54 / 71
出迎えの準備
しおりを挟む
ルネとマリアンヌ様を退出させたジルベール殿は、茶を入れ直した侍女がドアの向こうに消えたのを確認すると、私に視線を向けた。それは遮音の魔術を乞う合図だ。これから話す事は他に漏らしたくないのだろう。
「さて、セレン殿。どんな手でセザール達をもてなすつもりだ?」
にっこりと人畜無害な笑顔を浮かべたが、その奥に強い憤りを糧にした感情が見えた。王都にいた時は生真面目な印象が強かったジルベール殿も、ここバズレールに来てからは随分と表情豊かになったものだ。これはルネの姉代わりだというレリアといい勝負だろう。彼女も王都にいた時は能面のように表情が変わらなかったが、今では年相応の女性らしい愛らしい笑顔をするようになった。あの無能な国王や見た目だけの弟妹に見下されながら、王太子たれとの名目で理不尽な扱いを受けていた彼も、面倒な枷が外れて本来の姿が表に出てきたのは疑いようもなかった。
「そうですね、民に罪はありませんし、ターゲットは彼らだけでいいかと」
「そうだな。最近は天災が続いて民も疲労している。巻き込むのは忍びないからな」
そう、頼りの結界が綻び始めているというのに彼の国は、他の対策をろくに講じず、今や国力が落ちる一方だ。ジルベール殿はそれを何とか阻止したいと考えていたが、父王や弟妹の身勝手さに呆れ、また日頃から彼らのマリアンヌ様への態度を忌々しく思っていた彼は、彼らを捨てる未来を選んだ。その選択に私達の存在が大きく影響していたのは明らかだったが、一方で彼らの手を取るのは居場所のない私には必然だったかもしれない。
いや、私一人なら居場所など不要だっただろう。魔術があればどこででも生きていける。
だが私は、ルネという得難い存在を知ってしまった。彼女なしの人生など考えられないほどに。そしてそんな彼女は、先の見えない放浪生活には向かない性格だった。頑固なほどに真面目な彼女に不安定な生活は、心労が絶えないだろう事は明らかだった。
だからこそ、バズレールの大公になるというジルベール殿の案に乗ったのだ。バズレールの魔獣を何とか出来れば、あの国はフェローなどよりも豊かな国になるという。実際、百年ほど前まではこの周辺一の交易国で、国土は小さくとも他国よりもずっと力を持っていたというのだ。これは新たな国造りのようなものだ。それも面白そうだと感じた私は、彼の手を取ったのだ。
お茶を淹れ直した後に始まった雑談の延長で、今後の方針は決まった。フェローからバズレールには街道が伸びているが、バズレール側には崩れやすい崖があり、よく通行止めになっている場所があった。大雨が降るたびに崩れるため、彼らの足止めにちょうどいいだろう。
「ああ、そこか…あの崖は確か、何とかして欲しいと地元から陳情が上がっていたな」
「ええ、危険だからと言えば、彼らも遠回りせざるを得ないでしょう」
「そう、だな…」
彼もこの案に反対はないようだが、なんとも歯切れが悪かった。確かにあの崖は重要な街道の難所の一つで、こちら側としても対策が必要だとの共通認識だ。ならば…
「でしたら、崖を後顧の憂いなく崩してしまいますか?
「何を…?」
「崩れやすくて困っているなら、崩れないよう先に崩してしまえばいいのですよ」
崩れるのは、土壌が緩く不安定だからだ。こんな場所は崩れやすい部分を崩してしまうのが手っ取り早い。土砂の撤去に日を有するが、一度やってしまえばその後は楽になる。そう告げると、その場にいた者が信じられないものを見る様な目で私を見た。
「そんな事が可能なのか?」
「ええ、元の世界ではよく使われていた手です」
そう、元の世界では土木工事も魔術に寄ることが大きかった。一時的な応急処置から、先を見越しての大掛かりな工事もだ。橋を架けるのは無理でも、その為に一時的に川の流れを変える、などはよく行われていた。もっとも、自然相手は大量の魔力を消費するから、元の世界でも頻繁に出来る事ではなかったが。
「民への被害は…」
「先に近寄らないようにと通知しておけば問題ないでしょう」
「先に…なるほど、確かにそれなら…」
「ええ。実際に崩れてしまえば、フェローからのご一行も、迂回せざるを得ないでしょう」
街道が崖崩れとなれば、彼らは大きく迂回しなければならない。公式訪問なので、日程よりも大きく遅れて到着されてもこちらも困るが、迂回するだけなら三、四日余分に時間がかかる。彼らは大人数の上に大型の馬車で来ているから、元より動きは遅い。だったらちょうどいい時間稼ぎになるだろう。
「どれくらいで出来る?」
「先日、国境の視察をした際、国境沿いの主要な街道などに目印をつけてきました。それがあれば魔術で移動が簡単にできます。今日にでも可能ですよ」
「今日だと…そう、か…では、頼む」
「畏まりました。あと、後始末の手配もお願いします」
「ああ、それは近くに住む職を失った者達に頼もう。あの辺りは仕事がないから日当を出せば喜んで協力してくれるはずだ。あの場所が崩れる心配がなくなれば、我が国にもメリットは大きいからね。詳しい事はエドガール、任せた」
「仰せのままに。これで我が領の懸念が一つ減りますな」
「うむ、喜ばしい事じゃ。この地は地の利が財産でもある。街道の安全が保証されれば交易も盛んになるからな」
コーベール侯爵やエドガール殿もこの案に異論はなかった。そしてこんな時、ジルベール殿は人も金も出し惜しまない。それは君主として非常に得難い資質の一つだろう。それでいて自身は質素を好むのだ。彼が散財するのはいつもマリアンヌ様に関してだけだが、それも大公という地位の割にはささやかなものだ。
「ふふっ、全くセレン殿の魔術は役に立つな」
「そう言って頂けるのは光栄ですね」
「だが、崖を崩すなど大がかりな魔術を使って大丈夫なのか?それでなくてもこの国に結界を張っているのに」
「元より身を滅ぼすほどの魔力がありましたし、こちらの世界は元の世界と比べても利きがいいのですよ。だから問題ないかと」
「そうか。ならいいのだが…」
「ただ…」
「ただ?」
「魔術が使えるのは私一人です。どうか魔術がない前提での国造りをお願いします」
「ああ、わかっている。結界も五年だけの約束だ。我らのものではない力を当てにする危険性は十分理解しているつもりだよ」
力強く、迷いなくジルベール殿はそう答えた。そう、私の力は恒久的なものではない。私が死ねばそれまで、私が死ねばリアは彼らに手を貸さないだろう。だからこそ、イレギュラーな力を当てにされては困るのだが…どうやらそれは杞憂に終わりそうだ。
- - - - -
誤字報告、ありがとうございます。
「さて、セレン殿。どんな手でセザール達をもてなすつもりだ?」
にっこりと人畜無害な笑顔を浮かべたが、その奥に強い憤りを糧にした感情が見えた。王都にいた時は生真面目な印象が強かったジルベール殿も、ここバズレールに来てからは随分と表情豊かになったものだ。これはルネの姉代わりだというレリアといい勝負だろう。彼女も王都にいた時は能面のように表情が変わらなかったが、今では年相応の女性らしい愛らしい笑顔をするようになった。あの無能な国王や見た目だけの弟妹に見下されながら、王太子たれとの名目で理不尽な扱いを受けていた彼も、面倒な枷が外れて本来の姿が表に出てきたのは疑いようもなかった。
「そうですね、民に罪はありませんし、ターゲットは彼らだけでいいかと」
「そうだな。最近は天災が続いて民も疲労している。巻き込むのは忍びないからな」
そう、頼りの結界が綻び始めているというのに彼の国は、他の対策をろくに講じず、今や国力が落ちる一方だ。ジルベール殿はそれを何とか阻止したいと考えていたが、父王や弟妹の身勝手さに呆れ、また日頃から彼らのマリアンヌ様への態度を忌々しく思っていた彼は、彼らを捨てる未来を選んだ。その選択に私達の存在が大きく影響していたのは明らかだったが、一方で彼らの手を取るのは居場所のない私には必然だったかもしれない。
いや、私一人なら居場所など不要だっただろう。魔術があればどこででも生きていける。
だが私は、ルネという得難い存在を知ってしまった。彼女なしの人生など考えられないほどに。そしてそんな彼女は、先の見えない放浪生活には向かない性格だった。頑固なほどに真面目な彼女に不安定な生活は、心労が絶えないだろう事は明らかだった。
だからこそ、バズレールの大公になるというジルベール殿の案に乗ったのだ。バズレールの魔獣を何とか出来れば、あの国はフェローなどよりも豊かな国になるという。実際、百年ほど前まではこの周辺一の交易国で、国土は小さくとも他国よりもずっと力を持っていたというのだ。これは新たな国造りのようなものだ。それも面白そうだと感じた私は、彼の手を取ったのだ。
お茶を淹れ直した後に始まった雑談の延長で、今後の方針は決まった。フェローからバズレールには街道が伸びているが、バズレール側には崩れやすい崖があり、よく通行止めになっている場所があった。大雨が降るたびに崩れるため、彼らの足止めにちょうどいいだろう。
「ああ、そこか…あの崖は確か、何とかして欲しいと地元から陳情が上がっていたな」
「ええ、危険だからと言えば、彼らも遠回りせざるを得ないでしょう」
「そう、だな…」
彼もこの案に反対はないようだが、なんとも歯切れが悪かった。確かにあの崖は重要な街道の難所の一つで、こちら側としても対策が必要だとの共通認識だ。ならば…
「でしたら、崖を後顧の憂いなく崩してしまいますか?
「何を…?」
「崩れやすくて困っているなら、崩れないよう先に崩してしまえばいいのですよ」
崩れるのは、土壌が緩く不安定だからだ。こんな場所は崩れやすい部分を崩してしまうのが手っ取り早い。土砂の撤去に日を有するが、一度やってしまえばその後は楽になる。そう告げると、その場にいた者が信じられないものを見る様な目で私を見た。
「そんな事が可能なのか?」
「ええ、元の世界ではよく使われていた手です」
そう、元の世界では土木工事も魔術に寄ることが大きかった。一時的な応急処置から、先を見越しての大掛かりな工事もだ。橋を架けるのは無理でも、その為に一時的に川の流れを変える、などはよく行われていた。もっとも、自然相手は大量の魔力を消費するから、元の世界でも頻繁に出来る事ではなかったが。
「民への被害は…」
「先に近寄らないようにと通知しておけば問題ないでしょう」
「先に…なるほど、確かにそれなら…」
「ええ。実際に崩れてしまえば、フェローからのご一行も、迂回せざるを得ないでしょう」
街道が崖崩れとなれば、彼らは大きく迂回しなければならない。公式訪問なので、日程よりも大きく遅れて到着されてもこちらも困るが、迂回するだけなら三、四日余分に時間がかかる。彼らは大人数の上に大型の馬車で来ているから、元より動きは遅い。だったらちょうどいい時間稼ぎになるだろう。
「どれくらいで出来る?」
「先日、国境の視察をした際、国境沿いの主要な街道などに目印をつけてきました。それがあれば魔術で移動が簡単にできます。今日にでも可能ですよ」
「今日だと…そう、か…では、頼む」
「畏まりました。あと、後始末の手配もお願いします」
「ああ、それは近くに住む職を失った者達に頼もう。あの辺りは仕事がないから日当を出せば喜んで協力してくれるはずだ。あの場所が崩れる心配がなくなれば、我が国にもメリットは大きいからね。詳しい事はエドガール、任せた」
「仰せのままに。これで我が領の懸念が一つ減りますな」
「うむ、喜ばしい事じゃ。この地は地の利が財産でもある。街道の安全が保証されれば交易も盛んになるからな」
コーベール侯爵やエドガール殿もこの案に異論はなかった。そしてこんな時、ジルベール殿は人も金も出し惜しまない。それは君主として非常に得難い資質の一つだろう。それでいて自身は質素を好むのだ。彼が散財するのはいつもマリアンヌ様に関してだけだが、それも大公という地位の割にはささやかなものだ。
「ふふっ、全くセレン殿の魔術は役に立つな」
「そう言って頂けるのは光栄ですね」
「だが、崖を崩すなど大がかりな魔術を使って大丈夫なのか?それでなくてもこの国に結界を張っているのに」
「元より身を滅ぼすほどの魔力がありましたし、こちらの世界は元の世界と比べても利きがいいのですよ。だから問題ないかと」
「そうか。ならいいのだが…」
「ただ…」
「ただ?」
「魔術が使えるのは私一人です。どうか魔術がない前提での国造りをお願いします」
「ああ、わかっている。結界も五年だけの約束だ。我らのものではない力を当てにする危険性は十分理解しているつもりだよ」
力強く、迷いなくジルベール殿はそう答えた。そう、私の力は恒久的なものではない。私が死ねばそれまで、私が死ねばリアは彼らに手を貸さないだろう。だからこそ、イレギュラーな力を当てにされては困るのだが…どうやらそれは杞憂に終わりそうだ。
- - - - -
誤字報告、ありがとうございます。
66
お気に入りに追加
2,740
あなたにおすすめの小説

異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。

聖女召喚に巻き込まれた挙句、ハズレの方と蔑まれていた私が隣国の過保護な王子に溺愛されている件
バナナマヨネーズ
恋愛
聖女召喚に巻き込まれた志乃は、召喚に巻き込まれたハズレの方と言われ、酷い扱いを受けることになる。
そんな中、隣国の第三王子であるジークリンデが志乃を保護することに。
志乃を保護したジークリンデは、地面が泥濘んでいると言っては、志乃を抱き上げ、用意した食事が熱ければ火傷をしないようにと息を吹きかけて冷ましてくれるほど過保護だった。
そんな過保護すぎるジークリンデの行動に志乃は戸惑うばかり。
「私は子供じゃないからそんなことしなくてもいいから!」
「いや、シノはこんなに小さいじゃないか。だから、俺は君を命を懸けて守るから」
「お…重い……」
「ん?ああ、ごめんな。その荷物は俺が持とう」
「これくらい大丈夫だし、重いってそういうことじゃ……。はぁ……」
過保護にされたくない志乃と過保護にしたいジークリンデ。
二人は共に過ごすうちに知ることになる。その人がお互いの運命の人なのだと。
全31話

二度目の召喚なんて、聞いてません!
みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。
その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。
それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」
❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。
❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。
❋他視点の話があります。

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。

辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~
サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる