99 / 213
三章
隣国の要請について~侍女の見解
しおりを挟む
レアード王子が帰った後、私は自室に戻っていた。ラリー様はおじ様達とレアード王子との話合いについて協議しているらしく、私には後で話があるからと言われたため、部屋で待機していた。
「アレクシア様?大丈夫ですか?」
またぼんやりしていたのだろうか…これと言ってする事もなかったため、本を手にしていたところユーニスに声をかけられた。
「え、ええ、大丈夫よ」
そう言って笑顔を見せたが、ユーニスは納得している風ではなかった。元より察しがよくて勘が鋭いユーニスなのだ。私自身が最近、ぼんやりしている自覚があるだけに、気が付かない筈がないだろう…こんな時は彼女のそんな美点に困ってしまった。
「どこからどう見ても大丈夫に見えませんわ。原因は…ローレンス様ですか?それともレアード王子?何か言われたのですか?」
そう言われてしまうと、私はぐうの音も出なかった。正にその通りだとの自覚があったからだ。こうなってしまうと、ユーニスはちゃんと話をしないと納得してくれないだろう。私は…ためらいながらも…王妃様には内密でと前置きした上で、隣国の王から私を妃にとの話が上がっている事を話した。
「…隣国の王が…ですか…」
「ええ。もし正式な要請となれば…」
隣国の王に嫁ぐ。想像しただけでも鳥肌がたち、表現しようのない嫌悪感が湧き上がった。おじ様と同年代で私の祖父ぐらいの年だし、女性関係が激しく身持ちが悪いと聞く。しかも息子の妻を召し上げた事もあるなど、いい話が殆どない相手だ。そんな人に身を任せるなんて…と思うだけで死にたくなる。これまでは貴族の娘として、相手が誰であろうと嫁ぐのが当然と思っていたのにこんな風に思うなんて…自分の変化にも戸惑いしかなかった。
「アレクシア様…それはあり得ませんわ」
暫く考え込んでいたユーニスに明確にそう言い切られて、私はその言葉に微かな望みを探し出そうとした。そうしなければ、心が折れてしまいそうだったからだ。
「どうして?」
「それはアレクシア様が、セネット家の最後のお一人だからです」
「最後の一人?」
「ええ。セネット家は王家にとっての盟友であり後見です。そのセネット家は今やアレクシア様ただお一人。そんな状況で他国に送り出すなどあり得ませんよ」
「そう、かしら…」
「そうですよ。それに、隣国の王は聖女の力をお求めなのでしょう?だったらアレクシア様でなくてもいいのです。アレクシア様は神殿で聖女の認定を受けていないので、力がどれくらいかは公になっていません。最悪殆どなしと言ったところで、誰もわからないのです。力がないのに嫁いでも意味がないとなれば、相手もそれ以上アレクシア様に拘らないでしょう」
なるほど、そういう考え方も出来るのかと、私は少しだけ光が見えた気がした。確かに私の力は一部の人しか知らないし、神殿ではっきりさせたわけじゃない。とは言え…この地ではかなりの人数を治療してきたから誤魔化せるだろうか…
「どうせ送るなら…あの偽聖女でも送っておけばいいんですよ」
「偽聖女って…メアリー様を?」
「そうです。この地で話題にもなったし、少しは力も残っているのでしょう?隣国なら僅かな力でも重宝がられるんじゃないですか?それに…見た目もいいから女好きの王にはぴったりでしょう」
「そうは言っても…」
「どうせ反逆者として処刑されるのですから、これは有効活用ですわ」
「有効活用…」
ユーニスのあまりの言い方に驚くしかなかったけれど、なるほど、メアリー様はこの地で治療をしていたから話としては繋がらなくもない。でも…メアリー様はラリー様が…
「でも…それはラリー様が頷かれないでしょう。だって…」
「そもそも、アレクシア様の言うその前提が合っているのか、私はそこから疑いますけどね」
「ええ?でも…」
「ローレンス様が仰った言葉は私も側におりましたから聞いていますが、あれが未練故の言葉かと言えば怪しいですわ。自分に毒を盛った相手を思い続けるとは思えませんし」
「そりゃあ…確かに…」
「ギルバート様も仰っていたではありませんか、アレクシア様を守るためだったと。私はそちらの可能性の方がずっと高いと思いますわ」
「そうかしら…」
「そうです。それに王妃様がアレクシア様を隣国のエロ爺に渡すなどあり得ませんわ」
ユーニスに隣国に行く可能性をきっぱりと否定されて、私の心は少しだけ浮上した。なるほど、そういう風に考えられるのかもしれない…
「まぁ、一番の問題はあの朴念仁なのですけれど…」
「朴、念…?」
「…何でもありませんわ。それで、アレクシア様?好きな方との話し合いはされたんですの?」
「な…そ、それは…」
「まだなんですか?もう何日経っているんですの?黙っていては相手に何も伝わりませんのよ?」
「それは…でも…」
「でも?何です?」
「…ご、ご迷惑になったら…」
「迷惑かどうかを決めるのは相手であってアレクシア様ではありませんわ。それに…どうせダメならやる事をやってからの方が諦めもつくというものです」
「でも…」
「でもじゃありません。言えないなら私から言って差し上げましょうか?」
「そ、っ、それはいい!」
「じゃぁ、ご自分で、ちゃんとお話になってくださいね。でなければ、私からお話させて頂きますわ」
「言う、ちゃんと自分で言うから!だからユーニスから言うのはやめて!」
私は必死だった。ユーニスに任せたら何を言われるかわかったもんじゃない。ある事ならまだしも、ない事まである事のように話されそうな気がするし、その可能性は限りなく高い気がした。そんな危険を冒すくらいなら自分で言った方がずっとマシだ。
「…残念ですが、わかりました。でも、足りないようでしたら私から後ほど追加させていただきますからね」
「…そんな…」
「よろしいですわね?お返事は?」
「…わ、わかった、わ…」
何だか無理やり納得させられてしまったけれど…ユーニスはこうと決めたら引かない性格なのだ。私は渋々ながらも受け入れるしかなかった。
「アレクシア様?大丈夫ですか?」
またぼんやりしていたのだろうか…これと言ってする事もなかったため、本を手にしていたところユーニスに声をかけられた。
「え、ええ、大丈夫よ」
そう言って笑顔を見せたが、ユーニスは納得している風ではなかった。元より察しがよくて勘が鋭いユーニスなのだ。私自身が最近、ぼんやりしている自覚があるだけに、気が付かない筈がないだろう…こんな時は彼女のそんな美点に困ってしまった。
「どこからどう見ても大丈夫に見えませんわ。原因は…ローレンス様ですか?それともレアード王子?何か言われたのですか?」
そう言われてしまうと、私はぐうの音も出なかった。正にその通りだとの自覚があったからだ。こうなってしまうと、ユーニスはちゃんと話をしないと納得してくれないだろう。私は…ためらいながらも…王妃様には内密でと前置きした上で、隣国の王から私を妃にとの話が上がっている事を話した。
「…隣国の王が…ですか…」
「ええ。もし正式な要請となれば…」
隣国の王に嫁ぐ。想像しただけでも鳥肌がたち、表現しようのない嫌悪感が湧き上がった。おじ様と同年代で私の祖父ぐらいの年だし、女性関係が激しく身持ちが悪いと聞く。しかも息子の妻を召し上げた事もあるなど、いい話が殆どない相手だ。そんな人に身を任せるなんて…と思うだけで死にたくなる。これまでは貴族の娘として、相手が誰であろうと嫁ぐのが当然と思っていたのにこんな風に思うなんて…自分の変化にも戸惑いしかなかった。
「アレクシア様…それはあり得ませんわ」
暫く考え込んでいたユーニスに明確にそう言い切られて、私はその言葉に微かな望みを探し出そうとした。そうしなければ、心が折れてしまいそうだったからだ。
「どうして?」
「それはアレクシア様が、セネット家の最後のお一人だからです」
「最後の一人?」
「ええ。セネット家は王家にとっての盟友であり後見です。そのセネット家は今やアレクシア様ただお一人。そんな状況で他国に送り出すなどあり得ませんよ」
「そう、かしら…」
「そうですよ。それに、隣国の王は聖女の力をお求めなのでしょう?だったらアレクシア様でなくてもいいのです。アレクシア様は神殿で聖女の認定を受けていないので、力がどれくらいかは公になっていません。最悪殆どなしと言ったところで、誰もわからないのです。力がないのに嫁いでも意味がないとなれば、相手もそれ以上アレクシア様に拘らないでしょう」
なるほど、そういう考え方も出来るのかと、私は少しだけ光が見えた気がした。確かに私の力は一部の人しか知らないし、神殿ではっきりさせたわけじゃない。とは言え…この地ではかなりの人数を治療してきたから誤魔化せるだろうか…
「どうせ送るなら…あの偽聖女でも送っておけばいいんですよ」
「偽聖女って…メアリー様を?」
「そうです。この地で話題にもなったし、少しは力も残っているのでしょう?隣国なら僅かな力でも重宝がられるんじゃないですか?それに…見た目もいいから女好きの王にはぴったりでしょう」
「そうは言っても…」
「どうせ反逆者として処刑されるのですから、これは有効活用ですわ」
「有効活用…」
ユーニスのあまりの言い方に驚くしかなかったけれど、なるほど、メアリー様はこの地で治療をしていたから話としては繋がらなくもない。でも…メアリー様はラリー様が…
「でも…それはラリー様が頷かれないでしょう。だって…」
「そもそも、アレクシア様の言うその前提が合っているのか、私はそこから疑いますけどね」
「ええ?でも…」
「ローレンス様が仰った言葉は私も側におりましたから聞いていますが、あれが未練故の言葉かと言えば怪しいですわ。自分に毒を盛った相手を思い続けるとは思えませんし」
「そりゃあ…確かに…」
「ギルバート様も仰っていたではありませんか、アレクシア様を守るためだったと。私はそちらの可能性の方がずっと高いと思いますわ」
「そうかしら…」
「そうです。それに王妃様がアレクシア様を隣国のエロ爺に渡すなどあり得ませんわ」
ユーニスに隣国に行く可能性をきっぱりと否定されて、私の心は少しだけ浮上した。なるほど、そういう風に考えられるのかもしれない…
「まぁ、一番の問題はあの朴念仁なのですけれど…」
「朴、念…?」
「…何でもありませんわ。それで、アレクシア様?好きな方との話し合いはされたんですの?」
「な…そ、それは…」
「まだなんですか?もう何日経っているんですの?黙っていては相手に何も伝わりませんのよ?」
「それは…でも…」
「でも?何です?」
「…ご、ご迷惑になったら…」
「迷惑かどうかを決めるのは相手であってアレクシア様ではありませんわ。それに…どうせダメならやる事をやってからの方が諦めもつくというものです」
「でも…」
「でもじゃありません。言えないなら私から言って差し上げましょうか?」
「そ、っ、それはいい!」
「じゃぁ、ご自分で、ちゃんとお話になってくださいね。でなければ、私からお話させて頂きますわ」
「言う、ちゃんと自分で言うから!だからユーニスから言うのはやめて!」
私は必死だった。ユーニスに任せたら何を言われるかわかったもんじゃない。ある事ならまだしも、ない事まである事のように話されそうな気がするし、その可能性は限りなく高い気がした。そんな危険を冒すくらいなら自分で言った方がずっとマシだ。
「…残念ですが、わかりました。でも、足りないようでしたら私から後ほど追加させていただきますからね」
「…そんな…」
「よろしいですわね?お返事は?」
「…わ、わかった、わ…」
何だか無理やり納得させられてしまったけれど…ユーニスはこうと決めたら引かない性格なのだ。私は渋々ながらも受け入れるしかなかった。
182
読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
お気に入りに追加
3,615
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】婚約破棄されたユニコーンの乙女は、神殿に向かいます。
秋月一花
恋愛
「イザベラ。君との婚約破棄を、ここに宣言する!」
「かしこまりました。わたくしは神殿へ向かいます」
「……え?」
あっさりと婚約破棄を認めたわたくしに、ディラン殿下は目を瞬かせた。
「ほ、本当に良いのか? 王妃になりたくないのか?」
「……何か誤解なさっているようですが……。ディラン殿下が王太子なのは、わたくしがユニコーンの乙女だからですわ」
そう言い残して、その場から去った。呆然とした表情を浮かべていたディラン殿下を見て、本当に気付いてなかったのかと呆れたけれど――……。おめでとうございます、ディラン殿下。あなたは明日から王太子ではありません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】愛してるなんて言うから
空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」
婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。
婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。
――なんだそれ。ふざけてんのか。
わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。
第1部が恋物語。
第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ!
※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。
苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。
バナナマヨネーズ
恋愛
香澄静弥は、幼馴染で従姉妹の千歌子に嵌められて、異世界召喚されてすぐに魔の森に捨てられてしまった。しかし、静弥は森に捨てられたことを逆に人生をやり直すチャンスだと考え直した。誰も自分を知らない場所で気ままに生きると決めた静弥は、異世界召喚の際に与えられた力をフル活用して異世界生活を楽しみだした。そんなある日のことだ、魔の森に来訪者がやってきた。それから、静弥の異世界ライフはちょっとだけ騒がしくて、楽しいものへと変わっていくのだった。
全123話
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完】聖女じゃないと言われたので、大好きな人と一緒に旅に出ます!
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
ミレニア王国にある名もなき村の貧しい少女のミリアは酒浸りの両親の代わりに家族や妹の世話を懸命にしていたが、その妹や周囲の子ども達からは蔑まれていた。
ミリアが八歳になり聖女の素質があるかどうかの儀式を受けると聖女見習いに選ばれた。娼館へ売り払おうとする母親から逃れマルクト神殿で聖女見習いとして修業することになり、更に聖女見習いから聖女候補者として王都の大神殿へと推薦された。しかし、王都の大神殿の聖女候補者は貴族令嬢ばかりで、平民のミリアは虐げられることに。
その頃、大神殿へ行商人見習いとしてやってきたテオと知り合い、見習いの新人同士励まし合い仲良くなっていく。
十五歳になるとミリアは次期聖女に選ばれヘンリー王太子と婚約することになった。しかし、ヘンリー王太子は平民のミリアを気に入らず婚約破棄をする機会を伺っていた。
そして、十八歳を迎えたミリアは王太子に婚約破棄と国外追放の命を受けて、全ての柵から解放される。
「これで私は自由だ。今度こそゆっくり眠って美味しいもの食べよう」
テオとずっと一緒にいろんな国に行ってみたいね。
21.11.7~8、ホットランキング・小説・恋愛部門で一位となりました! 皆様のおかげです。ありがとうございました。
※「小説家になろう」さまにも掲載しております。
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる