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尋問、再び
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どうして自分にジスラン殿下の殺害容疑をかけられているのか…
国王ご夫妻に尋問された時も、私が何をしたから逮捕されたのか、具体的な説明は何もありませんでした。これは一体どういう事でしょう…
私も騎士の娘ですし父は騎士団の副団長、子供の頃から騎士団に出入りしていたので、逮捕される時はちゃんと容疑についての説明をされるものです。ええ、この目で何度も見ているので間違いありません。
でも、今回は…そう言った説明は何もありませんでした。ただ、殿下殺害容疑とだけです。
気になったので、食事を運んで下さった騎士の方にお聞きしましたが…
何も返答はありませんでした。
騎士の方が知らないとも思えないのですが…
動きがあったのは、拘束された翌々日、オーギュ様が帰還された翌日でした。
朝食を摂った後、私は再び部屋から出され、再び逮捕された日に尋問を受けた部屋に連れてこられました。
部屋には国王陛下と王妃様、そしてまたお偉方と思われる年配の方々がいらっしゃいましたが…
今日はオーギュ様のお姿もありました…!
人がたくさんいらっしゃっても、オーギュ様は頭一つ分背が高いのですぐにわかります。
今日も素晴らしく鍛えられた筋肉でいらっしゃいますが…さすがに今はそれを愛でる気にはなれません。
そして今日は、リアーヌ様がいらっしゃって驚きました。
ジスラン殿下が寝込んでいらっしゃるのであれば、リアーヌ様もご無事ではいられないでしょうに…
そして、隣にいる赤金髪の男性は父君のオランド侯爵様でした。
オーギュ様と目が合うと、オーギュ様は眉間のしわを深められました。
ああ、便宜上婚約した相手が、王族殺害の容疑者となったのをお怒りなのでしょう。
オーギュ様は人一倍忠誠心の篤いお方なので、この様な容疑をかけられただけでも許しがたいとお思いかもしれません。
無事にお帰りになられたお姿を見られたのは嬉しいけれど…こんな再会なら、ない方がよかったです。
今日の尋問も、前回と同じような質問だったため、私は前回と同じように答えるしかありません。
誰が何と言おうとも、私は殿下を弑しようとした覚えはありません。
破棄されての逆恨みもありませんし、誰よりも婚約解消を喜んだのは私なのです。
それを強調するのは不敬なので強くは言えませんが、やんわりと、最初から殿下には婚約者として相応しくないと言われていた事をお伝えし、自分には荷が重かった事、解消されて肩の荷が下りた事はお伝えしました。
「ではアルレット嬢。最後に、何か言いたい事はあるか?」
「…それでは、一つよろしいでしょうか?」
「ええ」
「殿下の殺害容疑ですが…具体的に私はどうやって殿下を害しようとしたというのでしょうか?私が殿下にお会いしたのはあの時だけ。その場には侍女や護衛もおりましたし、殿下とは一定の距離を取っていました。お茶だって侍女が淹れて下さったものです」
尋問を取り仕切っていた文官の方がそう仰ったので、私は思い切って質問しました。このまま黙って犯人にされるのはごめんです。
「それはアルレット嬢が、重ね掛けは危険だと分かった上でジスラン殿下に聖女の力を使ったためです」
「は?」
思いがけない返答に、私は驚きを隠せず、変な声が出てしまいました。
国王ご夫妻に尋問された時も、私が何をしたから逮捕されたのか、具体的な説明は何もありませんでした。これは一体どういう事でしょう…
私も騎士の娘ですし父は騎士団の副団長、子供の頃から騎士団に出入りしていたので、逮捕される時はちゃんと容疑についての説明をされるものです。ええ、この目で何度も見ているので間違いありません。
でも、今回は…そう言った説明は何もありませんでした。ただ、殿下殺害容疑とだけです。
気になったので、食事を運んで下さった騎士の方にお聞きしましたが…
何も返答はありませんでした。
騎士の方が知らないとも思えないのですが…
動きがあったのは、拘束された翌々日、オーギュ様が帰還された翌日でした。
朝食を摂った後、私は再び部屋から出され、再び逮捕された日に尋問を受けた部屋に連れてこられました。
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今日はオーギュ様のお姿もありました…!
人がたくさんいらっしゃっても、オーギュ様は頭一つ分背が高いのですぐにわかります。
今日も素晴らしく鍛えられた筋肉でいらっしゃいますが…さすがに今はそれを愛でる気にはなれません。
そして今日は、リアーヌ様がいらっしゃって驚きました。
ジスラン殿下が寝込んでいらっしゃるのであれば、リアーヌ様もご無事ではいられないでしょうに…
そして、隣にいる赤金髪の男性は父君のオランド侯爵様でした。
オーギュ様と目が合うと、オーギュ様は眉間のしわを深められました。
ああ、便宜上婚約した相手が、王族殺害の容疑者となったのをお怒りなのでしょう。
オーギュ様は人一倍忠誠心の篤いお方なので、この様な容疑をかけられただけでも許しがたいとお思いかもしれません。
無事にお帰りになられたお姿を見られたのは嬉しいけれど…こんな再会なら、ない方がよかったです。
今日の尋問も、前回と同じような質問だったため、私は前回と同じように答えるしかありません。
誰が何と言おうとも、私は殿下を弑しようとした覚えはありません。
破棄されての逆恨みもありませんし、誰よりも婚約解消を喜んだのは私なのです。
それを強調するのは不敬なので強くは言えませんが、やんわりと、最初から殿下には婚約者として相応しくないと言われていた事をお伝えし、自分には荷が重かった事、解消されて肩の荷が下りた事はお伝えしました。
「ではアルレット嬢。最後に、何か言いたい事はあるか?」
「…それでは、一つよろしいでしょうか?」
「ええ」
「殿下の殺害容疑ですが…具体的に私はどうやって殿下を害しようとしたというのでしょうか?私が殿下にお会いしたのはあの時だけ。その場には侍女や護衛もおりましたし、殿下とは一定の距離を取っていました。お茶だって侍女が淹れて下さったものです」
尋問を取り仕切っていた文官の方がそう仰ったので、私は思い切って質問しました。このまま黙って犯人にされるのはごめんです。
「それはアルレット嬢が、重ね掛けは危険だと分かった上でジスラン殿下に聖女の力を使ったためです」
「は?」
思いがけない返答に、私は驚きを隠せず、変な声が出てしまいました。
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