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六章
ようやくヘーゼルダインへ
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夜会から一月後、私たちはようやくヘーゼルダインに向かって出発した。出発が遅れたのは大聖女の選考があったからだった。
ジョージアナ様が夜会で起こした事件は、長年の神殿の不正を明るみにすることになった。
ジョージアナ様は大聖女としての力が不十分で、政治の力でその地位を得ていたことが発覚した。力がないのに不当に大聖女になったこと、影武者を立てていたこと、その為に聖女を監禁し、暴力によって従わせていたことなどが明らかになって、大聖女の地位をはく奪の上、詐欺罪と不敬罪に問われた。既に取り調べは終わり、今は刑量について話し合い中だ。
ちなみにセービン大司教とリドリー侯爵も同様で、神殿での贈収賄が改めて浮き彫りになった。神殿は治療を盾に多額の寄付を募り、寄付出来ない者には治療を断っていたのだ。これは神殿に関する法にも接触し、大々的に捜査が行われた。
民衆の神殿への信用は大いに損なわれたけれど、それでも廃止するも方が不安が大きい。違法な行為を行っていた者を排除した上で、新しい大聖女を選ぶことになった。
その候補にエリンさんが選ばれたため、一緒に帰領する予定だった私たちは出発を遅らせることになったのだ。最終的にはジョージアナ様のドレスの中にいたマリーという十一歳の少女が選ばれた。神殿に所属している聖女の中で最も力を持っていたからだ。ちなみにジョージアナ様のドレスの中にいたのも、力が大きく身体が小さかったからだという。
マリーの就任で決着したと思ったけれど、今度はマリーが心配だから側にいたいとエリンさんが言い、マリーもそれを望んだため彼女は王都に残ることになった。エリンさんはマリーの指導役で姉妹のように仲がよかったから、あの神殿に残していくのは不安だったのだろう。
エリンさんが王都に残ると言ったため、クレアとアレンも一緒に残ることになった。彼女たちもエヴァンス家の養子になっているので、今後はヘーゼルダインのタウンハウスで暮らし、クレアは侍女見習いを、アレンは他の使用人の子たちと勉強しながらいずれ進路を決めることになると思う。三人にとっては一番いい形に落ち着いたと思う。
そしてセネットの聖女に関してだけど、帰領出来なかった一番の原因はこっちだった。陛下は半年後に全貴族から意見を募ると仰ったのだけど、十日もしないうちに殆どの貴族が存続を願い出たのだ。その為陛下が予定を早めて意見を求めた結果、満場一致で存続が決まってしまった。これが六日前のことだった。
「さすがに満場一致はあり得ないんじゃ……」
「そんなことはないよ、シア。あの夜会に出ていた者なら存続を願うだろう。奇跡を目の当たりにしたんだからね」
「……」
そりゃあ、夜会で私は何度も力を使ったし、ラリー様はラリー様でパトリシア様に刺されても直ぐに回復してしまった。それを見たら驚いただろうし疑いようもないのだろうけど、それにしては出来過ぎじゃないかと思う。そもそも夜会での手際の良さも疑問だ。最初からこうなることを計画していたんじゃないか、と思いたくなるくらいには……
そうは思うけれど、ラリー様は考えすぎだよと笑うばかりで、はぐらかされている気がした。それじゃ益々怪しいとしか思えないのだけど、こういう時ラリー様は絶対に本当のことは教えてくれないのよね。
(今度陛下にお会いした時に、尋ねてみようかしら……)
その陛下も本当のことを教えてくれるかはわからないけれど。
「結果オーライと言うことでよろしいんじゃありませんの? 私としてはアレクシア様の力を皆が認めたので嬉しい限りですけどね」
考え込んでいたら、ユーニスにはそう言われてしまった。彼女は私を馬鹿にしていた貴族たちに一泡吹かせられたのが嬉しくてしょうがないらしい。
それにヘーゼルダインに戻ればロバートとの結婚式だ。いつもはツンとしているユーニスだけど、隠しているつもりでも浮かれているのは明らかなのよね。ユーニスのこういうところが可愛いと思う。本人に言ったら絶対否定するだろうけど。
セービン大司教たちの処分も気になるところだったけれど、これ以上領地を空けるわけにもいかない。お義父様がいらっしゃるとはいえ、既に三ヶ月近くも王都にいたのだ。帰るにも半月はかかるので、これ以上は引き延ばせなかった。処分はいずれ陛下から連絡があるだろう。
ヘーゼルダインへの旅程はおおむね順調だった。三日ほど雨で足止めされたけれど、土砂崩れで道や橋がなくなった、なんて災害に遭わなかっただけでも有難い。
それよりも、ラリー様に構い倒された方が疲れた。来る時もそうだったけれど、ラリー様は何かと私とくっ付きたがるし、膝の上に乗せたがるし、それ以外も色々だ。王都では働き詰めで帰りは馬車で寝ているよ、なんて言っていたのに……
「ラリー様、何やっているんですか!?」
「何って、シアを愛でているんだよ」
「昼間っから何を言って……ちょ! どこ触っているんですか!」
「だって、可愛いシアが目の前にいて、馬車の中は二人きりなんだよ」
上目遣いでそんなことを言うのは絶対にわざとだ。
(あざといです、ラリー様……)
後続の馬車に乗っているユーニスに助けを求めようとしたんだけど……
「嫌ですよ、お義兄様に蹴られてしまうじゃないですか」
「そうそう。帰ってからどんな報復を受けることか……新婚なのに家に帰れなくなったらどうしてくれるんです?」
素っ気なくあしらわれてしまった。ユーニスったらいつもは私優先なのに。しかも……
「シア、ユーニスとロバートの邪魔をしちゃいけないよ。やっと二人きりで仲睦まじく過ごせるのだから」
「……」
そりゃあ、ユーニスとロバートはようやく婚約が決まって、今が一番幸せな時期だけど……
「あの二人、いつも仕事優先だからね。移動中くらいは恋人同士の時間を楽しむよう、ロバートに言っておいたんだ」
さもいいことをしている様に聞こえるけれど、それって二人が邪魔しに来ないようにしただけじゃないですか? そりゃあ、二人とも自分のことは後回しにしちゃうから、こういう機会でもないとゆっくり二人の時間を過ごせないだろうけど……
結局、ヘーゼルダインの屋敷に着くまでラリー様に構い倒されて、恥ずかしさに身もだえる羽目になった。
ジョージアナ様が夜会で起こした事件は、長年の神殿の不正を明るみにすることになった。
ジョージアナ様は大聖女としての力が不十分で、政治の力でその地位を得ていたことが発覚した。力がないのに不当に大聖女になったこと、影武者を立てていたこと、その為に聖女を監禁し、暴力によって従わせていたことなどが明らかになって、大聖女の地位をはく奪の上、詐欺罪と不敬罪に問われた。既に取り調べは終わり、今は刑量について話し合い中だ。
ちなみにセービン大司教とリドリー侯爵も同様で、神殿での贈収賄が改めて浮き彫りになった。神殿は治療を盾に多額の寄付を募り、寄付出来ない者には治療を断っていたのだ。これは神殿に関する法にも接触し、大々的に捜査が行われた。
民衆の神殿への信用は大いに損なわれたけれど、それでも廃止するも方が不安が大きい。違法な行為を行っていた者を排除した上で、新しい大聖女を選ぶことになった。
その候補にエリンさんが選ばれたため、一緒に帰領する予定だった私たちは出発を遅らせることになったのだ。最終的にはジョージアナ様のドレスの中にいたマリーという十一歳の少女が選ばれた。神殿に所属している聖女の中で最も力を持っていたからだ。ちなみにジョージアナ様のドレスの中にいたのも、力が大きく身体が小さかったからだという。
マリーの就任で決着したと思ったけれど、今度はマリーが心配だから側にいたいとエリンさんが言い、マリーもそれを望んだため彼女は王都に残ることになった。エリンさんはマリーの指導役で姉妹のように仲がよかったから、あの神殿に残していくのは不安だったのだろう。
エリンさんが王都に残ると言ったため、クレアとアレンも一緒に残ることになった。彼女たちもエヴァンス家の養子になっているので、今後はヘーゼルダインのタウンハウスで暮らし、クレアは侍女見習いを、アレンは他の使用人の子たちと勉強しながらいずれ進路を決めることになると思う。三人にとっては一番いい形に落ち着いたと思う。
そしてセネットの聖女に関してだけど、帰領出来なかった一番の原因はこっちだった。陛下は半年後に全貴族から意見を募ると仰ったのだけど、十日もしないうちに殆どの貴族が存続を願い出たのだ。その為陛下が予定を早めて意見を求めた結果、満場一致で存続が決まってしまった。これが六日前のことだった。
「さすがに満場一致はあり得ないんじゃ……」
「そんなことはないよ、シア。あの夜会に出ていた者なら存続を願うだろう。奇跡を目の当たりにしたんだからね」
「……」
そりゃあ、夜会で私は何度も力を使ったし、ラリー様はラリー様でパトリシア様に刺されても直ぐに回復してしまった。それを見たら驚いただろうし疑いようもないのだろうけど、それにしては出来過ぎじゃないかと思う。そもそも夜会での手際の良さも疑問だ。最初からこうなることを計画していたんじゃないか、と思いたくなるくらいには……
そうは思うけれど、ラリー様は考えすぎだよと笑うばかりで、はぐらかされている気がした。それじゃ益々怪しいとしか思えないのだけど、こういう時ラリー様は絶対に本当のことは教えてくれないのよね。
(今度陛下にお会いした時に、尋ねてみようかしら……)
その陛下も本当のことを教えてくれるかはわからないけれど。
「結果オーライと言うことでよろしいんじゃありませんの? 私としてはアレクシア様の力を皆が認めたので嬉しい限りですけどね」
考え込んでいたら、ユーニスにはそう言われてしまった。彼女は私を馬鹿にしていた貴族たちに一泡吹かせられたのが嬉しくてしょうがないらしい。
それにヘーゼルダインに戻ればロバートとの結婚式だ。いつもはツンとしているユーニスだけど、隠しているつもりでも浮かれているのは明らかなのよね。ユーニスのこういうところが可愛いと思う。本人に言ったら絶対否定するだろうけど。
セービン大司教たちの処分も気になるところだったけれど、これ以上領地を空けるわけにもいかない。お義父様がいらっしゃるとはいえ、既に三ヶ月近くも王都にいたのだ。帰るにも半月はかかるので、これ以上は引き延ばせなかった。処分はいずれ陛下から連絡があるだろう。
ヘーゼルダインへの旅程はおおむね順調だった。三日ほど雨で足止めされたけれど、土砂崩れで道や橋がなくなった、なんて災害に遭わなかっただけでも有難い。
それよりも、ラリー様に構い倒された方が疲れた。来る時もそうだったけれど、ラリー様は何かと私とくっ付きたがるし、膝の上に乗せたがるし、それ以外も色々だ。王都では働き詰めで帰りは馬車で寝ているよ、なんて言っていたのに……
「ラリー様、何やっているんですか!?」
「何って、シアを愛でているんだよ」
「昼間っから何を言って……ちょ! どこ触っているんですか!」
「だって、可愛いシアが目の前にいて、馬車の中は二人きりなんだよ」
上目遣いでそんなことを言うのは絶対にわざとだ。
(あざといです、ラリー様……)
後続の馬車に乗っているユーニスに助けを求めようとしたんだけど……
「嫌ですよ、お義兄様に蹴られてしまうじゃないですか」
「そうそう。帰ってからどんな報復を受けることか……新婚なのに家に帰れなくなったらどうしてくれるんです?」
素っ気なくあしらわれてしまった。ユーニスったらいつもは私優先なのに。しかも……
「シア、ユーニスとロバートの邪魔をしちゃいけないよ。やっと二人きりで仲睦まじく過ごせるのだから」
「……」
そりゃあ、ユーニスとロバートはようやく婚約が決まって、今が一番幸せな時期だけど……
「あの二人、いつも仕事優先だからね。移動中くらいは恋人同士の時間を楽しむよう、ロバートに言っておいたんだ」
さもいいことをしている様に聞こえるけれど、それって二人が邪魔しに来ないようにしただけじゃないですか? そりゃあ、二人とも自分のことは後回しにしちゃうから、こういう機会でもないとゆっくり二人の時間を過ごせないだろうけど……
結局、ヘーゼルダインの屋敷に着くまでラリー様に構い倒されて、恥ずかしさに身もだえる羽目になった。
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読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
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