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三章
留守を守る
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ラリー様が出立した後の屋敷は、これまでの喧騒が嘘のように静まり返っていたが、それで統制が乱れるという事はなかった。何と言ってもギルおじ様がいらっしゃるのだ。おじ様は私が古傷を癒したためすっかりお元気になり、騎士団の若い人達に稽古を付けていたという。お陰で後顧の憂いはないとラリー様も仰っていた。
おじ様の元には定期的に騎士が情報を伝えに来ていた。幸い天気もよく、滞りなく進んでいるらしい。とは言えどこに内通者がいるかわからないため、情報はかなり伏せられていた。
私はラリー様がメアリー様にかけた言葉が気になっていたものの、出立するラリー様にその意味を聞く事が出来なかった。こんな時にお手を煩わせるのも申し訳なかったが、その意味を知るのが怖かったのもある。大事な話と言うからには…やはり私との婚約解消だろうか…
でも、この結婚は王命だから、私を正妻に添えてその上でメアリー様をお側に置くのかもしれない。愛人や妾の立場になるけれどメアリー様が納得されれば問題はないし、私が王都に戻れば実質妻と変わりない。正直、それ以外の可能性が考えられず、私の気分は落ち込む一方だった。
村が襲撃されてからは、レアード王子がこの屋敷に姿を現す事はなかった。やはりあれは私達を油断させるためのものだったのだろうか…そんな疑念を持った私だったが、意外にもロバートはその考えを否定した。
「どうにも今回の出兵には…不審な点があるのですよ」
そう言ってロバートは、今回の出兵がレアード王子の意に反している可能性を示した。領主がレアード王子に代わってからは、隣国がこちらにちょっかいを出す事はかなり減ったのだという。レアード王子は内政を優先するタイプで、経済の立て直しを優先していたという。その辺はラリー様と同じ考えで、そんな彼が出兵を指示するとは思えない、というものだった。
それに姪の怪我を治す事に必死で、わざわざ身分を隠してまで敵国でもあるヘーゼルダインの街に潜入していたのだ。こんな時に情勢が不安定になるのは彼にとっても不本意だろう、と。
姪の怪我が治ったから手のひらを返した可能性もあるが、それにしては行動が早すぎた。子供を連れて国に戻るには少なくとも二、三日は必要で、襲撃の前日に姪を連れてここを訪れていた事からも、その可能性は低いと言った。
「可能性があるとすれば…隣国の一部の者の暴走…でしょうか…」
「一部?」
「ええ、一番可能性が高いのは、独立派でしょう」
「そうじゃな。あの子供の怪我の理由も、案外その一環かも…王子が姪の対応に追われている間に…と」
ロバートの話では、隣接する隣国の領地は、ヘーゼルダイン以上に独立派が多いのだと言う。現王の不人気に加えて税が高く、その不満が独立に走らせているらしい。
「心配なのは、連動してヘーゼルダインでも独立の動きが強まる事です。同時に蜂起して領土の一部だけでも…と考えてもおかしくないですから」
「そうじゃな。ここはこれまでも何度も独立運動が起きている。今回ラリーが早々に出立したのは、その声がこれ以上上がらないためでもあるんだ。こちらがもたもたしていれば、隙ありと見られるからな」
「そうでしたか…」
ヘーゼルダインは私の想像上に難しい土地だった。王子妃教育やこちらに来てから学んだ事など、この地のほんの一部の事でしかなかったのだと私は思い知らされた。
出立から三日経った。そろそろラリー様の軍が占領された村に到着するだろうという頃、ロバートに声をかけられた。
「え?怪我をした女性の?」
「はい。彼女から証言を得たいのですが、怪我が酷くて話もままならないのです」
どうやらロバートの部下が街で重要な参考人を見つけたが、その女性が大怪我を負っていて話が聞ける状態ではないのだという。でも、どうしてもその女性の証言が欲しいという事で、私に治療を頼んできたのだ。
「これは…酷いわね…」
女性の怪我はかなりの重傷で、このまま放置していたら数日中にも亡くなってしまうほどのものだった。全身に殴られた後があっただけでなく、背中に大きな刀傷があり、ロバートの話では逃げてきた際に負ったのではないかとの事だった。治療自体は特段難しいものではなかったが、出血が多く体力を消耗していて、女性は直ぐに目を覚まさなかった。詳しくは教えて貰えなかったが、彼女の証言があれば今ロバートが追っている問題の重要な証拠となり、相手を追及する事が出来るのだと言った。
ラリー様が率いた軍が占領された村に到着したとの報告は、ラリー様が出立して五日目に届いた。伝令では、村に到着したが隣国の兵の数は少なく、我が軍の姿を見ただけで逃げ出したのだという。あまりにも呆気ない展開に、どうやら現場も戸惑っているとあった。
ただ、幸いにも村人や旅人には被害もなく、建物への被害も最小限だったという。この事からも、村を占拠したのは隣国の正規軍ではなく、一部の部隊が独断で行ったのではないか…との憶測が強くなった。ラリー様は村の状況を確認した後、国境周辺を巡回してから戻るとの連絡があり、屋敷に戻るのは早くても十日後になるだろうとあった。
「大した事がなくてよかったわ」
私は大規模な戦闘になって死傷者が出るのが心配だったため、この程度で済んでよかったと胸を撫で下ろした。戦闘になればラリー様も危険に晒されるからだ。ラリー様は上に立つ者は先頭に立つべきとお考えの方なだけに、私も不安で仕方なかった。
「本当に…これで終わりだといいのですが…」
「そうじゃな。じゃが…手応えがなさ過ぎる」
私の安堵をよそに、ギルおじ様とロバートは反対に、あまりの呆気なさに不安を抱いていた。こうも手ごたえがないのであれば、もしかしたら別の何かを隠すための陽動では…とおじ様とロバートはかえって警戒を強めていた。
「た、大変です、ギルバート様!」
変化はその日の午後に突然起こった。突然、家令のメイナードとモリスン夫人が、ラリー様の執務室に飛び込んできたのだ。その場にいたおじ様とロバートも、メイナードのいつにない慌てように驚きを隠せなかった。
「ギ、ギルバート様!は、反乱です!」
おじ様の元には定期的に騎士が情報を伝えに来ていた。幸い天気もよく、滞りなく進んでいるらしい。とは言えどこに内通者がいるかわからないため、情報はかなり伏せられていた。
私はラリー様がメアリー様にかけた言葉が気になっていたものの、出立するラリー様にその意味を聞く事が出来なかった。こんな時にお手を煩わせるのも申し訳なかったが、その意味を知るのが怖かったのもある。大事な話と言うからには…やはり私との婚約解消だろうか…
でも、この結婚は王命だから、私を正妻に添えてその上でメアリー様をお側に置くのかもしれない。愛人や妾の立場になるけれどメアリー様が納得されれば問題はないし、私が王都に戻れば実質妻と変わりない。正直、それ以外の可能性が考えられず、私の気分は落ち込む一方だった。
村が襲撃されてからは、レアード王子がこの屋敷に姿を現す事はなかった。やはりあれは私達を油断させるためのものだったのだろうか…そんな疑念を持った私だったが、意外にもロバートはその考えを否定した。
「どうにも今回の出兵には…不審な点があるのですよ」
そう言ってロバートは、今回の出兵がレアード王子の意に反している可能性を示した。領主がレアード王子に代わってからは、隣国がこちらにちょっかいを出す事はかなり減ったのだという。レアード王子は内政を優先するタイプで、経済の立て直しを優先していたという。その辺はラリー様と同じ考えで、そんな彼が出兵を指示するとは思えない、というものだった。
それに姪の怪我を治す事に必死で、わざわざ身分を隠してまで敵国でもあるヘーゼルダインの街に潜入していたのだ。こんな時に情勢が不安定になるのは彼にとっても不本意だろう、と。
姪の怪我が治ったから手のひらを返した可能性もあるが、それにしては行動が早すぎた。子供を連れて国に戻るには少なくとも二、三日は必要で、襲撃の前日に姪を連れてここを訪れていた事からも、その可能性は低いと言った。
「可能性があるとすれば…隣国の一部の者の暴走…でしょうか…」
「一部?」
「ええ、一番可能性が高いのは、独立派でしょう」
「そうじゃな。あの子供の怪我の理由も、案外その一環かも…王子が姪の対応に追われている間に…と」
ロバートの話では、隣接する隣国の領地は、ヘーゼルダイン以上に独立派が多いのだと言う。現王の不人気に加えて税が高く、その不満が独立に走らせているらしい。
「心配なのは、連動してヘーゼルダインでも独立の動きが強まる事です。同時に蜂起して領土の一部だけでも…と考えてもおかしくないですから」
「そうじゃな。ここはこれまでも何度も独立運動が起きている。今回ラリーが早々に出立したのは、その声がこれ以上上がらないためでもあるんだ。こちらがもたもたしていれば、隙ありと見られるからな」
「そうでしたか…」
ヘーゼルダインは私の想像上に難しい土地だった。王子妃教育やこちらに来てから学んだ事など、この地のほんの一部の事でしかなかったのだと私は思い知らされた。
出立から三日経った。そろそろラリー様の軍が占領された村に到着するだろうという頃、ロバートに声をかけられた。
「え?怪我をした女性の?」
「はい。彼女から証言を得たいのですが、怪我が酷くて話もままならないのです」
どうやらロバートの部下が街で重要な参考人を見つけたが、その女性が大怪我を負っていて話が聞ける状態ではないのだという。でも、どうしてもその女性の証言が欲しいという事で、私に治療を頼んできたのだ。
「これは…酷いわね…」
女性の怪我はかなりの重傷で、このまま放置していたら数日中にも亡くなってしまうほどのものだった。全身に殴られた後があっただけでなく、背中に大きな刀傷があり、ロバートの話では逃げてきた際に負ったのではないかとの事だった。治療自体は特段難しいものではなかったが、出血が多く体力を消耗していて、女性は直ぐに目を覚まさなかった。詳しくは教えて貰えなかったが、彼女の証言があれば今ロバートが追っている問題の重要な証拠となり、相手を追及する事が出来るのだと言った。
ラリー様が率いた軍が占領された村に到着したとの報告は、ラリー様が出立して五日目に届いた。伝令では、村に到着したが隣国の兵の数は少なく、我が軍の姿を見ただけで逃げ出したのだという。あまりにも呆気ない展開に、どうやら現場も戸惑っているとあった。
ただ、幸いにも村人や旅人には被害もなく、建物への被害も最小限だったという。この事からも、村を占拠したのは隣国の正規軍ではなく、一部の部隊が独断で行ったのではないか…との憶測が強くなった。ラリー様は村の状況を確認した後、国境周辺を巡回してから戻るとの連絡があり、屋敷に戻るのは早くても十日後になるだろうとあった。
「大した事がなくてよかったわ」
私は大規模な戦闘になって死傷者が出るのが心配だったため、この程度で済んでよかったと胸を撫で下ろした。戦闘になればラリー様も危険に晒されるからだ。ラリー様は上に立つ者は先頭に立つべきとお考えの方なだけに、私も不安で仕方なかった。
「本当に…これで終わりだといいのですが…」
「そうじゃな。じゃが…手応えがなさ過ぎる」
私の安堵をよそに、ギルおじ様とロバートは反対に、あまりの呆気なさに不安を抱いていた。こうも手ごたえがないのであれば、もしかしたら別の何かを隠すための陽動では…とおじ様とロバートはかえって警戒を強めていた。
「た、大変です、ギルバート様!」
変化はその日の午後に突然起こった。突然、家令のメイナードとモリスン夫人が、ラリー様の執務室に飛び込んできたのだ。その場にいたおじ様とロバートも、メイナードのいつにない慌てように驚きを隠せなかった。
「ギ、ギルバート様!は、反乱です!」
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読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
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