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六章
神殿の主張
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(あれは……セービン大司教と……リドリー侯爵?)
今回は王太子殿下の誕生を祝う夜会だから、その席でこんな風に声を上げる理由がわからなかった。セービン大司教がいるから神殿に関係することなのだろうけど、陛下は御存じなのだろうか。王族席に視線を向けた。陛下や王妃様の表情は見えないけれど、王太子殿下が無表情で彼らを見ていた。
「ラリー様……」
「ああ、どうやら陛下たちはご存じないようだね」
ラリー様も同じように感じたらしい。王族の誕生祝いでこのように声を上げるなんて聞いたことがない。もし何か発表なり公表したい事があれば、夜会の冒頭で陛下の許可を頂いてやるのが一般的だからだ。
「本日は王太子殿下の誕生祝い。その席で何事ですかな、セービン大司教殿?」
近くにいた宰相がそう尋ねた。彼もご存じなかったらしい。
「ああ、宰相閣下、申し訳ございません。ですがこの場でどうしてもはっきりさせておきたい事がございまして」
「はっきりさせたい事? わざわざ王太子殿下の誕生を祝うこの夜会で?」
「この場でなければならなかったのです。なんせ当時者が集う機会が中々ありませんからな」
周囲を見渡しながらそう告げるセービン大司教は、まるで舞台に立つ俳優のように見えた。
「ほう。どういうことか伺っても?」
宰相の声が一層低くなった。どうやら彼の行動が陛下やご自身の許可を得ていないことに不快感を持たれたのだろう。
「私は神殿を預かる身ですが、ずっと疑念に思っていたのです」
「疑念?」
「ええ。我が国は大聖女をという国の守りがございます。しかし、その大聖女を差し置いて国王陛下と対等と言われる存在がいるのです。その者は力がなくとも神殿の上に位置し、それでいながら国と民に何の恩恵も与えないのです!」
それは我が家の、セネットの聖女のことを指しているのは明らかだった。会場内が騒めく。建国時に国王と聖女が交わした盟約により、我が国には聖女が生まれるとの言い伝えがあるだけに、それに神殿が異を唱えたのだから当然かもしれない。
「我が神殿は建国以来、常に民に寄り添い、苦しむ者には癒しを授けてきました。そんな我々の功績をその者たちはただ建国時の盟約という名で我が物としてきた。このような暴挙にいつまで耐えねばならないのでしょう?」
演説する大司教の言葉に、会場内はしんと静まり返っていた。これだけの貴族のいる場で糾弾されている事実に恐怖を感じる。ラリー様と繋いだ手だけが唯一の拠り所のように感じた。
「我々はこれ以上、その様な横暴を見過ごすわけにはまいりません! 我々はセネットの聖女の廃止と、新たに大聖女に聖女の名を戴くことを望みます!」
セービン大司教の宣言の後、会場内は静まり返っていた。それもそうだろう。建国以来のルールを変えようというのだ。それも王家の許可なしで。
「セネットの聖女の廃止だと?」
「だがセネット家は建国の聖女の家系だぞ」
「そうは言うが、セネットの聖女は常に存在するわけではない。そういう意味では神殿の方が……」
「今の聖女はアレクシア嬢だろう? エリオット様があんなことになったのも……」
「そうだ。セネット家の不祥事もあったことだし……」
会場内ではセービン大司教の声を受けて様々な声が囁かれていた。その中には我が家や私を否定する声が多いような気がして、私の気持ちを大きく沈ませた。事実なだけに反論出来る要素もない。
「セービン大司教。あなたは神殿を統括する立場にありながら、セネット家の重要性をご存じないのか?」
「宰相閣下、そうは仰いますがセネットの聖女が神殿に何をしてくれたというのです? 民を癒しているのは神殿が所属する大聖女とその下にある聖女たちです。彼女たちの功績は何もしていないセネット家には無関係の筈。それなのに陛下と同等な立場とはおかしいのではありませんか?」
セービン大司教の言葉に宰相は直ぐには何も答えなかった。彼も聖女のことに関してそこまで詳しくないからだろう。
「我が国で最も聖女の力があるのは、今代の大聖女であるリドリー侯爵令嬢のジョージアナ様でいらっしゃいます。彼女こそが陛下と対等の地位にあるのにふさわしいと、そう思いになりませぬか?」
「そうは言うが、リドリー侯爵家から聖女が出たのは初めてのこと。定期的に聖女の力を持つ者が生まれるセネット家とは立ち位置が違うであろう?」
「その聖女の力が出るのはいつなのです? 先々代の当主は確かに力をお持ちでしたがそれも微弱な物でした。今代も多少の力があると聞きますが、リドリー侯爵令嬢には及びませんでしょう」
どこからどうしたら私がリドリー侯爵令嬢より力がないと言えるのだろう。聖女の力は計れるようなものではないのに。
「ほう、リドリー侯爵令嬢の力はそれほどまでにお強いのか」
「勿論でございます」
「だが、市井では今代の大聖女はちっとも治療をしてくれぬと不満が出ていると聞いておりますぞ。大聖女は身分に関係なく人々を癒す存在。宰相府の陳情の中には大聖女の力を疑う物も見られるのだが?」
「まさか! それは信心が足りない物のやっかみでしょう」
「寄付という名の金品を差し出さないと、門前払いを受けるとの声は?」
「それは異なことを! 神殿は寄付を募ってはいても要求することはありません」
宰相様の追及にセービン大司教の声が段々険しくなっていった。まさかこの場でそのような指摘を受けるとは思っていなかったのだろう。宰相の言動は私寄りにも聞こえるのもあるだろうけど。
でも宰相の指摘は私がこれまでに聞いた話と合致している。ふとラリー様の表情が気になって視線を上げると、それに気づいたラリー様と目が合って、にっこり微笑まれた。何だろう、その笑みは……
「そこまでおっしゃるのであれば、大聖女様の御力をお見せしましょう!」
そう言ってセービン大司教が側にいた司教に目配せすると、司教は心得たと言わんばかりに手を叩いた。すると奥から別の司教と騎士が現れた。騎士は腕に怪我をしているのか、包帯を巻いている。
「この騎士は任務中に怪我をした者です。この騎士の怪我を、今この場で大聖女様が癒して下さいます!」
セービン大司教がそう言うと、ジョージアナ様が一歩前に進んだけど、その動きはどこかぎこちなかった。
(こんな場であんな広がったドレスで出てくるなんて……)
それでは却って悪目立ちするだろうに。そう思う私の目の前で、騎士がジョージアナ様の前に進み出て彼女の前に跪くと、付き添っていた司教が包帯を解いた。そこには……まだ新しい傷が生々しく残っていた。
今回は王太子殿下の誕生を祝う夜会だから、その席でこんな風に声を上げる理由がわからなかった。セービン大司教がいるから神殿に関係することなのだろうけど、陛下は御存じなのだろうか。王族席に視線を向けた。陛下や王妃様の表情は見えないけれど、王太子殿下が無表情で彼らを見ていた。
「ラリー様……」
「ああ、どうやら陛下たちはご存じないようだね」
ラリー様も同じように感じたらしい。王族の誕生祝いでこのように声を上げるなんて聞いたことがない。もし何か発表なり公表したい事があれば、夜会の冒頭で陛下の許可を頂いてやるのが一般的だからだ。
「本日は王太子殿下の誕生祝い。その席で何事ですかな、セービン大司教殿?」
近くにいた宰相がそう尋ねた。彼もご存じなかったらしい。
「ああ、宰相閣下、申し訳ございません。ですがこの場でどうしてもはっきりさせておきたい事がございまして」
「はっきりさせたい事? わざわざ王太子殿下の誕生を祝うこの夜会で?」
「この場でなければならなかったのです。なんせ当時者が集う機会が中々ありませんからな」
周囲を見渡しながらそう告げるセービン大司教は、まるで舞台に立つ俳優のように見えた。
「ほう。どういうことか伺っても?」
宰相の声が一層低くなった。どうやら彼の行動が陛下やご自身の許可を得ていないことに不快感を持たれたのだろう。
「私は神殿を預かる身ですが、ずっと疑念に思っていたのです」
「疑念?」
「ええ。我が国は大聖女をという国の守りがございます。しかし、その大聖女を差し置いて国王陛下と対等と言われる存在がいるのです。その者は力がなくとも神殿の上に位置し、それでいながら国と民に何の恩恵も与えないのです!」
それは我が家の、セネットの聖女のことを指しているのは明らかだった。会場内が騒めく。建国時に国王と聖女が交わした盟約により、我が国には聖女が生まれるとの言い伝えがあるだけに、それに神殿が異を唱えたのだから当然かもしれない。
「我が神殿は建国以来、常に民に寄り添い、苦しむ者には癒しを授けてきました。そんな我々の功績をその者たちはただ建国時の盟約という名で我が物としてきた。このような暴挙にいつまで耐えねばならないのでしょう?」
演説する大司教の言葉に、会場内はしんと静まり返っていた。これだけの貴族のいる場で糾弾されている事実に恐怖を感じる。ラリー様と繋いだ手だけが唯一の拠り所のように感じた。
「我々はこれ以上、その様な横暴を見過ごすわけにはまいりません! 我々はセネットの聖女の廃止と、新たに大聖女に聖女の名を戴くことを望みます!」
セービン大司教の宣言の後、会場内は静まり返っていた。それもそうだろう。建国以来のルールを変えようというのだ。それも王家の許可なしで。
「セネットの聖女の廃止だと?」
「だがセネット家は建国の聖女の家系だぞ」
「そうは言うが、セネットの聖女は常に存在するわけではない。そういう意味では神殿の方が……」
「今の聖女はアレクシア嬢だろう? エリオット様があんなことになったのも……」
「そうだ。セネット家の不祥事もあったことだし……」
会場内ではセービン大司教の声を受けて様々な声が囁かれていた。その中には我が家や私を否定する声が多いような気がして、私の気持ちを大きく沈ませた。事実なだけに反論出来る要素もない。
「セービン大司教。あなたは神殿を統括する立場にありながら、セネット家の重要性をご存じないのか?」
「宰相閣下、そうは仰いますがセネットの聖女が神殿に何をしてくれたというのです? 民を癒しているのは神殿が所属する大聖女とその下にある聖女たちです。彼女たちの功績は何もしていないセネット家には無関係の筈。それなのに陛下と同等な立場とはおかしいのではありませんか?」
セービン大司教の言葉に宰相は直ぐには何も答えなかった。彼も聖女のことに関してそこまで詳しくないからだろう。
「我が国で最も聖女の力があるのは、今代の大聖女であるリドリー侯爵令嬢のジョージアナ様でいらっしゃいます。彼女こそが陛下と対等の地位にあるのにふさわしいと、そう思いになりませぬか?」
「そうは言うが、リドリー侯爵家から聖女が出たのは初めてのこと。定期的に聖女の力を持つ者が生まれるセネット家とは立ち位置が違うであろう?」
「その聖女の力が出るのはいつなのです? 先々代の当主は確かに力をお持ちでしたがそれも微弱な物でした。今代も多少の力があると聞きますが、リドリー侯爵令嬢には及びませんでしょう」
どこからどうしたら私がリドリー侯爵令嬢より力がないと言えるのだろう。聖女の力は計れるようなものではないのに。
「ほう、リドリー侯爵令嬢の力はそれほどまでにお強いのか」
「勿論でございます」
「だが、市井では今代の大聖女はちっとも治療をしてくれぬと不満が出ていると聞いておりますぞ。大聖女は身分に関係なく人々を癒す存在。宰相府の陳情の中には大聖女の力を疑う物も見られるのだが?」
「まさか! それは信心が足りない物のやっかみでしょう」
「寄付という名の金品を差し出さないと、門前払いを受けるとの声は?」
「それは異なことを! 神殿は寄付を募ってはいても要求することはありません」
宰相様の追及にセービン大司教の声が段々険しくなっていった。まさかこの場でそのような指摘を受けるとは思っていなかったのだろう。宰相の言動は私寄りにも聞こえるのもあるだろうけど。
でも宰相の指摘は私がこれまでに聞いた話と合致している。ふとラリー様の表情が気になって視線を上げると、それに気づいたラリー様と目が合って、にっこり微笑まれた。何だろう、その笑みは……
「そこまでおっしゃるのであれば、大聖女様の御力をお見せしましょう!」
そう言ってセービン大司教が側にいた司教に目配せすると、司教は心得たと言わんばかりに手を叩いた。すると奥から別の司教と騎士が現れた。騎士は腕に怪我をしているのか、包帯を巻いている。
「この騎士は任務中に怪我をした者です。この騎士の怪我を、今この場で大聖女様が癒して下さいます!」
セービン大司教がそう言うと、ジョージアナ様が一歩前に進んだけど、その動きはどこかぎこちなかった。
(こんな場であんな広がったドレスで出てくるなんて……)
それでは却って悪目立ちするだろうに。そう思う私の目の前で、騎士がジョージアナ様の前に進み出て彼女の前に跪くと、付き添っていた司教が包帯を解いた。そこには……まだ新しい傷が生々しく残っていた。
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読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
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