70 / 71
次の未来へ
しおりを挟む
オレリア様がセレン様を諦めざるを得ない状況になってから、五年が経ちました。その後、あのお二人がこのバズレールの地を踏むことはなく、表面上の両国は穏やかな関係を維持していました。
最初はあの術の事でフェローから苦情が来るのではないかと、私は不安で仕方ありませんでした。マリアンヌ様に聞くと、あの後で国王陛下から苦情が来たそうですが、王族として節度ある振る舞いをしていれば問題はない事、同じ術をかけたジルベール様やマリアンヌ様、ルーベルクのアデライン様とオーブリー様が痛みに悩まされる事はないと伝えると、それ以上は何も言えなかったようです。ジルベール様は、我儘が過ぎるからで、これで驕慢な性格を矯正出来てよかったではないかと伝えたのだとか。
またあの後でルーベルクのお二人がフェローを訪問されましたが、その間に痛みを訴える事はなかったのですよね。フェローの二人にしか術がかかっていないので当然なのですが、そんな事は私達しか知らない事なので、フェロー国としてはそれ以上抗議すれば二人の名に傷がつくと思ったのか、それ以上は何も言わなかったそうです。
あれから四年間、私達は領民や他国と協力して魔獣討伐に精を出しました。また一方で、魔獣が侵入出来ないような城壁や仕掛けを作り、街道の整備を進め、魔獣討伐の部隊の強化をするなどして、結界がなくても暮らしていけるように整えたのです。そして今から一年前、ジルベール様が治めるようになってから五年目に、セレン様の約束通り結界を解除しました。
「まさか、本当に実現するとはな…」
「これもジルベール様や側近、何よりも領民の努力と協力があっての事です」
「いや、セレン殿が魔獣を抑えてくれたおかげだ。それはなければ、五十年かかってもここまで進められたかどうか…」
「全くですな。結界がなければ、工事一つもままならなかったのですから」
ジルベール様やセレン様、側近の皆様も感慨深い思いでこれまでの日々を振り返っていました。結界を解除した後はやはり魔獣の被害が領内のあちこちで出ましたが、それも想定内で、あちこちに魔獣討伐の実績がある部隊を送ってあったため、被害は最小限に抑えられたと思います。
そして今…
「ルネ、ここにいたのか」
「セレン様」
かれこれ六年の歳月を過ごした自室を眺めていると、セレン様が相変わらず甘い声色で私の名を呼びました。あれからも私達はレリアやリアさん、ルドさんと一緒に暮らしていましたが、今日、私達はセレン様の生まれ育った世界に旅立ちます。
この五年間、セレン様はリアさんやルドさんと元の世界に戻る方法をずっと探していました。セレン様が言うには、三人の力はこの世界では協力過ぎて争いの種になるので、出来る事なら元の世界に戻った方がいいのだそうです。
その事はジルベール様達にも相談していて、ジルベール様の協力でフェローの古文書なども調べることが出来ました。そして…逆召喚という、呼び出した人を元の世界に戻すための魔術を見つけたのです。
「もうお別れは済んだ?」
異世界に旅立つのは、この六年を過ごした私達の家にある小さな庭からです。ここにリアさんが移転の術式を構築してくれたのです。その為数日前から私は、ジルベール様やマリアンヌ様達とお別れの挨拶のためにあちこち奔走していました。
「ええ。名残惜しいですが…セレン様は?」
「私も別れと、今後についての話し合いは済ませてきたよ。ジルベール殿がいらっしゃるから問題ないだろう」
「そうですか。あの…フェローの結界は…」
「あちらも、今後五年は結界が維持出来るようにしてきたから大丈夫だ。その間にジルベール殿がフェローに魔獣討伐などのノウハウを教授されるそうだ。この国のやり方を真似るだけなら、五年もかからないだろう」
「そう、ですね」
私達は試行錯誤しながら五年かけて結界の不要な国を作り上げましたが、そのノウハウを実践するだけなら確かに時間はかからないでしょう。
「ま、フェローに関してはあの王と王太子次第かな。余計な欲をかかなければ成し遂げるだろうよ」
相変わらず彼らとセレン様の間には深くて埋める事の出来ない溝があり、それは結局埋まる事はありませんでした。でも、それも今日で終わりです。
「セレン―!ルネ―!そろそろ行くよ!」
異世界に向かう術は、リアさんによってすっかり出来上がっていました。実はリアさん、既に一度元の世界に戻って、私達が戻っても困らない様に、色々準備をして下さったのですよね。聖獣でもあるリアさんの言葉はセレン様の国では神の言葉に等しいそうで、向こうでは私達を迎える準備はすっかり出来上がっているのだとか。そして今日は、向こうの世界でも私達が迷わずに辿り着けるようにと、召喚の儀を行ってくれているそうです。
「ルネ、心配しないで。向こうに戻ってもあなたは私が守るから」
「セレン様…」
不安がないとは言い切れませんが…この世界にいる限り、セレン様達はその力を手に入れようとする者達に狙われ続けます。これまでも何度か、非常に際どい場面もあって、私も攫われそうになったことがありました。この世界にいる限り安住の地はない、そう結論づけた皆さんは、元の世界に戻る事にしたのです。それには私と…ルドさんの番という伴侶のようなものになったレリアも一緒です。
それともう一つ。結婚してから五年経った私達には、未だに子が出来ません。リアさん曰く、違う世界の者同士だから無理なのだろうとの事ですが、セレン様の世界に行けばもしかしたら何とかなるかもしれないのだそうです。あちらの方が魔術は発達しているので、もしかしたら何か手が見つかるのではないかと。私が向こうの世界に行こうと思えたのは、その事が一番の理由でした。
「行くよ、セレン。魔力の流れは今日が最適なんだ。これを逃したら十年後だからね」
「わかっているよ、リア。さ、ルネ、離れ離れにならない様にね」
そう言ってセレン様が、私をその腕の中にすっぽりと包み込むように抱きしめました。私はその腕の力強さに身を委ねると、光が私達を取り囲むように集まり始めました。不安がないと言えば嘘になりますが、セレン様がいて、リアさんがいて、レリアもルドさんも一緒です。これまでの六年間の絆があれば、きっとこれからも大丈夫でしょう。
「さ、私達の祝いの門出だ」
セレン様の言葉を合図に、私達は未知の旅路へと踏み出したのでした。
【完】
- - - - -
ここまで読んで下さってありがとうございました。
もう少し大きな話になる予定だったのですが、力不足で不発に終わった感じが否めません。
もふもふが思ったほど描けなかったのも心残りです…
このまま続ける事も考えましたが、だらけそうな予感満載なので、ここですっきり終わる事にしました。
あと一話、あの王女の話で終わりです。
最初はあの術の事でフェローから苦情が来るのではないかと、私は不安で仕方ありませんでした。マリアンヌ様に聞くと、あの後で国王陛下から苦情が来たそうですが、王族として節度ある振る舞いをしていれば問題はない事、同じ術をかけたジルベール様やマリアンヌ様、ルーベルクのアデライン様とオーブリー様が痛みに悩まされる事はないと伝えると、それ以上は何も言えなかったようです。ジルベール様は、我儘が過ぎるからで、これで驕慢な性格を矯正出来てよかったではないかと伝えたのだとか。
またあの後でルーベルクのお二人がフェローを訪問されましたが、その間に痛みを訴える事はなかったのですよね。フェローの二人にしか術がかかっていないので当然なのですが、そんな事は私達しか知らない事なので、フェロー国としてはそれ以上抗議すれば二人の名に傷がつくと思ったのか、それ以上は何も言わなかったそうです。
あれから四年間、私達は領民や他国と協力して魔獣討伐に精を出しました。また一方で、魔獣が侵入出来ないような城壁や仕掛けを作り、街道の整備を進め、魔獣討伐の部隊の強化をするなどして、結界がなくても暮らしていけるように整えたのです。そして今から一年前、ジルベール様が治めるようになってから五年目に、セレン様の約束通り結界を解除しました。
「まさか、本当に実現するとはな…」
「これもジルベール様や側近、何よりも領民の努力と協力があっての事です」
「いや、セレン殿が魔獣を抑えてくれたおかげだ。それはなければ、五十年かかってもここまで進められたかどうか…」
「全くですな。結界がなければ、工事一つもままならなかったのですから」
ジルベール様やセレン様、側近の皆様も感慨深い思いでこれまでの日々を振り返っていました。結界を解除した後はやはり魔獣の被害が領内のあちこちで出ましたが、それも想定内で、あちこちに魔獣討伐の実績がある部隊を送ってあったため、被害は最小限に抑えられたと思います。
そして今…
「ルネ、ここにいたのか」
「セレン様」
かれこれ六年の歳月を過ごした自室を眺めていると、セレン様が相変わらず甘い声色で私の名を呼びました。あれからも私達はレリアやリアさん、ルドさんと一緒に暮らしていましたが、今日、私達はセレン様の生まれ育った世界に旅立ちます。
この五年間、セレン様はリアさんやルドさんと元の世界に戻る方法をずっと探していました。セレン様が言うには、三人の力はこの世界では協力過ぎて争いの種になるので、出来る事なら元の世界に戻った方がいいのだそうです。
その事はジルベール様達にも相談していて、ジルベール様の協力でフェローの古文書なども調べることが出来ました。そして…逆召喚という、呼び出した人を元の世界に戻すための魔術を見つけたのです。
「もうお別れは済んだ?」
異世界に旅立つのは、この六年を過ごした私達の家にある小さな庭からです。ここにリアさんが移転の術式を構築してくれたのです。その為数日前から私は、ジルベール様やマリアンヌ様達とお別れの挨拶のためにあちこち奔走していました。
「ええ。名残惜しいですが…セレン様は?」
「私も別れと、今後についての話し合いは済ませてきたよ。ジルベール殿がいらっしゃるから問題ないだろう」
「そうですか。あの…フェローの結界は…」
「あちらも、今後五年は結界が維持出来るようにしてきたから大丈夫だ。その間にジルベール殿がフェローに魔獣討伐などのノウハウを教授されるそうだ。この国のやり方を真似るだけなら、五年もかからないだろう」
「そう、ですね」
私達は試行錯誤しながら五年かけて結界の不要な国を作り上げましたが、そのノウハウを実践するだけなら確かに時間はかからないでしょう。
「ま、フェローに関してはあの王と王太子次第かな。余計な欲をかかなければ成し遂げるだろうよ」
相変わらず彼らとセレン様の間には深くて埋める事の出来ない溝があり、それは結局埋まる事はありませんでした。でも、それも今日で終わりです。
「セレン―!ルネ―!そろそろ行くよ!」
異世界に向かう術は、リアさんによってすっかり出来上がっていました。実はリアさん、既に一度元の世界に戻って、私達が戻っても困らない様に、色々準備をして下さったのですよね。聖獣でもあるリアさんの言葉はセレン様の国では神の言葉に等しいそうで、向こうでは私達を迎える準備はすっかり出来上がっているのだとか。そして今日は、向こうの世界でも私達が迷わずに辿り着けるようにと、召喚の儀を行ってくれているそうです。
「ルネ、心配しないで。向こうに戻ってもあなたは私が守るから」
「セレン様…」
不安がないとは言い切れませんが…この世界にいる限り、セレン様達はその力を手に入れようとする者達に狙われ続けます。これまでも何度か、非常に際どい場面もあって、私も攫われそうになったことがありました。この世界にいる限り安住の地はない、そう結論づけた皆さんは、元の世界に戻る事にしたのです。それには私と…ルドさんの番という伴侶のようなものになったレリアも一緒です。
それともう一つ。結婚してから五年経った私達には、未だに子が出来ません。リアさん曰く、違う世界の者同士だから無理なのだろうとの事ですが、セレン様の世界に行けばもしかしたら何とかなるかもしれないのだそうです。あちらの方が魔術は発達しているので、もしかしたら何か手が見つかるのではないかと。私が向こうの世界に行こうと思えたのは、その事が一番の理由でした。
「行くよ、セレン。魔力の流れは今日が最適なんだ。これを逃したら十年後だからね」
「わかっているよ、リア。さ、ルネ、離れ離れにならない様にね」
そう言ってセレン様が、私をその腕の中にすっぽりと包み込むように抱きしめました。私はその腕の力強さに身を委ねると、光が私達を取り囲むように集まり始めました。不安がないと言えば嘘になりますが、セレン様がいて、リアさんがいて、レリアもルドさんも一緒です。これまでの六年間の絆があれば、きっとこれからも大丈夫でしょう。
「さ、私達の祝いの門出だ」
セレン様の言葉を合図に、私達は未知の旅路へと踏み出したのでした。
【完】
- - - - -
ここまで読んで下さってありがとうございました。
もう少し大きな話になる予定だったのですが、力不足で不発に終わった感じが否めません。
もふもふが思ったほど描けなかったのも心残りです…
このまま続ける事も考えましたが、だらけそうな予感満載なので、ここですっきり終わる事にしました。
あと一話、あの王女の話で終わりです。
55
お気に入りに追加
2,740
あなたにおすすめの小説

辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~
サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
悪役令嬢、追放先の貧乏診療所をおばあちゃんの知恵で立て直したら大聖女にジョブチェン?! 〜『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件〜
華梨ふらわー
恋愛
第二王子との婚約を破棄されてしまった主人公・グレイス。しかし婚約破棄された瞬間、自分が乙女ゲーム『どきどきプリンセスッ!2』の世界に悪役令嬢として転生したことに気付く。婚約破棄に怒り狂った父親に絶縁され、貧乏診療所の医師との結婚させられることに。
日本では主婦のヒエラルキーにおいて上位に位置する『医者の嫁』。意外に悪くない追放先……と思いきや、貧乏すぎて患者より先に診療所が倒れそう。現代医学の知識でチートするのが王道だが、前世も現世でも医療知識は皆無。仕方ないので前世、大好きだったおばあちゃんが教えてくれた知恵で診療所を立て直す!次第に周囲から尊敬され、悪役令嬢から大聖女として崇められるように。
しかし婚約者の医者はなぜか結婚を頑なに拒む。診療所は立て直せそうですが、『医者の嫁』ハッピーセレブライフ計画は全く進捗しないんですが…。
続編『悪役令嬢、モフモフ温泉をおばあちゃんの知恵で立て直したら王妃にジョブチェン?! 〜やっぱり『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件~』を6月15日から連載スタートしました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/500576978/161276574
完結しているのですが、【キースのメモ】を追記しております。
おばあちゃんの知恵やレシピをまとめたものになります。
合わせてお楽しみいただければと思います。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。

異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。

聖女召喚に巻き込まれた挙句、ハズレの方と蔑まれていた私が隣国の過保護な王子に溺愛されている件
バナナマヨネーズ
恋愛
聖女召喚に巻き込まれた志乃は、召喚に巻き込まれたハズレの方と言われ、酷い扱いを受けることになる。
そんな中、隣国の第三王子であるジークリンデが志乃を保護することに。
志乃を保護したジークリンデは、地面が泥濘んでいると言っては、志乃を抱き上げ、用意した食事が熱ければ火傷をしないようにと息を吹きかけて冷ましてくれるほど過保護だった。
そんな過保護すぎるジークリンデの行動に志乃は戸惑うばかり。
「私は子供じゃないからそんなことしなくてもいいから!」
「いや、シノはこんなに小さいじゃないか。だから、俺は君を命を懸けて守るから」
「お…重い……」
「ん?ああ、ごめんな。その荷物は俺が持とう」
「これくらい大丈夫だし、重いってそういうことじゃ……。はぁ……」
過保護にされたくない志乃と過保護にしたいジークリンデ。
二人は共に過ごすうちに知ることになる。その人がお互いの運命の人なのだと。
全31話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる