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第二部
母親と子と父親
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翌日、ヴォルフ様とルーディーと共に別邸へと向かった。ヴォルフ様は簡素な騎士服、私は地味な丈の長いワンピースで出来るだけ威圧感を与えないようにした。ルーディーは湯あみしてスージーが用意してくれた服を着たら随分印象が変わったわ。髪も揃えてくれたのね、それだけですっきりした感じになったわ。
ルーディーの母親が滞在している別邸は姉やカリーナが過ごしたものとは別で、更にこじんまりしていた。少し裕福な平民が住むような家で、二階建てで広めの庭もある。しっかり塀に囲まれているのはここでも警備を重視しているからね。馬車を下りると家の管理を任されている中年の使用人が出迎えてくれた。
「様子は?」
「特には」
使用人が小さく頭を振ってそう答えた。それだけで母親の容体が芳しくないのが伺い知れた。ルーディーがいるから気を使ってそう言ってくれたのね。まだ八歳の子には重過ぎるもの。
案内された部屋はこの家の主寝室だった。室内には世話をしている侍女がベッドの側に控えていたが、直ぐに立ち上がって深々と頭を下げる。
「母さん!」
耐えかねた様にルーディーがベッドに駆けて母親の顔を覗き込んだが、反応はなかった。近付くと母親の寝顔が見えた。顔は青白く頬はこけて、髪や肌の艶もない。まだ若い筈なのに老婆のように見えた。
「意識は?」
「こちらに着いてからは一度も。ルーザー様が定期的に診に来て下さいますが……」
「ルーザーは?」
「客間でお過ごしでございます」
「話を聞く」
ヴォルフ様がそう言うと使用人は頭を下げてこちらですと案内を始めた。ルーディーも同席させた方がいいのかしら? でも母親の側も離れたくないでしょうし。どうしたらいいのかしら?
「子には酷な話かもしれない」
私の迷いを察してかヴォルフ様が私にだけ聞こえるようにそう仰った。そうね、悪い話なら聞かない方がいいかもしれない。ルーディーには医師に話を聞きに行くから母親についているように伝えて部屋を出た。侍女が側にいれば大丈夫よね。
案内されたのは応接間だった。私たちが席に着くとロータルが説明を始めた。母親の容態はかなり深刻であること、本人から話を聞けないので病の特定には至っていないこと、病と同じくらい栄養状態が悪く体力がないこと、ここ数日が峠であることだった。馬車での移動が負担になったが、救護院では改善は望めなかっただろうとも。目覚めないため薬と栄養のあるスープを少しずつ飲ませているという。目が覚めれば回復も望めるが、そうでなければお覚悟をと言った。
「全く、ザイデル伯爵はどうして……医師くらい派遣すればいいのに」
こんなに具合が悪いのにルーディーを連れ出した伯爵に怒りがわいた。早く引き取れと言いながらこんな状態を放置していたなんて。
「それが狙いだったのかもしれない」
「それがって……このまま亡くなるのを?」
「あの男が何を考えているのかはわからんが……母親から話が聞けなければ真相はわからずじまいだ。こちらが否定しても疑惑は残るだろう」
そんなことをしてどんな意味があるのかと思ったけれど、確かにこのまま亡くなったらルーディーの存在はずっと棘のように残るわ。ヴォルフ様が否定してもザイデル伯爵は噂を立てるでしょうし、いくら否定してもあの指輪を出されると信じる人も出てきそう。でも、あの指輪の紛失届はそれよりもずっと前。王家に残る記録があれば否定出来るけれど……噂は残るわね。それに見つかった直後に母親が亡くなれば、こちらが口封じに殺したと言われる可能性もある。
「伯爵は、そこまで見通して……」
「それはわからないが、助ける気はなかったのだろうな」
酷い話だけれど平民の命を軽く見る貴族が一定数いるのは否めない。伯爵にとっては駒の一つでこの親子がどうなっても気にならないのでしょうね。腹立たしいわ。ルーディーは幼くてまだまだ母親が必要な年だから何とか助けてあげたい。母親が眠る部屋に戻ると、ルーディーは今にも泣きそうな表情で、ベッドの端に腰かけて母親の手を握っていた。健気なその姿に胸が痛むわ。
話を聞くことも出来ないしヴォルフ様は多忙なため屋敷に戻ることにした。ルーディーは母親についているというので使用人たちに任せたわ。この状態で二人を離すのはさすがに酷だもの。屋敷に戻るとヴォルフ様はアベルに家の警備を強化にするように命じ、アベルが騎士を選んで送っていた。ザイデル伯爵を警戒してのことね。目的がわからない以上警戒は緩められないわ。後は母親の体力次第。ルーディーのためにも頑張ってほしい。
母親から話が聞けない一方で、ヴォルフ様は人を使ってあの親子のことを調べていた。母親はエマと言い、ルーディーが言った通り若い頃は騎士団に勤めていた。三年ほど勤めた後で退職したが、辞めた理由を知っている者はいなかった。その後キルヒ救護院で出産し、そこの紹介で近くの食堂で給仕の仕事をしていた。生活は貧しく食べるのに精一杯だったが母子は仲が良く、エマを悪く言う者はいなかったという。
一方で父親に繋がるものはヴォルフという名だけだった。一目惚れなどの馴れ初めは最近エマが救護院の院長に打ち明けたもので、自身の死を予感してかルーディーの実父に知らせたいと言っていたのだとか。残念なことに院長は家名を聞いたらしいが高齢なのもあってか覚えていないという。だったら貴族なのよね。
ヴォルフという名はそんなに珍しいものではない。それにヴォルフガングなどの愛称もヴォルフだから、それを含めるとさらに増える。家名がわかればいいのだけど……貴族図鑑から該当する人を探しているし、同時に騎士団に問い合わせをしているという。騎士団に勤めるなら下位貴族が多いわね。十年前の記録が残っていればいいのだけど……エマに話が聞けない今、地道に探すしかないわね。
そんな風に思っていたら、翌日には該当する人物が見つかったとの知らせがあったので執務室に向かった。
「一体どなたでしたの?」
「イルクナー伯爵家の嫡男だ」
「イルクナー伯爵って……あの夫人の?」
ヴォルフ様が頷いたけれど、それってザイデル夫人の実家だわ。確か夫人には弟がいらして名前は……ヴォルフラム様……だったはず。
「騎士団に記録が残っていた。十八で騎士団に入団して王都勤めだったが、二十五から四年間、辺境に異動になっている」
「辺境に?」
その異動は異例だわ。伯爵家の嫡男が四年も辺境にだなんてあり得ない。そりゃあ騎士として出世を望む者が経験と実績を積むために辺境で過ごすことはあるけれど嫡男には必要はないわ。これって懲罰的な意味合いが強いんじゃないかしら。
「その背景は今調べている。お前は当時の父の日記を探ってくれるか?」
「ええ、わかりましたわ」
執務机の上には既にお義父様の日記が積んであったからそう言われると思ったわ。この日記は使用人には見せられないから。日記をティオがソファのテーブルに運んでくれた。ヴォルフ様がくれたメモにはイルクナー小伯爵が異動した日が書いてあるわ。この時期を中心に調べればいいのね。何か手掛かりが残っているといいのだけど。
「これって……」
昼食をはさんで午後のお茶の時間にもう少しというところで、気になる記述を見つけた。そこにはイルクナー小伯爵が若い娘に熱を上げているという噂が社交界で流れているというものだった。だがそれもささやかなものだったようで、簡素にその旨が記されているだけ。その先を読み進めてもそれに繋がりそうなものはなかった。時期はルーディーが生まれる一年ほど前。だったら辻褄も合うわ。
ルーディーの母親が滞在している別邸は姉やカリーナが過ごしたものとは別で、更にこじんまりしていた。少し裕福な平民が住むような家で、二階建てで広めの庭もある。しっかり塀に囲まれているのはここでも警備を重視しているからね。馬車を下りると家の管理を任されている中年の使用人が出迎えてくれた。
「様子は?」
「特には」
使用人が小さく頭を振ってそう答えた。それだけで母親の容体が芳しくないのが伺い知れた。ルーディーがいるから気を使ってそう言ってくれたのね。まだ八歳の子には重過ぎるもの。
案内された部屋はこの家の主寝室だった。室内には世話をしている侍女がベッドの側に控えていたが、直ぐに立ち上がって深々と頭を下げる。
「母さん!」
耐えかねた様にルーディーがベッドに駆けて母親の顔を覗き込んだが、反応はなかった。近付くと母親の寝顔が見えた。顔は青白く頬はこけて、髪や肌の艶もない。まだ若い筈なのに老婆のように見えた。
「意識は?」
「こちらに着いてからは一度も。ルーザー様が定期的に診に来て下さいますが……」
「ルーザーは?」
「客間でお過ごしでございます」
「話を聞く」
ヴォルフ様がそう言うと使用人は頭を下げてこちらですと案内を始めた。ルーディーも同席させた方がいいのかしら? でも母親の側も離れたくないでしょうし。どうしたらいいのかしら?
「子には酷な話かもしれない」
私の迷いを察してかヴォルフ様が私にだけ聞こえるようにそう仰った。そうね、悪い話なら聞かない方がいいかもしれない。ルーディーには医師に話を聞きに行くから母親についているように伝えて部屋を出た。侍女が側にいれば大丈夫よね。
案内されたのは応接間だった。私たちが席に着くとロータルが説明を始めた。母親の容態はかなり深刻であること、本人から話を聞けないので病の特定には至っていないこと、病と同じくらい栄養状態が悪く体力がないこと、ここ数日が峠であることだった。馬車での移動が負担になったが、救護院では改善は望めなかっただろうとも。目覚めないため薬と栄養のあるスープを少しずつ飲ませているという。目が覚めれば回復も望めるが、そうでなければお覚悟をと言った。
「全く、ザイデル伯爵はどうして……医師くらい派遣すればいいのに」
こんなに具合が悪いのにルーディーを連れ出した伯爵に怒りがわいた。早く引き取れと言いながらこんな状態を放置していたなんて。
「それが狙いだったのかもしれない」
「それがって……このまま亡くなるのを?」
「あの男が何を考えているのかはわからんが……母親から話が聞けなければ真相はわからずじまいだ。こちらが否定しても疑惑は残るだろう」
そんなことをしてどんな意味があるのかと思ったけれど、確かにこのまま亡くなったらルーディーの存在はずっと棘のように残るわ。ヴォルフ様が否定してもザイデル伯爵は噂を立てるでしょうし、いくら否定してもあの指輪を出されると信じる人も出てきそう。でも、あの指輪の紛失届はそれよりもずっと前。王家に残る記録があれば否定出来るけれど……噂は残るわね。それに見つかった直後に母親が亡くなれば、こちらが口封じに殺したと言われる可能性もある。
「伯爵は、そこまで見通して……」
「それはわからないが、助ける気はなかったのだろうな」
酷い話だけれど平民の命を軽く見る貴族が一定数いるのは否めない。伯爵にとっては駒の一つでこの親子がどうなっても気にならないのでしょうね。腹立たしいわ。ルーディーは幼くてまだまだ母親が必要な年だから何とか助けてあげたい。母親が眠る部屋に戻ると、ルーディーは今にも泣きそうな表情で、ベッドの端に腰かけて母親の手を握っていた。健気なその姿に胸が痛むわ。
話を聞くことも出来ないしヴォルフ様は多忙なため屋敷に戻ることにした。ルーディーは母親についているというので使用人たちに任せたわ。この状態で二人を離すのはさすがに酷だもの。屋敷に戻るとヴォルフ様はアベルに家の警備を強化にするように命じ、アベルが騎士を選んで送っていた。ザイデル伯爵を警戒してのことね。目的がわからない以上警戒は緩められないわ。後は母親の体力次第。ルーディーのためにも頑張ってほしい。
母親から話が聞けない一方で、ヴォルフ様は人を使ってあの親子のことを調べていた。母親はエマと言い、ルーディーが言った通り若い頃は騎士団に勤めていた。三年ほど勤めた後で退職したが、辞めた理由を知っている者はいなかった。その後キルヒ救護院で出産し、そこの紹介で近くの食堂で給仕の仕事をしていた。生活は貧しく食べるのに精一杯だったが母子は仲が良く、エマを悪く言う者はいなかったという。
一方で父親に繋がるものはヴォルフという名だけだった。一目惚れなどの馴れ初めは最近エマが救護院の院長に打ち明けたもので、自身の死を予感してかルーディーの実父に知らせたいと言っていたのだとか。残念なことに院長は家名を聞いたらしいが高齢なのもあってか覚えていないという。だったら貴族なのよね。
ヴォルフという名はそんなに珍しいものではない。それにヴォルフガングなどの愛称もヴォルフだから、それを含めるとさらに増える。家名がわかればいいのだけど……貴族図鑑から該当する人を探しているし、同時に騎士団に問い合わせをしているという。騎士団に勤めるなら下位貴族が多いわね。十年前の記録が残っていればいいのだけど……エマに話が聞けない今、地道に探すしかないわね。
そんな風に思っていたら、翌日には該当する人物が見つかったとの知らせがあったので執務室に向かった。
「一体どなたでしたの?」
「イルクナー伯爵家の嫡男だ」
「イルクナー伯爵って……あの夫人の?」
ヴォルフ様が頷いたけれど、それってザイデル夫人の実家だわ。確か夫人には弟がいらして名前は……ヴォルフラム様……だったはず。
「騎士団に記録が残っていた。十八で騎士団に入団して王都勤めだったが、二十五から四年間、辺境に異動になっている」
「辺境に?」
その異動は異例だわ。伯爵家の嫡男が四年も辺境にだなんてあり得ない。そりゃあ騎士として出世を望む者が経験と実績を積むために辺境で過ごすことはあるけれど嫡男には必要はないわ。これって懲罰的な意味合いが強いんじゃないかしら。
「その背景は今調べている。お前は当時の父の日記を探ってくれるか?」
「ええ、わかりましたわ」
執務机の上には既にお義父様の日記が積んであったからそう言われると思ったわ。この日記は使用人には見せられないから。日記をティオがソファのテーブルに運んでくれた。ヴォルフ様がくれたメモにはイルクナー小伯爵が異動した日が書いてあるわ。この時期を中心に調べればいいのね。何か手掛かりが残っているといいのだけど。
「これって……」
昼食をはさんで午後のお茶の時間にもう少しというところで、気になる記述を見つけた。そこにはイルクナー小伯爵が若い娘に熱を上げているという噂が社交界で流れているというものだった。だがそれもささやかなものだったようで、簡素にその旨が記されているだけ。その先を読み進めてもそれに繋がりそうなものはなかった。時期はルーディーが生まれる一年ほど前。だったら辻褄も合うわ。
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また誤字脱字を報告して下さる皆様に感謝申し上げます。
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