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第二部
報告と秘かな決意
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屋敷に戻るとティオが出迎えてくれた。ヴォルフ様にお茶会の報告がしたいと告げると来客中だという。湯あみをして着替え、一息ついた頃に執務室に呼ばれた。既にヴォルフ様がソファに腰かけて待っていてくれた。最近はフレディ様や私が手伝うようになって執務机に張り付きっ放しということはかなり減ったと聞く。殆どはフレディ様のお陰だと思うけれど、私も少しでもお役に立てているのなら嬉しい。
「とまぁ、このようなことがございました」
お茶会の会話の内容から始まり、最後は公爵親子が乱入したことまでありのままを話した。話さなくても同席していたザーラから報告されるのだから偽ったり隠したりしても意味がないのよね。そんな気もないけれど。それでもクラリッサ様の希望を話すのは少し躊躇してしまったわ。損得で考えればクラリッサ様のもたらす恩恵は明らかだから。だけどヴォルフ様はそうかと言っただけで表情は変わらなかった。
「あの……クラリッサ様のお申し出は……」
「既に断った話だ。俺の妻はお前だと言っただろう。アーレントとの繋がりなど我が家は必要としていない」
ヴォルフ様の口からはっきり聞かされると大きな安堵に包まれて心が軽くなった。愛されていなくても大切にされていると感じる。それだけで十分だわ。安心させてくれる言葉にヴォルフ様の妻でいることが私の幸せなのだと実感する。
「フリーデルには抗議文を送っておく。お前を軽んじることはお前を選んだ俺を軽んじることだからな」
「ありがとうございます。あの……」
「何だ?」
「クラリッサ様は十年前、王宮でヴォルフ様に一目惚れしたとおっしゃっていましたが……」
「……その頃なら父に代わって当主代理を努め始めた頃だな。王宮にはよく足を運んでいたが記憶にない」
そうなると人違いじゃないかとの疑念が益々深くなるわ。もっともヴォルフ様は他人に興味がなさそうだから会っていても記憶に残っていない可能性もあるけれど。
「アーレントの目的はわかっている。だが我が国がそれに付き合ってやる必要はない」
ヴォルフ様はアーレントの目的を話してくれた。彼らの狙いはアーレントに有利な関税を出来るだけ現状維持に抑えることだと思っていたけれど、実際はクラリッサ様を我が国に嫁がせて両国の関係強化を図ることだった。だったら年が近くまだ婚姻していないエーリック様がいるじゃないかと思うのだけど、そこはクラリッサ様の意向が大きく関係していた。
「あの女のことは気にしなくていい」
ヴォルフ様が重ねてそう仰って下さったため、私も気にするのをやめた。それ以外で考えなければいけないことは山のようにあるから。その後ヴォルフ様はフレディ様と打ち合わせがあるというので私は私室に戻った。ティオが家政の確認に来たので気になったことを尋ねてみた。
「ねぇ、ティオはこの屋敷に勤めて長いのよね?」
「左様でございますね。あれから……三十年以上になりますか」
記憶を辿るようにティオが遠い何かを見つめていた。ティオは学園を卒業後ゾルガー邸に執事見習として入ったという。最初は先々代のお義祖父様、その後先代のお義父様、そしてヴォルフ様と三代の当主に仕えて今に至る。一番長かったのはお義父様で、ヴォルフ様がこの屋敷に入った日のことも覚えていると言った。
「十年前のヴォルフ様ってどんな感じだったのかしら?」
一目惚れしたりされたりはどちらも十年前。偶然とはいえ同じ時期に続くと気になってしまうわ。
「十年前でございますか……」
ティオも私が気にする理由が伝わったようで苦笑を浮かべた。
「そうでございますね、大旦那様が倒れられて当主代行を務めるようになられた頃です」
それからティオはヴォルフ様の当時の様子を教えてくれた。お義父様が倒れたのは突然だったこと、二年ほどは休みもろくに取れず身体を壊さないか心配だったこと、エマやクラリッサ様の相手をするような暇などなかったことなどだ。
「エマの話は別人だと断言できましょう。旦那様が騎士団に足を向けることなどございませんでしたから。フリーデル公爵令嬢の件に関しまして私は王宮に付いていっていないので何とも申し上げられませんが、旦那様が王宮を訪ねたのは陛下との謁見や貴族会議、事務手続きのためです。すれ違う程度のことはあったかと思われますが、従者から何かあったという話は聞いておりません」
ヴォルフ様の心に留まるものはなかったとティオは言った。もっとも常に無表情だから気付かなかったかもしれないけれど。
「奥様、ご心配には及びません。旦那様は奥様と離縁するお考えはございません。奥様を気に入っていらっしゃるのは間違いございませんから」
「そう言って貰えると嬉しいわ。でも、私の存在がヴォルフ様の枷にならないかしら?」
「それも含めた上で旦那様がお決めになったことです。旦那様は他家からの干渉を最も嫌います。それにフリーデル公爵令嬢が、いえ、一般的な令嬢が旦那様を理解することは難しいでしょう」
「それは、ヴォルフ様の感情がないから?」
「それだけではございません。旦那様が孤児として、影として生きていた過去も含めてです。生き延びるために必須だったとはいえ、旦那様の過去は一般的には受け入れ難いものでございましょう」
確かにそうね、陛下のお子だとしても孤児として育ち影に身を置いた過去を知れば蔑む者も出てくるかもしれない。クラリッサ様にはそんなヴォルフ様も受け入れられるのかしら?
「奥様は旦那様の過去を受け入れて下さり、その上で旦那様を慕って下さいました。旦那様もそれがいかに稀有なことかはご理解していらっしゃいます」
「そ、そうかしら?」
そんな風に言われると何だか面映ゆいわ。でも、過去も含めたヴォルフ様が好きになってしまったのだもの。恋って好きになった方が負けだと言うけれどその通りだと思う。こんなはずじゃなかったのにと思うけれど後悔はないわ。
「ねぇ、ティオ、ヴォルフ様の感情は……戻らないのかしら?」
「奥様?」
「ヴォルフ様が感情を失った経緯はわかったわ。でも、一度失われたら二度と戻らないものなのかしら? 私には完全に感情がないようには思えないわ。ティオもそう言っていたわよね」
そう、ティオも以前言っていたわ、ヴォルフ様に僅かに感情を感じると。だったらそれを取り戻せないの?
「左様でございますね。旦那様にも感情はあると私も思います。奥様のことでは何かと私に尋ねて来られるのも旦那様の中で何か変化がおありだからでしょう。以前の旦那様は……決してそんなことを口にはされませんでしたから」
私がヴォルフ様のお心に変化を起こしているのなら嬉しい。だったら感情を取り戻すお手伝いが出来るかもしれないと思うのは思いあがりかしら。そりゃあ人生には嫌なことも多いけれど、楽しいことや嬉しいこともたくさんあるわ。それを感じてほしいと思うのは烏滸がましいかしら。
「奥様がそう考えて下さること、大変嬉しく思います。時間がかかるやもしれませんが、奥様の旦那様を想うお心が旦那様を変えて下さればと、そう願わずにはいられません」
ティオの言い方はそれが簡単ではないと示していた。そうね、ティオだってヴォルフ様のためにこれまで色々尽力してくれたはず。それでこの状態なら劇的に変えることは難しいのかもしれない。どうしたらいいのかもわからないけれど、私たちは一生を共にするわ。だったら時間がかかってもいい、ヴォルフ様の感情を取り戻すお手伝いがしたい。
私が秘かな決意を胸に抱いた翌日、仰々しい一台の馬車が門番に開門を求めた。我が家は常に門を閉めて護衛も他家の倍は配置しているし、相手が王族であろうとヴォルフ様の許可がなければ中に入ることは出来ない。その日はヴォルフ様が来客の予定が入っていたためお帰り頂いたけれど、懲りもせずにその馬車はその翌日もやってきた。
「またフリーデル公爵が?」
ちょうど午前のお茶を終えて仕事を再開した頃にその知らせが届いた。さすがに他国の王族を二日連続で門前払いするわけにもいかず、ヴォルフ様はティオに来客用の南棟に迎えるよう指示を出していたけれど……
「暫く待たせておけばいい」
そう言ってヴォルフ様は手にしていた書類に再び目を落としたけれど、相手はアーレントの王族なのに大丈夫なのかしら……
「心配しなくていい。俺もあの男も王の子だが、俺の母親は王女、あの男の母親は臣下だ。血統的にも国内での地位も俺の方が上だ」
「そ、そうですか……」
そうね、宰相や大臣ならヴォルフ様に匹敵するけれど、特使程度なら大したことはないのかもしれない。ヴォルフ様が南棟に向かったのは半刻ほど過ぎた頃だった。
「とまぁ、このようなことがございました」
お茶会の会話の内容から始まり、最後は公爵親子が乱入したことまでありのままを話した。話さなくても同席していたザーラから報告されるのだから偽ったり隠したりしても意味がないのよね。そんな気もないけれど。それでもクラリッサ様の希望を話すのは少し躊躇してしまったわ。損得で考えればクラリッサ様のもたらす恩恵は明らかだから。だけどヴォルフ様はそうかと言っただけで表情は変わらなかった。
「あの……クラリッサ様のお申し出は……」
「既に断った話だ。俺の妻はお前だと言っただろう。アーレントとの繋がりなど我が家は必要としていない」
ヴォルフ様の口からはっきり聞かされると大きな安堵に包まれて心が軽くなった。愛されていなくても大切にされていると感じる。それだけで十分だわ。安心させてくれる言葉にヴォルフ様の妻でいることが私の幸せなのだと実感する。
「フリーデルには抗議文を送っておく。お前を軽んじることはお前を選んだ俺を軽んじることだからな」
「ありがとうございます。あの……」
「何だ?」
「クラリッサ様は十年前、王宮でヴォルフ様に一目惚れしたとおっしゃっていましたが……」
「……その頃なら父に代わって当主代理を努め始めた頃だな。王宮にはよく足を運んでいたが記憶にない」
そうなると人違いじゃないかとの疑念が益々深くなるわ。もっともヴォルフ様は他人に興味がなさそうだから会っていても記憶に残っていない可能性もあるけれど。
「アーレントの目的はわかっている。だが我が国がそれに付き合ってやる必要はない」
ヴォルフ様はアーレントの目的を話してくれた。彼らの狙いはアーレントに有利な関税を出来るだけ現状維持に抑えることだと思っていたけれど、実際はクラリッサ様を我が国に嫁がせて両国の関係強化を図ることだった。だったら年が近くまだ婚姻していないエーリック様がいるじゃないかと思うのだけど、そこはクラリッサ様の意向が大きく関係していた。
「あの女のことは気にしなくていい」
ヴォルフ様が重ねてそう仰って下さったため、私も気にするのをやめた。それ以外で考えなければいけないことは山のようにあるから。その後ヴォルフ様はフレディ様と打ち合わせがあるというので私は私室に戻った。ティオが家政の確認に来たので気になったことを尋ねてみた。
「ねぇ、ティオはこの屋敷に勤めて長いのよね?」
「左様でございますね。あれから……三十年以上になりますか」
記憶を辿るようにティオが遠い何かを見つめていた。ティオは学園を卒業後ゾルガー邸に執事見習として入ったという。最初は先々代のお義祖父様、その後先代のお義父様、そしてヴォルフ様と三代の当主に仕えて今に至る。一番長かったのはお義父様で、ヴォルフ様がこの屋敷に入った日のことも覚えていると言った。
「十年前のヴォルフ様ってどんな感じだったのかしら?」
一目惚れしたりされたりはどちらも十年前。偶然とはいえ同じ時期に続くと気になってしまうわ。
「十年前でございますか……」
ティオも私が気にする理由が伝わったようで苦笑を浮かべた。
「そうでございますね、大旦那様が倒れられて当主代行を務めるようになられた頃です」
それからティオはヴォルフ様の当時の様子を教えてくれた。お義父様が倒れたのは突然だったこと、二年ほどは休みもろくに取れず身体を壊さないか心配だったこと、エマやクラリッサ様の相手をするような暇などなかったことなどだ。
「エマの話は別人だと断言できましょう。旦那様が騎士団に足を向けることなどございませんでしたから。フリーデル公爵令嬢の件に関しまして私は王宮に付いていっていないので何とも申し上げられませんが、旦那様が王宮を訪ねたのは陛下との謁見や貴族会議、事務手続きのためです。すれ違う程度のことはあったかと思われますが、従者から何かあったという話は聞いておりません」
ヴォルフ様の心に留まるものはなかったとティオは言った。もっとも常に無表情だから気付かなかったかもしれないけれど。
「奥様、ご心配には及びません。旦那様は奥様と離縁するお考えはございません。奥様を気に入っていらっしゃるのは間違いございませんから」
「そう言って貰えると嬉しいわ。でも、私の存在がヴォルフ様の枷にならないかしら?」
「それも含めた上で旦那様がお決めになったことです。旦那様は他家からの干渉を最も嫌います。それにフリーデル公爵令嬢が、いえ、一般的な令嬢が旦那様を理解することは難しいでしょう」
「それは、ヴォルフ様の感情がないから?」
「それだけではございません。旦那様が孤児として、影として生きていた過去も含めてです。生き延びるために必須だったとはいえ、旦那様の過去は一般的には受け入れ難いものでございましょう」
確かにそうね、陛下のお子だとしても孤児として育ち影に身を置いた過去を知れば蔑む者も出てくるかもしれない。クラリッサ様にはそんなヴォルフ様も受け入れられるのかしら?
「奥様は旦那様の過去を受け入れて下さり、その上で旦那様を慕って下さいました。旦那様もそれがいかに稀有なことかはご理解していらっしゃいます」
「そ、そうかしら?」
そんな風に言われると何だか面映ゆいわ。でも、過去も含めたヴォルフ様が好きになってしまったのだもの。恋って好きになった方が負けだと言うけれどその通りだと思う。こんなはずじゃなかったのにと思うけれど後悔はないわ。
「ねぇ、ティオ、ヴォルフ様の感情は……戻らないのかしら?」
「奥様?」
「ヴォルフ様が感情を失った経緯はわかったわ。でも、一度失われたら二度と戻らないものなのかしら? 私には完全に感情がないようには思えないわ。ティオもそう言っていたわよね」
そう、ティオも以前言っていたわ、ヴォルフ様に僅かに感情を感じると。だったらそれを取り戻せないの?
「左様でございますね。旦那様にも感情はあると私も思います。奥様のことでは何かと私に尋ねて来られるのも旦那様の中で何か変化がおありだからでしょう。以前の旦那様は……決してそんなことを口にはされませんでしたから」
私がヴォルフ様のお心に変化を起こしているのなら嬉しい。だったら感情を取り戻すお手伝いが出来るかもしれないと思うのは思いあがりかしら。そりゃあ人生には嫌なことも多いけれど、楽しいことや嬉しいこともたくさんあるわ。それを感じてほしいと思うのは烏滸がましいかしら。
「奥様がそう考えて下さること、大変嬉しく思います。時間がかかるやもしれませんが、奥様の旦那様を想うお心が旦那様を変えて下さればと、そう願わずにはいられません」
ティオの言い方はそれが簡単ではないと示していた。そうね、ティオだってヴォルフ様のためにこれまで色々尽力してくれたはず。それでこの状態なら劇的に変えることは難しいのかもしれない。どうしたらいいのかもわからないけれど、私たちは一生を共にするわ。だったら時間がかかってもいい、ヴォルフ様の感情を取り戻すお手伝いがしたい。
私が秘かな決意を胸に抱いた翌日、仰々しい一台の馬車が門番に開門を求めた。我が家は常に門を閉めて護衛も他家の倍は配置しているし、相手が王族であろうとヴォルフ様の許可がなければ中に入ることは出来ない。その日はヴォルフ様が来客の予定が入っていたためお帰り頂いたけれど、懲りもせずにその馬車はその翌日もやってきた。
「またフリーデル公爵が?」
ちょうど午前のお茶を終えて仕事を再開した頃にその知らせが届いた。さすがに他国の王族を二日連続で門前払いするわけにもいかず、ヴォルフ様はティオに来客用の南棟に迎えるよう指示を出していたけれど……
「暫く待たせておけばいい」
そう言ってヴォルフ様は手にしていた書類に再び目を落としたけれど、相手はアーレントの王族なのに大丈夫なのかしら……
「心配しなくていい。俺もあの男も王の子だが、俺の母親は王女、あの男の母親は臣下だ。血統的にも国内での地位も俺の方が上だ」
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