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第二部
殿下の訪問
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アンゼルが生まれてから一月が経った。華やかな社交シーズンも始まり、外も花々が咲き始めて一気に春が世界に満ちていた。窓から見える庭も華やかな色彩に溢れて目を楽しませてくれる。
そんな中私は屋敷から出ることもなくのんびりと過ごしていた。出産するまでは物凄く大変だったけれど、産後は医師や産婆が驚くくらいに順調に回復していた。つわりであんなに食欲がなかったのに、今は食欲があり過ぎて困ってしまうくらいで、今ならエルマ様の悩みもわかるわ。幸いお乳を与えているからか酷く太ったりはしていないけれど。これからは授乳も控えるから食事も控えなきゃいけないわね。
アンゼルは小さいながらも元気いっぱいだった。予定よりも少し早かったけれどよく眠りしっかりお乳を飲んで、ティオやロッテをはじめとした使用人たちを早くも虜にしている。最初はしわしわだったけれど今はふっくらして本当にいくら抱いていても飽きないほど。
ヴォルフ様は後継を望んでも子には興味がないかと思っていたけれど、私が抱いていると近くで観察するように子を見ていた。
「ヴォルフ様、抱っこしますか?」
「いや、子もお前の方がいいだろう」
一度抱っこしていただいたら間が悪くアンゼルが凄く泣いてしまい、それからは触れようとしない。私だって最初は泣かれたのだから何度か抱いていれば慣れると思うのだけど、手を出されないのよね。意味もなく拒絶されて嫌になったのかと思ったけれど、こうして私が抱いていると側で見ているのだから興味がないわけではなさそう。アンゼルもヴォルフ様を見て泣いたりしない。貴族では子に興味を持たない男性も多いから特段冷遇されているわけじゃないのだけど。もう少し大きくなったら何か変わるのかしら?
そんなヴォルフ様だけど最近変わった気がするわ。何がどうとはっきりとは言えないのだけど、前よりも纏う空気が柔らかくなったような感じ。以前ははっきりと壁を感じたけれど、今はそれが薄くなって膜のようになったという感じかしら。完全になくなったわけじゃないけれど、私たちにアンゼルという確とした存在が出来たからそう感じるのかしら。もしそれが錯覚ではなかったら嬉しい。これからこうして少しずつでも距離を縮められたらいい。それにアンゼルのお陰で離縁も第二夫人の話もなくなったわ。打算的と言われるかもしれないけれど安堵の理由にはそれも多分に含まれていた。
育児にも慣れ、身体もそろそろ戻ったという頃、内々に来客があった。東棟の応接室には山のように積まれた華やかな箱の山が出来上がっている。私とヴォルフ様の向かい側には……茶の髪と紫色の瞳の男性が緩んだ笑顔を浮かべていた。
「どうしてここにいる?」
「兄上、そんなに睨まないでよ」
険しい表情を隠しもしないヴォルフ様に答えたのはかつらで変装をした王太子殿下だった。ニ刻ほど前、アンゼルの授乳を終えてベッドで何やら口を動かすアンゼルを眺めていたところヴォルフ様がやって来て、これから人が来るという。これまでも来客はあっても私には事報告だったのに珍しいと思ったら、相手は殿下だと言って面食らったわ。社交シーズンも始まってお忙しいはずなのに。それでも予告通りの時間に質素な馬車が二台、我が家の門を潜った。
「出産祝いを届けに来たんだよ。俺のもあるけど父上や母上、コルネリアの分もあるんだ。あ、エーリックは自分で届けると言っていたよ」
「それなら先日受け取った」
「ええ~もう? 俺たちの後にしろって言ったのに……」
競うところはそこじゃないと思うのだけど、殿下はヴォルフ様のことになると一番になりたがる。いえ、その前にこの贈り物の山の中には陛下ご夫妻や妃殿下のものもあるの?
「あ、イル……夫人、遠慮しなくていいからね」
「い、いえ……こんなにたくさん、ありがとうございます」
「いやいや、気にしないで。本当はこの倍はあったんだけど、どうせなら節目節目に贈ろうと思ってね」
「は?」
ちょっと待って。また続くの? 出産祝いなら一度で十分なのですけれど。
「そんなにいらん」
「そう言わないでよ。俺もそうだけど父上も母上も兄上に何かしたいんだよ。でも、兄上は絶対に受け取ってくれないでしょ?」
「当り前だ。受け取る理由がない」
「そんなことあるよ! 兄上はもう正式に父上と母上の子なんだから」
殿下も引き下がらなかったけれどヴォルフ様も同じだった。そういう意味では二人とも似ているかもしれない。
「一度は捨てた相手だ。今更態度を変えるな」
「それは……あの時は……」
「仕方なかったのは理解している。だが過去は変わらない。今更だ」
そう言われると殿下がしゅんと項垂れてしまった。その様は既視感がある。ヴォルフ様に叱られた時のフレディね。どちらもご主人様に叱られた大型犬みたいだわ。
「わかったよ。兄上のことは諦めるよ」
「わかればいい」
「うん。だからこれからはアンゼルにするよ。可愛い甥っ子だからね」
殿下の切り替えは早かった。この方って見た目よりもずっと精神が強い気がするわ。兄弟だからかしら? 案外立場が逆でも……ヴィム辺りに泣き言を言いながらも何とか生き延びれたかも……?
「ティオ、あれを連れてこい」
ヴォルフ様が命じるとティオは頭を下げて部屋を出て行った。暫くすると乳母を伴って戻って来たその腕にはアンゼルがしっかり抱かれていた。
「わぁ! 髪はこっちに似たんだ!」
アンゼルの髪色を見て殿下が嬉しそうな声を上げた。ティオが慎重な手つきでアンゼルを私の手へと渡した。よかったわ、ぐずってはいないわね。この一月で随分重くなったわ。殿下が席を立って私の足元で膝をついてアンゼルを覗き込んだ。
「やぁ、初めまして、叔父様だよ~」
王族の威厳はどこへと言った風に殿下が幼児言葉で話しかけた。アンゼルはきょとんと殿下を見つめている。
「目は夫人に似たんだ。よかったね、兄上」
「何がだ?」
「え? いやっ、ちゃんと兄上と夫人の子だって……」
「当り前だ」
殿下が言い終わる前にヴォルフ様が険しい声を出した。
「うわっ、ごめん、兄上。そういう意味じゃなくて……」
「どういう意味だ?」
「い、いや、こんなの貴族ではよくある挨拶だから……ってごめんなさい! 二度と言いません!」
「次はない。今度下らないことを言ったら出入り禁止だ」
「ええっ! 酷い!」
「失言しなければ済む話だ」
相変わらずのお二人ね。殿下は叱られて出入り禁止も通告されているのに嬉しそう。相手をして貰えたら何でもいいのかしら? もしかして……実家の兄と同じ人種?
「抱っこしてもいい?」
「お前は当てにならん」
「そう言わないでよ。これでも二児の父親なんだぞ」
そう仰られると否とは言えないわね。そっとアンゼルを渡すと殿下は慣れた手つきで幼子を腕で包んだ。
「わぁ、可愛いなぁ……息子らが生まれた頃を思い出すよ」
殿下は笑顔でアンゼルに話しかけていた。それは王太子と臣下の息子というよりも叔父と甥そのものだったわ。王族も人間なのだと不謹慎ながらそんなことを思ってしまった。立ち上がってあやしながら部屋の中を行き来し始めた。
「可愛いなぁ。俺も欲しい」
「諦めろ。妃はもういい年だ。側妃は認めない」
「わかってるよ、もう。言うくらいいいじゃないか……」
「よくない。その一言で野心を持つ者も出てくるんだ」
「はぁ……王族なんてつまらないよなぁ……愛のない結婚に愛人も禁止。貴族の方がずっといい思いをしてるよ」
コルネリア様とは仲がよろしいように見えたけれど、実際はそうではなかったのね。政略だから仕方がないけれど、お互いに納得していても愛のない生活で満たされるのは簡単ではないのかもしれない。私は運がよかったのかしら? 始まりは何であれ今は満たされているから。
「アンゼル、俺の代わりに好きな子と結婚するんだぞ~頼んだぞ~」
殿下がアンゼルを揺らしながら歌うように語り掛けていた。まだ生まれたばかりなのに気が早過ぎですわ。
「そうだな」
ヴォルフ様が殿下の言葉を肯定された。驚いたわ、そんな風に仰るなんて。殿下も目を大きく見開いてアンゼルを抱きしめたままヴォルフ様を見ていた。
「あ、兄上が……そんな風に言うなんて……」
「何がおかしい?」
「い、いや……おかしくなんか……」
おかしくはないけれど、驚いたわ。ヴォルフ様が恋愛結婚を肯定されるなんて。
「ははっ! 兄上がそんな風に言うなんて!」
殿下の笑い声が室内に響いた。
- - - - -
二部はここで終わりです。
明日からは溜まった閑話を投稿します。
そんな中私は屋敷から出ることもなくのんびりと過ごしていた。出産するまでは物凄く大変だったけれど、産後は医師や産婆が驚くくらいに順調に回復していた。つわりであんなに食欲がなかったのに、今は食欲があり過ぎて困ってしまうくらいで、今ならエルマ様の悩みもわかるわ。幸いお乳を与えているからか酷く太ったりはしていないけれど。これからは授乳も控えるから食事も控えなきゃいけないわね。
アンゼルは小さいながらも元気いっぱいだった。予定よりも少し早かったけれどよく眠りしっかりお乳を飲んで、ティオやロッテをはじめとした使用人たちを早くも虜にしている。最初はしわしわだったけれど今はふっくらして本当にいくら抱いていても飽きないほど。
ヴォルフ様は後継を望んでも子には興味がないかと思っていたけれど、私が抱いていると近くで観察するように子を見ていた。
「ヴォルフ様、抱っこしますか?」
「いや、子もお前の方がいいだろう」
一度抱っこしていただいたら間が悪くアンゼルが凄く泣いてしまい、それからは触れようとしない。私だって最初は泣かれたのだから何度か抱いていれば慣れると思うのだけど、手を出されないのよね。意味もなく拒絶されて嫌になったのかと思ったけれど、こうして私が抱いていると側で見ているのだから興味がないわけではなさそう。アンゼルもヴォルフ様を見て泣いたりしない。貴族では子に興味を持たない男性も多いから特段冷遇されているわけじゃないのだけど。もう少し大きくなったら何か変わるのかしら?
そんなヴォルフ様だけど最近変わった気がするわ。何がどうとはっきりとは言えないのだけど、前よりも纏う空気が柔らかくなったような感じ。以前ははっきりと壁を感じたけれど、今はそれが薄くなって膜のようになったという感じかしら。完全になくなったわけじゃないけれど、私たちにアンゼルという確とした存在が出来たからそう感じるのかしら。もしそれが錯覚ではなかったら嬉しい。これからこうして少しずつでも距離を縮められたらいい。それにアンゼルのお陰で離縁も第二夫人の話もなくなったわ。打算的と言われるかもしれないけれど安堵の理由にはそれも多分に含まれていた。
育児にも慣れ、身体もそろそろ戻ったという頃、内々に来客があった。東棟の応接室には山のように積まれた華やかな箱の山が出来上がっている。私とヴォルフ様の向かい側には……茶の髪と紫色の瞳の男性が緩んだ笑顔を浮かべていた。
「どうしてここにいる?」
「兄上、そんなに睨まないでよ」
険しい表情を隠しもしないヴォルフ様に答えたのはかつらで変装をした王太子殿下だった。ニ刻ほど前、アンゼルの授乳を終えてベッドで何やら口を動かすアンゼルを眺めていたところヴォルフ様がやって来て、これから人が来るという。これまでも来客はあっても私には事報告だったのに珍しいと思ったら、相手は殿下だと言って面食らったわ。社交シーズンも始まってお忙しいはずなのに。それでも予告通りの時間に質素な馬車が二台、我が家の門を潜った。
「出産祝いを届けに来たんだよ。俺のもあるけど父上や母上、コルネリアの分もあるんだ。あ、エーリックは自分で届けると言っていたよ」
「それなら先日受け取った」
「ええ~もう? 俺たちの後にしろって言ったのに……」
競うところはそこじゃないと思うのだけど、殿下はヴォルフ様のことになると一番になりたがる。いえ、その前にこの贈り物の山の中には陛下ご夫妻や妃殿下のものもあるの?
「あ、イル……夫人、遠慮しなくていいからね」
「い、いえ……こんなにたくさん、ありがとうございます」
「いやいや、気にしないで。本当はこの倍はあったんだけど、どうせなら節目節目に贈ろうと思ってね」
「は?」
ちょっと待って。また続くの? 出産祝いなら一度で十分なのですけれど。
「そんなにいらん」
「そう言わないでよ。俺もそうだけど父上も母上も兄上に何かしたいんだよ。でも、兄上は絶対に受け取ってくれないでしょ?」
「当り前だ。受け取る理由がない」
「そんなことあるよ! 兄上はもう正式に父上と母上の子なんだから」
殿下も引き下がらなかったけれどヴォルフ様も同じだった。そういう意味では二人とも似ているかもしれない。
「一度は捨てた相手だ。今更態度を変えるな」
「それは……あの時は……」
「仕方なかったのは理解している。だが過去は変わらない。今更だ」
そう言われると殿下がしゅんと項垂れてしまった。その様は既視感がある。ヴォルフ様に叱られた時のフレディね。どちらもご主人様に叱られた大型犬みたいだわ。
「わかったよ。兄上のことは諦めるよ」
「わかればいい」
「うん。だからこれからはアンゼルにするよ。可愛い甥っ子だからね」
殿下の切り替えは早かった。この方って見た目よりもずっと精神が強い気がするわ。兄弟だからかしら? 案外立場が逆でも……ヴィム辺りに泣き言を言いながらも何とか生き延びれたかも……?
「ティオ、あれを連れてこい」
ヴォルフ様が命じるとティオは頭を下げて部屋を出て行った。暫くすると乳母を伴って戻って来たその腕にはアンゼルがしっかり抱かれていた。
「わぁ! 髪はこっちに似たんだ!」
アンゼルの髪色を見て殿下が嬉しそうな声を上げた。ティオが慎重な手つきでアンゼルを私の手へと渡した。よかったわ、ぐずってはいないわね。この一月で随分重くなったわ。殿下が席を立って私の足元で膝をついてアンゼルを覗き込んだ。
「やぁ、初めまして、叔父様だよ~」
王族の威厳はどこへと言った風に殿下が幼児言葉で話しかけた。アンゼルはきょとんと殿下を見つめている。
「目は夫人に似たんだ。よかったね、兄上」
「何がだ?」
「え? いやっ、ちゃんと兄上と夫人の子だって……」
「当り前だ」
殿下が言い終わる前にヴォルフ様が険しい声を出した。
「うわっ、ごめん、兄上。そういう意味じゃなくて……」
「どういう意味だ?」
「い、いや、こんなの貴族ではよくある挨拶だから……ってごめんなさい! 二度と言いません!」
「次はない。今度下らないことを言ったら出入り禁止だ」
「ええっ! 酷い!」
「失言しなければ済む話だ」
相変わらずのお二人ね。殿下は叱られて出入り禁止も通告されているのに嬉しそう。相手をして貰えたら何でもいいのかしら? もしかして……実家の兄と同じ人種?
「抱っこしてもいい?」
「お前は当てにならん」
「そう言わないでよ。これでも二児の父親なんだぞ」
そう仰られると否とは言えないわね。そっとアンゼルを渡すと殿下は慣れた手つきで幼子を腕で包んだ。
「わぁ、可愛いなぁ……息子らが生まれた頃を思い出すよ」
殿下は笑顔でアンゼルに話しかけていた。それは王太子と臣下の息子というよりも叔父と甥そのものだったわ。王族も人間なのだと不謹慎ながらそんなことを思ってしまった。立ち上がってあやしながら部屋の中を行き来し始めた。
「可愛いなぁ。俺も欲しい」
「諦めろ。妃はもういい年だ。側妃は認めない」
「わかってるよ、もう。言うくらいいいじゃないか……」
「よくない。その一言で野心を持つ者も出てくるんだ」
「はぁ……王族なんてつまらないよなぁ……愛のない結婚に愛人も禁止。貴族の方がずっといい思いをしてるよ」
コルネリア様とは仲がよろしいように見えたけれど、実際はそうではなかったのね。政略だから仕方がないけれど、お互いに納得していても愛のない生活で満たされるのは簡単ではないのかもしれない。私は運がよかったのかしら? 始まりは何であれ今は満たされているから。
「アンゼル、俺の代わりに好きな子と結婚するんだぞ~頼んだぞ~」
殿下がアンゼルを揺らしながら歌うように語り掛けていた。まだ生まれたばかりなのに気が早過ぎですわ。
「そうだな」
ヴォルフ様が殿下の言葉を肯定された。驚いたわ、そんな風に仰るなんて。殿下も目を大きく見開いてアンゼルを抱きしめたままヴォルフ様を見ていた。
「あ、兄上が……そんな風に言うなんて……」
「何がおかしい?」
「い、いや……おかしくなんか……」
おかしくはないけれど、驚いたわ。ヴォルフ様が恋愛結婚を肯定されるなんて。
「ははっ! 兄上がそんな風に言うなんて!」
殿下の笑い声が室内に響いた。
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二部はここで終わりです。
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