『完結』貧弱王子に婚約破棄されましたが、理想の筋肉騎士団長に求婚されました

灰銀猫

文字の大きさ
上 下
24 / 33

大聖女様の調査

しおりを挟む
その後、大聖女様がジスラン殿下をお見舞いになり、殿下の体調不良をお調べになりました。
どうして直ぐに大聖女様を呼ばなかったかと言うと、大聖女様はオーギュ様達と一緒に討伐隊に参加されていたからです。今回は隣国との小競り合いもあって、負傷者が多数出る可能性があったため、大聖女様自らが同行すると志願されていました。

そんな大聖女様に見て頂いたジスラン様でしたが…
殿下が目を覚まされないため殿下からお話を聞く事は出来ず、この日は詳しい事は何もわかりませんでした。
でも、身体の内側から呪いを受けていらっしゃるのは間違いなく、継続して大聖女様が治療にあたられる事になりました。

呪いは基本的に身体の外から受けるので、内側から受ける事など前代未聞なのです。
直ぐに過去に同様の事がなかったか文献を調べるそうですが、今の時点ではどう治療すべきか、大聖女様にも判断できないそうです。

また、オーギュ様のお持ちになっている青虹玉は間違いなく私のものだと、大聖女様がお認め下さいました。
当然と言えば当然なのですが、やはり大聖女様に認められると気分的にも違いますね。

「これでアルレット嬢の疑いは晴れたのですよね、陛下」

青虹玉が私のものだと聖女様が仰ったため、オーギュ様は真っ先に陛下達に進言してくださいました。

「そうじゃな。ジスランと会った際に青虹玉を渡す場面がなかったのは侍女や騎士たちにも確認済み。青虹玉の件も聖女様がお認めになった。問題なかろう」
「では!」
「陛下…お、お待ちください…」
「どうした?オランド侯爵」
「青虹玉はアルレット嬢の物ではなかったかもしれませんが…しかし…まだ容疑は…」

青虹玉が私の物とハッキリしたのに、まだオランド侯爵は私をお疑いの様です。
どうしてこうも私の名を出すのでしょう…
私は婚約破棄以降、殿下には一度しかお目にかかっていないのです。
私以上に殿下に青虹玉を渡せる機会がある方など、他にもたくさんいらっしゃるでしょうに…

「まだ何だと仰るのだ、オランド侯爵。何故そんなにアルレット嬢に罪を着せようとする?」
「な…!罪を着せる等と…ラーシュ公爵…そんな訳では…」

侯爵の言葉に反論なさったのは、陛下ではなくオーギュ様でした。
私のために反論して下さったのでしょうか…だとしたらこんな場面ではありますが、嬉し過ぎます。いやだわ、顔がにやけていないかしら…

「それを言うなら、貴殿のご息女も同様であろう?むしろ共に過ごす時間は比べ物にならないほどに長かったのだ」
「な…そんな…そもそも娘には動機は…」
「それならアルレット嬢だってなかろう。それよりも、ご息女が聖女の力を持つというが…それは本当なのか?これまでご息女に聖女の力があるという話は一度も聞いた事がなかったが?」
「っ…!お、お疑いになるとは無礼な…!娘は確かに…」
「そうか、侯爵よ。では、今ここで大聖女様に見て頂こう。息女は婚約内定の際も、結局検査を受けておらなんだしな。ちょうどいい機会だ」
「そ、それは…」
「……」

陛下の提案に、オランド侯爵とリアーナ様は青ざめてしまいました。
しおりを挟む
感想 66

あなたにおすすめの小説

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

この野菜は悪役令嬢がつくりました!

真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。 花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。 だけどレティシアの力には秘密があって……? せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……! レティシアの力を巡って動き出す陰謀……? 色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい! 毎日2〜3回更新予定 だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します

けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」  五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。  他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。 だが、彼らは知らなかった――。 ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。 そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。 「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」 逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。 「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」 ブチギレるお兄様。 貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!? 「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!? 果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか? 「私の未来は、私が決めます!」 皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

「聖女はもう用済み」と言って私を追放した国は、今や崩壊寸前です。私が戻れば危機を救えるようですが、私はもう、二度と国には戻りません【完結】

小平ニコ
ファンタジー
聖女として、ずっと国の平和を守ってきたラスティーナ。だがある日、婚約者であるウルナイト王子に、「聖女とか、そういうのもういいんで、国から出てってもらえます?」と言われ、国を追放される。 これからは、ウルナイト王子が召喚術で呼び出した『魔獣』が国の守護をするので、ラスティーナはもう用済みとのことらしい。王も、重臣たちも、国民すらも、嘲りの笑みを浮かべるばかりで、誰もラスティーナを庇ってはくれなかった。 失意の中、ラスティーナは国を去り、隣国に移り住む。 無慈悲に追放されたことで、しばらくは人間不信気味だったラスティーナだが、優しい人たちと出会い、現在は、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。 そんなある日のこと。 ラスティーナは新聞の記事で、自分を追放した国が崩壊寸前であることを知る。 『自分が戻れば国を救えるかもしれない』と思うラスティーナだったが、新聞に書いてあった『ある情報』を読んだことで、国を救いたいという気持ちは、一気に無くなってしまう。 そしてラスティーナは、決別の言葉を、ハッキリと口にするのだった……

処理中です...