、多少の体調不良だって何とかなるだろう。病気や毒には効きは弱いけれど、癒せない訳じゃないのだから。しかも今でも鍛錬は怠っていないと言うし、こうなると私が死なない限りラリー様は元気いっぱいな気がする。
(そりゃあ、私も子ども欲しいけれど……)
両親と妹に私にはどうにも出来ないことで家族として扱って貰えなかったから、家族に憧れる気持ちは強い。ラリー様は子どもたちを可愛がってくるだろうし、きっと賑やかで楽しいだろうと思う。思うのだけど……
(自分が母親になるなんて、想像出来ない……)
お母様に疎まれていたせいか、私は母親というものがよくわからなかった。私にとってはお母様よりもお祖母様の方が育ててくれた感が強く親しみを持っている。そのせいか、母親になった自分が全く想像出来ないのだ。そりゃあ、貴族は自分一人で育てるわけじゃないし、ユーニスやモリスン夫人たちは喜んで手伝ってくれるのはわかるのだけど、自信が持てなかった。
(……お母様みたいになったら、どうしよう……)
子供が出来たら盲目的になりそうで怖かった。我が子のことしか考えられなくなって、他のことなんでどうでもよくなったら、辺境伯夫人としてもセネット家当主としても失格だ。孤児院や救護院のことも、騎士たちの治療や未亡人の支援も大切なことなのに、子供との時間を奪う面倒事だと思うようになったりしないだろうか……
お母様のメイベルへの溺愛ぶりを冷静にみられるようになったけれど、それが私の不安を一層大きくしていた。私だってお母様の子だ。あんな風にただ可愛がり甘やかすだけのダメな親になったりしないだろうか。理性ではだめだと思っていても可愛いから仕方ないわねと思うような馬鹿な親にならないだろうか。そんな不安がいつの間にか心に重くのしかかっていた。
154
読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
お気に入りに追加
3,615
あなたにおすすめの小説
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
大好きだった旦那様に離縁され家を追い出されましたが、騎士団長様に拾われ溺愛されました
Karamimi
恋愛
2年前に両親を亡くしたスカーレットは、1年前幼馴染で3つ年上のデビッドと結婚した。両親が亡くなった時もずっと寄り添ってくれていたデビッドの為に、毎日家事や仕事をこなすスカーレット。
そんな中迎えた結婚1年記念の日。この日はデビッドの為に、沢山のご馳走を作って待っていた。そしていつもの様に帰ってくるデビッド。でもデビッドの隣には、美しい女性の姿が。
「俺は彼女の事を心から愛している。悪いがスカーレット、どうか俺と離縁して欲しい。そして今すぐ、この家から出て行ってくれるか?」
そうスカーレットに言い放ったのだ。何とか考え直して欲しいと訴えたが、全く聞く耳を持たないデビッド。それどころか、スカーレットに数々の暴言を吐き、ついにはスカーレットの荷物と共に、彼女を追い出してしまった。
荷物を持ち、泣きながら街を歩くスカーレットに声をかけて来たのは、この街の騎士団長だ。一旦騎士団長の家に保護してもらったスカーレットは、さっき起こった出来事を騎士団長に話した。
「なんてひどい男だ!とにかく落ち着くまで、ここにいるといい」
行く当てもないスカーレットは結局騎士団長の家にお世話になる事に
※他サイトにも投稿しています
よろしくお願いします
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
いつだって二番目。こんな自分とさよならします!
椿蛍
恋愛
小説『二番目の姫』の中に転生した私。
ヒロインは第二王女として生まれ、いつも脇役の二番目にされてしまう運命にある。
ヒロインは婚約者から嫌われ、両親からは差別され、周囲も冷たい。
嫉妬したヒロインは暴走し、ラストは『お姉様……。私を救ってくれてありがとう』ガクッ……で終わるお話だ。
そんなヒロインはちょっとね……って、私が転生したのは二番目の姫!?
小説どおり、私はいつも『二番目』扱い。
いつも第一王女の姉が優先される日々。
そして、待ち受ける死。
――この運命、私は変えられるの?
※表紙イラストは作成者様からお借りしてます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる