65 / 71
新しい協力者
しおりを挟む
「な、何とか間に合いましたわ…」
その日の夕方、私はレリアとマリアンヌ様がよこして下さった侍女たちによって別人と化していました。この日のドレスは深みのあるグリーンのドレスでした、差し色は白と黄色で、これは私とセレン様の髪色でしょうか。装飾が少なく大人しめのデザインですが、その分品があってとっても素敵です。ただ、私が着るとドレスに負けてしまいそうですが。
そしてそんな私の隣に立つセレン様は、今日も正装がとてもお似合いでため息が出る程です。隣に立つのが心苦しいと言いますか、きっと釣り合っていないと言われるのだろうと気が重くなります。レリアもマリアンヌ様の侍女の皆さんも、とてもお似合いだと言ってくれますが、それを真に受ける程私は身の程知らずではありません。
そして気になるのは、その手首でした。あのオレリア様から贈られた腕輪がセレン様の左手首にあるのです。既に術は解いて問題ないと言われましたが…それをつけて出席するのかと思うとモヤモヤします。
「やぁ、ルネ嬢、急に呼び出して申し訳なかったね」
「そうね。でもルネ、そのドレスとっても似合っているわ!」
大公宮を訪れた私を迎えてくれたのは大公ご夫妻でした。既に着替えも終わって、どこから見ても麗しい一対です。今日は艶のある茶色の生地を使った衣装のお二人ですが、上品でありながらすっきりとしていて、正にジルベール様のお好み通りです。このようなデザインは、硬質な美貌と楚々とした印象のマリアンヌ様の魅力を最大限に引き出しているように見えます。バズレールに来てからのマリアンヌ様を見ていると、ゴテゴテと飾り立てるのはかえって品を損なうものだな…とすごく感じます。
そして今日のお二人はとても機嫌がいいように見えました。それを言ったらセレン様もですが…昨日からずっとあの腕輪の事で相談なさっていたようですが、何をお考えなのでしょうか…私はまだ何も聞かされていないので、物凄く気になります。
今日の夜会はフェローのお二人と、隣国の一つルーベルク王国の王子殿下と王女殿下の四人のお別れの会でもありました。ルーベルク王国はバズレールやフェローの北に位置する国で、バズレールとも友好な関係を築いています。先月のセレン様の国境の視察では王子殿下が同行されて今後の魔獣対策の話し合いをされるなど、バズレールにとっても重要な国として、ジルベール様はフェローよりも重要視されていると聞きます。
「ルネ!セレンもお久しぶりね!」
そう言って気安く声をかけてくださったのは、ルーベルク王国のアデライン第四王女殿下でした。輝く銀の髪にキラキラと煌めく紫の瞳を持つ王女殿下は現在十五歳。まだあどけなさが残るものの、しっかり者で王女としての威厳と品を兼ね備えています。とても麗しくて周辺国一の美少女と讃えられていますが、その外見に反して剣の腕はとんでもなくお強いらしく、とても負けず嫌いだと伺っています。
そんな王女殿下のストッパーが、隣でエスコートする実兄のオーブリー第四王子殿下です。こちらも同じ銀の髪と紫の瞳を持ちますが、瞳の色は兄君の方が少し薄いですわね。その色彩と元より口数が少ないご性分もあって、氷の貴公子とも呼ばれています。
噂ではセザール様はこのオーブリー殿下にライバル心を持っているのだとか。実際、お二人は年も近く、その優れた外見は比べたくなるほどの麗しさで、周辺国でも一、二を争う麗しい王子として有名です。
ただ、性格は全く違い、尊大で身分意識の強いセザール様と、無口だけど情に厚いオーブリー殿下では、どちらか好ましいかなどわざわざ口にする必要もないでしょう。
「アデライン様、お久しぶりでございます」
「ああもう、ルネったらそんなに畏まらないで。もっと気さくに話して欲しいわ」
「そうね、ルネの謙虚さは美徳だけど、私達だけの時はもう少し楽にして欲しいわね」
「ほら、マリアンヌ様もそう言ってるわ!」
二人に畳みかけるようにそう言われて、私は返事に困ってしまいました。そう言って頂けるのは光栄ですが、さすがに身分差があり過ぎて簡単に是とは言い難いのです。
マリアンヌ様とアデライン様ですが、実は姉妹のように仲がいいのですよね。聞けばマリアンヌ様のお母様の実家はルーベルク王国の侯爵家で、その縁もあって昔から交流があったのだとか。アデラインの一番上の姉姫様とマリアンヌ様は同じ年で、一時期その姉姫様はフェローに留学していたこともあったそうです。その伝もあって、バズレールに移ってからはより親しく行き来をするようになったのです。
「ルネ、今日はあの王女にいい話を持ってきたのよ」
「いい話、ですか?」
「そうよ!」
「それは一体…」
「ふふっ、それは後のお楽しみ」
とても愛らしい笑顔のアデライン様にそう言い切られてしまうと、それ以上聞けなくなってしまいました。ちらっと隣のセレン様に視線を向けると、セレン様も私の視線に気づいて笑みを向けてくれましたが…どうやらセレン様もご存じのようです。でも教えてくれないという事は、聞いても無駄という事なのは私もこの一年で理解しました。これはお楽しみとして待つしかなさそうです。
夜会が始まると、私達はジルベール様の側近の皆さんの列の最後に続きました。身分的には夜会に出席できる立場ではないのですが、側近としてなら可能なのです。今日は二国の王子や王女が帰国される前の夜会なので、歓迎の夜会並みに華やかでした。
「セレン様!」
夜会も中盤に差し掛かり、ようやく挨拶などが終わって自由な時間に入ると、早速セレン様を呼ぶ甲高い声が会場に響きました。その姿を見なくてもわかります、オレリア様です。今日もまたセレン様の瞳の色の青碧のドレスですが…さすがに滞在中に衣装も整えたのか、今日は前回の夜会と違って美しく見栄えのあるドレスです。この会場内の誰よりも華やかに着飾っているので、非常に目立っています。
「セレン様!まぁ、その腕輪、身に付けてくださったのですね!」
袖口からわずかに見える腕輪にオレリア様が反応しました。やはりあの腕輪はオレリア様が文官に噓をつかせて送ってきたのは間違いないようです。ふと、セレン様がどう反応するのか気になった私でしたが…見上げたセレン様はいつもの人を引き寄せる笑みを浮かべていましたが、その心中までは伺い知れませんでした。
その日の夕方、私はレリアとマリアンヌ様がよこして下さった侍女たちによって別人と化していました。この日のドレスは深みのあるグリーンのドレスでした、差し色は白と黄色で、これは私とセレン様の髪色でしょうか。装飾が少なく大人しめのデザインですが、その分品があってとっても素敵です。ただ、私が着るとドレスに負けてしまいそうですが。
そしてそんな私の隣に立つセレン様は、今日も正装がとてもお似合いでため息が出る程です。隣に立つのが心苦しいと言いますか、きっと釣り合っていないと言われるのだろうと気が重くなります。レリアもマリアンヌ様の侍女の皆さんも、とてもお似合いだと言ってくれますが、それを真に受ける程私は身の程知らずではありません。
そして気になるのは、その手首でした。あのオレリア様から贈られた腕輪がセレン様の左手首にあるのです。既に術は解いて問題ないと言われましたが…それをつけて出席するのかと思うとモヤモヤします。
「やぁ、ルネ嬢、急に呼び出して申し訳なかったね」
「そうね。でもルネ、そのドレスとっても似合っているわ!」
大公宮を訪れた私を迎えてくれたのは大公ご夫妻でした。既に着替えも終わって、どこから見ても麗しい一対です。今日は艶のある茶色の生地を使った衣装のお二人ですが、上品でありながらすっきりとしていて、正にジルベール様のお好み通りです。このようなデザインは、硬質な美貌と楚々とした印象のマリアンヌ様の魅力を最大限に引き出しているように見えます。バズレールに来てからのマリアンヌ様を見ていると、ゴテゴテと飾り立てるのはかえって品を損なうものだな…とすごく感じます。
そして今日のお二人はとても機嫌がいいように見えました。それを言ったらセレン様もですが…昨日からずっとあの腕輪の事で相談なさっていたようですが、何をお考えなのでしょうか…私はまだ何も聞かされていないので、物凄く気になります。
今日の夜会はフェローのお二人と、隣国の一つルーベルク王国の王子殿下と王女殿下の四人のお別れの会でもありました。ルーベルク王国はバズレールやフェローの北に位置する国で、バズレールとも友好な関係を築いています。先月のセレン様の国境の視察では王子殿下が同行されて今後の魔獣対策の話し合いをされるなど、バズレールにとっても重要な国として、ジルベール様はフェローよりも重要視されていると聞きます。
「ルネ!セレンもお久しぶりね!」
そう言って気安く声をかけてくださったのは、ルーベルク王国のアデライン第四王女殿下でした。輝く銀の髪にキラキラと煌めく紫の瞳を持つ王女殿下は現在十五歳。まだあどけなさが残るものの、しっかり者で王女としての威厳と品を兼ね備えています。とても麗しくて周辺国一の美少女と讃えられていますが、その外見に反して剣の腕はとんでもなくお強いらしく、とても負けず嫌いだと伺っています。
そんな王女殿下のストッパーが、隣でエスコートする実兄のオーブリー第四王子殿下です。こちらも同じ銀の髪と紫の瞳を持ちますが、瞳の色は兄君の方が少し薄いですわね。その色彩と元より口数が少ないご性分もあって、氷の貴公子とも呼ばれています。
噂ではセザール様はこのオーブリー殿下にライバル心を持っているのだとか。実際、お二人は年も近く、その優れた外見は比べたくなるほどの麗しさで、周辺国でも一、二を争う麗しい王子として有名です。
ただ、性格は全く違い、尊大で身分意識の強いセザール様と、無口だけど情に厚いオーブリー殿下では、どちらか好ましいかなどわざわざ口にする必要もないでしょう。
「アデライン様、お久しぶりでございます」
「ああもう、ルネったらそんなに畏まらないで。もっと気さくに話して欲しいわ」
「そうね、ルネの謙虚さは美徳だけど、私達だけの時はもう少し楽にして欲しいわね」
「ほら、マリアンヌ様もそう言ってるわ!」
二人に畳みかけるようにそう言われて、私は返事に困ってしまいました。そう言って頂けるのは光栄ですが、さすがに身分差があり過ぎて簡単に是とは言い難いのです。
マリアンヌ様とアデライン様ですが、実は姉妹のように仲がいいのですよね。聞けばマリアンヌ様のお母様の実家はルーベルク王国の侯爵家で、その縁もあって昔から交流があったのだとか。アデラインの一番上の姉姫様とマリアンヌ様は同じ年で、一時期その姉姫様はフェローに留学していたこともあったそうです。その伝もあって、バズレールに移ってからはより親しく行き来をするようになったのです。
「ルネ、今日はあの王女にいい話を持ってきたのよ」
「いい話、ですか?」
「そうよ!」
「それは一体…」
「ふふっ、それは後のお楽しみ」
とても愛らしい笑顔のアデライン様にそう言い切られてしまうと、それ以上聞けなくなってしまいました。ちらっと隣のセレン様に視線を向けると、セレン様も私の視線に気づいて笑みを向けてくれましたが…どうやらセレン様もご存じのようです。でも教えてくれないという事は、聞いても無駄という事なのは私もこの一年で理解しました。これはお楽しみとして待つしかなさそうです。
夜会が始まると、私達はジルベール様の側近の皆さんの列の最後に続きました。身分的には夜会に出席できる立場ではないのですが、側近としてなら可能なのです。今日は二国の王子や王女が帰国される前の夜会なので、歓迎の夜会並みに華やかでした。
「セレン様!」
夜会も中盤に差し掛かり、ようやく挨拶などが終わって自由な時間に入ると、早速セレン様を呼ぶ甲高い声が会場に響きました。その姿を見なくてもわかります、オレリア様です。今日もまたセレン様の瞳の色の青碧のドレスですが…さすがに滞在中に衣装も整えたのか、今日は前回の夜会と違って美しく見栄えのあるドレスです。この会場内の誰よりも華やかに着飾っているので、非常に目立っています。
「セレン様!まぁ、その腕輪、身に付けてくださったのですね!」
袖口からわずかに見える腕輪にオレリア様が反応しました。やはりあの腕輪はオレリア様が文官に噓をつかせて送ってきたのは間違いないようです。ふと、セレン様がどう反応するのか気になった私でしたが…見上げたセレン様はいつもの人を引き寄せる笑みを浮かべていましたが、その心中までは伺い知れませんでした。
45
お気に入りに追加
2,740
あなたにおすすめの小説

辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~
サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
悪役令嬢、追放先の貧乏診療所をおばあちゃんの知恵で立て直したら大聖女にジョブチェン?! 〜『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件〜
華梨ふらわー
恋愛
第二王子との婚約を破棄されてしまった主人公・グレイス。しかし婚約破棄された瞬間、自分が乙女ゲーム『どきどきプリンセスッ!2』の世界に悪役令嬢として転生したことに気付く。婚約破棄に怒り狂った父親に絶縁され、貧乏診療所の医師との結婚させられることに。
日本では主婦のヒエラルキーにおいて上位に位置する『医者の嫁』。意外に悪くない追放先……と思いきや、貧乏すぎて患者より先に診療所が倒れそう。現代医学の知識でチートするのが王道だが、前世も現世でも医療知識は皆無。仕方ないので前世、大好きだったおばあちゃんが教えてくれた知恵で診療所を立て直す!次第に周囲から尊敬され、悪役令嬢から大聖女として崇められるように。
しかし婚約者の医者はなぜか結婚を頑なに拒む。診療所は立て直せそうですが、『医者の嫁』ハッピーセレブライフ計画は全く進捗しないんですが…。
続編『悪役令嬢、モフモフ温泉をおばあちゃんの知恵で立て直したら王妃にジョブチェン?! 〜やっぱり『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件~』を6月15日から連載スタートしました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/500576978/161276574
完結しているのですが、【キースのメモ】を追記しております。
おばあちゃんの知恵やレシピをまとめたものになります。
合わせてお楽しみいただければと思います。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。

異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。

聖女召喚に巻き込まれた挙句、ハズレの方と蔑まれていた私が隣国の過保護な王子に溺愛されている件
バナナマヨネーズ
恋愛
聖女召喚に巻き込まれた志乃は、召喚に巻き込まれたハズレの方と言われ、酷い扱いを受けることになる。
そんな中、隣国の第三王子であるジークリンデが志乃を保護することに。
志乃を保護したジークリンデは、地面が泥濘んでいると言っては、志乃を抱き上げ、用意した食事が熱ければ火傷をしないようにと息を吹きかけて冷ましてくれるほど過保護だった。
そんな過保護すぎるジークリンデの行動に志乃は戸惑うばかり。
「私は子供じゃないからそんなことしなくてもいいから!」
「いや、シノはこんなに小さいじゃないか。だから、俺は君を命を懸けて守るから」
「お…重い……」
「ん?ああ、ごめんな。その荷物は俺が持とう」
「これくらい大丈夫だし、重いってそういうことじゃ……。はぁ……」
過保護にされたくない志乃と過保護にしたいジークリンデ。
二人は共に過ごすうちに知ることになる。その人がお互いの運命の人なのだと。
全31話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる