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第三部
婚姻式の準備と伯爵夫人の処分
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先王様の離宮を訪問してから一週間が過ぎた。世間は本格的な夏真っただ中。正装で出かけるのは暑いし日焼けもするからと、日中の外出も億劫に感じるこの一月ほどは社交界も静かになる。涼しい地方の方々は領地に帰って暑さをしのぎ、そうでない方も避暑地へと移動する。私たちはというと……ゾルガー領は王都の南にあってそれほど涼しくもないし、アンゼルはまだ幼いからと王都に留まっていた。
それに、一月後のフレディとザーラの婚姻式の準備に忙しいのもある。領地に戻れば余計な手間を増やしてしまうのも憚られた。準備に抜かりはないけれど、直前にならないと出来ないこともある。もっとも、準備はフレディが張り切っているし、ティオとスージーが確認をしているので私たちはすることがないのだけど。それでも今日はドレスが届く大事な日だった。
「凄いわ! さすがアードラー夫人ですわ!」
「ザーラの雰囲気にぴったりね」
トルソーにかけられたドレスにロッテとマルガが感嘆の声をあげた。
「本当に素晴らしいわね。私の時もこれ以上のドレスはないと思ったけれど……こっちは夏らしく涼し気で素敵だわ……」
私の時は寒い時期だったのもあって厚手の生地だったけれど、これは涼し気で軽やかね。思わずため息が出てしまうわ。アードラー夫人渾身の作のドレスは僅かに黄色がかった白で、ザーラのこげ茶の髪に合っているように思えた。所々に薄緑から若草色に近い緑の刺繍が施されている。これはフレディの瞳の色よね。涼し気で薄い生地を使って肌の露出を控えていてフレディの独占欲を感じるわ。凛とした美人のザーラが着たら女神のように神々しく見えそうだわ。
ドレスを厳重に守るよう護衛騎士にお願いした後、日が陰ったバルコニーでザーラとマルガ、ロッテと共にお茶にした。ロッテが冷たいお茶を出し、スージーがお菓子を並べてくれた。冷たくさっぱりした味が涼しさを運んでくれるわ。
「ザーラ、婚姻式の後はどうするの?」
「暫くは王都で過ごして、豊潤祭が終わったら領地に向かおうかと思っています」
「そう。あちらの方が暖かくて過ごしやすいし、冬は忙しいものね」
豊潤祭が終わるとどこの貴族家も領地に帰るけれど、決して暇ではない。一年の収穫量を調査して王家に報告書を出さなければいけないし、来春に向けての計画や準備がある。報告が間違っていると虚偽罪に問われてしまうし、来春に植え付ける苗や肥料などの手配をしっかりしておかないと収穫量に直結する。実務は部下の仕事だけど領主は不正や間違いがないか目を光らせる責務があるし、準備には多額の費用が掛かるから領主抜きでは進められないのよね。
「いいわね、私はまだゾルガー領にちょっとしか行ったことがないから」
「あの時は先王様がお倒れになられましたから。仕方ありませんわ」
「妊娠もされていましたしね」
幸運にもあの直後に妊娠が判明したけれど、領地には四日しか滞在できなかった。
「色々なところに行く予定だったのに。湖の奥にある滝とか、秋に流れる星とか」
ヴォルフ様はまた連れて行って下さると仰って下さったけれど、アンゼルがいるから当分は無理そう。
「ふふ、奥様、アンゼル様もご一緒なら今年行かれた方が楽ですわよ」
意外なことを言ったのはスージーだった。
「でも、乳児を外に出すのは危険じゃない?」
子は流行り病などに罹ってすぐに儚くなってしまうから五、六歳まで外に出さない家もあるわ。乳児ならさすがに無理ではないかしら。
「まだ歩き出す前で眠っている時間が長い方が楽でごさいますよ。歩き出した子は馬車でじっとしてくれませんから」
なるほど、確かにアンゼルはまだ眠っている時間が長いし、寝返りをやっとしたところで行動範囲は狭いわ。歩き始めると大変だとリーゼ様も言っていたし。そんな話を聞くと行きたくなっちゃうじゃない……
「一度旦那様に相談されてみては? 今からならまだ準備する時間は十分にありますわよ」
そう言われたら相談するしかないわ。でも、代替わりしたばかりだし、まだお忙しいかもしれないし……
「そうね。お話だけしてみるわ」
ダメなら諦めるわ。その時は王都に残ってゆっくり過ごせばいい。ヴォルフ様とアンゼルが一緒ならどこに居ても幸せだもの。
その日ヴォルフ様がお戻りになったのは陽がすっかり落ちた後だった。陽ざしが隠れるとやっと風が涼しく感じられる。玄関ホールに迎えに出るとヴォルフ様はちょうど馬車から降りて来られるところだった。上着を脱いで首元を緩め胸元まで露わになっている。それだけのことなのに酷く色っぽく見えてドキドキする。衣装を着崩したお姿は野性的で、流れる汗までヴォルフ様の魅力を引き立てているよう。こんなに男性的な魅力に溢れている方を他に知らないわ。ティオが持つ燭台の灯りに照らされたお姿は現実味がなく彫像のようで見惚れてしまう……
「どうした?」
「え? あ、何でもありませんわ。お帰りなさいませ」
「ああ」
じっと魅入ってしまったら声をかけられて心臓が跳ねた。嫌だわ、顔が赤くなって……もこの暗さではわからないわよね。濡らしたタオルを渡すと顔と首を拭かれた。その仕草すらも雄々しくてドキッとしてしまうわ。湯あみをしにヴォルフ様が私室に向かわれた。私は先に済ませているから夜着に着替えて夫婦の寝室で待った。
「待たせたか」
「いいえ、ちっとも」
髪をタオルで拭きながらヴォルフ様が寝室に入ってきた。まだ乾き切っていない髪がろうそくの光に照らされて艶っぽいし、薄い生地だから鍛えられた身体がよりはっきり感じられるわね。若い男性にはない大人の魅力に溢れていてのまれてしまいそう。大きなソファの隣に腰を下ろされた。
「ゲルハーの処分が決まった」
「クラウディア様の?」
急に事務的な話になって現実に引き戻された。ティオが入って来てお酒や軽食を並べていく。ヴォルフ様が最近お気に入りのお酒ね。グラスに注いで渡すと一気に飲み干された。凄いわ、このお酒、かなり度が強いのに。杯を差し出されたので注ぐと、私のグラスにも度の弱いお酒を注いでくださった。こんな時、夫婦なんだと実感して幸せを感じるわ。甘いお酒が一層甘く感じる。
「あらぬ噂を流し、王太后様を貶める発言をしていた。二度と王宮に足を踏み入れることはない」
嫋やかな方に見えたけれどそんなことをしていたの? だったら永久追放は仕方ないわ。
「どうして、そんなことを……」
「あの女は先王に愛されると思い込んでいた。王太后は権力を使って二人を引き裂いた悪女だと」
こうなると妄想癖があったと言われてもおかしくないわね。望まぬ結婚生活で心が病んでしまったのかしら。実際、夫人がゲルハー家に嫁いだ経緯はかなり問題のあるものだったから。それとも……
「ゲルハー夫人の背後には何もなかったのですが?」
私の情報網でははっきりしたものは出てこなかったわ。でも、ヴォルフ様なら何か掴んでいらっしゃるかもしれない。
「ガーゲルンの夫人が焚きつけていたのもあるだろう。王宮で会った際、侮辱されたと」
「またガーゲルンですか……」
令嬢といい夫人といい、王家の周りで騒がしいわね。でも、夫人たちは折り合いが悪いと聞いたわ。
「何か掴めましたの?」
「ガーゲルンの態度はイステルとの確執からだろう。あの二領は昔から仲が悪かった。ガールゲンの前当主は先王と仲が良く評判もよかったから尚更だ」
よくある話ね。隣同士は仲がいいところもあるけれど、利権が絡んで反目しているところもある。特にあの二領は昔から反りが合わないと言われていて根深いのよね。
「どちらもルタやサザールとの繋がりがあるし、それぞれから粉をかけられているだろうが、それもいつものことだ。今のところ国を揺るがすほどのことはない」
「では、暫くは静観を?」
「そうなるな。まぁ、それぞれに弱みも握っているからどうとでもなる」
ヴォルフ様に弱みなんか握られたら逆らえないわね。
「弱みって、どのような?」
「世の中には知らない方が幸せなこともある」
気になって尋ねてみたけれど、そんな言い方をされたらこれ以上聞けないわ。ヴォルフ様が話さないのは私の心を守る為だと以前ティオに言われたわ。だったらそのお心遣いを無にするなんて出来ない。ヴォルフ様が動く気配がして、大きな身体が覆い被さって来た。
「領地に行きたいか?」
「え?」
一体いつの間にその話を? ヴォルフ様の匂いが一層濃くなった。
それに、一月後のフレディとザーラの婚姻式の準備に忙しいのもある。領地に戻れば余計な手間を増やしてしまうのも憚られた。準備に抜かりはないけれど、直前にならないと出来ないこともある。もっとも、準備はフレディが張り切っているし、ティオとスージーが確認をしているので私たちはすることがないのだけど。それでも今日はドレスが届く大事な日だった。
「凄いわ! さすがアードラー夫人ですわ!」
「ザーラの雰囲気にぴったりね」
トルソーにかけられたドレスにロッテとマルガが感嘆の声をあげた。
「本当に素晴らしいわね。私の時もこれ以上のドレスはないと思ったけれど……こっちは夏らしく涼し気で素敵だわ……」
私の時は寒い時期だったのもあって厚手の生地だったけれど、これは涼し気で軽やかね。思わずため息が出てしまうわ。アードラー夫人渾身の作のドレスは僅かに黄色がかった白で、ザーラのこげ茶の髪に合っているように思えた。所々に薄緑から若草色に近い緑の刺繍が施されている。これはフレディの瞳の色よね。涼し気で薄い生地を使って肌の露出を控えていてフレディの独占欲を感じるわ。凛とした美人のザーラが着たら女神のように神々しく見えそうだわ。
ドレスを厳重に守るよう護衛騎士にお願いした後、日が陰ったバルコニーでザーラとマルガ、ロッテと共にお茶にした。ロッテが冷たいお茶を出し、スージーがお菓子を並べてくれた。冷たくさっぱりした味が涼しさを運んでくれるわ。
「ザーラ、婚姻式の後はどうするの?」
「暫くは王都で過ごして、豊潤祭が終わったら領地に向かおうかと思っています」
「そう。あちらの方が暖かくて過ごしやすいし、冬は忙しいものね」
豊潤祭が終わるとどこの貴族家も領地に帰るけれど、決して暇ではない。一年の収穫量を調査して王家に報告書を出さなければいけないし、来春に向けての計画や準備がある。報告が間違っていると虚偽罪に問われてしまうし、来春に植え付ける苗や肥料などの手配をしっかりしておかないと収穫量に直結する。実務は部下の仕事だけど領主は不正や間違いがないか目を光らせる責務があるし、準備には多額の費用が掛かるから領主抜きでは進められないのよね。
「いいわね、私はまだゾルガー領にちょっとしか行ったことがないから」
「あの時は先王様がお倒れになられましたから。仕方ありませんわ」
「妊娠もされていましたしね」
幸運にもあの直後に妊娠が判明したけれど、領地には四日しか滞在できなかった。
「色々なところに行く予定だったのに。湖の奥にある滝とか、秋に流れる星とか」
ヴォルフ様はまた連れて行って下さると仰って下さったけれど、アンゼルがいるから当分は無理そう。
「ふふ、奥様、アンゼル様もご一緒なら今年行かれた方が楽ですわよ」
意外なことを言ったのはスージーだった。
「でも、乳児を外に出すのは危険じゃない?」
子は流行り病などに罹ってすぐに儚くなってしまうから五、六歳まで外に出さない家もあるわ。乳児ならさすがに無理ではないかしら。
「まだ歩き出す前で眠っている時間が長い方が楽でごさいますよ。歩き出した子は馬車でじっとしてくれませんから」
なるほど、確かにアンゼルはまだ眠っている時間が長いし、寝返りをやっとしたところで行動範囲は狭いわ。歩き始めると大変だとリーゼ様も言っていたし。そんな話を聞くと行きたくなっちゃうじゃない……
「一度旦那様に相談されてみては? 今からならまだ準備する時間は十分にありますわよ」
そう言われたら相談するしかないわ。でも、代替わりしたばかりだし、まだお忙しいかもしれないし……
「そうね。お話だけしてみるわ」
ダメなら諦めるわ。その時は王都に残ってゆっくり過ごせばいい。ヴォルフ様とアンゼルが一緒ならどこに居ても幸せだもの。
その日ヴォルフ様がお戻りになったのは陽がすっかり落ちた後だった。陽ざしが隠れるとやっと風が涼しく感じられる。玄関ホールに迎えに出るとヴォルフ様はちょうど馬車から降りて来られるところだった。上着を脱いで首元を緩め胸元まで露わになっている。それだけのことなのに酷く色っぽく見えてドキドキする。衣装を着崩したお姿は野性的で、流れる汗までヴォルフ様の魅力を引き立てているよう。こんなに男性的な魅力に溢れている方を他に知らないわ。ティオが持つ燭台の灯りに照らされたお姿は現実味がなく彫像のようで見惚れてしまう……
「どうした?」
「え? あ、何でもありませんわ。お帰りなさいませ」
「ああ」
じっと魅入ってしまったら声をかけられて心臓が跳ねた。嫌だわ、顔が赤くなって……もこの暗さではわからないわよね。濡らしたタオルを渡すと顔と首を拭かれた。その仕草すらも雄々しくてドキッとしてしまうわ。湯あみをしにヴォルフ様が私室に向かわれた。私は先に済ませているから夜着に着替えて夫婦の寝室で待った。
「待たせたか」
「いいえ、ちっとも」
髪をタオルで拭きながらヴォルフ様が寝室に入ってきた。まだ乾き切っていない髪がろうそくの光に照らされて艶っぽいし、薄い生地だから鍛えられた身体がよりはっきり感じられるわね。若い男性にはない大人の魅力に溢れていてのまれてしまいそう。大きなソファの隣に腰を下ろされた。
「ゲルハーの処分が決まった」
「クラウディア様の?」
急に事務的な話になって現実に引き戻された。ティオが入って来てお酒や軽食を並べていく。ヴォルフ様が最近お気に入りのお酒ね。グラスに注いで渡すと一気に飲み干された。凄いわ、このお酒、かなり度が強いのに。杯を差し出されたので注ぐと、私のグラスにも度の弱いお酒を注いでくださった。こんな時、夫婦なんだと実感して幸せを感じるわ。甘いお酒が一層甘く感じる。
「あらぬ噂を流し、王太后様を貶める発言をしていた。二度と王宮に足を踏み入れることはない」
嫋やかな方に見えたけれどそんなことをしていたの? だったら永久追放は仕方ないわ。
「どうして、そんなことを……」
「あの女は先王に愛されると思い込んでいた。王太后は権力を使って二人を引き裂いた悪女だと」
こうなると妄想癖があったと言われてもおかしくないわね。望まぬ結婚生活で心が病んでしまったのかしら。実際、夫人がゲルハー家に嫁いだ経緯はかなり問題のあるものだったから。それとも……
「ゲルハー夫人の背後には何もなかったのですが?」
私の情報網でははっきりしたものは出てこなかったわ。でも、ヴォルフ様なら何か掴んでいらっしゃるかもしれない。
「ガーゲルンの夫人が焚きつけていたのもあるだろう。王宮で会った際、侮辱されたと」
「またガーゲルンですか……」
令嬢といい夫人といい、王家の周りで騒がしいわね。でも、夫人たちは折り合いが悪いと聞いたわ。
「何か掴めましたの?」
「ガーゲルンの態度はイステルとの確執からだろう。あの二領は昔から仲が悪かった。ガールゲンの前当主は先王と仲が良く評判もよかったから尚更だ」
よくある話ね。隣同士は仲がいいところもあるけれど、利権が絡んで反目しているところもある。特にあの二領は昔から反りが合わないと言われていて根深いのよね。
「どちらもルタやサザールとの繋がりがあるし、それぞれから粉をかけられているだろうが、それもいつものことだ。今のところ国を揺るがすほどのことはない」
「では、暫くは静観を?」
「そうなるな。まぁ、それぞれに弱みも握っているからどうとでもなる」
ヴォルフ様に弱みなんか握られたら逆らえないわね。
「弱みって、どのような?」
「世の中には知らない方が幸せなこともある」
気になって尋ねてみたけれど、そんな言い方をされたらこれ以上聞けないわ。ヴォルフ様が話さないのは私の心を守る為だと以前ティオに言われたわ。だったらそのお心遣いを無にするなんて出来ない。ヴォルフ様が動く気配がして、大きな身体が覆い被さって来た。
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