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三章
宿営地への襲撃
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「何ですって?宿営地を襲撃?」
それから三日後、辺境伯領の国境近くの宿営地が隣国に襲撃されたとロバートから聞かされた私は驚きを隠せなかった。帰郷直後からラリー様からも屋敷の者達からも、隣国の動きが怪しいとの話は聞いていたが、ラリー様が当主になってからは挑発をことごとく退けたのもあり、最近は具体的な行動に出る事はなかったからだ。ラリー様が二月も不在だったせいで、よからぬ野心を育てたのだろうか…
「それで、被害は?」
「今のところ数名が負傷しただけで、死者は出ていない模様です。ラリー様も直ぐに救援隊と偵察部隊を派遣しました」
「そう…被害が少なかったのはよかったわ。でも…」
「ご案じなさる必要はありませんよ、アレクシア様。この様な事は、以前は頻繁にあったのですから」
「そうですか…でも…」
私の頭に浮かんだのは、結婚式の事だった。このような不穏な情勢での結婚式はさすがに無理ではないだろうか…式当日には国内の貴族がここに集まるが、そこを襲われればひとたまりもない。式までは一月を切っていて、延期や中止にするなら今しかないだろう。王都からはここまで2週間はかかるし、遠くの領地の貴族ともなればそれ以上かかるだろう。
「シア、申し訳ないのだが…結婚式を…延期しようと思う」
私の元にラリー様が尋ねてきたのはその日の夜だったが、ラリー様は随分とお疲れの様子だった。きっと襲撃の報告を受けてからずっと、いや、もしかしたらその前からずっと対応に追われていたのだろう。
「式まで一月を切っているのに申し訳ないが、今は情勢が悪すぎる。もし誰かがここに来る途中で襲われでもしたら…」
「ラリー様、わかっておりますわ。私もこの様な不穏な空気の中では難しいと思います。もし移動中や式の最中に襲われたら、我が領の落ち度にもなります。ここは延期が正しい判断だと思います」
残念だが、仕方がない。今中止してしまえば、次はいつになるかなど見当もつかないけれど、情勢がこれでは式を行うリスクの方が高すぎる。気落ちする心を止める事が出来なかったが、私はそれを表情に出さないように笑みを浮かべた。上手く笑えているだろうか…
「…すまない。…あと…出来ればあなたには…暫く王都で過ごして欲しいのだが…」
「え?」
思いがけない言葉に、私は頭の中が真っ白になった。王都へ?今から?戻って来たばかりなのに?
「ここまで隣国が大胆に動くとは思わなかった。正直言って、この先どう情勢が変わるかわからない。前にも言ったが、私は自ら望んでここに来たが、君は違う。このままここにいては戦に巻き込まれる可能性もある。君はまだ若い。出来れば王都で…」
「お断り…します」
それ以上聞きたくなくて、私は失礼だと分かってはいたがラリー様の言葉を遮った。言いたいことはわかるけれど、それを選択する考えは私にはなかった。ここに来た直後だったら、あるいはそれもあったかもしれない。でも、今は…
「私は…ここに、残りたいと…思います」
「だが…」
「…私では…お役に立ちませんか?」
「え?」
「私が…足手まといになると仰るのなら…そのようにいたします」
「足手まといなどという事はない。むしろ君の力はこの地にとって必要なものだ」
力だけでも必要だと言われて、私の心は少しだけ凪いだ。メアリー様がいらっしゃってからは、私の力はもう必要ないのではないかと思っていたからだ。
「だったら…」
「でも、戦争になるかもしれない。そうなれば…君の無事を保証出来ない」
ラリー様が苦しそうにそう仰った。確かに戦場になれば、武の心得もない私は命を落とすかもしれない。でも…
「そんな事は百も承知です」
「だが…」
「ラリー様、お忘れですか?私、王子妃になる筈だったんですよ?エリオット様の婚約者に選ばれた時点で、命がけの生活は始まっていました」
「……」
「それに、王子妃教育でいざという時の身の振り方も…この地に、この国に不利になりそうな時はどうすべきかは心得ています」
もう、これ以上どこかに追いやられたくなかった。子供の頃から家族に疎まれ、婚約者に疎まれ、私の居場所などどこにもなかった。そんな私にとってここは、やっと見つけた居場所なのだ。最も、それすらも今は危うくなってきているけれど…
「お邪魔でなければ、ここに置いてください。私にとってヘーゼルダインは、生まれて初めて自分の居場所だと思えたところなのです。必要であるなら前線にも参ります」
「前線になど…!」
「そうですか?でも、傷ついた人が一番多いのは前線です。私は剣で戦う事は出来ませんが、傷ついた人を癒す事は出来ます」
私はここで安穏と守られていたいと思った事はなかった。もとより辺境伯領がどういう場所かは王子妃教育でも嫌というほど教わったし、この国で一番危険なのはここだから、他の辺境伯領よりもずっとこの地の事は学んできた。最も、それは机上のものだから、どこまで通じるかはわからないけれど…
「…君は…随分と強い人なのだな…」
「強いわけではない…と思います。ただ、この力は人のために使え、自分のために使ってはならないと、それが祖母の遺言でしたから…」
「…全く、だからこそ王都にいて欲しいのだが…」
「え?」
「いや…なんでもない。わかったよ、君の意思は尊重しよう。ただ…くれぐれも無茶はしないでくれ。それを約束してくれなければ、引きずってでも王都に送るしかなくなる…」
「…わかりました。お約束します」
引きずってでもと言われるとちょっとやり過ぎではないかと思ったが、ラリー様は大まじめだった。それだけ情勢はよろしくないという事なのだろう。結婚式は延期になってしまったけれど…それでも私にとっての最悪な事態は免れたと思う。まだここにいてもいいのだ…そう思えるのはせめてもの救いだった。
それから三日後、辺境伯領の国境近くの宿営地が隣国に襲撃されたとロバートから聞かされた私は驚きを隠せなかった。帰郷直後からラリー様からも屋敷の者達からも、隣国の動きが怪しいとの話は聞いていたが、ラリー様が当主になってからは挑発をことごとく退けたのもあり、最近は具体的な行動に出る事はなかったからだ。ラリー様が二月も不在だったせいで、よからぬ野心を育てたのだろうか…
「それで、被害は?」
「今のところ数名が負傷しただけで、死者は出ていない模様です。ラリー様も直ぐに救援隊と偵察部隊を派遣しました」
「そう…被害が少なかったのはよかったわ。でも…」
「ご案じなさる必要はありませんよ、アレクシア様。この様な事は、以前は頻繁にあったのですから」
「そうですか…でも…」
私の頭に浮かんだのは、結婚式の事だった。このような不穏な情勢での結婚式はさすがに無理ではないだろうか…式当日には国内の貴族がここに集まるが、そこを襲われればひとたまりもない。式までは一月を切っていて、延期や中止にするなら今しかないだろう。王都からはここまで2週間はかかるし、遠くの領地の貴族ともなればそれ以上かかるだろう。
「シア、申し訳ないのだが…結婚式を…延期しようと思う」
私の元にラリー様が尋ねてきたのはその日の夜だったが、ラリー様は随分とお疲れの様子だった。きっと襲撃の報告を受けてからずっと、いや、もしかしたらその前からずっと対応に追われていたのだろう。
「式まで一月を切っているのに申し訳ないが、今は情勢が悪すぎる。もし誰かがここに来る途中で襲われでもしたら…」
「ラリー様、わかっておりますわ。私もこの様な不穏な空気の中では難しいと思います。もし移動中や式の最中に襲われたら、我が領の落ち度にもなります。ここは延期が正しい判断だと思います」
残念だが、仕方がない。今中止してしまえば、次はいつになるかなど見当もつかないけれど、情勢がこれでは式を行うリスクの方が高すぎる。気落ちする心を止める事が出来なかったが、私はそれを表情に出さないように笑みを浮かべた。上手く笑えているだろうか…
「…すまない。…あと…出来ればあなたには…暫く王都で過ごして欲しいのだが…」
「え?」
思いがけない言葉に、私は頭の中が真っ白になった。王都へ?今から?戻って来たばかりなのに?
「ここまで隣国が大胆に動くとは思わなかった。正直言って、この先どう情勢が変わるかわからない。前にも言ったが、私は自ら望んでここに来たが、君は違う。このままここにいては戦に巻き込まれる可能性もある。君はまだ若い。出来れば王都で…」
「お断り…します」
それ以上聞きたくなくて、私は失礼だと分かってはいたがラリー様の言葉を遮った。言いたいことはわかるけれど、それを選択する考えは私にはなかった。ここに来た直後だったら、あるいはそれもあったかもしれない。でも、今は…
「私は…ここに、残りたいと…思います」
「だが…」
「…私では…お役に立ちませんか?」
「え?」
「私が…足手まといになると仰るのなら…そのようにいたします」
「足手まといなどという事はない。むしろ君の力はこの地にとって必要なものだ」
力だけでも必要だと言われて、私の心は少しだけ凪いだ。メアリー様がいらっしゃってからは、私の力はもう必要ないのではないかと思っていたからだ。
「だったら…」
「でも、戦争になるかもしれない。そうなれば…君の無事を保証出来ない」
ラリー様が苦しそうにそう仰った。確かに戦場になれば、武の心得もない私は命を落とすかもしれない。でも…
「そんな事は百も承知です」
「だが…」
「ラリー様、お忘れですか?私、王子妃になる筈だったんですよ?エリオット様の婚約者に選ばれた時点で、命がけの生活は始まっていました」
「……」
「それに、王子妃教育でいざという時の身の振り方も…この地に、この国に不利になりそうな時はどうすべきかは心得ています」
もう、これ以上どこかに追いやられたくなかった。子供の頃から家族に疎まれ、婚約者に疎まれ、私の居場所などどこにもなかった。そんな私にとってここは、やっと見つけた居場所なのだ。最も、それすらも今は危うくなってきているけれど…
「お邪魔でなければ、ここに置いてください。私にとってヘーゼルダインは、生まれて初めて自分の居場所だと思えたところなのです。必要であるなら前線にも参ります」
「前線になど…!」
「そうですか?でも、傷ついた人が一番多いのは前線です。私は剣で戦う事は出来ませんが、傷ついた人を癒す事は出来ます」
私はここで安穏と守られていたいと思った事はなかった。もとより辺境伯領がどういう場所かは王子妃教育でも嫌というほど教わったし、この国で一番危険なのはここだから、他の辺境伯領よりもずっとこの地の事は学んできた。最も、それは机上のものだから、どこまで通じるかはわからないけれど…
「…君は…随分と強い人なのだな…」
「強いわけではない…と思います。ただ、この力は人のために使え、自分のために使ってはならないと、それが祖母の遺言でしたから…」
「…全く、だからこそ王都にいて欲しいのだが…」
「え?」
「いや…なんでもない。わかったよ、君の意思は尊重しよう。ただ…くれぐれも無茶はしないでくれ。それを約束してくれなければ、引きずってでも王都に送るしかなくなる…」
「…わかりました。お約束します」
引きずってでもと言われるとちょっとやり過ぎではないかと思ったが、ラリー様は大まじめだった。それだけ情勢はよろしくないという事なのだろう。結婚式は延期になってしまったけれど…それでも私にとっての最悪な事態は免れたと思う。まだここにいてもいいのだ…そう思えるのはせめてもの救いだった。
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読んで下さいってありがとうございます。
ゆっくりになりますが、更新再会しました。
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