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第二部
不幸を感じる意味
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言われた言葉の意味が直ぐにはわからなかった。困らせた? またって……それはどういう……
「感情など不要だが、それではお前を困らせるか?」
「こ、困っているわけでは……」
改めて尋ねられたけれど、どう答えていいのかわからなかった。ヴォルフ様がこんな風に仰るなんて思わなかったから。もしかして……私を気にかけて下さった?
「こっ、これはその……気にかけて下さったことが、う、嬉しくて……」
自分の口から出てきた言葉に驚いたけれど、腑に落ちた。
「嬉しい?」
「ええ。私を気にかけて下さったことが……嬉しかったのです。それに……ヴォルフ様が背負っていらっしゃるものの大きさを改めて気づかされましたし……」
「そうだな」
これまで学んできてわかっていたつもりだったけれど、まだまだ足りていなかったわ。それに……感情がないのは幸いなのかもしれない。人によってはその重圧に潰れてしまうから。ヴォルフ様がそれに負けてしまうとは思わないけれど、感情がなければ精神的な負担は殆どないわよね。ヴォルフ様の心の中はどうなっているのかしら? 覗けたらいいのに。
「ヴォルフ様は……ご自身が不幸だと……お感じになることはないのですか?」
「気にしたことはないな。それに意味があるのか?」
「え?」
「劣等感や恨み、執着に囚われて破滅する者を多く見てきた。その方が不幸ではないか?」
そんな風に言われるとは思わなかった。でも……確かに仰る通り、だわ。父も姉も兄もそれで身を滅ぼしたともいえるから。もう少し自分の負の感情を抑えられたら、冷静に自分を見ることが出来たら、あんな風にはならなかったわね。
「お前が恐れているのは俺が感情を取り戻して不安定になることだろう?」
「え、ええ」
「確かに以前に比べると不快だと感じることが増えた。だが些細なものだ。そう簡単には壊れん」
そう言い切られてしまったけれど、それは何か確証がおありだから? 確かに今のヴォルフ様の揺らぎは身近な私たちしかわからない程度のものだけど。
「そうはいっても、ティオの弟の例もある。絶対に大丈夫だとは言い切れないのだろう。お前の懸念も一理ある。だからお前のやりたいようにしてくれればいい。俺も出来る限りの協力はする。お前が俺を案じてやっていることは理解している。その気持ちを無下にする気はない」
「あ、ありがとう、ございます」
感情など不要だと、今のままでいいと言いながら、私の懸念を受け入れて下さったことが、協力すると言って下さったことが嬉しい。もしかしたら余計なことだと言われるかと思っていたわ。ただ、避妊薬のことで負い目があるから渋々受け入れて下さったのだと。でも、私やティオたちの気持ちも受け取って下さったのだ。どこまでこの方は大きいのかしら。いえ、私の懸念なんか国を背負うヴォルフ様に取っては些細なことなのかもしれないけれど。
「影の方はもう少し待て。今は動けない」
「そうですか。わかりましたわ」
そうね、任務も色々あるわよね。今は陛下や王太子殿下たちが移動して隙が生まれる時期だし、フリーデル公爵たちのこともある。急ぐことはないわ。ヴォルフ様の変化は微かなものだし、オーベルの診察もまだこれからだもの。
その翌々日、私はベルトラム侯爵家を訪れていた。数日後にエルマ様はバルドリック様と共に領地を訪れるため暫く会えないからだ。今回は若夫婦だけの訪問だけど屋敷内はどこかざわついた雰囲気が漂っていた。それでもエルマ様の表情は明るい。
「……どうやらお二人の仲に心配はなさそうですわね」
今は領地に向かう準備やそれまでに片付けたい仕事があると席を外しているバルドリック様だけど、エルマ様の様子から夫婦仲は円満のように見えた。
「あら、そうでもないのですよ。先日バルの恋人だったという女性が押しかけて来ましたから」
「……またですか……」
今度は学園時代に同級だった女性だという。婚姻したけれど子が出来ず離縁したとかで、次の嫁ぎ先を探しているらしい。婚姻歴があるから後妻か第二夫人くらいしか狙えず、その中でもまだ子がいないバルドリック様を狙ったのでしょうね。バルドリック様は婿だから第二夫人になれても一生肩身が狭い想いをするけれど、実家にいればもっと肩身は狭いから苦肉の策なのでしょうね。
ちなみに今回で三人目で、この手の話は高位貴族になればなるほど珍しくない。それほど五侯爵家と縁が結べる恩恵は大きいから。だから無謀だと思っても実家も止めないし、あわよくばとそそのかす家もあるくらい。私もエルマ様ももう慣れたからそのくらいで動じたりはしないけれど。
「我が家にも来ましたわ。隠し子が」
そっちの方は初めてだったわ。
「まぁ! では侯爵様が?」
「ふふ、父親は別の方でしたわ」
私はエルマ様にルーディーのことを話した。ザイデル伯爵やランベルツ侯爵の情報を得るためだ。エルマ様は口が堅くて信用出来るし、こういう時に共闘出来る相手は貴重なのよね。
「ザイデル伯爵ですか……そう言えば先日、王妃様のお茶会の帰りに見かけましたわ」
「お茶会って、フリーデル公爵が押しかけてきたあの?」
クラリッサ様と突撃したあのお茶会よね。あんな珍事は滅多にないからよく覚えているわ。
「ええ。遠目に見ただけですけれど……フリーデル公爵とご一緒だったのですよね」
「フリーデル公爵って……」
そう言えばあの日の帰り、私も王宮の庭園にいるフリーデル公爵とクラリッサ様を見たわ。誰かと一緒だったのは見たけれど、じゃ、あの時一緒にいたのは……
「意外な組み合わせだから気になったんですの。いえ、距離があったから私の見間違いかもしれませんけれど……」
「確かにそうですわね。ザイデル伯爵が、フリーデル公爵と……」
伯爵の領地はアーレントとは離れているし、接点があるようには思えないわ。
「気をつけた方が、よさそうですわね」
既にヴォルフ様はご存じでしょうけれど。
「そうですわね。ザイデル伯爵の今の奥様はフレディ様のお父様の一人目の妻だった方。伯爵は野心家だと言われていますから、警戒はしておかれた方がよろしいですわ」
エルマ様もそうお感じになるのね。夫人は恨みに思っていても伯爵が同じとは限らないけれど。いえ、伯爵は利だけで動いているように見えるから、どちらかといえば夫人への負い目をゾルガー家が持っていることを期待しているのでしょうね。ヴォルフ様にはそんなお気持ちはないのだけど。
「こんな時に王都を離れるなんて心配ですわ。リーゼ様の悪阻もまだ終わらないようですし」
「リーゼ様はかなり大変そうですわね。かなりお痩せになったとか」
「ええ、暫く王都を離れるのでご挨拶に伺ったのですけれど、申し訳なかったですわ。想像していた以上にお窶れになっていて」
「そう。だったら私ももう少し間を置きますわ」
「それがよろしいかと」
リーゼ様とは手紙のやり取りは欠かさないけれど、悪阻が酷くて食事もままならないらしい。姉は難産だったけれど悪阻はそこまでではなかったし、本当に人それぞれなのね。私はどうなるのかしら……出来れば悪阻も難産も遠慮したいのだけど……
「イルーゼ様はいかがですの? 侯爵様は早くお子をとお考えなのでしょう?」
「え、ええ。それが婚姻の条件でしたから……」
でも、あれから閨は止めたまま。暫くしないと宣言したのはいいけれど、今となってはあんな宣言をしなければよかったと少し思っている。だって再開するには私から言わなきゃいけないのだけど、それが恥ずかしくて言い出せないのよね。何て言えばいいの? 閨をしましょうなんて私から言い出したらはしたなく思われないかしら?
それにヴォルフ様もお忙しいのか最近は寝室にいらっしゃるのがかなり遅くなってからなのよね。そこから閨をと思うと寝る時間が削られてしまうのも心配だった。ヴォルフ様は普段から睡眠が足りているようには見えないから、遅くなった日は早く眠ってほしいもの。
「感情など不要だが、それではお前を困らせるか?」
「こ、困っているわけでは……」
改めて尋ねられたけれど、どう答えていいのかわからなかった。ヴォルフ様がこんな風に仰るなんて思わなかったから。もしかして……私を気にかけて下さった?
「こっ、これはその……気にかけて下さったことが、う、嬉しくて……」
自分の口から出てきた言葉に驚いたけれど、腑に落ちた。
「嬉しい?」
「ええ。私を気にかけて下さったことが……嬉しかったのです。それに……ヴォルフ様が背負っていらっしゃるものの大きさを改めて気づかされましたし……」
「そうだな」
これまで学んできてわかっていたつもりだったけれど、まだまだ足りていなかったわ。それに……感情がないのは幸いなのかもしれない。人によってはその重圧に潰れてしまうから。ヴォルフ様がそれに負けてしまうとは思わないけれど、感情がなければ精神的な負担は殆どないわよね。ヴォルフ様の心の中はどうなっているのかしら? 覗けたらいいのに。
「ヴォルフ様は……ご自身が不幸だと……お感じになることはないのですか?」
「気にしたことはないな。それに意味があるのか?」
「え?」
「劣等感や恨み、執着に囚われて破滅する者を多く見てきた。その方が不幸ではないか?」
そんな風に言われるとは思わなかった。でも……確かに仰る通り、だわ。父も姉も兄もそれで身を滅ぼしたともいえるから。もう少し自分の負の感情を抑えられたら、冷静に自分を見ることが出来たら、あんな風にはならなかったわね。
「お前が恐れているのは俺が感情を取り戻して不安定になることだろう?」
「え、ええ」
「確かに以前に比べると不快だと感じることが増えた。だが些細なものだ。そう簡単には壊れん」
そう言い切られてしまったけれど、それは何か確証がおありだから? 確かに今のヴォルフ様の揺らぎは身近な私たちしかわからない程度のものだけど。
「そうはいっても、ティオの弟の例もある。絶対に大丈夫だとは言い切れないのだろう。お前の懸念も一理ある。だからお前のやりたいようにしてくれればいい。俺も出来る限りの協力はする。お前が俺を案じてやっていることは理解している。その気持ちを無下にする気はない」
「あ、ありがとう、ございます」
感情など不要だと、今のままでいいと言いながら、私の懸念を受け入れて下さったことが、協力すると言って下さったことが嬉しい。もしかしたら余計なことだと言われるかと思っていたわ。ただ、避妊薬のことで負い目があるから渋々受け入れて下さったのだと。でも、私やティオたちの気持ちも受け取って下さったのだ。どこまでこの方は大きいのかしら。いえ、私の懸念なんか国を背負うヴォルフ様に取っては些細なことなのかもしれないけれど。
「影の方はもう少し待て。今は動けない」
「そうですか。わかりましたわ」
そうね、任務も色々あるわよね。今は陛下や王太子殿下たちが移動して隙が生まれる時期だし、フリーデル公爵たちのこともある。急ぐことはないわ。ヴォルフ様の変化は微かなものだし、オーベルの診察もまだこれからだもの。
その翌々日、私はベルトラム侯爵家を訪れていた。数日後にエルマ様はバルドリック様と共に領地を訪れるため暫く会えないからだ。今回は若夫婦だけの訪問だけど屋敷内はどこかざわついた雰囲気が漂っていた。それでもエルマ様の表情は明るい。
「……どうやらお二人の仲に心配はなさそうですわね」
今は領地に向かう準備やそれまでに片付けたい仕事があると席を外しているバルドリック様だけど、エルマ様の様子から夫婦仲は円満のように見えた。
「あら、そうでもないのですよ。先日バルの恋人だったという女性が押しかけて来ましたから」
「……またですか……」
今度は学園時代に同級だった女性だという。婚姻したけれど子が出来ず離縁したとかで、次の嫁ぎ先を探しているらしい。婚姻歴があるから後妻か第二夫人くらいしか狙えず、その中でもまだ子がいないバルドリック様を狙ったのでしょうね。バルドリック様は婿だから第二夫人になれても一生肩身が狭い想いをするけれど、実家にいればもっと肩身は狭いから苦肉の策なのでしょうね。
ちなみに今回で三人目で、この手の話は高位貴族になればなるほど珍しくない。それほど五侯爵家と縁が結べる恩恵は大きいから。だから無謀だと思っても実家も止めないし、あわよくばとそそのかす家もあるくらい。私もエルマ様ももう慣れたからそのくらいで動じたりはしないけれど。
「我が家にも来ましたわ。隠し子が」
そっちの方は初めてだったわ。
「まぁ! では侯爵様が?」
「ふふ、父親は別の方でしたわ」
私はエルマ様にルーディーのことを話した。ザイデル伯爵やランベルツ侯爵の情報を得るためだ。エルマ様は口が堅くて信用出来るし、こういう時に共闘出来る相手は貴重なのよね。
「ザイデル伯爵ですか……そう言えば先日、王妃様のお茶会の帰りに見かけましたわ」
「お茶会って、フリーデル公爵が押しかけてきたあの?」
クラリッサ様と突撃したあのお茶会よね。あんな珍事は滅多にないからよく覚えているわ。
「ええ。遠目に見ただけですけれど……フリーデル公爵とご一緒だったのですよね」
「フリーデル公爵って……」
そう言えばあの日の帰り、私も王宮の庭園にいるフリーデル公爵とクラリッサ様を見たわ。誰かと一緒だったのは見たけれど、じゃ、あの時一緒にいたのは……
「意外な組み合わせだから気になったんですの。いえ、距離があったから私の見間違いかもしれませんけれど……」
「確かにそうですわね。ザイデル伯爵が、フリーデル公爵と……」
伯爵の領地はアーレントとは離れているし、接点があるようには思えないわ。
「気をつけた方が、よさそうですわね」
既にヴォルフ様はご存じでしょうけれど。
「そうですわね。ザイデル伯爵の今の奥様はフレディ様のお父様の一人目の妻だった方。伯爵は野心家だと言われていますから、警戒はしておかれた方がよろしいですわ」
エルマ様もそうお感じになるのね。夫人は恨みに思っていても伯爵が同じとは限らないけれど。いえ、伯爵は利だけで動いているように見えるから、どちらかといえば夫人への負い目をゾルガー家が持っていることを期待しているのでしょうね。ヴォルフ様にはそんなお気持ちはないのだけど。
「こんな時に王都を離れるなんて心配ですわ。リーゼ様の悪阻もまだ終わらないようですし」
「リーゼ様はかなり大変そうですわね。かなりお痩せになったとか」
「ええ、暫く王都を離れるのでご挨拶に伺ったのですけれど、申し訳なかったですわ。想像していた以上にお窶れになっていて」
「そう。だったら私ももう少し間を置きますわ」
「それがよろしいかと」
リーゼ様とは手紙のやり取りは欠かさないけれど、悪阻が酷くて食事もままならないらしい。姉は難産だったけれど悪阻はそこまでではなかったし、本当に人それぞれなのね。私はどうなるのかしら……出来れば悪阻も難産も遠慮したいのだけど……
「イルーゼ様はいかがですの? 侯爵様は早くお子をとお考えなのでしょう?」
「え、ええ。それが婚姻の条件でしたから……」
でも、あれから閨は止めたまま。暫くしないと宣言したのはいいけれど、今となってはあんな宣言をしなければよかったと少し思っている。だって再開するには私から言わなきゃいけないのだけど、それが恥ずかしくて言い出せないのよね。何て言えばいいの? 閨をしましょうなんて私から言い出したらはしたなく思われないかしら?
それにヴォルフ様もお忙しいのか最近は寝室にいらっしゃるのがかなり遅くなってからなのよね。そこから閨をと思うと寝る時間が削られてしまうのも心配だった。ヴォルフ様は普段から睡眠が足りているようには見えないから、遅くなった日は早く眠ってほしいもの。
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※体調不良の影響で現在感想欄は閉じさせていただいております。
※こちらは3年前に投稿させていただいたお話の改稿版(文章をすべて書き直し、ストーリーの一部を変更したもの)となっております。
1月29日追加。後日ざまぁの部分にストーリーを追加させていただきます。
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