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七章
ユーニスの結婚式
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それから半月後、まだ汗ばむ陽気の季節にユーニスの結婚式が行われた。その日は三日前から晴れ渡り、風にどこか秋の気配を含むいい日和の中だった。もう少ししたら領内は収穫の時期を迎えて忙しくなるだろう。
「まぁあ! さすがはユーニス様! お綺麗ですわ」
「本当に。奥様とはまた違った趣がありますわね」
「ええ。今年は二回も大きな結婚式が続くなんて、幸先がいいですわ」
婚礼衣装をまとい数々の宝飾品を身に着けたユーニスは、とても言葉で表現するのは難しいと思うほどに綺麗だった。衣裳も素敵だったけれど、やっぱりユーニス本人が輝くような笑顔を見せているのが一番だと思う。いつもは表情を崩さないように努めているけれど、本来のユーニスはとても表情豊かなのだ。
その証拠に、ユーニスを迎えに来たロバートが、あのいつも余裕の表情を崩さないロバートが、ユーニスを一目見て固まってしまったのだ。その衝撃はかなりのものだったのだろう。私たちは仮縫いや試着で見ているから免疫が出来ていたけれど、きっと全てを身に着けたユーニスを突然見たら、ロバートと同じだったと思う。
「……き、綺麗だ、ユーニス……」
耳まで赤くして、照れながらぎこちなくそういうロバートに、モリスン夫人はじめとする侍女たちが小さくガッツポーズをしていたのは仕方のないことだと思う。そのロバートの横でユーニスまで赤くなっていた。何だかんだ言ってユーニスも恋愛や男性に免疫がないのだから。
式は恙なく進み、ユーニスはヘーゼルダイン辺境伯令嬢からテイラー子爵令息夫人になった。近々子爵は爵位をロバートに譲るから、程なくして子爵夫人になるだろう。ヘーゼルダインの分家の筆頭がこの二人となれば心強い事この上ない。
それからユーニスとロバートは、半月の休暇を取った。二人とも仕事中毒なので二週間も要らないと言っていたが、そこは私とラリー様で一月と主張し、妥協して半月になったのだ。これも最初から半月というとその半分でと言い出すのを見越して、一月にした経緯がある。元から休暇を取らない二人だけど、側にいてくれると心強いけれど、新婚の時くらいはゆっくりして欲しいと思う。
「ユーニスがいないと変な感じだわ……」
王都にいた頃から常にユーニスが側にいてくれた。一、二日休みを取ることはあったけれど、同じ屋敷に住んでいるから顔を合わせない日はなかった。でも、結婚を機に二人は屋敷の側に居を構えたから、全く顔を見せないのだ。こんなことは初めてのことだった。
「シアはユーニスがいなくて寂しい?」
「ええ。だっていつも一緒でしたもの」
「そうだね。じゃ……寂しくないように私がその分構ってあげるからね」
「は? え? ええっ?」
ラリー様の部屋でのんびりお茶を頂いていた私達だったけれど、そう言うとラリー様は私をソファに押し倒して……昼間だというのに散々構い倒された。助けを呼ぼうにもユーニスはいないし、モリスン夫人たちは生温かい笑みを浮かべると黙って出て行ってしまった。
結局、ユーニスが戻ってくる日まで、暇があればラリー様に構い倒されて、一日の殆どをベッドの上で過ごすことになった。
(ラリー様、絶対狙っていたわね……)
一月の休みを最初に提案したのはラリー様だった。きっとこうなることを狙っていたのだろう、と思う。
「仲良き事はよくことじゃな。こうなると孫の顔を見れる日も遠くないかもしれんなぁ」
そう言ってお茶を飲みながら言ったのはお義父様だった。そう言えばユーニスもお義父様の養女になったから、私とユーニスの子はお義父様の孫になるのだ。
「実子には恵まれなんだし、ラリーは結婚しないと言っておったからな。まさか義理とはいえ娘が二人も出来るとはレイチェルも思わなんだだろう」
「お義父様、気が早いですわ……」
「そう言わずに早く孫を抱かせてくれ。孫が出来たら一緒にレイチェルの墓参りに行くんじゃ」
お義父様はお義母様だけを愛して、妾も再婚話も全て断ったという。愛情深い方だから子が欲しくなかったわけじゃないだろうけど、お義母様の身体を最優先にして諦めたのだ。そんな義父様のお願いなら叶えたいとは思う。思うけど、ユーニスは結婚したばかりだし、私たちだってまだ一年も経っていない。もう少し先でもいいんじゃないかと思う。
「そうは言うがなぁ、ラリーももう三十五じゃろ? 子が成人する年を考えると、早いに越したことはないと思うぞ」
そう言われると確かにそうかもと思う自分がいた。ラリー様の年なら学園に通っている子供がいてもおかしくない年だから。私の母だってラリー様と五歳しか変わらない。そう思うと早い方がいいと思うけれど……
(ラリー様が老いて弱っていく姿なんて、想像出来ないわ……)
今だって私の何倍も元気なラリー様なのだ。しかも怪我をしても私の力で即治るし、多少の体調不良だって何とかなるだろう。病気や毒には効きは弱いけれど、癒せない訳じゃないのだから。しかも今でも鍛錬は怠っていないと言うし、こうなると私が死なない限りラリー様は元気いっぱいな気がする。
(そりゃあ、私も子ども欲しいけれど……)
両親と妹に私にはどうにも出来ないことで家族として扱って貰えなかったから、家族に憧れる気持ちは強い。ラリー様は子どもたちを可愛がってくるだろうし、きっと賑やかで楽しいだろうと思う。思うのだけど……
(自分が母親になるなんて、想像出来ない……)
お母様に疎まれていたせいか、私は母親というものがよくわからなかった。私にとってはお母様よりもお祖母様の方が育ててくれた感が強く親しみを持っている。そのせいか、母親になった自分が全く想像出来ないのだ。そりゃあ、貴族は自分一人で育てるわけじゃないし、ユーニスやモリスン夫人たちは喜んで手伝ってくれるのはわかるのだけど、自信が持てなかった。
(……お母様みたいになったら、どうしよう……)
子供が出来たら盲目的になりそうで怖かった。我が子のことしか考えられなくなって、他のことなんでどうでもよくなったら、辺境伯夫人としてもセネット家当主としても失格だ。孤児院や救護院のことも、騎士たちの治療や未亡人の支援も大切なことなのに、子供との時間を奪う面倒事だと思うようになったりしないだろうか……
お母様のメイベルへの溺愛ぶりを冷静にみられるようになったけれど、それが私の不安を一層大きくしていた。私だってお母様の子だ。あんな風にただ可愛がり甘やかすだけのダメな親になったりしないだろうか。理性ではだめだと思っていても可愛いから仕方ないわねと思うような馬鹿な親にならないだろうか。そんな不安がいつの間にか心に重くのしかかっていた。
「まぁあ! さすがはユーニス様! お綺麗ですわ」
「本当に。奥様とはまた違った趣がありますわね」
「ええ。今年は二回も大きな結婚式が続くなんて、幸先がいいですわ」
婚礼衣装をまとい数々の宝飾品を身に着けたユーニスは、とても言葉で表現するのは難しいと思うほどに綺麗だった。衣裳も素敵だったけれど、やっぱりユーニス本人が輝くような笑顔を見せているのが一番だと思う。いつもは表情を崩さないように努めているけれど、本来のユーニスはとても表情豊かなのだ。
その証拠に、ユーニスを迎えに来たロバートが、あのいつも余裕の表情を崩さないロバートが、ユーニスを一目見て固まってしまったのだ。その衝撃はかなりのものだったのだろう。私たちは仮縫いや試着で見ているから免疫が出来ていたけれど、きっと全てを身に着けたユーニスを突然見たら、ロバートと同じだったと思う。
「……き、綺麗だ、ユーニス……」
耳まで赤くして、照れながらぎこちなくそういうロバートに、モリスン夫人はじめとする侍女たちが小さくガッツポーズをしていたのは仕方のないことだと思う。そのロバートの横でユーニスまで赤くなっていた。何だかんだ言ってユーニスも恋愛や男性に免疫がないのだから。
式は恙なく進み、ユーニスはヘーゼルダイン辺境伯令嬢からテイラー子爵令息夫人になった。近々子爵は爵位をロバートに譲るから、程なくして子爵夫人になるだろう。ヘーゼルダインの分家の筆頭がこの二人となれば心強い事この上ない。
それからユーニスとロバートは、半月の休暇を取った。二人とも仕事中毒なので二週間も要らないと言っていたが、そこは私とラリー様で一月と主張し、妥協して半月になったのだ。これも最初から半月というとその半分でと言い出すのを見越して、一月にした経緯がある。元から休暇を取らない二人だけど、側にいてくれると心強いけれど、新婚の時くらいはゆっくりして欲しいと思う。
「ユーニスがいないと変な感じだわ……」
王都にいた頃から常にユーニスが側にいてくれた。一、二日休みを取ることはあったけれど、同じ屋敷に住んでいるから顔を合わせない日はなかった。でも、結婚を機に二人は屋敷の側に居を構えたから、全く顔を見せないのだ。こんなことは初めてのことだった。
「シアはユーニスがいなくて寂しい?」
「ええ。だっていつも一緒でしたもの」
「そうだね。じゃ……寂しくないように私がその分構ってあげるからね」
「は? え? ええっ?」
ラリー様の部屋でのんびりお茶を頂いていた私達だったけれど、そう言うとラリー様は私をソファに押し倒して……昼間だというのに散々構い倒された。助けを呼ぼうにもユーニスはいないし、モリスン夫人たちは生温かい笑みを浮かべると黙って出て行ってしまった。
結局、ユーニスが戻ってくる日まで、暇があればラリー様に構い倒されて、一日の殆どをベッドの上で過ごすことになった。
(ラリー様、絶対狙っていたわね……)
一月の休みを最初に提案したのはラリー様だった。きっとこうなることを狙っていたのだろう、と思う。
「仲良き事はよくことじゃな。こうなると孫の顔を見れる日も遠くないかもしれんなぁ」
そう言ってお茶を飲みながら言ったのはお義父様だった。そう言えばユーニスもお義父様の養女になったから、私とユーニスの子はお義父様の孫になるのだ。
「実子には恵まれなんだし、ラリーは結婚しないと言っておったからな。まさか義理とはいえ娘が二人も出来るとはレイチェルも思わなんだだろう」
「お義父様、気が早いですわ……」
「そう言わずに早く孫を抱かせてくれ。孫が出来たら一緒にレイチェルの墓参りに行くんじゃ」
お義父様はお義母様だけを愛して、妾も再婚話も全て断ったという。愛情深い方だから子が欲しくなかったわけじゃないだろうけど、お義母様の身体を最優先にして諦めたのだ。そんな義父様のお願いなら叶えたいとは思う。思うけど、ユーニスは結婚したばかりだし、私たちだってまだ一年も経っていない。もう少し先でもいいんじゃないかと思う。
「そうは言うがなぁ、ラリーももう三十五じゃろ? 子が成人する年を考えると、早いに越したことはないと思うぞ」
そう言われると確かにそうかもと思う自分がいた。ラリー様の年なら学園に通っている子供がいてもおかしくない年だから。私の母だってラリー様と五歳しか変わらない。そう思うと早い方がいいと思うけれど……
(ラリー様が老いて弱っていく姿なんて、想像出来ないわ……)
今だって私の何倍も元気なラリー様なのだ。しかも怪我をしても私の力で即治るし、多少の体調不良だって何とかなるだろう。病気や毒には効きは弱いけれど、癒せない訳じゃないのだから。しかも今でも鍛錬は怠っていないと言うし、こうなると私が死なない限りラリー様は元気いっぱいな気がする。
(そりゃあ、私も子ども欲しいけれど……)
両親と妹に私にはどうにも出来ないことで家族として扱って貰えなかったから、家族に憧れる気持ちは強い。ラリー様は子どもたちを可愛がってくるだろうし、きっと賑やかで楽しいだろうと思う。思うのだけど……
(自分が母親になるなんて、想像出来ない……)
お母様に疎まれていたせいか、私は母親というものがよくわからなかった。私にとってはお母様よりもお祖母様の方が育ててくれた感が強く親しみを持っている。そのせいか、母親になった自分が全く想像出来ないのだ。そりゃあ、貴族は自分一人で育てるわけじゃないし、ユーニスやモリスン夫人たちは喜んで手伝ってくれるのはわかるのだけど、自信が持てなかった。
(……お母様みたいになったら、どうしよう……)
子供が出来たら盲目的になりそうで怖かった。我が子のことしか考えられなくなって、他のことなんでどうでもよくなったら、辺境伯夫人としてもセネット家当主としても失格だ。孤児院や救護院のことも、騎士たちの治療や未亡人の支援も大切なことなのに、子供との時間を奪う面倒事だと思うようになったりしないだろうか……
お母様のメイベルへの溺愛ぶりを冷静にみられるようになったけれど、それが私の不安を一層大きくしていた。私だってお母様の子だ。あんな風にただ可愛がり甘やかすだけのダメな親になったりしないだろうか。理性ではだめだと思っていても可愛いから仕方ないわねと思うような馬鹿な親にならないだろうか。そんな不安がいつの間にか心に重くのしかかっていた。
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読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
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