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第二部
歓迎の宴
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一息ついた後はヴォルフ様と共に領邸の使用人たちから報告を聞いた。ゾルガー領は広くて豊かだけど、その分当主の仕事も多く、報告はかなりの数と量になったわ。今はフレディ様が月の三分の二を領地で過ごしているから以前よりも減ったけれど、久しぶりの当主の滞在とあって一通りの報告が終わった頃には既に日も落ちていた。
その後は久しぶりの当主の滞在を歓迎しての宴席が用意されていた。分家の当主を集めての晩餐会かと思っていたら……意外にもホールで使用人たちも参加する座食のものだというから驚いたわ。こんな形式の宴席は初めてだもの。
しかも服装もドレスではなくゾルガー地方で古くから伝わる衣装だという。ドレスをずっと簡素化したようなもので、コルセットなどの体型を作るための物は何もない。締め付け感が全くなくて心許ないのだけれど、身体は凄く楽だった。胸など身体の線が出ないのもいいわ。
ただ……私の感覚では人前に出る服装には思えなくて、始めは二年も領地に来なかった私への嫌がらせなのかと思ったくらい。でも、ザーラやマルガだけでなく領邸の侍女たちも同じだったからほっとしたわ。
一方の男性は簡素なシャツの上にベスト、トラウザーズという騎士服を一層簡素にした服装だった。ヴォルフ様の場合、野性味が増して目のやり場に困るくらい色気を感じたわ。こんなヴォルフ様を他の女性に見せるのは何だかもやもやした。王都の夫人たちには絶対に見せられないわね。
着替えた後、ヴォルフ様と共に酒宴が行われるホールに向かった。近付くと既に人の気配が濃くなって、中に足を踏み込むとホールを埋め尽くすほどの人が既に座っていたわ。皆私やヴォルフ様が着ているような衣装で、床に直に座っていた。
「イルーゼ、こっちだ」
ヴォルフ様と向かった先は一段高くなっていて、そこには厚手の絨毯が敷かれていた。絨毯の上には低くて大きなテーブルが置かれて、その上には料理や皿、コップや花々が置かれている。もしかして私たちも床に直に座るの? 驚いてどうすべきかと思っている私の前でヴォルフ様はさっさと床に腰を下ろし、腕を引いてその隣に私を座らせた。ここでいいのね? 会場を見渡せば参加者の席も同じようになっていた。どうやらここの宴席はこういう形らしい。
ヴォルフ様の向こう隣りにはフレディ様とオリスたちが並び、私の横にはザーラとマルガが座っている。皆私やヴォルフ様と同じ様な服を着ていて、いつもと雰囲気が違って新鮮に見えるわ。
「驚いたか?」
「ええ。こういう形式は初めてで……」
「形式というほどではない。ゾルガーは元々傭兵だったからな。気楽な形を好む」
なるほど、傭兵だった名残が領地には残っているのね。
「傭兵は平民の寄せ集めだ。貴族だろうがここでは関係なかった。この宴もその名残だ。もっとも今は身分制度が入り込んでいて俺たちは別格扱いをされているが」
「ゾルガーは昔の習慣を大切にしているのですね」
「習慣というほど大層なものではない。気楽だからだろう」
「気楽ですか」
でも、確かに気楽だと思うわ。この衣装にしてもそう。ゆったりとしていて肩の力が抜けるよう。コルセットなどがないのも納得だわ。あれを付けた状態では床になんか座れないもの。
程なくしてフォルカーの挨拶で宴が始まった。彼がヴォルフ様への感謝と忠誠を述べた後で私が紹介された。当主夫人としての挨拶を考えてきたけれど、どうもここでは場違いな気がする。でも、悩んでいる余裕がないわ。
「初めまして、ガウス伯爵家から嫁いで参りました妻のイルーゼです。不束者ですがよろしくお導き下さいませ。この度は……」
「俺の妻はイルーゼだけだ。子が出来なければ養子を迎える。今後後継や第二夫人の話を出すのは控えろ」
腹を括って挨拶を始めたけれど、その途中でヴォルフ様に遮られてしまった。驚いたわ、こんな場でそんな宣言をされるなんて。ここには分家の当主たちも集まっているのに大丈夫なのかしら。危惧した通りあちこちでざわめきが上がった。ヴォルフ様は当主とはいえゾルガーの血を引いていない。いくらヴォルフ様がお強くても彼らの協力なしでその役目を果たすのは容易ではないのに……
「旦那様、どういうことです? 旦那様はゾルガーの血を引いていらっしゃらないのですぞ。血を遺すために分家の娘を娶っていただかなければ……!」
声を上げたのリット家の当主を務めるカール様だった。筆頭分家としての自負が強い方で、以前からヴォルフ様に血を繋ぐため第二夫人を娶るように進めていた方。先日彼の令嬢が出入り禁止になったばかりなのにまだ諦めていなかったのね。
「既に断った話だ」
「ですが!」
「子が出来なければお前の孫を養子にすればいい」
「ル、ルッツの……」
ルッツはカール様の息子。彼の子なら血統的に資格はあるわね。彼は婚姻して既に男児が一人いると聞いている。まだ若いからこれから子が生まれる可能性は高い。
「しかし、フレディ様が……」
「フレディはその器ではないと辞退した。ゾルガーに必要なのは強さだ。ルッツは騎士としても優秀、その子なら十分に可能性はある」
ヴォルフ様がそう言って会場を見渡すと、誰も何も言わなかった。確かに筆頭分家の子なら分家は何も言えないわね。ただ、確実に男児が生まれるとは限らないし、リット家は子爵家だから他の貴族家が筆頭侯爵としてその子を受け入れるかはわからないけれど。
「で、ですが……!」
「おいおい兄貴、いい加減しつこいぞ。これまでだって血を引かない当主がいたんだ。そのうちリット家の血と混じれば問題ないだろう?」
諦めないカール様を諫めたのは何とヴィムだった。驚いたわ、こんな席に出てくるなんて。あの人、表には出ないってこの前言っていなかったかしら?
「ヴィム! しかし……!」
「ヴォルフはヘルマ相手じゃ勃たないんだ、仕方ないだろう」
「ヴィム!」
カール様が顔を赤くして一層声を荒げた。ヴィムったら場を治めに来たのではなかったの? これじゃ逆効果だわ。
「ヴィムの言う通りだ。諦めろ」
ヴォルフ様までヴィムに同調してしまったわ。よくわからないけれどカール様の分が悪いみたい。
「ほら! 飲むぞ! 我らがゾルガーに栄光あれ!」
ヴィムがそう叫ぶと一瞬だけ間があったけれど、あちこちから「我らがゾルガーに栄光あれ!」との声が上がってあっという間に酒宴が始まってしまったわ。カール様とヴィムの言い合いもそれで有耶無耶になってしまったけれどこれでよかったのかしら? 何だかヴィムが出てきたせいで話がおかしな方向に行ってしまった気がするわ……
そんなことを思っていたら、ヴォルフ様が私の杯にお酒を注いでくれた。驚いたわ、当主がそんなことをするなんて。慌ててヴォルフ様の杯にお酒を注ぐと、ヴォルフ様が杯をこちらに近付けてきた。慌てて自分の杯を手にしてヴォルフ様に倣ったわ。ビックリしたわ、ヴォルフ様がこんなことをなさるなんて。でも……これだけのことなのに距離が一層近付いた気がする。嬉しい。
「ここでは作法を気にする者はいない。気楽に食べるといい」
「ありがとうございます」
そう言われても見たこともない食べ物が並んでいて食べるべきか悩んでしまったわ。周りを見ると手づかみで食べる人もいる。そうした方が食べやすそうだけどさすがに真似をする勇気がないわ。フォークで食べられそうなものを選んで口に運んだけれど、見た目と味が結びつかないものも多くて困ったわ。
「これでどうだ?」
そう言うと食べ物が乗った皿を私の前に置いた。その上には色んな食べ物が少しずつのっていて、魚は骨を取った身だけになっている。食べやすいけれど……何だか子ども扱いされ散るようで複雑な気分。でも、ヴォルフ様が私の世話を焼くなんて思いもしなかった。嬉しくて頬が緩んでしまうわ。フレディ様と目が合うと眉を下げて笑みを浮かべた。何だか視線が生温かく感じるのだけど気のせいかしら。
その後会場はお酒のせいもあって大変な盛り上がりだった。ヴォルフ様にお酒を注ぎに来る人は酔っているのもあってか敬語なしで話しかけて来て、王都では信じられない光景だったわ。ヴォルフ様も気を悪くした風はなく、いつものように淡々と相手をしていたけれど、この気安さは貴族では味わえないわね。驚いたけれど不思議と嫌な感じはしなかったし、これがゾルガーだと言われると妙に納得してしまったわ。
その後は久しぶりの当主の滞在を歓迎しての宴席が用意されていた。分家の当主を集めての晩餐会かと思っていたら……意外にもホールで使用人たちも参加する座食のものだというから驚いたわ。こんな形式の宴席は初めてだもの。
しかも服装もドレスではなくゾルガー地方で古くから伝わる衣装だという。ドレスをずっと簡素化したようなもので、コルセットなどの体型を作るための物は何もない。締め付け感が全くなくて心許ないのだけれど、身体は凄く楽だった。胸など身体の線が出ないのもいいわ。
ただ……私の感覚では人前に出る服装には思えなくて、始めは二年も領地に来なかった私への嫌がらせなのかと思ったくらい。でも、ザーラやマルガだけでなく領邸の侍女たちも同じだったからほっとしたわ。
一方の男性は簡素なシャツの上にベスト、トラウザーズという騎士服を一層簡素にした服装だった。ヴォルフ様の場合、野性味が増して目のやり場に困るくらい色気を感じたわ。こんなヴォルフ様を他の女性に見せるのは何だかもやもやした。王都の夫人たちには絶対に見せられないわね。
着替えた後、ヴォルフ様と共に酒宴が行われるホールに向かった。近付くと既に人の気配が濃くなって、中に足を踏み込むとホールを埋め尽くすほどの人が既に座っていたわ。皆私やヴォルフ様が着ているような衣装で、床に直に座っていた。
「イルーゼ、こっちだ」
ヴォルフ様と向かった先は一段高くなっていて、そこには厚手の絨毯が敷かれていた。絨毯の上には低くて大きなテーブルが置かれて、その上には料理や皿、コップや花々が置かれている。もしかして私たちも床に直に座るの? 驚いてどうすべきかと思っている私の前でヴォルフ様はさっさと床に腰を下ろし、腕を引いてその隣に私を座らせた。ここでいいのね? 会場を見渡せば参加者の席も同じようになっていた。どうやらここの宴席はこういう形らしい。
ヴォルフ様の向こう隣りにはフレディ様とオリスたちが並び、私の横にはザーラとマルガが座っている。皆私やヴォルフ様と同じ様な服を着ていて、いつもと雰囲気が違って新鮮に見えるわ。
「驚いたか?」
「ええ。こういう形式は初めてで……」
「形式というほどではない。ゾルガーは元々傭兵だったからな。気楽な形を好む」
なるほど、傭兵だった名残が領地には残っているのね。
「傭兵は平民の寄せ集めだ。貴族だろうがここでは関係なかった。この宴もその名残だ。もっとも今は身分制度が入り込んでいて俺たちは別格扱いをされているが」
「ゾルガーは昔の習慣を大切にしているのですね」
「習慣というほど大層なものではない。気楽だからだろう」
「気楽ですか」
でも、確かに気楽だと思うわ。この衣装にしてもそう。ゆったりとしていて肩の力が抜けるよう。コルセットなどがないのも納得だわ。あれを付けた状態では床になんか座れないもの。
程なくしてフォルカーの挨拶で宴が始まった。彼がヴォルフ様への感謝と忠誠を述べた後で私が紹介された。当主夫人としての挨拶を考えてきたけれど、どうもここでは場違いな気がする。でも、悩んでいる余裕がないわ。
「初めまして、ガウス伯爵家から嫁いで参りました妻のイルーゼです。不束者ですがよろしくお導き下さいませ。この度は……」
「俺の妻はイルーゼだけだ。子が出来なければ養子を迎える。今後後継や第二夫人の話を出すのは控えろ」
腹を括って挨拶を始めたけれど、その途中でヴォルフ様に遮られてしまった。驚いたわ、こんな場でそんな宣言をされるなんて。ここには分家の当主たちも集まっているのに大丈夫なのかしら。危惧した通りあちこちでざわめきが上がった。ヴォルフ様は当主とはいえゾルガーの血を引いていない。いくらヴォルフ様がお強くても彼らの協力なしでその役目を果たすのは容易ではないのに……
「旦那様、どういうことです? 旦那様はゾルガーの血を引いていらっしゃらないのですぞ。血を遺すために分家の娘を娶っていただかなければ……!」
声を上げたのリット家の当主を務めるカール様だった。筆頭分家としての自負が強い方で、以前からヴォルフ様に血を繋ぐため第二夫人を娶るように進めていた方。先日彼の令嬢が出入り禁止になったばかりなのにまだ諦めていなかったのね。
「既に断った話だ」
「ですが!」
「子が出来なければお前の孫を養子にすればいい」
「ル、ルッツの……」
ルッツはカール様の息子。彼の子なら血統的に資格はあるわね。彼は婚姻して既に男児が一人いると聞いている。まだ若いからこれから子が生まれる可能性は高い。
「しかし、フレディ様が……」
「フレディはその器ではないと辞退した。ゾルガーに必要なのは強さだ。ルッツは騎士としても優秀、その子なら十分に可能性はある」
ヴォルフ様がそう言って会場を見渡すと、誰も何も言わなかった。確かに筆頭分家の子なら分家は何も言えないわね。ただ、確実に男児が生まれるとは限らないし、リット家は子爵家だから他の貴族家が筆頭侯爵としてその子を受け入れるかはわからないけれど。
「で、ですが……!」
「おいおい兄貴、いい加減しつこいぞ。これまでだって血を引かない当主がいたんだ。そのうちリット家の血と混じれば問題ないだろう?」
諦めないカール様を諫めたのは何とヴィムだった。驚いたわ、こんな席に出てくるなんて。あの人、表には出ないってこの前言っていなかったかしら?
「ヴィム! しかし……!」
「ヴォルフはヘルマ相手じゃ勃たないんだ、仕方ないだろう」
「ヴィム!」
カール様が顔を赤くして一層声を荒げた。ヴィムったら場を治めに来たのではなかったの? これじゃ逆効果だわ。
「ヴィムの言う通りだ。諦めろ」
ヴォルフ様までヴィムに同調してしまったわ。よくわからないけれどカール様の分が悪いみたい。
「ほら! 飲むぞ! 我らがゾルガーに栄光あれ!」
ヴィムがそう叫ぶと一瞬だけ間があったけれど、あちこちから「我らがゾルガーに栄光あれ!」との声が上がってあっという間に酒宴が始まってしまったわ。カール様とヴィムの言い合いもそれで有耶無耶になってしまったけれどこれでよかったのかしら? 何だかヴィムが出てきたせいで話がおかしな方向に行ってしまった気がするわ……
そんなことを思っていたら、ヴォルフ様が私の杯にお酒を注いでくれた。驚いたわ、当主がそんなことをするなんて。慌ててヴォルフ様の杯にお酒を注ぐと、ヴォルフ様が杯をこちらに近付けてきた。慌てて自分の杯を手にしてヴォルフ様に倣ったわ。ビックリしたわ、ヴォルフ様がこんなことをなさるなんて。でも……これだけのことなのに距離が一層近付いた気がする。嬉しい。
「ここでは作法を気にする者はいない。気楽に食べるといい」
「ありがとうございます」
そう言われても見たこともない食べ物が並んでいて食べるべきか悩んでしまったわ。周りを見ると手づかみで食べる人もいる。そうした方が食べやすそうだけどさすがに真似をする勇気がないわ。フォークで食べられそうなものを選んで口に運んだけれど、見た目と味が結びつかないものも多くて困ったわ。
「これでどうだ?」
そう言うと食べ物が乗った皿を私の前に置いた。その上には色んな食べ物が少しずつのっていて、魚は骨を取った身だけになっている。食べやすいけれど……何だか子ども扱いされ散るようで複雑な気分。でも、ヴォルフ様が私の世話を焼くなんて思いもしなかった。嬉しくて頬が緩んでしまうわ。フレディ様と目が合うと眉を下げて笑みを浮かべた。何だか視線が生温かく感じるのだけど気のせいかしら。
その後会場はお酒のせいもあって大変な盛り上がりだった。ヴォルフ様にお酒を注ぎに来る人は酔っているのもあってか敬語なしで話しかけて来て、王都では信じられない光景だったわ。ヴォルフ様も気を悪くした風はなく、いつものように淡々と相手をしていたけれど、この気安さは貴族では味わえないわね。驚いたけれど不思議と嫌な感じはしなかったし、これがゾルガーだと言われると妙に納得してしまったわ。
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