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姉の出産
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別邸に無事着いた。それだけのことなのに昨夜のあれこれのせいか一仕事終えた気分になったわ。思った以上に気を張っていたみたい。別邸の家令が出迎えてくれて応接間へ向かった。そこは産室にした部屋から離れているけれど同じ階だった。お茶を淹れるザーラの横で家令が今の状況を教えてくれた。中々陣痛が強くならず生まれないのは変わりなく、姉の消耗が激しいという。産婆がマッサージなどをしてくれているが陣痛を強めるには至らないらしい。既に一日近く経っている。姉の様子はどうなのかしら?
「お姉様に会えそう?」
邪魔になるなら無理に会おうとは思わない。姉が望んでいないのなら尚更だ。確認して参りますと言って家令が出ていった。産気付いたのは昨日の夕方近くだったからかなりの時間が経っている。初産は時間がかかると聞くけれどこれは許容範囲なのかしら? 暫くするとルーザー医師とその見習のロータルがやって来た。まだ若いロータルは元気そうだけどルーザー医師の表情は冴えない。中々産まれないから気が抜けないのでしょうね。
ロータルがルーザー医師の代わりに説明してくれた。それによると報告にあったように産気付いたけれど陣痛が弱くて子が出て来れないのだという。あまり時間がかかり過ぎると母子ともに負担が大きいから、このまま変わりなければ陣痛を促す薬草を使うことも考えていると言った。
「薬草、ですか」
「全く副作用がないとは言い難いので、正直あまり使いたくはないのですが……ただ、このまま長引けば母子ともに危険です。いつ使うかは先生の判断によりますが、母子を守るためにもご理解いただきたいのです」
そんな薬草があるとは知らなかったけれど、確かにお産は苦しそうだし言葉に言い表せないほど痛いと聞く。そんな時間が長く続けば確かに身体への負担は大きいけれど副作用があると言われると考えてしまう。でも、素人の私たちが口を出していい話じゃないわよね。
「わかった。最善を尽くしてくれ」
「二人の命を最優先にお願いします」
「仰せのままに」
ルーザー医師とロータルが深々と頭を下げた。元は宮廷薬師もしていた方だから問題ないと思うけれど、医者は神じゃないから全てを救えるわけじゃない。後は姉と子の生命力を信じるしかないわね。姉に会う気があるか聞いて貰ったけれど、今は余裕がないから会いたくないと返事が来た。だったら待つしかないわ。長くかかりそうだと客間を用意してくれたのでそちらで待つことにした。
「イルーゼ、暫く休め」
部屋に着くとヴォルフ様にそう勧められたけれど、気が昂っているのか眠気を感じない。それに、お疲れなのはヴォルフ様の方だわ。
「私は大丈夫です。ヴォルフ様こそ少しお休みください」
「俺は大丈夫だ」
「でも……それなら、私はソファで休みますからヴォルフ様はベッドをお使いください」
「だったら俺がソファで休む」
やっぱりそう仰るわよね。
「いえ、私はドレスなのでさすがに横にはなれませんわ。この格好ならソファの方が楽なのです」
スカートの広がりが控えめのものにしたけれど、それでも横になると凄く邪魔だから脱ぐしかない。それだと何かあった時にすぐに動けない。ソファで座ったままの方が何かと都合がいいのよ。
「このソファ、とても座り心地がいいですし、ベッドに横になったら何かあっても直ぐに動けませんから」
「……わかった」
重ねてそう言うとヴォルフ様は私の手を取って三人は座れそうなソファに導いた。私を座らせると上着を脱いでザーラに渡してから隣に腰を下ろした。
「ヴォ……?」
名を呼ぶ声は途中で遮られた。ソファに押し付けられて口を塞がれたからだ。何が起きているのかよくわからないけれど、息苦しいほどに口を貪られた。ザーラたちもいるのにとようやく我に返った頃に解放されたけれど……何が起きたの? 呆然とする私をよそにヴォルフ様はそのまま私の膝に頭を下ろした。
「……これでいい」
「こ、これでって……」
そう言って目を瞑ってしまったからそれ以上は何も言えなかった。ザーラが固まっているわ。ヴォルフ様の表情は見えないけれど戸惑っている間に規則正しい呼吸音が室内に響く。ザーラがそっとカーテンを閉めると室内は薄暗くなった。
「ザーラもそっちのソファで休んで」
「ですが……」
「お茶も要らないし、ザーラだってずっと休んでいないわ。無理して万が一の時に後れを取るわけにはいかないでしょう?」
「ですが……」
「休め」
「……はい。では、少しだけ」
ヴォルフ様が命じるとさすがに彼女も疲れているのだろう、向かい側のソファに腰を下ろした。私も……と思うけれど、この状況ではとても眠れそうにないわ。ザーラたちもいる前で膝枕をするような方だとは思わなかった。それだけお疲れなのでしょうけれど何だか恥ずかしいというか照れくさいわ……それだけ心を許して下さっていると思ってもいいのかしら? だったら嬉しい……そっと頭を撫でてみた。眠るのに邪魔かしら? でも何も言われないからいいのよね? 固そうに見えた黒髪は思った以上に柔らかく感じた。
「……ゼ、イルーゼ!」
名を呼ばれ揺り動かされる感覚に意識がゆるゆると浮上した。目を開くとヴォルフ様が隣に座って私を見下ろしていた。いつの間にか眠っていたのね。全く眠れそうにないと思っていたけれど身体は正直だった。。
「……ヴォルフ様……私、いつの間に……今は、夜?」
部屋の中が随分暗くなっていた。さっきはカーテンを閉めたせいで暗かったけれど、これは燭台の灯りによるものだわ。
「ああ、とっくに日が暮れた」
「そんなに……」
思った以上に眠ってしまったわ。夜とはいってもいつ頃なのかしら?
「医師が姉に薬を使いたいと言っている」
「薬を……そう、ですか」
ルーザー医師がそう言ってくるということは、これ以上は危険だって判断されたのね。
「どうする?」
「先生がそう判断されたのなら、私に異論はありませんわ」
素人がその時の気分や感情で判断なんか出来ないもの。専門的なことはその道に詳しい人の指示に従うわ。今は人命がかかっているのだから尚更よ。
「わかった。その様に伝えろ」
「はい、ではその様に」
入り口にいたロータルが一礼して部屋を出ていった。副作用もあると言うけれど医師がそう判断したのなら何も言えないわ。二人が無事にこの出産を終えられるように尽力して下さっているのは間違いないのだから。
「不安か?」
「少し……」
稀に出産で命を落とす人もいる。姉とは色々あったけれど不幸になってほしいわけじゃないわ。ここまで拗れてしまうと関係修復が難しいことは理解している。寂しく思う気持ちはあるけれど、今までされたことがなかったことにはならないもの。それは両親や兄も同じだけど。
どれくらい経ったかしら? 廊下から慌ただしい足音が聞こえて俄かに騒がしくなった。何か変化があったのかもしれないわね。ヴォルフ様と顔を見合わせる。ヴォルフ様が頷いたので共に姉のいる部屋の方に向かった。
「旦那様! 奥様!」
声をかけてきたのは家令だった。
「どうなっている?」
「う、産まれました! だ、男児です! ですが……」
「ど、どうしたの? 何かあったの?」
「う、産声がなくて……息をしていないと……」
「何ですって!?」
それではお子は……最悪の事態にぐらりと視界が歪んだ気がした。
「あ、姉は? 姉はどうなのですか?」
「そ、そこまでは私もまだ……」
家令に詰め寄ったその時だった。微かに赤子の声が聞こえた気がした。そしてそれは徐々に大きくなっていく。
「ヴォルフ様!」
「無事のようだな」
元気な声が屋敷に響き渡る。だったら子は大丈夫だわ。あんなに力強く泣いているのだから。だったら……
「あ、旦那様! 奥様!」
姉の産室から出てきたのはロータルだった。私たちに気付いて駆け寄ってきた。
「お生まれになりましたよ。元気な男の子でございます。フィリーネ様もご無事です!」
笑顔で顔をくしゃくしゃにしたロータルの声に、周囲にいた使用人たちから歓声と拍手が上がった。
「お姉様に会えそう?」
邪魔になるなら無理に会おうとは思わない。姉が望んでいないのなら尚更だ。確認して参りますと言って家令が出ていった。産気付いたのは昨日の夕方近くだったからかなりの時間が経っている。初産は時間がかかると聞くけれどこれは許容範囲なのかしら? 暫くするとルーザー医師とその見習のロータルがやって来た。まだ若いロータルは元気そうだけどルーザー医師の表情は冴えない。中々産まれないから気が抜けないのでしょうね。
ロータルがルーザー医師の代わりに説明してくれた。それによると報告にあったように産気付いたけれど陣痛が弱くて子が出て来れないのだという。あまり時間がかかり過ぎると母子ともに負担が大きいから、このまま変わりなければ陣痛を促す薬草を使うことも考えていると言った。
「薬草、ですか」
「全く副作用がないとは言い難いので、正直あまり使いたくはないのですが……ただ、このまま長引けば母子ともに危険です。いつ使うかは先生の判断によりますが、母子を守るためにもご理解いただきたいのです」
そんな薬草があるとは知らなかったけれど、確かにお産は苦しそうだし言葉に言い表せないほど痛いと聞く。そんな時間が長く続けば確かに身体への負担は大きいけれど副作用があると言われると考えてしまう。でも、素人の私たちが口を出していい話じゃないわよね。
「わかった。最善を尽くしてくれ」
「二人の命を最優先にお願いします」
「仰せのままに」
ルーザー医師とロータルが深々と頭を下げた。元は宮廷薬師もしていた方だから問題ないと思うけれど、医者は神じゃないから全てを救えるわけじゃない。後は姉と子の生命力を信じるしかないわね。姉に会う気があるか聞いて貰ったけれど、今は余裕がないから会いたくないと返事が来た。だったら待つしかないわ。長くかかりそうだと客間を用意してくれたのでそちらで待つことにした。
「イルーゼ、暫く休め」
部屋に着くとヴォルフ様にそう勧められたけれど、気が昂っているのか眠気を感じない。それに、お疲れなのはヴォルフ様の方だわ。
「私は大丈夫です。ヴォルフ様こそ少しお休みください」
「俺は大丈夫だ」
「でも……それなら、私はソファで休みますからヴォルフ様はベッドをお使いください」
「だったら俺がソファで休む」
やっぱりそう仰るわよね。
「いえ、私はドレスなのでさすがに横にはなれませんわ。この格好ならソファの方が楽なのです」
スカートの広がりが控えめのものにしたけれど、それでも横になると凄く邪魔だから脱ぐしかない。それだと何かあった時にすぐに動けない。ソファで座ったままの方が何かと都合がいいのよ。
「このソファ、とても座り心地がいいですし、ベッドに横になったら何かあっても直ぐに動けませんから」
「……わかった」
重ねてそう言うとヴォルフ様は私の手を取って三人は座れそうなソファに導いた。私を座らせると上着を脱いでザーラに渡してから隣に腰を下ろした。
「ヴォ……?」
名を呼ぶ声は途中で遮られた。ソファに押し付けられて口を塞がれたからだ。何が起きているのかよくわからないけれど、息苦しいほどに口を貪られた。ザーラたちもいるのにとようやく我に返った頃に解放されたけれど……何が起きたの? 呆然とする私をよそにヴォルフ様はそのまま私の膝に頭を下ろした。
「……これでいい」
「こ、これでって……」
そう言って目を瞑ってしまったからそれ以上は何も言えなかった。ザーラが固まっているわ。ヴォルフ様の表情は見えないけれど戸惑っている間に規則正しい呼吸音が室内に響く。ザーラがそっとカーテンを閉めると室内は薄暗くなった。
「ザーラもそっちのソファで休んで」
「ですが……」
「お茶も要らないし、ザーラだってずっと休んでいないわ。無理して万が一の時に後れを取るわけにはいかないでしょう?」
「ですが……」
「休め」
「……はい。では、少しだけ」
ヴォルフ様が命じるとさすがに彼女も疲れているのだろう、向かい側のソファに腰を下ろした。私も……と思うけれど、この状況ではとても眠れそうにないわ。ザーラたちもいる前で膝枕をするような方だとは思わなかった。それだけお疲れなのでしょうけれど何だか恥ずかしいというか照れくさいわ……それだけ心を許して下さっていると思ってもいいのかしら? だったら嬉しい……そっと頭を撫でてみた。眠るのに邪魔かしら? でも何も言われないからいいのよね? 固そうに見えた黒髪は思った以上に柔らかく感じた。
「……ゼ、イルーゼ!」
名を呼ばれ揺り動かされる感覚に意識がゆるゆると浮上した。目を開くとヴォルフ様が隣に座って私を見下ろしていた。いつの間にか眠っていたのね。全く眠れそうにないと思っていたけれど身体は正直だった。。
「……ヴォルフ様……私、いつの間に……今は、夜?」
部屋の中が随分暗くなっていた。さっきはカーテンを閉めたせいで暗かったけれど、これは燭台の灯りによるものだわ。
「ああ、とっくに日が暮れた」
「そんなに……」
思った以上に眠ってしまったわ。夜とはいってもいつ頃なのかしら?
「医師が姉に薬を使いたいと言っている」
「薬を……そう、ですか」
ルーザー医師がそう言ってくるということは、これ以上は危険だって判断されたのね。
「どうする?」
「先生がそう判断されたのなら、私に異論はありませんわ」
素人がその時の気分や感情で判断なんか出来ないもの。専門的なことはその道に詳しい人の指示に従うわ。今は人命がかかっているのだから尚更よ。
「わかった。その様に伝えろ」
「はい、ではその様に」
入り口にいたロータルが一礼して部屋を出ていった。副作用もあると言うけれど医師がそう判断したのなら何も言えないわ。二人が無事にこの出産を終えられるように尽力して下さっているのは間違いないのだから。
「不安か?」
「少し……」
稀に出産で命を落とす人もいる。姉とは色々あったけれど不幸になってほしいわけじゃないわ。ここまで拗れてしまうと関係修復が難しいことは理解している。寂しく思う気持ちはあるけれど、今までされたことがなかったことにはならないもの。それは両親や兄も同じだけど。
どれくらい経ったかしら? 廊下から慌ただしい足音が聞こえて俄かに騒がしくなった。何か変化があったのかもしれないわね。ヴォルフ様と顔を見合わせる。ヴォルフ様が頷いたので共に姉のいる部屋の方に向かった。
「旦那様! 奥様!」
声をかけてきたのは家令だった。
「どうなっている?」
「う、産まれました! だ、男児です! ですが……」
「ど、どうしたの? 何かあったの?」
「う、産声がなくて……息をしていないと……」
「何ですって!?」
それではお子は……最悪の事態にぐらりと視界が歪んだ気がした。
「あ、姉は? 姉はどうなのですか?」
「そ、そこまでは私もまだ……」
家令に詰め寄ったその時だった。微かに赤子の声が聞こえた気がした。そしてそれは徐々に大きくなっていく。
「ヴォルフ様!」
「無事のようだな」
元気な声が屋敷に響き渡る。だったら子は大丈夫だわ。あんなに力強く泣いているのだから。だったら……
「あ、旦那様! 奥様!」
姉の産室から出てきたのはロータルだった。私たちに気付いて駆け寄ってきた。
「お生まれになりましたよ。元気な男の子でございます。フィリーネ様もご無事です!」
笑顔で顔をくしゃくしゃにしたロータルの声に、周囲にいた使用人たちから歓声と拍手が上がった。
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