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六章
治療開始
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それから私も一緒に、エリンさんと怪我人の治療に当たった。エリンさんだけでも意外だったろうけど、私も聖女の力が使えると知って皆が驚いたのは言うまでもない。
「すげぇな、姉ちゃん!」
「本当だよ。エリンみたいな力のある聖女なんて滅多にいないってのに」
みんなが口々にそう言ってくれるので、私も来てよかったと心から思った。彼らは一日仕事を休むだけでも生活に困るのだ。
「シア。この近くに我が家の使っていない空き家があるんだ」
「この近くに、ですか?」
「ああ。古いからそろそろ壊して建て直すなり、売るなりしようかと考えていたんだが……」
「じゃ!」
「ああ。そこを一時的な避難所に解放しよう」
「ありがとうございます!」
こういう時、貴族は率先して被災者の保護や支援に回るのが常だ。それが貴族としての務めであり責任だからだ。ドレス一枚だけでも、彼らの何人を救うことが出来るか……それくらい貧富の差は激しいから。
ラリー様はこの場を警護している騎士に話をすると、彼らはまさかラリー様だとは思わなかったらしく、驚きながらも直ぐに彼らの移動の手配をしてくれた。
そのラリー様だけど、既にイザードには手配していたらしく、受け入れの準備は終わっているという。重症者や動けない人、弱っている人は騎士団が空き家まで送ってくれることになった。
空き家になっていたのは、王都に来た護衛騎士が滞在していた場所だった。今のタウンハウスを建てた時に騎士の滞在用の建物も一緒に作ったため、今は出番がないのだという。建物は質素だけど鍛錬場もあって、十分に人を収容することが出来そうだった。
動ける人に手伝って貰って掃除や炊き出しをして貰った。材料は我が家からの寄付という形になる。そのうち王家からも見舞金という名の援助も出るだろう。
ここで私はエリンさんと一緒に、怪我人の治療を始めた。ここでもラリー様やユーニスの過保護が発動した。
「シア、一日に治療するのは三十人までにしておくれ」
「三十人ですか。わかりました」
この数はヘーゼルダインと同じだけど、私は多分五十人くらいはいけると思う。勿論、怪我の程度で使う聖女の力は変わるから、一概には言えないけれど。それでもラリー様もユーニスも、今回は一日で終わる話じゃないからと言って譲ってくれなかった。
「え? さ、三十人、ですか?」
「ええ。ヘーゼルダインではそれくらいやっていたので」
「ヘーゼルダインで……」
何だか凄くエリンさんに驚かれてしまった。エリンさんの話では、大抵は二十人くらいまでのだという。
「二十人、ですか」
「だったら、エリン嬢よりもシアの方が力は強いんだろうね」
「多分……」
自分のレベルがわからなかったけれど、そうなるとかなり強いのだろう。初代聖女と同じくらいだとラリー様達も言うし、初代聖女は百人を一日で癒したという記録もある。さすがにそこまでは無理だとは思うけど、小さな怪我に限定すれば百人出来なくもない、とは思う。
「エリン殿は何人くらいまでなら行けそうだ?」
「私、ですか? そうですね、二十人なら何とか……」
「そうか、ではここでは一日に五十人を上限としよう。それ以上は後日、勿論怪我の程度が重い者が優先だ。そこを捌くのはユーニスとロバートに任せよう」
「「畏まりました」」
治療はちゃんと秩序をもってやらないと、直ぐに我も我もと押しかけて収拾がつかなくなる。ここはヘーゼルダイン辺境伯の名を前面に出して、無秩序を避けることにした。領地なら領主夫人の名で無理を言う人はいないけれど、王都では私たちはそこまで有名ではない、だろう。多分。いや、ラリー様が王弟なのは有名だった。
初日はヘーゼルダインから来た騎士たちも手伝ってくれたのもあってか、こちらの方針に異を唱える者もおらず順調だった。殆どが平民だったから、騎士の姿に委縮したのもあるだろう。鍛錬場には騎士達が使っていた古い毛布が残っていて、それも役に立った。まだ朝晩は冷えるから、古くても毛布が一枚あるのとないのでは大違いなのだ。
二日目も順調に進んだ。噂を聞きつけて避難してくる人が増えたけれど、幸い修練場に収まる人数だったから何とかなった。王家もこんな時のために準備してある避難用の建物を解放したと聞くし、近くに屋敷を持ち貴族も空き家などを解放しているという。この制度は何年か前に出来たシステムで、これによって浮浪者が減り、生活の再建も以前よりはスムーズになったという。
三日目の朝、私がエリンさんやラリー様と一緒にやって来ると、既に長蛇の列が出来上がっていた。
「これは一体……」
「どうやらここに来れば治療して貰えると噂で聞きつけた者が集まって来たようで……」
「神殿の治療が十分出来ていないらしいですね」
「神殿が……そう、か」
ラリー様がこの場を管理していた騎士に尋ねると、この列の理由が分った。どうやら神殿では寄付をしないと治療が受けられないらしい。だから寄付金を用意出来ない人が、一縷の望みをかけて集まっているのだろうと。
「だが、いくら何でもこの人数は無理だろう」
「そう、ですね。軽く百人は超えていそうですよね」
「だったら、明日以降の人にはカードを配っては?」
どうしようかと悩んでいる時にそう提案したのは、エリンさんだった。
「カード?」
「はい。文字が読めない人もいるでしょうから、絵がいいと思います。人数で区切って今日治療が出来ない方には明日以降、指定した日に来て頂くのです。明日は花の絵の人、明日は鳥の絵の人、みたいにすればわかりやすいと思います。神殿でもよくやっていました」
「なるほど。ここで待っているだけでも体力を使う。早速そうしよう」
ラリー様はエリンさんの提案を受け、騎士達にその手配を頼んだ。直ぐに騎士たちがカードに絵を描いて、今日治療が出来ない人にそのカードを配りながら、指定した日に来る事、その時にはこのカードを出すように伝えた。一刻もすると長い列は消え、その後でやってきた人にも同じようにカードを配って帰って貰った。
「それにしても、三日後までいっぱいですよ」
ロバートがそう言って苦笑した。さすがにこんなに集まるとは思わなかった。さすがに王都なだけあって人数が多い。
「火事に関係のない者もいるのだろう。今後は被災した者に限定した方がよさそうだな」
「あまり振り分けはしたくありませんが、人数が多すぎるので仕方ありませんね」
結局、今後は火事で被災した人限定にすることにした。そうしないとキリがない。私も予定が入っているし、ずっとここに来ることは出来ないのだ。
「すげぇな、姉ちゃん!」
「本当だよ。エリンみたいな力のある聖女なんて滅多にいないってのに」
みんなが口々にそう言ってくれるので、私も来てよかったと心から思った。彼らは一日仕事を休むだけでも生活に困るのだ。
「シア。この近くに我が家の使っていない空き家があるんだ」
「この近くに、ですか?」
「ああ。古いからそろそろ壊して建て直すなり、売るなりしようかと考えていたんだが……」
「じゃ!」
「ああ。そこを一時的な避難所に解放しよう」
「ありがとうございます!」
こういう時、貴族は率先して被災者の保護や支援に回るのが常だ。それが貴族としての務めであり責任だからだ。ドレス一枚だけでも、彼らの何人を救うことが出来るか……それくらい貧富の差は激しいから。
ラリー様はこの場を警護している騎士に話をすると、彼らはまさかラリー様だとは思わなかったらしく、驚きながらも直ぐに彼らの移動の手配をしてくれた。
そのラリー様だけど、既にイザードには手配していたらしく、受け入れの準備は終わっているという。重症者や動けない人、弱っている人は騎士団が空き家まで送ってくれることになった。
空き家になっていたのは、王都に来た護衛騎士が滞在していた場所だった。今のタウンハウスを建てた時に騎士の滞在用の建物も一緒に作ったため、今は出番がないのだという。建物は質素だけど鍛錬場もあって、十分に人を収容することが出来そうだった。
動ける人に手伝って貰って掃除や炊き出しをして貰った。材料は我が家からの寄付という形になる。そのうち王家からも見舞金という名の援助も出るだろう。
ここで私はエリンさんと一緒に、怪我人の治療を始めた。ここでもラリー様やユーニスの過保護が発動した。
「シア、一日に治療するのは三十人までにしておくれ」
「三十人ですか。わかりました」
この数はヘーゼルダインと同じだけど、私は多分五十人くらいはいけると思う。勿論、怪我の程度で使う聖女の力は変わるから、一概には言えないけれど。それでもラリー様もユーニスも、今回は一日で終わる話じゃないからと言って譲ってくれなかった。
「え? さ、三十人、ですか?」
「ええ。ヘーゼルダインではそれくらいやっていたので」
「ヘーゼルダインで……」
何だか凄くエリンさんに驚かれてしまった。エリンさんの話では、大抵は二十人くらいまでのだという。
「二十人、ですか」
「だったら、エリン嬢よりもシアの方が力は強いんだろうね」
「多分……」
自分のレベルがわからなかったけれど、そうなるとかなり強いのだろう。初代聖女と同じくらいだとラリー様達も言うし、初代聖女は百人を一日で癒したという記録もある。さすがにそこまでは無理だとは思うけど、小さな怪我に限定すれば百人出来なくもない、とは思う。
「エリン殿は何人くらいまでなら行けそうだ?」
「私、ですか? そうですね、二十人なら何とか……」
「そうか、ではここでは一日に五十人を上限としよう。それ以上は後日、勿論怪我の程度が重い者が優先だ。そこを捌くのはユーニスとロバートに任せよう」
「「畏まりました」」
治療はちゃんと秩序をもってやらないと、直ぐに我も我もと押しかけて収拾がつかなくなる。ここはヘーゼルダイン辺境伯の名を前面に出して、無秩序を避けることにした。領地なら領主夫人の名で無理を言う人はいないけれど、王都では私たちはそこまで有名ではない、だろう。多分。いや、ラリー様が王弟なのは有名だった。
初日はヘーゼルダインから来た騎士たちも手伝ってくれたのもあってか、こちらの方針に異を唱える者もおらず順調だった。殆どが平民だったから、騎士の姿に委縮したのもあるだろう。鍛錬場には騎士達が使っていた古い毛布が残っていて、それも役に立った。まだ朝晩は冷えるから、古くても毛布が一枚あるのとないのでは大違いなのだ。
二日目も順調に進んだ。噂を聞きつけて避難してくる人が増えたけれど、幸い修練場に収まる人数だったから何とかなった。王家もこんな時のために準備してある避難用の建物を解放したと聞くし、近くに屋敷を持ち貴族も空き家などを解放しているという。この制度は何年か前に出来たシステムで、これによって浮浪者が減り、生活の再建も以前よりはスムーズになったという。
三日目の朝、私がエリンさんやラリー様と一緒にやって来ると、既に長蛇の列が出来上がっていた。
「これは一体……」
「どうやらここに来れば治療して貰えると噂で聞きつけた者が集まって来たようで……」
「神殿の治療が十分出来ていないらしいですね」
「神殿が……そう、か」
ラリー様がこの場を管理していた騎士に尋ねると、この列の理由が分った。どうやら神殿では寄付をしないと治療が受けられないらしい。だから寄付金を用意出来ない人が、一縷の望みをかけて集まっているのだろうと。
「だが、いくら何でもこの人数は無理だろう」
「そう、ですね。軽く百人は超えていそうですよね」
「だったら、明日以降の人にはカードを配っては?」
どうしようかと悩んでいる時にそう提案したのは、エリンさんだった。
「カード?」
「はい。文字が読めない人もいるでしょうから、絵がいいと思います。人数で区切って今日治療が出来ない方には明日以降、指定した日に来て頂くのです。明日は花の絵の人、明日は鳥の絵の人、みたいにすればわかりやすいと思います。神殿でもよくやっていました」
「なるほど。ここで待っているだけでも体力を使う。早速そうしよう」
ラリー様はエリンさんの提案を受け、騎士達にその手配を頼んだ。直ぐに騎士たちがカードに絵を描いて、今日治療が出来ない人にそのカードを配りながら、指定した日に来る事、その時にはこのカードを出すように伝えた。一刻もすると長い列は消え、その後でやってきた人にも同じようにカードを配って帰って貰った。
「それにしても、三日後までいっぱいですよ」
ロバートがそう言って苦笑した。さすがにこんなに集まるとは思わなかった。さすがに王都なだけあって人数が多い。
「火事に関係のない者もいるのだろう。今後は被災した者に限定した方がよさそうだな」
「あまり振り分けはしたくありませんが、人数が多すぎるので仕方ありませんね」
結局、今後は火事で被災した人限定にすることにした。そうしないとキリがない。私も予定が入っているし、ずっとここに来ることは出来ないのだ。
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読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
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