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第二部
外れた箍
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あの後もヴィムの失礼な態度は変わらなかったけれど、最後はティオに連れていかれた。頑張れという言葉を残して。余計なお世話だし随分無神経な方だわ。あんな人が影のまとめ役だなんて……それよりも……
「ヴォルフ様、どういうことですか?」
「どうとは?」
「心の傷のことです。どうして教えて下さらなかったのですか? 私もティオも本気で心配していたのに」
心配して気を揉んだ時間は何だったのか。ティオにまで黙っていたなんて。ゾルガー家は秘密主義だけど、私だってこの家の一員なのだから教えてくれてもいいでしょうに。いつも説明が足りないわ。
「すまなかった」
「理由をお尋ねしています」
謝罪よりも理由を知りたい。だって本当に心配したのだから。
「影になった時から、影に関わることも自分のことも一切話すなと言われていた。些細なことでも敵に知られれば足元をすくわれると。俺は本物のヴォルフではないし、公表出来ないことも多い。言わないのが当たり前だった」
そう言われてしまうと何も言えなかった。十二の時からそう言われ続けてきたのならそれが身に染みているのかもしれない。騎士見習いから影になった過去を知られるわけにはいかないわよね。それくらいは私でもわかる。筆頭侯爵が暗殺なども担う影だったなんて知られたらどれほどの騒ぎになるか見当もつかないし。
「それに……」
「それに?」
「……お前が、俺のことを気にしているのを見るのは……悪い気がしなかった」
思わず身を捩って見上げてしまったわ。それって……じっと見つめられて恥ずかしくなったけれど目が逸らせなかった。陽の下では鮮やかな緑の瞳も今は黒にしか見えない。左の頬が温かくて硬いもので包まれ、そのまま顔が近づいて来る。
「……まだ、お昼です……」
「わかっている」
吐息が届くほど近付いた唇を見つめながら抵抗を試みたけれど呆気なく突破されてしまった。口づけを受けながら自分が置かれた状況を思い出す。ベッドの端に腰かけるヴォルフ様の足の間で、太い腕が私の身体に絡みついている。否が応でもこの先の流れがわかってしまう。これから昼食とフレディ様たちを交えての報告会を予定している。行かなかったら何と思われるか……そう思うのだけどヴォルフ様の舌に力が抜けていく……
「イルーゼ」
名を呼ばれて心臓が跳ねた。ただ名を呼ばれただけなのに動揺している。抱きしめる腕の力が増し、首筋に唇が這う感覚に心臓が内側から胸を叩く。初めてじゃないのに、昨夜もしたのに、どうしてこんなにドキドキしているのかしら……求められていると感じて身体の内側から痺れるような喜びが広がっていった。最愛の人に望まれている。その充足感が心を満たしていく。ずっと選ばれなかった私が、姉に奪われて悲しくて悔しくて心の奥底に逃げ込んでいた小さな私が慰められていく。
「……ヴォルフ様」
その名を呼ぶだけで何だか泣きそうになった。父を見て執着は醜く恐ろしいものだと思っていたけれど……ヴォルフ様から向けられるのなら少しも嫌じゃない。むしろ嬉しい……目を閉じて身体の力を抜くと唇を重ねたまま身体の向きを変えられた。向かい合って両手を首に回して与えられるものを受けいれる。いつもと同じはずなのに、今日は胸の奥が酷く温かく感じる。
ゆっくりと、壊れ物を扱うようにベッドへと倒された。その間も途切れることのないくちづけが気持ちいい。窓がなく燭台の灯りしかない部屋は今が昼間だということを忘れさせてくれて、あったはずのためらいはもうどこにもなかった。大きな手が確かめるかのように身体の至るところに触れていく。
「ヴォルフ様……好きです」
今まで口にするのを避けていた言葉が無意識に零れてしまったけれど返事はない。その事実に心がきゅっと締め付けられる。
「大好きです」
「お慕いしています」
「愛しています」
箍が外れた様に今まで抑えていた言葉が止まらなかった。与えられる熱に一層心が震えた。
「ずっと……お側に……」
「ああ」
返って来たのはそれだけだったけれど、込み上げてくる歓喜に心が染まった。好意を言葉にして伝えたのは数えるほどしかなかったけれど、その度に愛せないと、期待するなと必ず言われてきた。それでもいいとお側にいることを望んだのは私だけど、心が痛まなかったわけじゃない。
でも……今日は初めて拒絶されなかった。それどころか口にするたびに口づけが落ちてきた。それにずっと側にいてもいいと、いて下さるとも。それが嬉し過ぎて泣いてしまいそう……何度も名を呼んでお慕いしていると、愛していると繰り返してしまった。返事がなくても何度も何度も求められればそれが答えだと伝わってくる。
どれくらいの時間が経ったのか、意識は曖昧になって時間の感覚もどこかに行ってしまった。愛する人に求められて幸せが髪や爪の先まで満ちていくのを感じた。このまま溶け合ってしまいたい……薄れていく意識のなかで私は今までに感じたことのない幸せをかみしめていた。
「…………と申し上げ……に。……は……よりも体力……して……ないと」
どこからか聞き慣れた声が諫める声が聞こえてきた。頭がぼうっとして動かない。声を出そうにも喉がからからで音にならなかった。水を求めて身体を起こそうとしたけれど、あちこちが痛いし力が入らない……どうしてこうなっているのかしら?
「イルーゼ様? お気づきになられましたか?」
薄暗い室内で私を呼んだ声の方に目を向けると、たらいを手にしたロッテがいた。もう朝なの? この暗い部屋はいつもの寝室。さっきの声の主はティオかしら? 何を怒っているの……
「ロ……テ……」
「ああ、声をお出しにならないで下さい。先ずはお水を」
ロッテがコップを水で満たした。それだけで喉が鳴って渇きが限界を超えていたのを感じた。早く飲みたくて起きようと思うのに身体が重くて痛くて思うように動かない。見かねたロッテが身体を支えてくれて何とか水に辿り着いた。砂漠で迷った旅人はこんな気分だったのかしらと、最近読んだ旅行記を思い出した。
「ありがと、ロッテ」
「いえ、まだ無理に話さないで下さい。全く旦那様ったら……」
ロッテの怒りの先はヴォルフ様だった。何をなさったのかと考えて、直ぐにその理由に思い至った。身体中が痛い理由も。そう言えば、あれから……羞恥に全身が火照った気がした。
「ああ、横になっていてくださいね。今お医者様を呼んできますから」
「医者? って……大丈夫よ。あちこち痛いけれど」
前にもこんなことがあったわ。体力差があるからどうしても私の方が負けてしまうのよね。鍛錬を続けているけれどその差は簡単には埋まらない。
「大丈夫じゃありません! イルーゼ様は熱を出して二日も寝込んでいたのですよ!」
「は? 二日……も?」
「そうです!! それもこれも旦那様が……! ただでさえイルーゼ様はお疲れだったというのに!」
怒ったままロッテは出て行ってしまった。あの勢いではヴォルフ様に喧嘩を売りそうで心配だわ……彼女の剣幕から大体の事情は察した。致し過ぎて過労で熱が出てしまったと。このことは屋敷中が……フレディ様もご存じってことよね? は、恥ずかしすぎる……
「すまなかった」
その後ヴォルフ様が現れて開口一番に謝られてしまった。その横ではティオが厳しい視線を主に向けている。気のせいかしら? この状況、前にもあったような……でも、心は前よりもずっと満たされていた。その後医者に診て貰って、過労の末の発熱と診断された。
「お二人ともまだお若いとはいえ程々になさいませ。お疲れの時に食事もせずになど自殺行為です。不名誉な最期を迎えたくはないでしょう?」
生温かく感じる笑顔のオーベル医師にとんでもないことを言われてしまった。不名誉な最期って……そんなことがあるの? さすがにそれは遠慮したいわ。ヴォルフ様は善処すると仰っていたけれど……これって私が止めるしかないわよね。さすがにティオやロッテに頼めないもの。
結局、それから二日間は自室のベッドで過ごす羽目になった。ヴォルフ様の寝室は危険だとティオが主張し、ロッテとザーラもその案を強く推したから。理由が理由なだけに反論出来なかったわ。そんな私の羞恥心を更に刺激したのは部屋の明るさだった。身体の至る所に赤い跡が散っていた。誰が何をしたかは言うまでもないけれど、こんなことならヴォルフ様の寝室の方が目立たなくてよかった。
「ヴォルフ様、どういうことですか?」
「どうとは?」
「心の傷のことです。どうして教えて下さらなかったのですか? 私もティオも本気で心配していたのに」
心配して気を揉んだ時間は何だったのか。ティオにまで黙っていたなんて。ゾルガー家は秘密主義だけど、私だってこの家の一員なのだから教えてくれてもいいでしょうに。いつも説明が足りないわ。
「すまなかった」
「理由をお尋ねしています」
謝罪よりも理由を知りたい。だって本当に心配したのだから。
「影になった時から、影に関わることも自分のことも一切話すなと言われていた。些細なことでも敵に知られれば足元をすくわれると。俺は本物のヴォルフではないし、公表出来ないことも多い。言わないのが当たり前だった」
そう言われてしまうと何も言えなかった。十二の時からそう言われ続けてきたのならそれが身に染みているのかもしれない。騎士見習いから影になった過去を知られるわけにはいかないわよね。それくらいは私でもわかる。筆頭侯爵が暗殺なども担う影だったなんて知られたらどれほどの騒ぎになるか見当もつかないし。
「それに……」
「それに?」
「……お前が、俺のことを気にしているのを見るのは……悪い気がしなかった」
思わず身を捩って見上げてしまったわ。それって……じっと見つめられて恥ずかしくなったけれど目が逸らせなかった。陽の下では鮮やかな緑の瞳も今は黒にしか見えない。左の頬が温かくて硬いもので包まれ、そのまま顔が近づいて来る。
「……まだ、お昼です……」
「わかっている」
吐息が届くほど近付いた唇を見つめながら抵抗を試みたけれど呆気なく突破されてしまった。口づけを受けながら自分が置かれた状況を思い出す。ベッドの端に腰かけるヴォルフ様の足の間で、太い腕が私の身体に絡みついている。否が応でもこの先の流れがわかってしまう。これから昼食とフレディ様たちを交えての報告会を予定している。行かなかったら何と思われるか……そう思うのだけどヴォルフ様の舌に力が抜けていく……
「イルーゼ」
名を呼ばれて心臓が跳ねた。ただ名を呼ばれただけなのに動揺している。抱きしめる腕の力が増し、首筋に唇が這う感覚に心臓が内側から胸を叩く。初めてじゃないのに、昨夜もしたのに、どうしてこんなにドキドキしているのかしら……求められていると感じて身体の内側から痺れるような喜びが広がっていった。最愛の人に望まれている。その充足感が心を満たしていく。ずっと選ばれなかった私が、姉に奪われて悲しくて悔しくて心の奥底に逃げ込んでいた小さな私が慰められていく。
「……ヴォルフ様」
その名を呼ぶだけで何だか泣きそうになった。父を見て執着は醜く恐ろしいものだと思っていたけれど……ヴォルフ様から向けられるのなら少しも嫌じゃない。むしろ嬉しい……目を閉じて身体の力を抜くと唇を重ねたまま身体の向きを変えられた。向かい合って両手を首に回して与えられるものを受けいれる。いつもと同じはずなのに、今日は胸の奥が酷く温かく感じる。
ゆっくりと、壊れ物を扱うようにベッドへと倒された。その間も途切れることのないくちづけが気持ちいい。窓がなく燭台の灯りしかない部屋は今が昼間だということを忘れさせてくれて、あったはずのためらいはもうどこにもなかった。大きな手が確かめるかのように身体の至るところに触れていく。
「ヴォルフ様……好きです」
今まで口にするのを避けていた言葉が無意識に零れてしまったけれど返事はない。その事実に心がきゅっと締め付けられる。
「大好きです」
「お慕いしています」
「愛しています」
箍が外れた様に今まで抑えていた言葉が止まらなかった。与えられる熱に一層心が震えた。
「ずっと……お側に……」
「ああ」
返って来たのはそれだけだったけれど、込み上げてくる歓喜に心が染まった。好意を言葉にして伝えたのは数えるほどしかなかったけれど、その度に愛せないと、期待するなと必ず言われてきた。それでもいいとお側にいることを望んだのは私だけど、心が痛まなかったわけじゃない。
でも……今日は初めて拒絶されなかった。それどころか口にするたびに口づけが落ちてきた。それにずっと側にいてもいいと、いて下さるとも。それが嬉し過ぎて泣いてしまいそう……何度も名を呼んでお慕いしていると、愛していると繰り返してしまった。返事がなくても何度も何度も求められればそれが答えだと伝わってくる。
どれくらいの時間が経ったのか、意識は曖昧になって時間の感覚もどこかに行ってしまった。愛する人に求められて幸せが髪や爪の先まで満ちていくのを感じた。このまま溶け合ってしまいたい……薄れていく意識のなかで私は今までに感じたことのない幸せをかみしめていた。
「…………と申し上げ……に。……は……よりも体力……して……ないと」
どこからか聞き慣れた声が諫める声が聞こえてきた。頭がぼうっとして動かない。声を出そうにも喉がからからで音にならなかった。水を求めて身体を起こそうとしたけれど、あちこちが痛いし力が入らない……どうしてこうなっているのかしら?
「イルーゼ様? お気づきになられましたか?」
薄暗い室内で私を呼んだ声の方に目を向けると、たらいを手にしたロッテがいた。もう朝なの? この暗い部屋はいつもの寝室。さっきの声の主はティオかしら? 何を怒っているの……
「ロ……テ……」
「ああ、声をお出しにならないで下さい。先ずはお水を」
ロッテがコップを水で満たした。それだけで喉が鳴って渇きが限界を超えていたのを感じた。早く飲みたくて起きようと思うのに身体が重くて痛くて思うように動かない。見かねたロッテが身体を支えてくれて何とか水に辿り着いた。砂漠で迷った旅人はこんな気分だったのかしらと、最近読んだ旅行記を思い出した。
「ありがと、ロッテ」
「いえ、まだ無理に話さないで下さい。全く旦那様ったら……」
ロッテの怒りの先はヴォルフ様だった。何をなさったのかと考えて、直ぐにその理由に思い至った。身体中が痛い理由も。そう言えば、あれから……羞恥に全身が火照った気がした。
「ああ、横になっていてくださいね。今お医者様を呼んできますから」
「医者? って……大丈夫よ。あちこち痛いけれど」
前にもこんなことがあったわ。体力差があるからどうしても私の方が負けてしまうのよね。鍛錬を続けているけれどその差は簡単には埋まらない。
「大丈夫じゃありません! イルーゼ様は熱を出して二日も寝込んでいたのですよ!」
「は? 二日……も?」
「そうです!! それもこれも旦那様が……! ただでさえイルーゼ様はお疲れだったというのに!」
怒ったままロッテは出て行ってしまった。あの勢いではヴォルフ様に喧嘩を売りそうで心配だわ……彼女の剣幕から大体の事情は察した。致し過ぎて過労で熱が出てしまったと。このことは屋敷中が……フレディ様もご存じってことよね? は、恥ずかしすぎる……
「すまなかった」
その後ヴォルフ様が現れて開口一番に謝られてしまった。その横ではティオが厳しい視線を主に向けている。気のせいかしら? この状況、前にもあったような……でも、心は前よりもずっと満たされていた。その後医者に診て貰って、過労の末の発熱と診断された。
「お二人ともまだお若いとはいえ程々になさいませ。お疲れの時に食事もせずになど自殺行為です。不名誉な最期を迎えたくはないでしょう?」
生温かく感じる笑顔のオーベル医師にとんでもないことを言われてしまった。不名誉な最期って……そんなことがあるの? さすがにそれは遠慮したいわ。ヴォルフ様は善処すると仰っていたけれど……これって私が止めるしかないわよね。さすがにティオやロッテに頼めないもの。
結局、それから二日間は自室のベッドで過ごす羽目になった。ヴォルフ様の寝室は危険だとティオが主張し、ロッテとザーラもその案を強く推したから。理由が理由なだけに反論出来なかったわ。そんな私の羞恥心を更に刺激したのは部屋の明るさだった。身体の至る所に赤い跡が散っていた。誰が何をしたかは言うまでもないけれど、こんなことならヴォルフ様の寝室の方が目立たなくてよかった。
4,253
読んで下さってありがとうございます。
感想・お気に入り登録・エールも励みになります。
また誤字脱字を報告して下さる皆様に感謝申し上げます。
新たに「黒茨の魔女と金眼の下僕」の連載も始めました。
こちらもよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/687112907/698925653
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