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四章
メアリー様の力
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拘束を解かれて騎士二人を左右に固められたメアリー様は、領民の一人の前に連れ出された。メアリー様の前には、父親らしい男性に抱えられた男の子がいた。足に問題があるのか、手には杖を持っている。
「さぁ、嘘だと言うのであれば、この者を癒して身の潔白を証明してみせよ」
そうラリー様に言われたメアリー様だったけれど、明らかに動揺していた。男性が男の子を床に座らせると、片方の足のズボンを捲った。そこには…深くて大きな傷が残っていた。
「…そ、そんな…む、無理よ…こんなの…!」
傷を見た途端、メアリー様はあっさりと白旗を挙げた。確かにその子の傷は大きくて、治すにはかなりの力が必要に思えた。
「治せない?そんな筈はなかろう。そなたたちは治せると言って先に金を受け取っていたではないか」
「…そ、それは…」
「そうであったな?」
「…は、はいっ!ご領主様の仰る通りでございます。ダウンズ男爵に傷をお見せしたところ、メアリー様ならこれくらい余裕だと言われました」
男性がそう言うと首謀者の三人は視線を彷徨わせ、騎士たちの間には一層の動揺が走ったように感じた。
「…メ、メアリー様は一月にも及ぶ獄中生活でお疲れなだけです。実際、メアリー様は貧民院や騎士団でたくさんの領民や騎士たちを癒したとお聞きしております!」
そう告げたのは、騎士を取りまとめている男性だった。だが、それは…私がやっていた事ではないだろうか…メアリー様は騎士の治療だって怖いと言って嫌がっていたのだから…
「…それはメアリー殿ではなく、アレクシア様がなされた事ですぞ。アレクシア様はメアリーがここに来る前から、騎士団の治療院で退役を余儀なくされた騎士達の治療を、その後は貧民院と孤児院への慰問もされていました」
「そ、そんな筈は…!」
「嘘だと言うなら、証人をここに」
リトラーが淡々とそう告げると、今度は騎士や壮年の男性、貧民院の世話役の女性が現れた。彼らは…私は以前治療したり、貧民院で話を聞かせて貰った人たちだった。彼らは口々に、私の治療で社会復帰が出来たと語り、未亡人や孤児達の生活が改善されたと語った。
「…リューク…?」
「ローガン、俺の怪我を治してくれたのは、そちらにいらっしゃる奥方様だ!」
取りまとめていた騎士にそう告げたのは、私が治療して騎士団に復帰したリュークという男性だった。彼はその後、騎士団での治療の際に護衛としてついてくれていた人だった。どうやら顔見知り以上の関係らしく、ローガンと呼ばれた騎士は目を見開いて全身で驚きを表していた。
「…そ、そんな…」
「奥方様のお陰で騎士団に戻った者は他にもいる。お前の上司でもあるモリスン男爵もそのお一人だ。お前にもそう話したよな?どうしてそれがメアリー殿になっているんだ?」
リュークに心底不思議そうにそう言われたローガンは、そのままその場に固まってしまった。どうやら彼はその話を知っていたのに、メアリー様だと思い込んでいたらしい。
「そ、そんな…」
「じゃ…俺たちは…」
「嘘だ…それじゃ俺たちは…」
騎士達からの動揺が今度は大きな波として広がった。彼らは…私のやった事までメアリー様の手柄と教えられ、彼らを信じたのだろう。こうなってくると…彼らも被害者のような気がしてきた。
「メアリー、治療は出来ぬと、そう認めるか?」
場のざわつきは、ラリー様の言葉でしんと静まり返った。誰もがメアリー様の答えに固唾を飲んでその場に佇んでいた。特に騎士たちの表情は…期待と不安が入り乱れていて、苦り切ったダウンズ男爵やハロルド様とは対照的だった。彼らは…治療できないと、力がないと分かっていたのだろう。
「…で、出来ますわ!」
「では、やってみよ。出来なければ…詐欺と見做すと心せよ」
冷たく、もう次はないと仰ったラリー様に一瞬怯んだメアリ―様だったが、男の子に手をかざして力を送り始めた。だが…暫く待っても何の変化もなかった。騎士達の期待がじわじわと不安から失望へと変わっていくのが見えて、私は彼らが気の毒にさえ思えた。彼らは…本気でメアリー様を信じていたのだろう。
「…無理のようだな」
「そ、そんな事は…!」
「では少年よ。いかがか?」
ラリー様が少年にそう問いかけると、少年は不安げな表情で父親を見上げ、父親が返事を促す様に頷くと、ラリー様に向いて首を横に振った。どうやら…何も変化がなかったらしい。その様子に、騎士たちの表情は深く重い憂いへと落ちて行った。
「騎士達よ、これがこの者の真の姿だ」
ラリー様の言葉に、騎士たちは項垂れ、中にはへたり込んでしまう者も出た。彼らは、本気でダウンズ男爵たちの掲げた理想郷を信じたのだろう。
「う、嘘だ…!メアリー様に力がないと言うなら…お、奥方様だって本物かなんてわからないではないか!」
そう叫んだのは、ローガンの隣にいた騎士だった。赤い顔でそう叫ぶと、何人かの騎士がそれに続いた。
「我が妻を疑うか…だが、力を知らない者がそう思うのも理解出来る」
そう仰ったラリー様は立ち上がると私の前に歩みよってきた。これは…私に力を使えと仰るのだろうか…そう思いながらラリー様を見上げると、ラリー様は少し困ったような表情を浮かべて私の前に立たれた。病み上がりにすまない…と小さく仰ったけれど…これはやらない方が問題を引きずるのは目に見えていた。メアリー様達の罪を明らかにするためにも、やらない選択肢はないように思えた。
それに…いずれは被害に遭った方たちは癒すつもりだったのだ。彼らのためにも、一日でも早い方がいいに越した事はないだろう。
「わかりましたわ、ラリー様」
ラリー様の手を取った私は、ラリー様にエスコートされて彼らの前に歩を進めた。
「さぁ、嘘だと言うのであれば、この者を癒して身の潔白を証明してみせよ」
そうラリー様に言われたメアリー様だったけれど、明らかに動揺していた。男性が男の子を床に座らせると、片方の足のズボンを捲った。そこには…深くて大きな傷が残っていた。
「…そ、そんな…む、無理よ…こんなの…!」
傷を見た途端、メアリー様はあっさりと白旗を挙げた。確かにその子の傷は大きくて、治すにはかなりの力が必要に思えた。
「治せない?そんな筈はなかろう。そなたたちは治せると言って先に金を受け取っていたではないか」
「…そ、それは…」
「そうであったな?」
「…は、はいっ!ご領主様の仰る通りでございます。ダウンズ男爵に傷をお見せしたところ、メアリー様ならこれくらい余裕だと言われました」
男性がそう言うと首謀者の三人は視線を彷徨わせ、騎士たちの間には一層の動揺が走ったように感じた。
「…メ、メアリー様は一月にも及ぶ獄中生活でお疲れなだけです。実際、メアリー様は貧民院や騎士団でたくさんの領民や騎士たちを癒したとお聞きしております!」
そう告げたのは、騎士を取りまとめている男性だった。だが、それは…私がやっていた事ではないだろうか…メアリー様は騎士の治療だって怖いと言って嫌がっていたのだから…
「…それはメアリー殿ではなく、アレクシア様がなされた事ですぞ。アレクシア様はメアリーがここに来る前から、騎士団の治療院で退役を余儀なくされた騎士達の治療を、その後は貧民院と孤児院への慰問もされていました」
「そ、そんな筈は…!」
「嘘だと言うなら、証人をここに」
リトラーが淡々とそう告げると、今度は騎士や壮年の男性、貧民院の世話役の女性が現れた。彼らは…私は以前治療したり、貧民院で話を聞かせて貰った人たちだった。彼らは口々に、私の治療で社会復帰が出来たと語り、未亡人や孤児達の生活が改善されたと語った。
「…リューク…?」
「ローガン、俺の怪我を治してくれたのは、そちらにいらっしゃる奥方様だ!」
取りまとめていた騎士にそう告げたのは、私が治療して騎士団に復帰したリュークという男性だった。彼はその後、騎士団での治療の際に護衛としてついてくれていた人だった。どうやら顔見知り以上の関係らしく、ローガンと呼ばれた騎士は目を見開いて全身で驚きを表していた。
「…そ、そんな…」
「奥方様のお陰で騎士団に戻った者は他にもいる。お前の上司でもあるモリスン男爵もそのお一人だ。お前にもそう話したよな?どうしてそれがメアリー殿になっているんだ?」
リュークに心底不思議そうにそう言われたローガンは、そのままその場に固まってしまった。どうやら彼はその話を知っていたのに、メアリー様だと思い込んでいたらしい。
「そ、そんな…」
「じゃ…俺たちは…」
「嘘だ…それじゃ俺たちは…」
騎士達からの動揺が今度は大きな波として広がった。彼らは…私のやった事までメアリー様の手柄と教えられ、彼らを信じたのだろう。こうなってくると…彼らも被害者のような気がしてきた。
「メアリー、治療は出来ぬと、そう認めるか?」
場のざわつきは、ラリー様の言葉でしんと静まり返った。誰もがメアリー様の答えに固唾を飲んでその場に佇んでいた。特に騎士たちの表情は…期待と不安が入り乱れていて、苦り切ったダウンズ男爵やハロルド様とは対照的だった。彼らは…治療できないと、力がないと分かっていたのだろう。
「…で、出来ますわ!」
「では、やってみよ。出来なければ…詐欺と見做すと心せよ」
冷たく、もう次はないと仰ったラリー様に一瞬怯んだメアリ―様だったが、男の子に手をかざして力を送り始めた。だが…暫く待っても何の変化もなかった。騎士達の期待がじわじわと不安から失望へと変わっていくのが見えて、私は彼らが気の毒にさえ思えた。彼らは…本気でメアリー様を信じていたのだろう。
「…無理のようだな」
「そ、そんな事は…!」
「では少年よ。いかがか?」
ラリー様が少年にそう問いかけると、少年は不安げな表情で父親を見上げ、父親が返事を促す様に頷くと、ラリー様に向いて首を横に振った。どうやら…何も変化がなかったらしい。その様子に、騎士たちの表情は深く重い憂いへと落ちて行った。
「騎士達よ、これがこの者の真の姿だ」
ラリー様の言葉に、騎士たちは項垂れ、中にはへたり込んでしまう者も出た。彼らは、本気でダウンズ男爵たちの掲げた理想郷を信じたのだろう。
「う、嘘だ…!メアリー様に力がないと言うなら…お、奥方様だって本物かなんてわからないではないか!」
そう叫んだのは、ローガンの隣にいた騎士だった。赤い顔でそう叫ぶと、何人かの騎士がそれに続いた。
「我が妻を疑うか…だが、力を知らない者がそう思うのも理解出来る」
そう仰ったラリー様は立ち上がると私の前に歩みよってきた。これは…私に力を使えと仰るのだろうか…そう思いながらラリー様を見上げると、ラリー様は少し困ったような表情を浮かべて私の前に立たれた。病み上がりにすまない…と小さく仰ったけれど…これはやらない方が問題を引きずるのは目に見えていた。メアリー様達の罪を明らかにするためにも、やらない選択肢はないように思えた。
それに…いずれは被害に遭った方たちは癒すつもりだったのだ。彼らのためにも、一日でも早い方がいいに越した事はないだろう。
「わかりましたわ、ラリー様」
ラリー様の手を取った私は、ラリー様にエスコートされて彼らの前に歩を進めた。
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読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
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