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第二部
閑話:甥っ子の誕生(イムレ)◆
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父上の退位式と俺の即位式まで二ヶ月に迫った。父上の公務に加えて即位の準備で忙しいなんてもんじゃない。忙しすぎて神経が高ぶって中々寝付けない。私室の棚から酒を取り出して一気に呷ると胸を熱が下りて行った。
「もう少し後だと思ったんだけどなぁ……」
ソファに腰かけて天井を仰ぐ。いつかはこの日が来るとわかっていたが、その日が近づくと気持ちが沈む。迫りくる重圧はこれまでの比じゃない。自分に務まるのかとの不安は考えないようにしていても、ふとした瞬間に明瞭に意識に上ってくる。執務中でも寝ている時でも。それで目が覚めることも少なくない。自分の器は自分がよくわかっている。自分こそが王に相応しいと自惚れられたらどんなに楽だろう。
「……兄上なら、悩まないんだろうなぁ……」
きっとそんな気がする。粛々と、表情も変えずに玉座に腰を下ろしそうだ。嫌じゃないかと尋ねたら、嫌でもそれが務めだから仕方がないとでも言うんだろう。兄上はそういう人だ。強くて揺るぎなく、不可能だと思われることでも淡々と成してしまう。爵位を継いで八年、すっかり力も財も失い力を取り戻すには二十年はかかると言われたゾルガー侯爵家を兄上はたった数年で立て直してしまった。今や太刀打ち出来る家などないだろう。他の五侯爵家も辺境六侯爵家も殆ど手中に収めているように見える。もしかしたらその求心力は王家よりも上かもしれない。
本来なら兄上が王位に就くはずだった。祖父が馬鹿でなければ、兄上の髪か目の色が違っていたらその未来は確かにあっただろう。共に育っていたら俺との差はもっと開いていただろうし。強く厳しく揺るぎない王になっていたのは間違いない。あの性格だって共に育っていたらもう少し愛想よくなったかもしれないし。それに……王に優しさや愛想などなくても構わないんだよな。王とは畏怖の念を向けられるべきで。足りない分は俺やエーリックが補えばいいのだから。
だが現実はそうはならず、王になるのは俺で支えるのは兄上になった。兄上には不満はなく、王位などいらないと取り付く島もない。王位継承争いにならないのは有難いけれど……ちょっとは悩んでほしかった。そうしたら兄上を王位に就けるために何だってしたのに。
再び酒を注ぐと足音が近づくのが聞こえた。控えめに扉が叩かれる。何だよ、もう。今日の仕事は終わっただろうに……そうは言ってもこんな時に来る知らせは急ぎのものだ。仕方なく入室を許可すると、現れたのは侍従だった。トレイには封書が載っている。受け取ると見慣れた蝋印だった。
「は? 兄上から?」
こんな時間に珍しいこともあるなと思いながら封書受け取る。兄上からだなんて緊急事態か? 胸騒ぎを感じながらも封書を開いて……思わず立ち上がった!
「…………」
たった数文字の簡素なそれはいかにも兄上らしいものだったけれど……いや、もうちょっとなんか書こうよ……
「父上はまだ起きていらっしゃるか?」
「は、はい。まだご就寝では……」
「今から行く。先触れを」
まだ側にいた侍従にそう告げると、直ぐに飛び出していった。まだ起きているならいいだろう。この時間は私的な時間だから問題はないはず。
夜着から簡素な普段着に着替えて父上の私室へと向かうと、父上はソファでゆったりと本を読んでいらっしゃった。最近は旅行記を好んで読んでいると聞く。王都の外に出ることなど殆どなかった父上は、王にならなかったら探検家になりたかったと聞いたのは倒れた後だ。
「どうした? こんな時間に」
「父上っ! あ、兄上が!」
「落ち着けイムレ。ヴォルフがどうかしたか?」
父に言われて自分が冷静さを欠いていたのだと自覚したけれど、今は許してほしい。
「父上、子、子どもが……兄上の子が生まれました」
「そうか」
父上が本を手にしたまま俺を見上げた。父上に兄上からの書簡を渡すと本をテーブルに置いて目を通し……急に立ち上がった。書簡を食い入るように見つめている。
「……っ!」
父上が息を詰めた。封書を持つ手が震えていた。
「……アン、ゼル?」
「ああ、そう名付けたそうですね。いい名です」
俺の相槌にも答えず、父上は手紙を手にしたまま崩れるようにソファへと腰を下ろすと空いた手で目元を覆ってしまった。
「父上? どうなさったのです?」
まさか驚き過ぎて具合が悪く……なったりはしないよな? 夫人の出産が近いのは随分前からご存じだったんだし。
「そう、か……アンゼルか……」
半ば呆然としたまま父上が生まれたばかりの子の名を呼んだ。何だ? 王族や貴族には珍しくない名前だが……
「父上?」
「……ああ、すまん。何でもない。何でもないんだ……ああ、王妃に……知らせてやらんとな」
そう言うと父上はふらつきながら立ち上がった。母上のところに行くのか? そりゃあ、孫が生まれたんだから報告に行くのは当然だけど、なんだか様子がおかしい。だが何でもないと言われればそれ以上問い詰めるのも憚られた。
「一緒に参りましょう。母上もお喜びになるでしょうから」
俺がそう声をかけたけれど父上は聞こえていないのか、そのまま背を向けて扉へと向かっていた。やっぱり様子がおかしい。母上に会えば何かわかるかもしれない。そんな好奇心を抱えながら父上の後を追った。
母上の元に向かうと、母上は既に休んでいると寝ずの番の侍女が言ったが、父上は急ぎの用事だと言ってそのまま部屋へと入っていってしまった。どうすべきかと躊躇したけれど、ここまで来て帰るのも癪でその背中を追う。侍女が言った通り母上はベッドに横になっていて、突然現れた父上の姿に驚いていた。
「陛下? どうなさいましたの?」
ベッドから身を起こした母上は俺たちの姿を見て一層怪訝な表情を浮かべたけれど、ベッドから身を起こして父上に向き合った。父上は無言で兄上からの書簡を示した。
「何ですの?」
父上の様子がおかしいのは母上にもわかったらしい。眉の間に皴を刻みながらも書簡を手にして目を通し……口元を両手で覆ってしまった。書簡が音も立てずに床へと落ちた。さっきから何なんだ? 二人揃って……
「そんな……」
父上が書簡を拾って母上の隣に腰を下ろし、顔を覆ってしまった母上を抱きしめた。二人の尋常ではない様子の原因を考える。あの書簡に書かれていたのは兄上の子が生まれた事とその子の名前だ。子が産まれるのは前々からわかっていたことで、だったら……
「父上、母上、どうなさったのです? アンゼルという名に何か……」
「……あれ……だ……」
「はい?」
「……あれの、名だ。名前だけでもと思って……あの時……」
あれのな? あれの……な? 名前……それって……ああ、そういうことか。あの名前は兄上の……
「あなた……」
「アーダ」
いつの間にか父上が嗚咽を漏らす母上を抱きしめていた。何時も王妃、陛下と呼び合っている二人が夫婦らしく呼び合っているのを初めて聞いた。政略で婚姻した二人は俺からは夫婦というよりも同僚や同志に見えた。そんな二人を見て、王の婚姻とはそういうものだと、王と王妃の役割と後継のためのものだと思っていた。母上は他国の王女だから父上は心を許していなかったのだとも。それは大きな間違いだった。
それに……兄上を手放したことをずっと悔やんでいたのだと改めて知った。父上が祖父さんを病気を理由に療養させたのも兄上のためだったんだろう。その妹のナディア王女も、多分。兄上を守る為に、償いとしてゾルガーの後継にするために。証拠なんか残ってはいないだろうけど。
「あ~父上、戻りますね」
何だかここにいるのは無粋な気がして自室へと戻った。これで父上の心労が減るといいと願う。多分罪悪感を死ぬまで抱えるのだろうけれど。非情になり切れるほど強くない人だから、実父を手に掛けた心労は相当なものだったろう。
自室に戻って棚に向かい瓶のラベルを眺める。気に入りの酒瓶を手に取ってグラスに注いだ。
「可愛い甥っ子に乾杯」
一人で甥の誕生を祝った。兄上の名を受け継いだ甥っ子。イルーゼちゃんがどうなったのかは書いていなかったけれど、何も書いていないのなら無事なんだろう。あの兄上が唯一独占欲を露わにする相手。今や家族や女性以外が彼女の名を呼ぶと殺気を飛ばしてくる。妊娠が分かってからは過保護に拍車がかかって誤魔化しようもないのに、ああなっても兄上は自覚していないしイルーゼ嬢は気付いていない。面白過ぎるだろ、あの二人。
ふとコルネリアの顔が浮かんだ。政略で婚姻せざるを得なかった気の毒な令嬢。他に想う男がいるとわかっていたから心を通わす相手だとは思っていなかった。両親を見てそう言うものだと思っていたし。でも……
「あ~あ。やっぱ、今更だよなぁ……」
今になって心を通わせようなんて虫がいい話だ。お互いに。最高の位に贅沢な暮らし、親子や夫婦の関係も悪くない。兄上だって前よりも相手をしてくれるようになった。これ以上望むのは過分だろう。何もかも手に入れることは出来ないのだから。
「もう少し後だと思ったんだけどなぁ……」
ソファに腰かけて天井を仰ぐ。いつかはこの日が来るとわかっていたが、その日が近づくと気持ちが沈む。迫りくる重圧はこれまでの比じゃない。自分に務まるのかとの不安は考えないようにしていても、ふとした瞬間に明瞭に意識に上ってくる。執務中でも寝ている時でも。それで目が覚めることも少なくない。自分の器は自分がよくわかっている。自分こそが王に相応しいと自惚れられたらどんなに楽だろう。
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本来なら兄上が王位に就くはずだった。祖父が馬鹿でなければ、兄上の髪か目の色が違っていたらその未来は確かにあっただろう。共に育っていたら俺との差はもっと開いていただろうし。強く厳しく揺るぎない王になっていたのは間違いない。あの性格だって共に育っていたらもう少し愛想よくなったかもしれないし。それに……王に優しさや愛想などなくても構わないんだよな。王とは畏怖の念を向けられるべきで。足りない分は俺やエーリックが補えばいいのだから。
だが現実はそうはならず、王になるのは俺で支えるのは兄上になった。兄上には不満はなく、王位などいらないと取り付く島もない。王位継承争いにならないのは有難いけれど……ちょっとは悩んでほしかった。そうしたら兄上を王位に就けるために何だってしたのに。
再び酒を注ぐと足音が近づくのが聞こえた。控えめに扉が叩かれる。何だよ、もう。今日の仕事は終わっただろうに……そうは言ってもこんな時に来る知らせは急ぎのものだ。仕方なく入室を許可すると、現れたのは侍従だった。トレイには封書が載っている。受け取ると見慣れた蝋印だった。
「は? 兄上から?」
こんな時間に珍しいこともあるなと思いながら封書受け取る。兄上からだなんて緊急事態か? 胸騒ぎを感じながらも封書を開いて……思わず立ち上がった!
「…………」
たった数文字の簡素なそれはいかにも兄上らしいものだったけれど……いや、もうちょっとなんか書こうよ……
「父上はまだ起きていらっしゃるか?」
「は、はい。まだご就寝では……」
「今から行く。先触れを」
まだ側にいた侍従にそう告げると、直ぐに飛び出していった。まだ起きているならいいだろう。この時間は私的な時間だから問題はないはず。
夜着から簡素な普段着に着替えて父上の私室へと向かうと、父上はソファでゆったりと本を読んでいらっしゃった。最近は旅行記を好んで読んでいると聞く。王都の外に出ることなど殆どなかった父上は、王にならなかったら探検家になりたかったと聞いたのは倒れた後だ。
「どうした? こんな時間に」
「父上っ! あ、兄上が!」
「落ち着けイムレ。ヴォルフがどうかしたか?」
父に言われて自分が冷静さを欠いていたのだと自覚したけれど、今は許してほしい。
「父上、子、子どもが……兄上の子が生まれました」
「そうか」
父上が本を手にしたまま俺を見上げた。父上に兄上からの書簡を渡すと本をテーブルに置いて目を通し……急に立ち上がった。書簡を食い入るように見つめている。
「……っ!」
父上が息を詰めた。封書を持つ手が震えていた。
「……アン、ゼル?」
「ああ、そう名付けたそうですね。いい名です」
俺の相槌にも答えず、父上は手紙を手にしたまま崩れるようにソファへと腰を下ろすと空いた手で目元を覆ってしまった。
「父上? どうなさったのです?」
まさか驚き過ぎて具合が悪く……なったりはしないよな? 夫人の出産が近いのは随分前からご存じだったんだし。
「そう、か……アンゼルか……」
半ば呆然としたまま父上が生まれたばかりの子の名を呼んだ。何だ? 王族や貴族には珍しくない名前だが……
「父上?」
「……ああ、すまん。何でもない。何でもないんだ……ああ、王妃に……知らせてやらんとな」
そう言うと父上はふらつきながら立ち上がった。母上のところに行くのか? そりゃあ、孫が生まれたんだから報告に行くのは当然だけど、なんだか様子がおかしい。だが何でもないと言われればそれ以上問い詰めるのも憚られた。
「一緒に参りましょう。母上もお喜びになるでしょうから」
俺がそう声をかけたけれど父上は聞こえていないのか、そのまま背を向けて扉へと向かっていた。やっぱり様子がおかしい。母上に会えば何かわかるかもしれない。そんな好奇心を抱えながら父上の後を追った。
母上の元に向かうと、母上は既に休んでいると寝ずの番の侍女が言ったが、父上は急ぎの用事だと言ってそのまま部屋へと入っていってしまった。どうすべきかと躊躇したけれど、ここまで来て帰るのも癪でその背中を追う。侍女が言った通り母上はベッドに横になっていて、突然現れた父上の姿に驚いていた。
「陛下? どうなさいましたの?」
ベッドから身を起こした母上は俺たちの姿を見て一層怪訝な表情を浮かべたけれど、ベッドから身を起こして父上に向き合った。父上は無言で兄上からの書簡を示した。
「何ですの?」
父上の様子がおかしいのは母上にもわかったらしい。眉の間に皴を刻みながらも書簡を手にして目を通し……口元を両手で覆ってしまった。書簡が音も立てずに床へと落ちた。さっきから何なんだ? 二人揃って……
「そんな……」
父上が書簡を拾って母上の隣に腰を下ろし、顔を覆ってしまった母上を抱きしめた。二人の尋常ではない様子の原因を考える。あの書簡に書かれていたのは兄上の子が生まれた事とその子の名前だ。子が産まれるのは前々からわかっていたことで、だったら……
「父上、母上、どうなさったのです? アンゼルという名に何か……」
「……あれ……だ……」
「はい?」
「……あれの、名だ。名前だけでもと思って……あの時……」
あれのな? あれの……な? 名前……それって……ああ、そういうことか。あの名前は兄上の……
「あなた……」
「アーダ」
いつの間にか父上が嗚咽を漏らす母上を抱きしめていた。何時も王妃、陛下と呼び合っている二人が夫婦らしく呼び合っているのを初めて聞いた。政略で婚姻した二人は俺からは夫婦というよりも同僚や同志に見えた。そんな二人を見て、王の婚姻とはそういうものだと、王と王妃の役割と後継のためのものだと思っていた。母上は他国の王女だから父上は心を許していなかったのだとも。それは大きな間違いだった。
それに……兄上を手放したことをずっと悔やんでいたのだと改めて知った。父上が祖父さんを病気を理由に療養させたのも兄上のためだったんだろう。その妹のナディア王女も、多分。兄上を守る為に、償いとしてゾルガーの後継にするために。証拠なんか残ってはいないだろうけど。
「あ~父上、戻りますね」
何だかここにいるのは無粋な気がして自室へと戻った。これで父上の心労が減るといいと願う。多分罪悪感を死ぬまで抱えるのだろうけれど。非情になり切れるほど強くない人だから、実父を手に掛けた心労は相当なものだったろう。
自室に戻って棚に向かい瓶のラベルを眺める。気に入りの酒瓶を手に取ってグラスに注いだ。
「可愛い甥っ子に乾杯」
一人で甥の誕生を祝った。兄上の名を受け継いだ甥っ子。イルーゼちゃんがどうなったのかは書いていなかったけれど、何も書いていないのなら無事なんだろう。あの兄上が唯一独占欲を露わにする相手。今や家族や女性以外が彼女の名を呼ぶと殺気を飛ばしてくる。妊娠が分かってからは過保護に拍車がかかって誤魔化しようもないのに、ああなっても兄上は自覚していないしイルーゼ嬢は気付いていない。面白過ぎるだろ、あの二人。
ふとコルネリアの顔が浮かんだ。政略で婚姻せざるを得なかった気の毒な令嬢。他に想う男がいるとわかっていたから心を通わす相手だとは思っていなかった。両親を見てそう言うものだと思っていたし。でも……
「あ~あ。やっぱ、今更だよなぁ……」
今になって心を通わせようなんて虫がいい話だ。お互いに。最高の位に贅沢な暮らし、親子や夫婦の関係も悪くない。兄上だって前よりも相手をしてくれるようになった。これ以上望むのは過分だろう。何もかも手に入れることは出来ないのだから。
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