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第二部
閑話:家令と影◆
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旦那様が奥様を抱き上げて寝室へと消えてしまわれた。これから昼食、その後は今回の騒動の報告が待っていたものを。フレディ様も心配していらっしゃるのに困ったお方だ。昨夜は旦那様が奥様を離さないとわかっていたから今日の午後にと予定を組んでいたのに無駄になってしまった。
早々にフレディ様にその旨をお伝いせねばならない。だが……初心なフレディ様に真実をお伝えするのは少々気が引ける。奥様だけならお疲れだと言えば済むが旦那様もとなると……多感なお年頃、しかも繊細なフレディ様にあのお二人は刺激が強すぎるかもしれない。穏やかにお過ごしいただくにはやはり領地に行かれた方がよろしいかもしれない。だがその前に……
「ヴィム殿、暗示とは? どういうことでございましょう」
その件に関しては初耳だった。大旦那様も旦那様もそんなことは一言も仰っていなかった。私にも隠すことがおありだったとは……この屋敷の使用人を統べる者としての矜持が揺らぐ。頭を振って湧き出た不満を振り払う。影のことは口出し無用と大旦那様に言われていた。これは私がどうこう出来る領域ではない。弁えなければ。
「あ~まぁ、そういうものがあるんだよ。極秘中の極秘だ。誰にも言うなよ。ついでにあの跳ねっ返りにも後でしっかり言い聞かせておいてくれ」
奥様を跳ねっ返りだなどと……随分と言い得て妙……いや、使用人として有るまじき不敬。でも奥様はあれでいいと思う。旦那様のお相手をするならあれくらいの行動力や物怖じのなさがなければ潰れてしまう。
「わかりました。奥様には後日お伝えしましょう」
「そうしてくれ」
「それで、旦那様にも暗示を?」
「まぁな。歴代の当主と影が試行錯誤の末に作り出したものだ。筆頭として最善の判断を下すには情が邪魔になる。情が厚くて苦しんだ当主も少なくないんだと。心を守る為に暗示をかけて感情を抑えてきたんだ」
「その様なことがありましたか」
確かに一理ある。ゾルガーの当主全員が強いわけではない。心優しい方なら自身の決断に苦しむことは容易に想像出来る。心を守る為にはその様な防衛手段も必要かもしれない。国を背負うのだ。その重圧は一使用人の自分には計り知れない。
「旦那様は実際のところどうなっていらっしゃるのです?」
気になるのは今お仕えしている旦那様。後継がいらっしゃらない今、まだまだご健勝でいて下さらなければ困る。
「俺も昔のことは知らないんだよなぁ。ヴォルフを育てたのは俺じゃないからな」
「左様でしたね」
旦那様が影になった当時の責任者はヴィム殿ではなかっただろう。お二人の年はそれほど離れていない。
「ヴォルフももう二十年近く暗示をかけているからな。本来の性格がわからんだけに何とも言えん。奴の過去を知る者もいないし。だが心の傷とやらはもう関係ないだろう。暗示も傷が深ければ意味がねぇ。大したことはなかったんだろう」
「それでは、特に問題はないと?」
だったら私の懸念は何だったのか。杞憂で終わったのは喜ばしいことではあるが。
「どうなんだろうな。あるともないとも言えん。だが、あの様子なら問題はないだろう。問題があるとすればあの跳ねっ返りだろうな」
眉をしかめてお二人が消えた扉を見ていた。奥様の仰ったことを認めながらも懸念は残ると考えるか。確かに奥様の行動は予測不可なところが多い。普通の貴族令嬢の枠を外れていらっしゃる。でも、奥様にあんな風に言われたら旦那様は何としてでも生き永らえようとなさるだろう。昔からご自身の命にも興味がなさそうだった。奥様が生きる理由になったのなら喜ばしいことだ。
「ま、ヴォルフも遅まきながら初恋ってやつか? あいつには似合わん言葉だなぁ。面白そうだけど」
「悪趣味ですよ」
「わかってるって。でも、あのヴォルフだぞ? どんな顔で女を抱くんだか……」
「覗きはお控え下さい」
「え~ダメなのか?」
「ダメに決まっています。旦那様に殺されますよ? 第一寝室の天井には入れないでしょう」
「そうなんだよなぁ。わかってるって、睨むなよ」
全くヴィム殿は恥じらいがなくて困る。裏方の仕事を一手に引き受けているのであれば仕方がないのかもしれないが。それでも品位は忘れないで頂きたい。
「お二人を揶揄うのは程々に願いますよ」
特に旦那様は冗談が通じないお方だ。ヴィム殿はともかく旦那様は本気で戦うおつもりだったのだろう。
「そうは言うが面白いじゃないか。あの朴念仁が人間らしくなって」
「焚きつけ過ぎです。奥様もお気の毒に。まだお疲れが取れないのに今からあの旦那様のお相手とは……」
男というものは有事の後は興奮が冷めず発散先を求めるもの。昨夜は奥様を気遣って程々になさっていたのにこうなると歯止めが……奥様にはお気の毒ではあるがあのようなことを仰っては旦那様を煽るだけ。無自覚ながら旦那様を翻弄する術をお持ちとは意外だった。何だかんだ言ってお似合いのお二人でいらっしゃる。ああ、ルーザー殿を呼んでおかねば。いや、オービン殿はまだ領邸にお戻りではなかったか。
「ははっ! でも、そうでもしないとあいつは永遠に自覚しないだろうが」
「ヴィム殿……」
やはりわざとだったか。まぁ、確かに旦那様はご自身の感情に無頓着で奥様への好意にも気付かずにいらっしゃったが。それに、もしヴィム殿が奥様を本気で消す気だったらとっくに終わっている。その気になれば旦那様に気付かれないよう成すだろう。今回の騒動を利用して命を奪っていたかもしれない。それを感じて旦那様は王太子殿下に奥様を預けようとなさったのかもしれない。自覚されていなかったかもしれないが。
「それで、もう奥様を狙うことはなさいませんね?」
「……無理だな。思った以上に浸食されている。お前の言う通りあの跳ねっ返りを引き離したらヴォルフを制御出来なくなる」
「ようございました」
「そう思うか?」
「旦那様の表情が変わりました。以前よりも随分柔らかくおなりです」
「信じられねぇな。全く、あの跳ねっ返りのどこがよかったんだか。やっぱ身体か?」
「その様な発言は旦那様の前ではなさいませんように」
「言わねぇよ。俺も長生きしたいんでね」
意外なことを聞いた。生き急ぐように、刹那的な生き方をするヴィム殿がそんな風に言うとは。その後旦那様がお呼びになったとかで寝室に入っていってしまった。奥様が旦那様のことで気になることがおありだったらしい。扉の前で耳を澄ませる。旦那様の状態や暗示のことを聞かれていたが、最後は奥様をからかうような言動をして機嫌を損ねてしまっていた。少しやり過ぎではないだろうか。旦那様を取られて面白くないのかもしれないが。そろそろ回収した方がよさそうだ。
「さぁて、面白いもんも見たし、そろそろ戻るわ」
「左様ですか。お気をつけて」
「ああ、そうだ。ヴォルフの暗示だが、どうする?」
「どうするとは?」
私に尋ねられても決定権などないだろうに。
「いや~せっかくの初恋だろう? 少し情緒面の暗示を弱めるのもいいかと思って。ティオも気になるだろう?」
何ということを言い出すのか。いや、確かに気にはなるが。
「ヴィム殿、少々戯れが過ぎますぞ」
「そうは言うけどな、あのままじゃあの跳ねっ返りも寂しいだろう?」
「それは……」
確かに旦那様は奥様への愛情をお持ちとはいえ、それを表現することは殆どない。それではまだお若い奥様には少々気の毒かもしれないが……
「……まだお子がいらっしゃいません。第二夫人を迎える可能性も残っています。弱めるのは後継が産まれてからがよろしいかと」
旦那様が奥様への愛情を露わにして、それが当り前になってから第二夫人を迎えることになれば余計辛くなられるだろう。旦那様が拒絶する可能性もある。そうなってはお子を望むのは絶望的。それでは困る。お二人には申し訳ないが、ゾルガー家のためには選択肢の幅を残しておきたい。
「そうだな。それなら現状維持ってことで」
「よろしくお願いします」
足音も立てずにヴィム殿は姿を消した。さて、フレディ様に予定変更をお知らせせねば。昼食もだ。出来ることなら食後にして頂きたかった。奥様は昨夜から何も食べていないのだから。だが今から言っても旦那様は承知なさらないだろう。いつでも食べられる軽食を用意せねば。
早々にフレディ様にその旨をお伝いせねばならない。だが……初心なフレディ様に真実をお伝えするのは少々気が引ける。奥様だけならお疲れだと言えば済むが旦那様もとなると……多感なお年頃、しかも繊細なフレディ様にあのお二人は刺激が強すぎるかもしれない。穏やかにお過ごしいただくにはやはり領地に行かれた方がよろしいかもしれない。だがその前に……
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その件に関しては初耳だった。大旦那様も旦那様もそんなことは一言も仰っていなかった。私にも隠すことがおありだったとは……この屋敷の使用人を統べる者としての矜持が揺らぐ。頭を振って湧き出た不満を振り払う。影のことは口出し無用と大旦那様に言われていた。これは私がどうこう出来る領域ではない。弁えなければ。
「あ~まぁ、そういうものがあるんだよ。極秘中の極秘だ。誰にも言うなよ。ついでにあの跳ねっ返りにも後でしっかり言い聞かせておいてくれ」
奥様を跳ねっ返りだなどと……随分と言い得て妙……いや、使用人として有るまじき不敬。でも奥様はあれでいいと思う。旦那様のお相手をするならあれくらいの行動力や物怖じのなさがなければ潰れてしまう。
「わかりました。奥様には後日お伝えしましょう」
「そうしてくれ」
「それで、旦那様にも暗示を?」
「まぁな。歴代の当主と影が試行錯誤の末に作り出したものだ。筆頭として最善の判断を下すには情が邪魔になる。情が厚くて苦しんだ当主も少なくないんだと。心を守る為に暗示をかけて感情を抑えてきたんだ」
「その様なことがありましたか」
確かに一理ある。ゾルガーの当主全員が強いわけではない。心優しい方なら自身の決断に苦しむことは容易に想像出来る。心を守る為にはその様な防衛手段も必要かもしれない。国を背負うのだ。その重圧は一使用人の自分には計り知れない。
「旦那様は実際のところどうなっていらっしゃるのです?」
気になるのは今お仕えしている旦那様。後継がいらっしゃらない今、まだまだご健勝でいて下さらなければ困る。
「俺も昔のことは知らないんだよなぁ。ヴォルフを育てたのは俺じゃないからな」
「左様でしたね」
旦那様が影になった当時の責任者はヴィム殿ではなかっただろう。お二人の年はそれほど離れていない。
「ヴォルフももう二十年近く暗示をかけているからな。本来の性格がわからんだけに何とも言えん。奴の過去を知る者もいないし。だが心の傷とやらはもう関係ないだろう。暗示も傷が深ければ意味がねぇ。大したことはなかったんだろう」
「それでは、特に問題はないと?」
だったら私の懸念は何だったのか。杞憂で終わったのは喜ばしいことではあるが。
「どうなんだろうな。あるともないとも言えん。だが、あの様子なら問題はないだろう。問題があるとすればあの跳ねっ返りだろうな」
眉をしかめてお二人が消えた扉を見ていた。奥様の仰ったことを認めながらも懸念は残ると考えるか。確かに奥様の行動は予測不可なところが多い。普通の貴族令嬢の枠を外れていらっしゃる。でも、奥様にあんな風に言われたら旦那様は何としてでも生き永らえようとなさるだろう。昔からご自身の命にも興味がなさそうだった。奥様が生きる理由になったのなら喜ばしいことだ。
「ま、ヴォルフも遅まきながら初恋ってやつか? あいつには似合わん言葉だなぁ。面白そうだけど」
「悪趣味ですよ」
「わかってるって。でも、あのヴォルフだぞ? どんな顔で女を抱くんだか……」
「覗きはお控え下さい」
「え~ダメなのか?」
「ダメに決まっています。旦那様に殺されますよ? 第一寝室の天井には入れないでしょう」
「そうなんだよなぁ。わかってるって、睨むなよ」
全くヴィム殿は恥じらいがなくて困る。裏方の仕事を一手に引き受けているのであれば仕方がないのかもしれないが。それでも品位は忘れないで頂きたい。
「お二人を揶揄うのは程々に願いますよ」
特に旦那様は冗談が通じないお方だ。ヴィム殿はともかく旦那様は本気で戦うおつもりだったのだろう。
「そうは言うが面白いじゃないか。あの朴念仁が人間らしくなって」
「焚きつけ過ぎです。奥様もお気の毒に。まだお疲れが取れないのに今からあの旦那様のお相手とは……」
男というものは有事の後は興奮が冷めず発散先を求めるもの。昨夜は奥様を気遣って程々になさっていたのにこうなると歯止めが……奥様にはお気の毒ではあるがあのようなことを仰っては旦那様を煽るだけ。無自覚ながら旦那様を翻弄する術をお持ちとは意外だった。何だかんだ言ってお似合いのお二人でいらっしゃる。ああ、ルーザー殿を呼んでおかねば。いや、オービン殿はまだ領邸にお戻りではなかったか。
「ははっ! でも、そうでもしないとあいつは永遠に自覚しないだろうが」
「ヴィム殿……」
やはりわざとだったか。まぁ、確かに旦那様はご自身の感情に無頓着で奥様への好意にも気付かずにいらっしゃったが。それに、もしヴィム殿が奥様を本気で消す気だったらとっくに終わっている。その気になれば旦那様に気付かれないよう成すだろう。今回の騒動を利用して命を奪っていたかもしれない。それを感じて旦那様は王太子殿下に奥様を預けようとなさったのかもしれない。自覚されていなかったかもしれないが。
「それで、もう奥様を狙うことはなさいませんね?」
「……無理だな。思った以上に浸食されている。お前の言う通りあの跳ねっ返りを引き離したらヴォルフを制御出来なくなる」
「ようございました」
「そう思うか?」
「旦那様の表情が変わりました。以前よりも随分柔らかくおなりです」
「信じられねぇな。全く、あの跳ねっ返りのどこがよかったんだか。やっぱ身体か?」
「その様な発言は旦那様の前ではなさいませんように」
「言わねぇよ。俺も長生きしたいんでね」
意外なことを聞いた。生き急ぐように、刹那的な生き方をするヴィム殿がそんな風に言うとは。その後旦那様がお呼びになったとかで寝室に入っていってしまった。奥様が旦那様のことで気になることがおありだったらしい。扉の前で耳を澄ませる。旦那様の状態や暗示のことを聞かれていたが、最後は奥様をからかうような言動をして機嫌を損ねてしまっていた。少しやり過ぎではないだろうか。旦那様を取られて面白くないのかもしれないが。そろそろ回収した方がよさそうだ。
「さぁて、面白いもんも見たし、そろそろ戻るわ」
「左様ですか。お気をつけて」
「ああ、そうだ。ヴォルフの暗示だが、どうする?」
「どうするとは?」
私に尋ねられても決定権などないだろうに。
「いや~せっかくの初恋だろう? 少し情緒面の暗示を弱めるのもいいかと思って。ティオも気になるだろう?」
何ということを言い出すのか。いや、確かに気にはなるが。
「ヴィム殿、少々戯れが過ぎますぞ」
「そうは言うけどな、あのままじゃあの跳ねっ返りも寂しいだろう?」
「それは……」
確かに旦那様は奥様への愛情をお持ちとはいえ、それを表現することは殆どない。それではまだお若い奥様には少々気の毒かもしれないが……
「……まだお子がいらっしゃいません。第二夫人を迎える可能性も残っています。弱めるのは後継が産まれてからがよろしいかと」
旦那様が奥様への愛情を露わにして、それが当り前になってから第二夫人を迎えることになれば余計辛くなられるだろう。旦那様が拒絶する可能性もある。そうなってはお子を望むのは絶望的。それでは困る。お二人には申し訳ないが、ゾルガー家のためには選択肢の幅を残しておきたい。
「そうだな。それなら現状維持ってことで」
「よろしくお願いします」
足音も立てずにヴィム殿は姿を消した。さて、フレディ様に予定変更をお知らせせねば。昼食もだ。出来ることなら食後にして頂きたかった。奥様は昨夜から何も食べていないのだから。だが今から言っても旦那様は承知なさらないだろう。いつでも食べられる軽食を用意せねば。
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