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第二部
待ち人
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待ち人が訪れたのは、それから一刻半ほど後だった。霧を晴らした日は高く昇り、穏やかな午後が訪れていた。馬のいななきが待ち人の到着を告げる。出迎えに行ったハリマン様は上手くやっているかしら?
あの後、この屋敷の使用人たちを解放した上で金貨を渡し、これまでのこととこれからのことは一切口外しないように命じた。彼らは雇い主よりも明らかに身分の高い私たちに動転しながらも首を縦に振り、日常の仕事へと戻っていった。塔からは応援を呼んで騎士の数は五割ほど増し、訪問者に見えない位置に身を隠して万が一に備える。近くの部屋やこの部屋の続き間にも騎士が身を潜めているわ。多分影もどこかにいるはず。騎士の何人は使用人の服を借り、そのうちの一人はハリマン様に付いている。
「ははっ、ここに来た時の反応が楽しみだね」
「趣味が悪いぞ」
今と今から起きるだろう状況を面白がる殿下にヴォルフ様が冷たく言い放った。ヴォルフ様はゾルガーの騎士服に着替えて私と並んで三人掛けのソファに座り、殿下はいつの間にか茶のかつらを被り何故かゾルガーの騎士服を身に着けて私たちの後ろに控えていた。ぱっと見は我が家の騎士にしか見えない。絶対にこの状況を楽しんでいるわね……アベルとザーラは子爵家の使用人服をまとって側に控える。彼らが現れる瞬間が近付くにつれて鼓動が早まって来た……
「こちらです」
張りのないハリマン様の声が扉の向こうから聞こえた。使用人に扮した騎士が扉を開け、ハリマン様に続いて待ち人がこの部屋に入って来て、歩みを止めた。
「っ!」
客人が息を呑み、いつも重たげに目を覆う瞼を上げてこちらを凝視した。
「よく来たな、ギュンター」
長いようで短い沈黙の後、先に声を掛けたのはヴォルフ様だった。そう、この日の客人はノイラート侯爵の娘婿で、ランベルツ侯爵の実弟でもあるギュンター様だった。こげ茶の髪と沈んだ色合いの青の瞳は兄当主と同じだけど、野心の強さが顔に出ていて印象は全然違う。地味な色合いだけど仕立てのいい貴族服を着こみ、いかにもお忍びといった感じ。野心と警戒心が強いと聞いていたけれど顔を隠さないなんて迂闊ね。
「……貴様……」
爪が食い込みそうなほどに両手をきつく握りしめ、顔を赤くして身体を震わせる様は怒りと恨み、屈辱と敗北を飲み込もうと必死になっているように見えた。
「忌々しい悪鬼めが……」
絞り出すような憎悪の声は事実上の敗北宣言だった。
「詰めが甘かったな」
ヴォルフ様の言葉に一層拳を強く握りしめながらも、その腕を振り上げることはなかった。それは彼なりの矜持だったのかもしれない。
ヴォルフ様と再会した後、私たちはハリマン様とエクトル様から今回の誘拐の顛末を聞き出した。共闘しているかのように見えた二人だったが実はそういうわけではなかった。
エクトル様は復讐のために幽閉先のミュンターの別邸から脱走した後でギュンター様に拾われ、自身の目的のために彼に協力する道を選んだ。この屋敷で自分が来るまでヴォルフ様を監禁して渡された薬を投与し続けること。これが今回彼に望まれていたことだった。
一方のハリマン様はフリーデル公爵に託された薬をここまで運んでヴォルフ様に飲ませ、この後来る予定の迎えと共にとある屋敷まで送り届けるように頼まれていた。クラリッサ様との婚姻を望む彼は点数稼ぎのためにこの田舎までわざわざやってきたのだ。行動力と度胸のない彼にしては思い切った行動だったわ。
ちなみにエクトル様が渡された薬は麻薬で、ハリマン様が送り届けた薬は自白剤だった。いくらマルガでもここで薬を特定するのは難しく、おおよその見当をつけるしか出来なかったのだけど、ヴォルフ様はそれぞれの薬を持ってきた本人に既定の四分の一から半分の量を飲ませて様子を見た。エクトル様は酩酊状態に陥り、ハリマン様は口が軽くなって尋ねていないことまで話す有様。残った自白剤の一部はエクトル様の口へと消え、麻薬の酩酊も加わってこちらも知り得ること全てを白状することになった。
結果、この計画がフリーデル公爵とギュンター様に仕組まれたことがはっきりした。彼らはヴォルフ様を攫った後麻薬で思考を奪い、その上で自白剤を飲ませて自分たちが望む情報を手に入れようとしていた。その上で別の屋敷で待つクラリッサ様の元にヴォルフ様を運び、所謂『心の治療』を受けさせる算段だった。
「これだけの量の麻薬に自白剤、一歩間違えれば廃人だね」
半分の量でも前後不覚になった二人を冷たく見下ろして殿下が呟いた。二人の様子から指定された量が過剰なのは明らかだった。ヴォルフ様の身体の大きさと意志の強さを考慮してのものだったのだろうけれど、もし計画通り両方を飲まされていたら、相乗効果で命が危うかったでしょうね。
その悪意の深さと残忍さに、今まで感じたことのなかった憎しみを感じた。フリーデル公爵やギュンター様だけでなく、何も考えずに安易に乗ったハリマン様、ヴォルフ様を破滅に追いやることを愛だと思い込んでいるクラリッサ様、そして私たちの間にヒビを入れようとしたザイデル伯爵に。不思議とエクトル様にはそれが向かなかった。夫人とお子の死が関係していたのかもしれない。
「……貴様さえいなければ……」
低い怨嗟の声に我に返った。ギュンター様が吐いた言葉には何故か自嘲の響きも感じられた。もしかしたらその言葉は失敗した自分に向けられたものかもしれない。
「騎士四人では話にならなかっな。俺を捕らえるなら一個小隊は付けるべきだった」
「化け物め……」
一個小隊は三十から四十人程度。王宮の騎士ならともかく貴族家の私兵はそこまで鍛えられていないからヴォルフ様なら五十人くらいは必要かもしれないわね。我が家のように訓練を欠かさない上、ただの使用人にも鍛錬を勧めている家は稀なのよ。
「……王家に引き渡すか」
暫くの沈黙の後で出てきたのは負けを認めるものだった。表情が険しい。まだ納得し難いけれど認めざるを得ない苦しさが滲み出ているように見えた。
「認めるのか?」
「どうせ証拠を掴んでいるのだろう? だったら何をしても無駄だ」
ミュンターの前当主とは違って引き際は弁えていた。野心家だけど潔い一面があったのだと意外に感じた。最後まで白を切るかと思ったから。
「死人がいなくて命拾いしたな。死ぬまで俺の言いなりになるなら見逃してやってもいい」
ギュンター様が長く深く息を吐いた。彼にはそれ以外の選択を選べなかった。
それからのヴォルフ様の行動は早かった。その場で今後死ぬまでヴォルフ様のために働くとの誓約書を何通も署名させた。この場でするのは王太子殿下の案で、彼が来るまでの間にヴォルフ様は殿下と共に署名させる文章を作っていたのだ。そこには彼の罪を見逃す替わりに死ぬまで王家とゾルガー家に忠誠を誓うこと、もし誓いを破った場合は一族全員を謀反人として処刑し、領地は王家に返上とするとあった。またアーレントの王女の降嫁を含めてアーレントに利すると見られる行動は認めないこと、こちらが望む情報を手に入れるなどの諜報的な役目を果たすことも求めた。
最後にイルクナー伯爵家にエマとルーディーの存在を認めるよう求めた。これは私がお願いして追加して貰ったもので、ヴォルフラム様の夫人から手紙を受け取っていたからだ。そこには我が家への謝罪と共にあの母子をイルクナー伯爵家に迎えられるよう力を貸してほしいとあった。自分が言っても父が認めず、夫や義父が苦しんでいるからと。夫人は父に似ず優しく聡明な方だった。
「ザイデルは……」
「あの男は使えん」
それは実質上の処刑宣告だった。彼は野心が強すぎるしやり方が強引過ぎて駒にも出来なかった。その上血筋や財力も惜しいと思えるところがない。それに……妻のアデーレ様がゲオルグ様の出奔の一因になったのは有名な話だ。その上で我が家に仇成そうと近付いて来たから、利よりも害多しと判断されたのだろう。私もあの二人にはいい感情を持てないから庇えるところがなかった。
「署名したか?」
「……ああ」
「お前が持っていろ」
ヴォルフ様が振り返って後ろに立つ茶の髪の騎士に手渡した。
「ああ、私が責任をもって保管しておこう」
「な……!」
茶のかつらを外した騎士を目にしたギュンター様が膝から崩れ落ちた。
あの後、この屋敷の使用人たちを解放した上で金貨を渡し、これまでのこととこれからのことは一切口外しないように命じた。彼らは雇い主よりも明らかに身分の高い私たちに動転しながらも首を縦に振り、日常の仕事へと戻っていった。塔からは応援を呼んで騎士の数は五割ほど増し、訪問者に見えない位置に身を隠して万が一に備える。近くの部屋やこの部屋の続き間にも騎士が身を潜めているわ。多分影もどこかにいるはず。騎士の何人は使用人の服を借り、そのうちの一人はハリマン様に付いている。
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今と今から起きるだろう状況を面白がる殿下にヴォルフ様が冷たく言い放った。ヴォルフ様はゾルガーの騎士服に着替えて私と並んで三人掛けのソファに座り、殿下はいつの間にか茶のかつらを被り何故かゾルガーの騎士服を身に着けて私たちの後ろに控えていた。ぱっと見は我が家の騎士にしか見えない。絶対にこの状況を楽しんでいるわね……アベルとザーラは子爵家の使用人服をまとって側に控える。彼らが現れる瞬間が近付くにつれて鼓動が早まって来た……
「こちらです」
張りのないハリマン様の声が扉の向こうから聞こえた。使用人に扮した騎士が扉を開け、ハリマン様に続いて待ち人がこの部屋に入って来て、歩みを止めた。
「っ!」
客人が息を呑み、いつも重たげに目を覆う瞼を上げてこちらを凝視した。
「よく来たな、ギュンター」
長いようで短い沈黙の後、先に声を掛けたのはヴォルフ様だった。そう、この日の客人はノイラート侯爵の娘婿で、ランベルツ侯爵の実弟でもあるギュンター様だった。こげ茶の髪と沈んだ色合いの青の瞳は兄当主と同じだけど、野心の強さが顔に出ていて印象は全然違う。地味な色合いだけど仕立てのいい貴族服を着こみ、いかにもお忍びといった感じ。野心と警戒心が強いと聞いていたけれど顔を隠さないなんて迂闊ね。
「……貴様……」
爪が食い込みそうなほどに両手をきつく握りしめ、顔を赤くして身体を震わせる様は怒りと恨み、屈辱と敗北を飲み込もうと必死になっているように見えた。
「忌々しい悪鬼めが……」
絞り出すような憎悪の声は事実上の敗北宣言だった。
「詰めが甘かったな」
ヴォルフ様の言葉に一層拳を強く握りしめながらも、その腕を振り上げることはなかった。それは彼なりの矜持だったのかもしれない。
ヴォルフ様と再会した後、私たちはハリマン様とエクトル様から今回の誘拐の顛末を聞き出した。共闘しているかのように見えた二人だったが実はそういうわけではなかった。
エクトル様は復讐のために幽閉先のミュンターの別邸から脱走した後でギュンター様に拾われ、自身の目的のために彼に協力する道を選んだ。この屋敷で自分が来るまでヴォルフ様を監禁して渡された薬を投与し続けること。これが今回彼に望まれていたことだった。
一方のハリマン様はフリーデル公爵に託された薬をここまで運んでヴォルフ様に飲ませ、この後来る予定の迎えと共にとある屋敷まで送り届けるように頼まれていた。クラリッサ様との婚姻を望む彼は点数稼ぎのためにこの田舎までわざわざやってきたのだ。行動力と度胸のない彼にしては思い切った行動だったわ。
ちなみにエクトル様が渡された薬は麻薬で、ハリマン様が送り届けた薬は自白剤だった。いくらマルガでもここで薬を特定するのは難しく、おおよその見当をつけるしか出来なかったのだけど、ヴォルフ様はそれぞれの薬を持ってきた本人に既定の四分の一から半分の量を飲ませて様子を見た。エクトル様は酩酊状態に陥り、ハリマン様は口が軽くなって尋ねていないことまで話す有様。残った自白剤の一部はエクトル様の口へと消え、麻薬の酩酊も加わってこちらも知り得ること全てを白状することになった。
結果、この計画がフリーデル公爵とギュンター様に仕組まれたことがはっきりした。彼らはヴォルフ様を攫った後麻薬で思考を奪い、その上で自白剤を飲ませて自分たちが望む情報を手に入れようとしていた。その上で別の屋敷で待つクラリッサ様の元にヴォルフ様を運び、所謂『心の治療』を受けさせる算段だった。
「これだけの量の麻薬に自白剤、一歩間違えれば廃人だね」
半分の量でも前後不覚になった二人を冷たく見下ろして殿下が呟いた。二人の様子から指定された量が過剰なのは明らかだった。ヴォルフ様の身体の大きさと意志の強さを考慮してのものだったのだろうけれど、もし計画通り両方を飲まされていたら、相乗効果で命が危うかったでしょうね。
その悪意の深さと残忍さに、今まで感じたことのなかった憎しみを感じた。フリーデル公爵やギュンター様だけでなく、何も考えずに安易に乗ったハリマン様、ヴォルフ様を破滅に追いやることを愛だと思い込んでいるクラリッサ様、そして私たちの間にヒビを入れようとしたザイデル伯爵に。不思議とエクトル様にはそれが向かなかった。夫人とお子の死が関係していたのかもしれない。
「……貴様さえいなければ……」
低い怨嗟の声に我に返った。ギュンター様が吐いた言葉には何故か自嘲の響きも感じられた。もしかしたらその言葉は失敗した自分に向けられたものかもしれない。
「騎士四人では話にならなかっな。俺を捕らえるなら一個小隊は付けるべきだった」
「化け物め……」
一個小隊は三十から四十人程度。王宮の騎士ならともかく貴族家の私兵はそこまで鍛えられていないからヴォルフ様なら五十人くらいは必要かもしれないわね。我が家のように訓練を欠かさない上、ただの使用人にも鍛錬を勧めている家は稀なのよ。
「……王家に引き渡すか」
暫くの沈黙の後で出てきたのは負けを認めるものだった。表情が険しい。まだ納得し難いけれど認めざるを得ない苦しさが滲み出ているように見えた。
「認めるのか?」
「どうせ証拠を掴んでいるのだろう? だったら何をしても無駄だ」
ミュンターの前当主とは違って引き際は弁えていた。野心家だけど潔い一面があったのだと意外に感じた。最後まで白を切るかと思ったから。
「死人がいなくて命拾いしたな。死ぬまで俺の言いなりになるなら見逃してやってもいい」
ギュンター様が長く深く息を吐いた。彼にはそれ以外の選択を選べなかった。
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「ザイデルは……」
「あの男は使えん」
それは実質上の処刑宣告だった。彼は野心が強すぎるしやり方が強引過ぎて駒にも出来なかった。その上血筋や財力も惜しいと思えるところがない。それに……妻のアデーレ様がゲオルグ様の出奔の一因になったのは有名な話だ。その上で我が家に仇成そうと近付いて来たから、利よりも害多しと判断されたのだろう。私もあの二人にはいい感情を持てないから庇えるところがなかった。
「署名したか?」
「……ああ」
「お前が持っていろ」
ヴォルフ様が振り返って後ろに立つ茶の髪の騎士に手渡した。
「ああ、私が責任をもって保管しておこう」
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茶のかつらを外した騎士を目にしたギュンター様が膝から崩れ落ちた。
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