202 / 213
六章
進む調査
しおりを挟む
夜会の翌々日、王家から各貴族に対して通知が出された。夜会で陛下が仰っていたセネットの聖女の存続に関するもので、そこにはセネットの聖女に関しての公表出来る内容の殆どと、半年後に改めてセネットの聖女―つまり我が国の聖女制度存続の是非を問うとあった。
「陛下は廃止をお考えなのかしら?」
私はタウンハウスの居間で、ラリー様とお茶を頂きながらその文書に目を通した。陛下の真意が見えずに困惑してしまう。セネットの聖女の廃止はつまり、建国以来の恩恵を捨てることにもなる。我が国の聖女制度は他国にはないもので、それが他国よりも優位な立場を得るのに働いているのは否めない。例えばパトリシア様と隣国の王子との婚礼は、微弱なものでも彼の王家に多大な恩を売るのに大きく貢献していた。
「陛下はそうはならないとお考えだろうけどね」
「そうでしょうか」
今回の騒ぎの原因はセネット家の凋落というか、不祥事が大きく関係している。両親と妹の起こした事件でセネット家の名は大いに傷ついたし、私自身も家族に侮られていたからそんな空気が貴族の間に出来上がってしまったのだ。私に原因がないとは言い切れない。そしてまた同じ問題を起こす可能性もある。
「シアとリドリー侯爵令嬢の力の差がはっきりしたし、影武者を立てて虚偽の大聖女を作り上げていた事もわかってきた。まだ取り調べは続くだろうけど、兄上は神殿の膿を徹底的に出すおつもりだ。王太子殿下もさすがに今回の暴挙にはご立腹だしね」
「そうですか」
何だか都合よく話が進んでしまった気がする。ふと、何かが引っかかる感じがした。その元凶に視線を向けると何食わぬ顔でお茶を飲んでいた。涼しげな表情が何となく気になる。
「ラリー様」
「なんだい、シア?」
「もしかして、計画通り、だったんですか?」
あの二人が騒ぎ出してもラリー様は平然としていた。そりゃあ王族だし、元総騎士団長で隣国との戦闘も何度も経験しているし、何があっても顔に出さないのはお手の物だろうけど……
「さすがに、そこまで私は万能じゃないよ」
そう言って笑ったけれど、信用出来そうになかった。むしろ益々疑惑が確信に近づいた気がする。セネットの聖女のことも騎士のことも、事前に陛下と口裏を合わせないと話せなかったと思うし。何よりもバイアット侯爵と近衛騎士の動きが早かった。医師が直ぐに出て来たことも、怪我人が会場の外で控えていたこともだ。絶対に事前に準備していたはずだけど……この様子ではきっと問い詰めても話してくれないだろう。
「そう言えば、エリンは? もう熱は下がったのか?」
「え? ええ、はい。今朝は熱が下がっていたと……」
話をはぐらかされた気もするけれど、あれからエリンさんはジョージアナ様の部屋のクローゼットから発見された。手足を縛られて猿ぐつわを噛まされていた彼女は、あのマリーという少女が言うように全身に痣があり、激しい暴行を加えられた形跡があった。直ぐに治療したけれど、すっかり痩せて衰弱が激しく、昨日まで熱が続いていたのだ。クレアが泣きながら看病していたけれど、無事に見つかって本当によかったと思う。幸い怪我だけで済んだのもよかった。
「それはラリー様もです。本当に大丈夫なんですか?」
刺客に襲われた上、パトリシア様にも刺されたのだ。直ぐに私の力で傷は癒えたとしても失った血は取り戻せないし、身体への負担がなくなるわけではない。本当は休んでいて欲しいのだけど、ヘーゼルダインに発つまでに時間がないからと言ってちっとも休んでくれない。
「そう言えば、パトリシア様は?」
「ああ。彼女か……どうやら正気を失っているようでね。取り調べも出来ないらしいんだ」
私を刺そうとしてラリー様を指してしまったパトリシア様は、あれから人の言葉も理解出来なくなっているという。何かを呟いているのだけど意味のある言葉には聞こえず、話しかけても反応しないという。時々狂ったように笑いだすので騎士たちも困惑しているのだとか。
「シアの力は……心には……」
「多分、無理でしょうね」
聖女の力はそんな都合のいいものではない。怪我は治せても病気には効果が薄いし老化も止められない。心に関してもヘーゼルダインで試したけれど、残念ながら期待できる効果は得られなかった。むしろそんなことまで出来たら怖すぎる。
「セービン大司教とリドリー侯爵令嬢は相変わらず黙秘したままだし」
「そうですか」
でも、それは予想出来たことだった。プライドが高く野心家な二人だ。罪を認めれば破滅しかないのはわかっているだろうし、些細な発言も言質を取られかねない。そうなれば黙秘するしかないだろう。
もっとも、不正の証拠が次々と上がってきているので、行きつく先は同じだろうけど。これまでジョージアナ様の影武者をしていた聖女たちも一斉に告発し始めた。彼女らは修行中にエリンさんに助けられ、何かと庇われていたため、強い恩を感じているのだ。
また寄付という名の金銭強要は貴族に対してもあったらしく、それも次々と告発が上がっていた。
「私がいた頃は既に神殿が不正をしているとの噂はあったからね。それが本当だったとしたら相当鬱憤が溜まっていたのだろう」
貴族から聖女が出るのは寄付が集まりやすい一方でリスクが高い。権力を盾に不正へと繋がりやすくなるからで、その結果が今の事態を招いた。貴族でも侯爵家に逆らうのは容易ではなく、また今後治療をしないと言われると困るので誰も不満を口に出来なかったのだ。
「セネットの聖女にとって代わろうなんて欲をかかなければ、ここまで断罪されることはなかっただろうにね」
「そう、ですね」
今更だけど、メアリー様を大聖女に選んでいたら、神殿もここまで腐敗しなかっただろうに。あの時もより家格が上の聖女が選ばれたし、それが繰り返されてジョージアナ様の就任に繋がったのだ。こうして見ると大聖女は確かに不正の温床になりやすい。神殿が機能していればいいのだけど、大司教があれでは自浄作用は期待できない。
「陛下が廃止を訴えるのも……当然ですね」
「そうかい? 兄上にはそんな気持ちはこれっぽっちもないと思うけどね」
「陛下は廃止をお考えなのかしら?」
私はタウンハウスの居間で、ラリー様とお茶を頂きながらその文書に目を通した。陛下の真意が見えずに困惑してしまう。セネットの聖女の廃止はつまり、建国以来の恩恵を捨てることにもなる。我が国の聖女制度は他国にはないもので、それが他国よりも優位な立場を得るのに働いているのは否めない。例えばパトリシア様と隣国の王子との婚礼は、微弱なものでも彼の王家に多大な恩を売るのに大きく貢献していた。
「陛下はそうはならないとお考えだろうけどね」
「そうでしょうか」
今回の騒ぎの原因はセネット家の凋落というか、不祥事が大きく関係している。両親と妹の起こした事件でセネット家の名は大いに傷ついたし、私自身も家族に侮られていたからそんな空気が貴族の間に出来上がってしまったのだ。私に原因がないとは言い切れない。そしてまた同じ問題を起こす可能性もある。
「シアとリドリー侯爵令嬢の力の差がはっきりしたし、影武者を立てて虚偽の大聖女を作り上げていた事もわかってきた。まだ取り調べは続くだろうけど、兄上は神殿の膿を徹底的に出すおつもりだ。王太子殿下もさすがに今回の暴挙にはご立腹だしね」
「そうですか」
何だか都合よく話が進んでしまった気がする。ふと、何かが引っかかる感じがした。その元凶に視線を向けると何食わぬ顔でお茶を飲んでいた。涼しげな表情が何となく気になる。
「ラリー様」
「なんだい、シア?」
「もしかして、計画通り、だったんですか?」
あの二人が騒ぎ出してもラリー様は平然としていた。そりゃあ王族だし、元総騎士団長で隣国との戦闘も何度も経験しているし、何があっても顔に出さないのはお手の物だろうけど……
「さすがに、そこまで私は万能じゃないよ」
そう言って笑ったけれど、信用出来そうになかった。むしろ益々疑惑が確信に近づいた気がする。セネットの聖女のことも騎士のことも、事前に陛下と口裏を合わせないと話せなかったと思うし。何よりもバイアット侯爵と近衛騎士の動きが早かった。医師が直ぐに出て来たことも、怪我人が会場の外で控えていたこともだ。絶対に事前に準備していたはずだけど……この様子ではきっと問い詰めても話してくれないだろう。
「そう言えば、エリンは? もう熱は下がったのか?」
「え? ええ、はい。今朝は熱が下がっていたと……」
話をはぐらかされた気もするけれど、あれからエリンさんはジョージアナ様の部屋のクローゼットから発見された。手足を縛られて猿ぐつわを噛まされていた彼女は、あのマリーという少女が言うように全身に痣があり、激しい暴行を加えられた形跡があった。直ぐに治療したけれど、すっかり痩せて衰弱が激しく、昨日まで熱が続いていたのだ。クレアが泣きながら看病していたけれど、無事に見つかって本当によかったと思う。幸い怪我だけで済んだのもよかった。
「それはラリー様もです。本当に大丈夫なんですか?」
刺客に襲われた上、パトリシア様にも刺されたのだ。直ぐに私の力で傷は癒えたとしても失った血は取り戻せないし、身体への負担がなくなるわけではない。本当は休んでいて欲しいのだけど、ヘーゼルダインに発つまでに時間がないからと言ってちっとも休んでくれない。
「そう言えば、パトリシア様は?」
「ああ。彼女か……どうやら正気を失っているようでね。取り調べも出来ないらしいんだ」
私を刺そうとしてラリー様を指してしまったパトリシア様は、あれから人の言葉も理解出来なくなっているという。何かを呟いているのだけど意味のある言葉には聞こえず、話しかけても反応しないという。時々狂ったように笑いだすので騎士たちも困惑しているのだとか。
「シアの力は……心には……」
「多分、無理でしょうね」
聖女の力はそんな都合のいいものではない。怪我は治せても病気には効果が薄いし老化も止められない。心に関してもヘーゼルダインで試したけれど、残念ながら期待できる効果は得られなかった。むしろそんなことまで出来たら怖すぎる。
「セービン大司教とリドリー侯爵令嬢は相変わらず黙秘したままだし」
「そうですか」
でも、それは予想出来たことだった。プライドが高く野心家な二人だ。罪を認めれば破滅しかないのはわかっているだろうし、些細な発言も言質を取られかねない。そうなれば黙秘するしかないだろう。
もっとも、不正の証拠が次々と上がってきているので、行きつく先は同じだろうけど。これまでジョージアナ様の影武者をしていた聖女たちも一斉に告発し始めた。彼女らは修行中にエリンさんに助けられ、何かと庇われていたため、強い恩を感じているのだ。
また寄付という名の金銭強要は貴族に対してもあったらしく、それも次々と告発が上がっていた。
「私がいた頃は既に神殿が不正をしているとの噂はあったからね。それが本当だったとしたら相当鬱憤が溜まっていたのだろう」
貴族から聖女が出るのは寄付が集まりやすい一方でリスクが高い。権力を盾に不正へと繋がりやすくなるからで、その結果が今の事態を招いた。貴族でも侯爵家に逆らうのは容易ではなく、また今後治療をしないと言われると困るので誰も不満を口に出来なかったのだ。
「セネットの聖女にとって代わろうなんて欲をかかなければ、ここまで断罪されることはなかっただろうにね」
「そう、ですね」
今更だけど、メアリー様を大聖女に選んでいたら、神殿もここまで腐敗しなかっただろうに。あの時もより家格が上の聖女が選ばれたし、それが繰り返されてジョージアナ様の就任に繋がったのだ。こうして見ると大聖女は確かに不正の温床になりやすい。神殿が機能していればいいのだけど、大司教があれでは自浄作用は期待できない。
「陛下が廃止を訴えるのも……当然ですね」
「そうかい? 兄上にはそんな気持ちはこれっぽっちもないと思うけどね」
138
読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
お気に入りに追加
3,615
あなたにおすすめの小説
【完結】断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
古堂 素央
恋愛
【完結】
「なんでわたしを突き落とさないのよ」
学園の廊下で、見知らぬ女生徒に声をかけられた公爵令嬢ハナコ。
階段から転げ落ちたことをきっかけに、ハナコは自分が乙女ゲームの世界に生まれ変わったことを知る。しかもハナコは悪役令嬢のポジションで。
しかしなぜかヒロインそっちのけでぐいぐいハナコに迫ってくる攻略対象の王子。その上、王子は前世でハナコがこっぴどく振った瓶底眼鏡の山田そっくりで。
ギロチンエンドか瓶底眼鏡とゴールインするか。選択を迫られる中、他の攻略対象の好感度まで上がっていって!?
悪役令嬢? 断罪ざまぁ? いいえ、冴えない王子と結ばれるくらいなら、ノシつけてヒロインに押しつけます!
黒ヒロインの陰謀を交わしつつ、無事ハナコは王子の魔の手から逃げ切ることはできるのか!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。
【完】聖女じゃないと言われたので、大好きな人と一緒に旅に出ます!
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
ミレニア王国にある名もなき村の貧しい少女のミリアは酒浸りの両親の代わりに家族や妹の世話を懸命にしていたが、その妹や周囲の子ども達からは蔑まれていた。
ミリアが八歳になり聖女の素質があるかどうかの儀式を受けると聖女見習いに選ばれた。娼館へ売り払おうとする母親から逃れマルクト神殿で聖女見習いとして修業することになり、更に聖女見習いから聖女候補者として王都の大神殿へと推薦された。しかし、王都の大神殿の聖女候補者は貴族令嬢ばかりで、平民のミリアは虐げられることに。
その頃、大神殿へ行商人見習いとしてやってきたテオと知り合い、見習いの新人同士励まし合い仲良くなっていく。
十五歳になるとミリアは次期聖女に選ばれヘンリー王太子と婚約することになった。しかし、ヘンリー王太子は平民のミリアを気に入らず婚約破棄をする機会を伺っていた。
そして、十八歳を迎えたミリアは王太子に婚約破棄と国外追放の命を受けて、全ての柵から解放される。
「これで私は自由だ。今度こそゆっくり眠って美味しいもの食べよう」
テオとずっと一緒にいろんな国に行ってみたいね。
21.11.7~8、ホットランキング・小説・恋愛部門で一位となりました! 皆様のおかげです。ありがとうございました。
※「小説家になろう」さまにも掲載しております。
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
さこの
恋愛
恋がしたい。
ウィルフレッド殿下が言った…
それではどうぞ、美しい恋をしてください。
婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました!
話の視点が回毎に変わることがあります。
緩い設定です。二十話程です。
本編+番外編の別視点
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる