4 / 71
召喚されたのは…まさかの…でした…!
しおりを挟む
私の聖女の力を使って行われた、異世界から聖女様を召喚する儀式。眩すぎるほどの光が少しずつ収まってくる中、私達は確かに人影を認めましたが…
「な…何だ、貴様は!!!」
戸惑う私たちの耳に、殿下の大きな声が鳴り響きました。ホールの構造上、音が響きやすくなっているので、大きな声を出すのはやめて欲しいのですが。何が起きたのかと、何とか顔を上げて魔法陣の方に視線を向けると…
そこには確かに、この世界の人ではない不思議な衣装を着た方がいました。その方は、確かに高貴そうな雰囲気を纏い、美しいお姿をしていましたが…
(ええっ?ど、どうして…?)
「何だ、貴様は?!!!ど、どうして男が!!!」
そうです、殿下よりもずっと豪奢な黄金の髪を持つ男性が、片膝をついて円の中心にいたのです。頭に手を添えているところからも、召喚で身体がふらついたか何かした、のでしょうか…
「…ここは…?どうして…召喚術が…」
ゆっくりと男性が目を開くと…そこにはエメラルドが煌めいていました。この世界でこの様な色の目を持つ人は珍しいでしょう。元より緑色の目が珍しいのですから。
そして…手が離れると…そのお顔が露になりました。歳は…二十代前半から中頃…でしょうか…意志の強そうなきりっとした眉に、切れ長でありながらも柔和な目元、スッと通った鼻筋に薄い唇、そして…パーツの配置も完璧…ではないでしょうか…そう、簡単に言ってこれまでに見たどの男性よりも綺麗…です。
「ここはどこだ?お前達は一体…」
「無礼な!こちらの御方は王子殿下、そしてこちらは大神官長様である」
「…人を一方的に呼び出したのは…そちらだろう」
「何?」
「これは召喚術だろう?しかもとんでもなく強制力の高い。私が拒否出来なかったという事は相当なものの筈だよ。知らない筈はないだろう?」
「何だと…?」
男性は動揺しているように見えますが、慌ててはいませんでした。何と言うか…殿下や大神官長様よりも落ち着いているようにも見えます。あの方こそ、突然こんなところに飛ばされて驚いているでしょうに…それに…ご自身に起きた事を理解しているようにも見えます。もしかして、召喚術をご存じなのでしょうか…
「とにかく、私をここに呼んだのはそちらだよ。一体どういう理由で私を呼び出したんだ?」
「な…お、お前のような男を呼び出した覚えはない!」
「…ほぉ…では、貴殿らが呼び出したのは誰だと?」
そう殿下が叫びましたが、呼び出しておいてお前じゃないなんて、随分と相手に失礼ではないでしょうか?それに…殿下達が呼んだのは、結界の維持のためでもあります。いくら思っていたのと違うと言っても…その態度はいかがなものかと思いますが…もし結界の維持を断られたら、困るのはこちらでしょうに…
男性も、殿下の横柄な物言いに機嫌を害されたのを感じました。
「俺が呼んだのは、高貴で身目麗しく強い聖女の力を持った若い女性だ。男など呼んだ覚えはない!」
「…でも、現に呼ばれたのは私だよ。ならば術式が間違っていたのだろうね」
「何だと…!」
「召喚術は、魔術とは魔法陣に書かれている事象を実行するもの。条件にちゃんと女性だと書いておいたのかい?」
「え?」
「召喚術は非常に高度でリスクが高いものだ。条件をより具体的に記載する必要があるが…」
「何だと…」
「どうやらその様子では…そんな事すら知らなかったようだね」
男性はやれやれと呆れた表情を浮かべました。どうやら召喚術にお詳しいようです。
「どうやら君たちの術式が間違っていたようだね。それなら、さっさと元の世界に戻して貰おうか。私はこれでも王族に連なる者でね。多忙なのだよ」
「…な…」
「どうした?召喚術を使ったのだろう?だったら万が一のために帰る手はずも整えるのは当然だろう?」
暗に返すのは当然だという男性に対して、殿下も大神官長様も表情を強張らせています。もしかして…返す方法を知らない、なんて事は…ないですよ、ね?
「まさかとは思うが、帰せない、なんて言わないよね?」
男性がにっこりと、それはそれは魅惑的な笑みを浮かべました。何という眼福な笑顔でしょうか…殿下ですらも顔を赤らめています。
「…だ、大神官長!返す方法は…っ!」
「…そ、そんな殿下…私は…」
「お前は大神官長だろう?それくらいの事は…」
「しょ、召喚の儀は王家の秘宝でございます。私が知る筈などございませんでしょう?」
「何だと…」
「殿下こそ、召喚の儀が失敗した時の対処法が記された文献をご存じなのでは?」
「そ…そんなものは知らん!」
「…何だって?」
殿下と大神官長様のやり取りを聞いていた男性が、低い声で唸る様に尋ねてきて、その声色に殿下と大神官長様がビクッと身体を震わせました。
「どういう事だ?まさか、後の事を考えずに召喚術を使ったのか?」
「…な…そ、それは…」
「人の人生を何だと思っている!」
「ヒッ!」
先ほどまで柔らかい態度だった男性ですが、とうとう大きな声を出されて、大神官長様が短い悲鳴を上げました。殿下も顔色を青ざめさせています。今になって召喚の儀が失敗して、自分がやった事がまずい事だと気が付かれたのでしょうか…
「…ッ!き、騎士ども、こいつを捕らえろ!不審者だ!」
「「「ハッ!」」」
殿下の命令に、その場にいた騎士が剣を抜いて男性に迫りました。
(殿下、なんて酷い事を…!)
一方的に呼び出して、自分の意に添わないからと捕らえようだなんて、あんまりです。殿下のこういうところが私は苦手なのです。何とか男性を助けなければと思いますが、聖力を使い果たしたせいか身体に力が入らず、立ち上がる事も出来ません。
(ごめんなさい、巻き込んでしまって…)
全ては私が孤児で平民なのに、恐れ多くも聖女になってしまったせいなのでしょう。もし聖女になったのが貴族の令嬢だったら、殿下が新たな聖女を召喚しようなどとは思わなかったでしょうし、この男性が巻き込まれる事もなかったでしょうに…
私が自責の念に包まれている間にも、騎士が男性を捕らえようと襲い掛かりましたが…
「なぁっ!」
「うわぁあ!」
何と、騎士達があと数歩で男性に…というところで、いきなり男性を囲むように炎の輪が男性を囲みました。
「うわぁああ!」
「あ、熱い!」
突然の炎の壁を前に騎士達が、熱さに悲鳴を上げ始めました。
「な、な、な…」
「これは…」
一方の殿下は、思いがけない展開に思考が止まってしまったのでしょうか、なという言葉以外が口から出てきません。
「私の身を害するというのであれば…容赦はしないよ?」
炎を操りながらも優しく諭すかのようにそう告げる男性は、まるで天から舞い降りた大天使の様でした。
「な…何だ、貴様は!!!」
戸惑う私たちの耳に、殿下の大きな声が鳴り響きました。ホールの構造上、音が響きやすくなっているので、大きな声を出すのはやめて欲しいのですが。何が起きたのかと、何とか顔を上げて魔法陣の方に視線を向けると…
そこには確かに、この世界の人ではない不思議な衣装を着た方がいました。その方は、確かに高貴そうな雰囲気を纏い、美しいお姿をしていましたが…
(ええっ?ど、どうして…?)
「何だ、貴様は?!!!ど、どうして男が!!!」
そうです、殿下よりもずっと豪奢な黄金の髪を持つ男性が、片膝をついて円の中心にいたのです。頭に手を添えているところからも、召喚で身体がふらついたか何かした、のでしょうか…
「…ここは…?どうして…召喚術が…」
ゆっくりと男性が目を開くと…そこにはエメラルドが煌めいていました。この世界でこの様な色の目を持つ人は珍しいでしょう。元より緑色の目が珍しいのですから。
そして…手が離れると…そのお顔が露になりました。歳は…二十代前半から中頃…でしょうか…意志の強そうなきりっとした眉に、切れ長でありながらも柔和な目元、スッと通った鼻筋に薄い唇、そして…パーツの配置も完璧…ではないでしょうか…そう、簡単に言ってこれまでに見たどの男性よりも綺麗…です。
「ここはどこだ?お前達は一体…」
「無礼な!こちらの御方は王子殿下、そしてこちらは大神官長様である」
「…人を一方的に呼び出したのは…そちらだろう」
「何?」
「これは召喚術だろう?しかもとんでもなく強制力の高い。私が拒否出来なかったという事は相当なものの筈だよ。知らない筈はないだろう?」
「何だと…?」
男性は動揺しているように見えますが、慌ててはいませんでした。何と言うか…殿下や大神官長様よりも落ち着いているようにも見えます。あの方こそ、突然こんなところに飛ばされて驚いているでしょうに…それに…ご自身に起きた事を理解しているようにも見えます。もしかして、召喚術をご存じなのでしょうか…
「とにかく、私をここに呼んだのはそちらだよ。一体どういう理由で私を呼び出したんだ?」
「な…お、お前のような男を呼び出した覚えはない!」
「…ほぉ…では、貴殿らが呼び出したのは誰だと?」
そう殿下が叫びましたが、呼び出しておいてお前じゃないなんて、随分と相手に失礼ではないでしょうか?それに…殿下達が呼んだのは、結界の維持のためでもあります。いくら思っていたのと違うと言っても…その態度はいかがなものかと思いますが…もし結界の維持を断られたら、困るのはこちらでしょうに…
男性も、殿下の横柄な物言いに機嫌を害されたのを感じました。
「俺が呼んだのは、高貴で身目麗しく強い聖女の力を持った若い女性だ。男など呼んだ覚えはない!」
「…でも、現に呼ばれたのは私だよ。ならば術式が間違っていたのだろうね」
「何だと…!」
「召喚術は、魔術とは魔法陣に書かれている事象を実行するもの。条件にちゃんと女性だと書いておいたのかい?」
「え?」
「召喚術は非常に高度でリスクが高いものだ。条件をより具体的に記載する必要があるが…」
「何だと…」
「どうやらその様子では…そんな事すら知らなかったようだね」
男性はやれやれと呆れた表情を浮かべました。どうやら召喚術にお詳しいようです。
「どうやら君たちの術式が間違っていたようだね。それなら、さっさと元の世界に戻して貰おうか。私はこれでも王族に連なる者でね。多忙なのだよ」
「…な…」
「どうした?召喚術を使ったのだろう?だったら万が一のために帰る手はずも整えるのは当然だろう?」
暗に返すのは当然だという男性に対して、殿下も大神官長様も表情を強張らせています。もしかして…返す方法を知らない、なんて事は…ないですよ、ね?
「まさかとは思うが、帰せない、なんて言わないよね?」
男性がにっこりと、それはそれは魅惑的な笑みを浮かべました。何という眼福な笑顔でしょうか…殿下ですらも顔を赤らめています。
「…だ、大神官長!返す方法は…っ!」
「…そ、そんな殿下…私は…」
「お前は大神官長だろう?それくらいの事は…」
「しょ、召喚の儀は王家の秘宝でございます。私が知る筈などございませんでしょう?」
「何だと…」
「殿下こそ、召喚の儀が失敗した時の対処法が記された文献をご存じなのでは?」
「そ…そんなものは知らん!」
「…何だって?」
殿下と大神官長様のやり取りを聞いていた男性が、低い声で唸る様に尋ねてきて、その声色に殿下と大神官長様がビクッと身体を震わせました。
「どういう事だ?まさか、後の事を考えずに召喚術を使ったのか?」
「…な…そ、それは…」
「人の人生を何だと思っている!」
「ヒッ!」
先ほどまで柔らかい態度だった男性ですが、とうとう大きな声を出されて、大神官長様が短い悲鳴を上げました。殿下も顔色を青ざめさせています。今になって召喚の儀が失敗して、自分がやった事がまずい事だと気が付かれたのでしょうか…
「…ッ!き、騎士ども、こいつを捕らえろ!不審者だ!」
「「「ハッ!」」」
殿下の命令に、その場にいた騎士が剣を抜いて男性に迫りました。
(殿下、なんて酷い事を…!)
一方的に呼び出して、自分の意に添わないからと捕らえようだなんて、あんまりです。殿下のこういうところが私は苦手なのです。何とか男性を助けなければと思いますが、聖力を使い果たしたせいか身体に力が入らず、立ち上がる事も出来ません。
(ごめんなさい、巻き込んでしまって…)
全ては私が孤児で平民なのに、恐れ多くも聖女になってしまったせいなのでしょう。もし聖女になったのが貴族の令嬢だったら、殿下が新たな聖女を召喚しようなどとは思わなかったでしょうし、この男性が巻き込まれる事もなかったでしょうに…
私が自責の念に包まれている間にも、騎士が男性を捕らえようと襲い掛かりましたが…
「なぁっ!」
「うわぁあ!」
何と、騎士達があと数歩で男性に…というところで、いきなり男性を囲むように炎の輪が男性を囲みました。
「うわぁああ!」
「あ、熱い!」
突然の炎の壁を前に騎士達が、熱さに悲鳴を上げ始めました。
「な、な、な…」
「これは…」
一方の殿下は、思いがけない展開に思考が止まってしまったのでしょうか、なという言葉以外が口から出てきません。
「私の身を害するというのであれば…容赦はしないよ?」
炎を操りながらも優しく諭すかのようにそう告げる男性は、まるで天から舞い降りた大天使の様でした。
89
お気に入りに追加
2,740
あなたにおすすめの小説

辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~
サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
悪役令嬢、追放先の貧乏診療所をおばあちゃんの知恵で立て直したら大聖女にジョブチェン?! 〜『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件〜
華梨ふらわー
恋愛
第二王子との婚約を破棄されてしまった主人公・グレイス。しかし婚約破棄された瞬間、自分が乙女ゲーム『どきどきプリンセスッ!2』の世界に悪役令嬢として転生したことに気付く。婚約破棄に怒り狂った父親に絶縁され、貧乏診療所の医師との結婚させられることに。
日本では主婦のヒエラルキーにおいて上位に位置する『医者の嫁』。意外に悪くない追放先……と思いきや、貧乏すぎて患者より先に診療所が倒れそう。現代医学の知識でチートするのが王道だが、前世も現世でも医療知識は皆無。仕方ないので前世、大好きだったおばあちゃんが教えてくれた知恵で診療所を立て直す!次第に周囲から尊敬され、悪役令嬢から大聖女として崇められるように。
しかし婚約者の医者はなぜか結婚を頑なに拒む。診療所は立て直せそうですが、『医者の嫁』ハッピーセレブライフ計画は全く進捗しないんですが…。
続編『悪役令嬢、モフモフ温泉をおばあちゃんの知恵で立て直したら王妃にジョブチェン?! 〜やっぱり『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件~』を6月15日から連載スタートしました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/500576978/161276574
完結しているのですが、【キースのメモ】を追記しております。
おばあちゃんの知恵やレシピをまとめたものになります。
合わせてお楽しみいただければと思います。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。

異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。

聖女召喚に巻き込まれた挙句、ハズレの方と蔑まれていた私が隣国の過保護な王子に溺愛されている件
バナナマヨネーズ
恋愛
聖女召喚に巻き込まれた志乃は、召喚に巻き込まれたハズレの方と言われ、酷い扱いを受けることになる。
そんな中、隣国の第三王子であるジークリンデが志乃を保護することに。
志乃を保護したジークリンデは、地面が泥濘んでいると言っては、志乃を抱き上げ、用意した食事が熱ければ火傷をしないようにと息を吹きかけて冷ましてくれるほど過保護だった。
そんな過保護すぎるジークリンデの行動に志乃は戸惑うばかり。
「私は子供じゃないからそんなことしなくてもいいから!」
「いや、シノはこんなに小さいじゃないか。だから、俺は君を命を懸けて守るから」
「お…重い……」
「ん?ああ、ごめんな。その荷物は俺が持とう」
「これくらい大丈夫だし、重いってそういうことじゃ……。はぁ……」
過保護にされたくない志乃と過保護にしたいジークリンデ。
二人は共に過ごすうちに知ることになる。その人がお互いの運命の人なのだと。
全31話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる