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第二部
久しぶりの…
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その日の交接は激しくなかったけれど長かった。激しいのは嫌ですと言ったからそこは守って下さったけれど、じっくりと抱かれるのもそれはそれで大変だった。体力的にもそうだけど羞恥心的に。前後不覚になった方がましなこともあるのだと知ったわ。途中で意識が途絶えたのはいつも通りだったけれど。
目が覚めた時、何だか暑くて窮屈に感じた。首も痛いわ。何事かとゆるゆると浮上する意識が明瞭になったのはあり得ない状況だったから。
「ヴォ、ル……?」
目の前にヴォルフ様がいらっしゃる? 暗くてお顔がはっきり見えないけれど肌の感触も匂いもそれだとわかる。初夜以来じゃないかしら? 目が覚めてもヴォルフ様がいらっしゃるのは……
「……目が覚めたか?」
いつも以上にかすれた声が頭の上から聞こえた。暑いのも窮屈なのもヴォルフ様に抱きしめられていたからだった。エルマ様はいつもそうだと言っていたから羨ましいなと思っていたけれど、それが私に起きるなんて……
「……は、はい」
私の声も掠れていた。殆ど音ではなく空気が漏れる音なくらいに。昨夜はどれだけ……と思い出してしまったら身体に力が入ってしまったわ。恥ずかしい……でも、凄く満たされている。暗くてよかったわ。だって、今の私はきっと真っ赤になっているし、顔もだらしなく緩んでいるもの。こんな変な顔は見せられないわ。
動く気配がないから改めてヴォルフ様の胸に頬を預けた。滑らかな肌の感触と心臓の鼓動が伝わってくる。こんなことするの初めてだわ。これがあの事後の睦言なのねと感動する。その時間が一番幸せだとどこかの夫人が言っていたけれど、確かにその通りだわ。凄く満たされた気持ちになるもの。嬉しさを噛みしめながら頬ずりをする。しっかり鍛えられている身体は滑らかで私と違う固さがある。筋肉を感じるわ。本当に鍛えていらっしゃるのね
「……誘っているのか?」
「へ?」
急にそんなことを言われたけれど、何か変なことをしたかしら? もしかして他人に身体を触れられるのはお嫌だった?
「ご、ごめんなさい。つい嬉しくて……」
「嬉しい?」
「はい。こうして目覚めた時に、ヴォルフ様がいて下さったから。いつも一人だったので……」
それがちょっと寂しかったわ。ヴォルフ様はお忙しいとわかっていたし、起きれない自分の体力のなさのせいだから我慢していたけれど。ヴォルフ様が動く気配がした。もう起きるのかしらと寂しさを感じていたら、ふいに唇を奪われて、何かが流れ込んできた。水?
「まだいるか?」
言われた言葉の意味が直ぐには解らなかったわ。まだって水のこと? 口移しで? そんなことを、ヴォルフ様が……?
「要らないなら……」
「ほ、欲しい、です」
恥ずかしいけれど、こんな、こんな機会はもう二度とないかもしれない。そう思ったら恥も外聞もなくねだっていたわ。夢みたいだわ、まるで物語の恋人同士のよう……そんな感慨に浸っていたら再び唇が下りて来て水を貰った。喉が渇いていたから嬉しい。喉以外も潤っていくのを全身で感じた。
「もういいか?」
「はい。ありがとうございます」
何度か繰り返して貰って気が済んだわ。喉も心も喜びでいっぱいになってとっても素敵な時間だった。もう起きなければと思って身体を起こそうとしたらそのまま肩の辺りを押されてベッドに戻されてしまった。次の瞬間、大きな身体が迫って来るのを感じた。
「あ、あの、ヴォルフ様? そろそろ起きないと……」
「気にしなくていい」
「え? あ、あの? ちょ……ヴォ……!」
初めての展開に戸惑っている間に何回戦目かが始まってしまった。どうして? 昨夜あんなにしたのに? 私の体力はもう底を尽きそうなんですけれど……そう思うのだけど拒否出来なかった。離れている間、ずっと寂しかったから……
あれからまたしっかりと貪られて、結局眠ってしまった。目が覚めた時にはさすがにヴォルフ様はいなかったけれど、今度は寂しさよりも安堵の方が勝ったわ。どうしてヴォルフ様がその気になったのかはわからないけれど、体力や仕事への影響、何よりも周囲への羞恥心を考えると事後の睦言は危険ね。激しくはなかったけれど体力の消耗はあまり変わらない気がする。いえ、どちらかというとこっちの方が大変かも……
湯あみをして身支度を整え終えたのはお昼を過ぎた頃だった。昨日寝室に連れ込まれたのは夕方になったかどうかの頃合いだったのに……あの部屋は真っ暗過ぎて時間の感覚がないのが困る。久しぶりに帰ってきたのだから家政のことなどは朝一番に確かめたかったのに……
「ヴォルフ様は?」
「先ほど王宮に向かわれました」
「そ、そう……」
やって来たティオに尋ねるとそう返事が返ってきたけれど……殿下に連れて帰ったと報告されるのかしら?
「奥様、身体はいかがですか? お辛いようなら今日はゆっくり……」
「い、いいの! 大丈夫だから! それよりもいなかった間のことを教えて」
ティオ、そんな気遣いはいらないわ。恥ずかしい過ぎるわ。でもみんな知っているのよね。居たたまれないからこそ出来る限りやるべきことはちゃんとやりたいのよ。
「それでは……こちらがご不在だった間の報告書です」
「ありがとう」
受け取った書類にはこれまでにあったことが簡単に記されていた。特に問題はなかったみたいね。もっともこの家の使用人は優秀だから私がいなくても勝手に回るのだけど。
「それから、リット家の娘は本邸への出入りを禁止しました」
私の不在の間にヴォルフ様が片付けて下さったのね。私が話をすると言ったらこれは俺の仕事だと仰るからお任せしたのだけど。
「そう……納得してくれたのかしら?」
「本人の納得はこの際問題ではありません。二度と奥様には近づけませんのでご安心ください」
「ありがとう」
だったらいいのかしら? 分家筆頭のリット家のご令嬢は今年学園を卒業し、その後はこの屋敷の本邸に仕えたいと希望していた。長年ヴォルフ様に憧れていたと、私の代わりにヴォルフ様のお子を産むと宣言した彼女。ヴォルフ様はゾルガー家の血を引いていないから、ゾルガー家としては彼女が後継を産むのが正しい道。
だけどヴォルフ様はそれを良しとしなかった。私たちの子か孫に余計なしがらみを残すとわかっていても、少なくともあと三年は第二夫人のことは考えないと仰って、その令嬢を遠ざけてくれた。
「ごめんなさいね、ティオ。ゾルガー家にとってはよくないとわかっているのだけど……」
ゾルガー家に申し訳ないと思うけれど、まだ家のために割り切れなかった。元々今の血筋も初代のゾルガーのものではない。二代目もそうだし、その後も何度か血の繋がりではなく強さで選ばれた当主がいる。今回もそれで押し切ればいいとヴォルフ様は仰る。それで済むのなら、そうして欲しいと願ってしまう。
「奥様が気に病むことではございません。それを決めたのは大旦那様であり陛下です。いずれはリット家の血を必要としましょうが、今のゾルガーは十分に結束しております」
だったらいいのだけど。使用人の殆どがヴォルフ様の強さや有無を言わせない威厳に心酔し、影のまとめ役のヴィムが全面的にヴォルフ様を支持しているという。そうなれば分家は何も言えない。この状態を守る為にも早くお子がほしい。ヴォルフ様のように強くて優しいお子が。
「奥様、お留守の間に夜会のドレスが届いています。一度お確かめを」
「そうね。卒業の夜会はもう直ぐだったわね」
我が国の三大行事とも言える卒業生を祝う夜会。私が卒業してから二度目になるわね。早速ドレスが置かれている控室に向かった。今回は卒業生が主役だからいつもよりも控えめで落ち着いた物を頼んだのよね。
「まぁ、今回も素敵ね。さすがはアードラー夫人だわ」
王都でも一、二を争うデザイナーの彼女は毎回想像以上のドレスを作ってくれるわ。今回は薄緑に濃緑と金を差し色にしたもので、スカートの広がりは抑えてあるけれど、いつもの艶めかしい身体のラインに沿ったものではなかった。あれは若い方が多く出席する夜会では刺激が強すぎるものね。もっとも、そんな夜会で卒業生なのに艶めかしいドレスを着たのは私なのだけど。すっかり語り草になっているあのドレスも、今となってはいい思い出だわ。
その翌日、リーゼ様が無事に女児を生んだとの知らせが届いた。悪阻は酷かったけれどお産は軽くて済み、母子ともに無事だとも。一緒に卒業した令嬢の一人がお産で亡くなったと聞いたばかりだった私は深い安堵を感じながらお祝いの手紙と品を送った。
目が覚めた時、何だか暑くて窮屈に感じた。首も痛いわ。何事かとゆるゆると浮上する意識が明瞭になったのはあり得ない状況だったから。
「ヴォ、ル……?」
目の前にヴォルフ様がいらっしゃる? 暗くてお顔がはっきり見えないけれど肌の感触も匂いもそれだとわかる。初夜以来じゃないかしら? 目が覚めてもヴォルフ様がいらっしゃるのは……
「……目が覚めたか?」
いつも以上にかすれた声が頭の上から聞こえた。暑いのも窮屈なのもヴォルフ様に抱きしめられていたからだった。エルマ様はいつもそうだと言っていたから羨ましいなと思っていたけれど、それが私に起きるなんて……
「……は、はい」
私の声も掠れていた。殆ど音ではなく空気が漏れる音なくらいに。昨夜はどれだけ……と思い出してしまったら身体に力が入ってしまったわ。恥ずかしい……でも、凄く満たされている。暗くてよかったわ。だって、今の私はきっと真っ赤になっているし、顔もだらしなく緩んでいるもの。こんな変な顔は見せられないわ。
動く気配がないから改めてヴォルフ様の胸に頬を預けた。滑らかな肌の感触と心臓の鼓動が伝わってくる。こんなことするの初めてだわ。これがあの事後の睦言なのねと感動する。その時間が一番幸せだとどこかの夫人が言っていたけれど、確かにその通りだわ。凄く満たされた気持ちになるもの。嬉しさを噛みしめながら頬ずりをする。しっかり鍛えられている身体は滑らかで私と違う固さがある。筋肉を感じるわ。本当に鍛えていらっしゃるのね
「……誘っているのか?」
「へ?」
急にそんなことを言われたけれど、何か変なことをしたかしら? もしかして他人に身体を触れられるのはお嫌だった?
「ご、ごめんなさい。つい嬉しくて……」
「嬉しい?」
「はい。こうして目覚めた時に、ヴォルフ様がいて下さったから。いつも一人だったので……」
それがちょっと寂しかったわ。ヴォルフ様はお忙しいとわかっていたし、起きれない自分の体力のなさのせいだから我慢していたけれど。ヴォルフ様が動く気配がした。もう起きるのかしらと寂しさを感じていたら、ふいに唇を奪われて、何かが流れ込んできた。水?
「まだいるか?」
言われた言葉の意味が直ぐには解らなかったわ。まだって水のこと? 口移しで? そんなことを、ヴォルフ様が……?
「要らないなら……」
「ほ、欲しい、です」
恥ずかしいけれど、こんな、こんな機会はもう二度とないかもしれない。そう思ったら恥も外聞もなくねだっていたわ。夢みたいだわ、まるで物語の恋人同士のよう……そんな感慨に浸っていたら再び唇が下りて来て水を貰った。喉が渇いていたから嬉しい。喉以外も潤っていくのを全身で感じた。
「もういいか?」
「はい。ありがとうございます」
何度か繰り返して貰って気が済んだわ。喉も心も喜びでいっぱいになってとっても素敵な時間だった。もう起きなければと思って身体を起こそうとしたらそのまま肩の辺りを押されてベッドに戻されてしまった。次の瞬間、大きな身体が迫って来るのを感じた。
「あ、あの、ヴォルフ様? そろそろ起きないと……」
「気にしなくていい」
「え? あ、あの? ちょ……ヴォ……!」
初めての展開に戸惑っている間に何回戦目かが始まってしまった。どうして? 昨夜あんなにしたのに? 私の体力はもう底を尽きそうなんですけれど……そう思うのだけど拒否出来なかった。離れている間、ずっと寂しかったから……
あれからまたしっかりと貪られて、結局眠ってしまった。目が覚めた時にはさすがにヴォルフ様はいなかったけれど、今度は寂しさよりも安堵の方が勝ったわ。どうしてヴォルフ様がその気になったのかはわからないけれど、体力や仕事への影響、何よりも周囲への羞恥心を考えると事後の睦言は危険ね。激しくはなかったけれど体力の消耗はあまり変わらない気がする。いえ、どちらかというとこっちの方が大変かも……
湯あみをして身支度を整え終えたのはお昼を過ぎた頃だった。昨日寝室に連れ込まれたのは夕方になったかどうかの頃合いだったのに……あの部屋は真っ暗過ぎて時間の感覚がないのが困る。久しぶりに帰ってきたのだから家政のことなどは朝一番に確かめたかったのに……
「ヴォルフ様は?」
「先ほど王宮に向かわれました」
「そ、そう……」
やって来たティオに尋ねるとそう返事が返ってきたけれど……殿下に連れて帰ったと報告されるのかしら?
「奥様、身体はいかがですか? お辛いようなら今日はゆっくり……」
「い、いいの! 大丈夫だから! それよりもいなかった間のことを教えて」
ティオ、そんな気遣いはいらないわ。恥ずかしい過ぎるわ。でもみんな知っているのよね。居たたまれないからこそ出来る限りやるべきことはちゃんとやりたいのよ。
「それでは……こちらがご不在だった間の報告書です」
「ありがとう」
受け取った書類にはこれまでにあったことが簡単に記されていた。特に問題はなかったみたいね。もっともこの家の使用人は優秀だから私がいなくても勝手に回るのだけど。
「それから、リット家の娘は本邸への出入りを禁止しました」
私の不在の間にヴォルフ様が片付けて下さったのね。私が話をすると言ったらこれは俺の仕事だと仰るからお任せしたのだけど。
「そう……納得してくれたのかしら?」
「本人の納得はこの際問題ではありません。二度と奥様には近づけませんのでご安心ください」
「ありがとう」
だったらいいのかしら? 分家筆頭のリット家のご令嬢は今年学園を卒業し、その後はこの屋敷の本邸に仕えたいと希望していた。長年ヴォルフ様に憧れていたと、私の代わりにヴォルフ様のお子を産むと宣言した彼女。ヴォルフ様はゾルガー家の血を引いていないから、ゾルガー家としては彼女が後継を産むのが正しい道。
だけどヴォルフ様はそれを良しとしなかった。私たちの子か孫に余計なしがらみを残すとわかっていても、少なくともあと三年は第二夫人のことは考えないと仰って、その令嬢を遠ざけてくれた。
「ごめんなさいね、ティオ。ゾルガー家にとってはよくないとわかっているのだけど……」
ゾルガー家に申し訳ないと思うけれど、まだ家のために割り切れなかった。元々今の血筋も初代のゾルガーのものではない。二代目もそうだし、その後も何度か血の繋がりではなく強さで選ばれた当主がいる。今回もそれで押し切ればいいとヴォルフ様は仰る。それで済むのなら、そうして欲しいと願ってしまう。
「奥様が気に病むことではございません。それを決めたのは大旦那様であり陛下です。いずれはリット家の血を必要としましょうが、今のゾルガーは十分に結束しております」
だったらいいのだけど。使用人の殆どがヴォルフ様の強さや有無を言わせない威厳に心酔し、影のまとめ役のヴィムが全面的にヴォルフ様を支持しているという。そうなれば分家は何も言えない。この状態を守る為にも早くお子がほしい。ヴォルフ様のように強くて優しいお子が。
「奥様、お留守の間に夜会のドレスが届いています。一度お確かめを」
「そうね。卒業の夜会はもう直ぐだったわね」
我が国の三大行事とも言える卒業生を祝う夜会。私が卒業してから二度目になるわね。早速ドレスが置かれている控室に向かった。今回は卒業生が主役だからいつもよりも控えめで落ち着いた物を頼んだのよね。
「まぁ、今回も素敵ね。さすがはアードラー夫人だわ」
王都でも一、二を争うデザイナーの彼女は毎回想像以上のドレスを作ってくれるわ。今回は薄緑に濃緑と金を差し色にしたもので、スカートの広がりは抑えてあるけれど、いつもの艶めかしい身体のラインに沿ったものではなかった。あれは若い方が多く出席する夜会では刺激が強すぎるものね。もっとも、そんな夜会で卒業生なのに艶めかしいドレスを着たのは私なのだけど。すっかり語り草になっているあのドレスも、今となってはいい思い出だわ。
その翌日、リーゼ様が無事に女児を生んだとの知らせが届いた。悪阻は酷かったけれどお産は軽くて済み、母子ともに無事だとも。一緒に卒業した令嬢の一人がお産で亡くなったと聞いたばかりだった私は深い安堵を感じながらお祝いの手紙と品を送った。
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