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前当主の糾弾
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国王陛下の在位十五周年を祝う式典の場は、その瞬間水を打ったように静まり返った。ダンスのために流れていた音楽もいつの間にか止み、人々の視線はこちらに向けられていた。
「父上っ! このような場で何を申されるのですか!?」
最初に声を上げたのは実子のミュンター侯爵だった。父親に似ず小心なところもあると言われている現当主は父の告発に顔を青褪めさせていた。
「……何を言い出すかと思えば……アウグスト殿、疲れているようだな」
「陛下、ご心配なく。疲れなど微塵も感じておりませぬ」
「だが、その様な奇異荒唐な話、そうでもなければ出てくるとは思えぬ。ああ誰か、アウグスト殿を控室に案内して介助してやれ」
陛下は前当主の名誉を慮って、この話を疲れによる世迷言にして終わらせることにされたらしい。
「ご心配には及びません陛下、正気でございますれば。それよりも陛下こそお疑いになられたことはないのですか? そこに立つ男は先代当主であるオスカー殿とは全く似ておりません。しかも粗野で貴族らしからぬ態度、とてもゾルガーの血を引いているとは思えません」
残念ながら陛下のお心遣いは無駄になった。それにしても前当主の顔には相変わらず笑みが浮かんでいる。それが酷く異質に見えるわ。
「親子だからと言って似るとは限らぬだろう。現にわしは父とは全く似ておらなんだ」
「陛下は先々帝様によく似ておいででした。それに……私がこのことを申し上げたのは相応の根拠があってのことでございます」
その言葉に再び会場がざわついた。相応の根拠って……どういうことかしら? 血が繋がっているかを調べる方法なんてないのに。
「こちらをご覧ください」
そう言うと前当主は紙の束を陛下へと差し出した。侍従がためらいながら陛下を見上げる。陛下が頷かれたので侍従はその紙の束を受け取ると陛下へと差し出した。前当主が言うには、これはヴォルフ様のお母様とお兄様が襲われた時の騎士団の記録だという。その記録には襲撃で命を落とさずに済んだ護衛騎士と侍女、捜査に当たった騎士と治療をした医師の証言が記されていて、その中に亡くなった子供は二人との記述があるという。
「おかしくはありませんか? あの襲撃で亡くなった者がなぜここに存在しているのか。医師が虚偽の証言をするとは思えませぬ。となれば……」
そう言って前当主はヴォルフ様に再び視線を向けた。
「そこに立つ男は一体、何者だというのでしょう」
前当主がヴォルフ様を指さして会場内の貴族に問いかけた。その姿は芝居がかっていてまるで舞台に上がった俳優のように見えた。
「ゾルガー家は初代国王陛下より貴族家の取りまとめを命じられた尊い血筋。それを偽るなど、国への、更には初代陛下のご意志を無下にする重大な違反行為にございます!」
前当主の狙いはこれだったのね。ヴォルフ様の命を狙っても失敗続きだから、今度は偽物として糾弾して表舞台から追放しようと。
「なるほど……この話が本当であれば大問題ですな」
遠慮がちに声を上げたのは、挨拶の順が来るのを待っていた五侯爵家で最年長のベルトラム侯爵だった。その向こうにはエルマ様たちの姿もあって不安そうにこちらを伺っていた。心配してくれたのがわかって心が少し落ち着いた。
「ゾルガー侯爵、何とか言ったらどうだ? そうでないと認めることになってしまうよ」
どっちの味方なのかわからないけれど、五侯爵家としては自分たちが仰ぐ筆頭の当主の素性がわからないのは看過出来ないのでしょうね。
「このような茶番、わざわざ反論が必要か?」
「私もそう思うけどね、周りはそう思わないだろう?」
肩をすくめてそう言いながらベルトラム侯爵がこちらに近付いてきた。気が付けばアルトナーとランベルツの当主もいつの間にか陛下の御前に来ている。
「茶番というが、ゾルガー家の当主はこの国の要。どこの馬の骨ともわからぬ者が僭称しているとなれば看過出来ぬのは仕方があるまい。そこな男よ、本当の名を、正体を露わにしろ。初めて会った時から怪しいとは思っておったのだ。ゾルガーの家に生まれながら貴族らしい会話も出来ず、不遜で横柄な態度。しかも黒髪に緑の瞳とは禍々しい! 悪魔の色ではないか! だがそれも下賤の者となれば納得だ」
柔和な佇まいを崩して前当主が声を荒げた。さすがは先王様と共に国を混乱させた一人だけあって有無を言わせない何かがあるわ。そのせいか周囲の貴族の間からひそひそと声を潜めた会話がさざ波のように会場に広がった。悪魔の色という言葉に反応して嫌悪感を露わにする人までいる。百年前の悪虐王は未だに我が国の禁忌のままだものね。
「そこの夫人よ。そなたもこの男の正体が知りたかろう?」
いつの間にか前当主の矛先がこちらに向かっていた。その表情には小馬鹿にした色がありありと見える。彼にとっては伯爵家の次女など取るに足らない存在なのでしょうね。
「今はどんな気分じゃ? 筆頭侯爵と思っていた男が下賤の者だったと知って。そんな男に嫁がされて身体を穢されるとは何とも気の毒なことよの」
前当主の眼には私への侮蔑と嘲笑がありありと見えた。気持ち悪いことを言わないでほしいわ。ヴォルフ様が下賤の者? ご冗談を。
「ご心配には及びませんわ。夫は誰よりも強く優しいお心を持つ素晴らしい方です。主人に嫁げた私はとても果報者だと思っておりますもの」
話を振られて心臓が跳ねたけれど、今の言葉は心からのものだったから自然と笑みが浮かんだ。そんな私を見て前当主が口元を引きつらせているのが見えたわ。まさかそんな風に言い返すとは思わなかったのでしょうね。
「これは異なことを。夫人はどうやら目がお悪いようだ。しかも物事の道理を見通す目が」
「まぁ、それは失礼しましたわ。ふふ、でも私、自分では男性を見る目はあると思っておりますの。少なくとも夫は人の命を軽んじたり人様の妻と通じたりして平気な顔をしていられるような厚顔さはありませんもの」
扇で口元を隠してそう言うと前当主の表情が強張ったわ。私欲のために幼子の命を奪ったり人の妻を寝取ったりして平気な人などお断りだわ。誰のことかなんて言わないけれど。
「確かに夫は不愛想ですし無口で怖がられますけれど、それも襲撃された証拠ではありませんか?」
「何だと……」
「お医者様からお聞きしましたの。恐ろしい目に遭うと人は心を守るために心を閉ざし、時には記憶も閉ざすと。まだ六つのちいさな子が、目の前で大好きなお母様やお兄様を次々に殺されるなど、どれほど恐ろしかったでしょう……」
自分で言った言葉なのに悲しみが押し寄せてきたわ。本当にヴォルフ様はどれほどにお辛かったことか。私の言葉を聞いた会場内は、特に女性と子を持つ方々が痛ましそうに表情を歪めた。
「あの襲撃がなければこのような疑いをもたれることもなかったでしょうに。お気の毒な旦那様……それでもゾルガーの当主として務めを全うしようとする夫を、私は誇りに思いますわ」
改めて言葉にすると本当にヴォルフ様はお強くてお優しいとわかるわ。私ならきっと耐えられないもの。
「それに、出自など大した問題ではありませんわ」
「何ですと? 夫人は貴族の在り方が理解出来ぬようですな」
「あら、だったら子がいないからと養子をとることはいけませんの? 時には孤児院から子を後継として迎える家もございますわ。大事なのは当主が望み、国王陛下がお認めになることではありませんの?」
上位貴族では少ないけれど、下位貴族では珍しくないと聞くわ。血統だけでは家は続かないもの。養子を全否定したら貴族社会など成り立たない。
「こ、小娘が調子にのりおって……!」
私の発言を否定出来なかった前当主が目に怒りを込めて睨みつけてきた。小娘で悪かったわね、前当主だって昔は青二才だったくせに。平然としている私が更に気に障ったのか、前当主が手にしていた杖を私に向かって投げつけてきた。夫人たちの悲鳴が上がったけれど、その杖は私に届くことはなかった。ヴォルフ様がしっかり受け止めていたからだ。
「アウグスト、王の御前だ。慎め」
「う、うるさいっ! 貴様ごとき下賤の血が流れる者に呼び捨てにされる謂れはないわ。この忌々しい悪魔が!」
前当主がとうとう怒りに我を忘れて感情のままに叫んだ。そこにはさっきまでの温和な面影は欠片も残っていなかった。
「なるほど。だったら王家の血も下賤の血というわけか」
「父上っ! このような場で何を申されるのですか!?」
最初に声を上げたのは実子のミュンター侯爵だった。父親に似ず小心なところもあると言われている現当主は父の告発に顔を青褪めさせていた。
「……何を言い出すかと思えば……アウグスト殿、疲れているようだな」
「陛下、ご心配なく。疲れなど微塵も感じておりませぬ」
「だが、その様な奇異荒唐な話、そうでもなければ出てくるとは思えぬ。ああ誰か、アウグスト殿を控室に案内して介助してやれ」
陛下は前当主の名誉を慮って、この話を疲れによる世迷言にして終わらせることにされたらしい。
「ご心配には及びません陛下、正気でございますれば。それよりも陛下こそお疑いになられたことはないのですか? そこに立つ男は先代当主であるオスカー殿とは全く似ておりません。しかも粗野で貴族らしからぬ態度、とてもゾルガーの血を引いているとは思えません」
残念ながら陛下のお心遣いは無駄になった。それにしても前当主の顔には相変わらず笑みが浮かんでいる。それが酷く異質に見えるわ。
「親子だからと言って似るとは限らぬだろう。現にわしは父とは全く似ておらなんだ」
「陛下は先々帝様によく似ておいででした。それに……私がこのことを申し上げたのは相応の根拠があってのことでございます」
その言葉に再び会場がざわついた。相応の根拠って……どういうことかしら? 血が繋がっているかを調べる方法なんてないのに。
「こちらをご覧ください」
そう言うと前当主は紙の束を陛下へと差し出した。侍従がためらいながら陛下を見上げる。陛下が頷かれたので侍従はその紙の束を受け取ると陛下へと差し出した。前当主が言うには、これはヴォルフ様のお母様とお兄様が襲われた時の騎士団の記録だという。その記録には襲撃で命を落とさずに済んだ護衛騎士と侍女、捜査に当たった騎士と治療をした医師の証言が記されていて、その中に亡くなった子供は二人との記述があるという。
「おかしくはありませんか? あの襲撃で亡くなった者がなぜここに存在しているのか。医師が虚偽の証言をするとは思えませぬ。となれば……」
そう言って前当主はヴォルフ様に再び視線を向けた。
「そこに立つ男は一体、何者だというのでしょう」
前当主がヴォルフ様を指さして会場内の貴族に問いかけた。その姿は芝居がかっていてまるで舞台に上がった俳優のように見えた。
「ゾルガー家は初代国王陛下より貴族家の取りまとめを命じられた尊い血筋。それを偽るなど、国への、更には初代陛下のご意志を無下にする重大な違反行為にございます!」
前当主の狙いはこれだったのね。ヴォルフ様の命を狙っても失敗続きだから、今度は偽物として糾弾して表舞台から追放しようと。
「なるほど……この話が本当であれば大問題ですな」
遠慮がちに声を上げたのは、挨拶の順が来るのを待っていた五侯爵家で最年長のベルトラム侯爵だった。その向こうにはエルマ様たちの姿もあって不安そうにこちらを伺っていた。心配してくれたのがわかって心が少し落ち着いた。
「ゾルガー侯爵、何とか言ったらどうだ? そうでないと認めることになってしまうよ」
どっちの味方なのかわからないけれど、五侯爵家としては自分たちが仰ぐ筆頭の当主の素性がわからないのは看過出来ないのでしょうね。
「このような茶番、わざわざ反論が必要か?」
「私もそう思うけどね、周りはそう思わないだろう?」
肩をすくめてそう言いながらベルトラム侯爵がこちらに近付いてきた。気が付けばアルトナーとランベルツの当主もいつの間にか陛下の御前に来ている。
「茶番というが、ゾルガー家の当主はこの国の要。どこの馬の骨ともわからぬ者が僭称しているとなれば看過出来ぬのは仕方があるまい。そこな男よ、本当の名を、正体を露わにしろ。初めて会った時から怪しいとは思っておったのだ。ゾルガーの家に生まれながら貴族らしい会話も出来ず、不遜で横柄な態度。しかも黒髪に緑の瞳とは禍々しい! 悪魔の色ではないか! だがそれも下賤の者となれば納得だ」
柔和な佇まいを崩して前当主が声を荒げた。さすがは先王様と共に国を混乱させた一人だけあって有無を言わせない何かがあるわ。そのせいか周囲の貴族の間からひそひそと声を潜めた会話がさざ波のように会場に広がった。悪魔の色という言葉に反応して嫌悪感を露わにする人までいる。百年前の悪虐王は未だに我が国の禁忌のままだものね。
「そこの夫人よ。そなたもこの男の正体が知りたかろう?」
いつの間にか前当主の矛先がこちらに向かっていた。その表情には小馬鹿にした色がありありと見える。彼にとっては伯爵家の次女など取るに足らない存在なのでしょうね。
「今はどんな気分じゃ? 筆頭侯爵と思っていた男が下賤の者だったと知って。そんな男に嫁がされて身体を穢されるとは何とも気の毒なことよの」
前当主の眼には私への侮蔑と嘲笑がありありと見えた。気持ち悪いことを言わないでほしいわ。ヴォルフ様が下賤の者? ご冗談を。
「ご心配には及びませんわ。夫は誰よりも強く優しいお心を持つ素晴らしい方です。主人に嫁げた私はとても果報者だと思っておりますもの」
話を振られて心臓が跳ねたけれど、今の言葉は心からのものだったから自然と笑みが浮かんだ。そんな私を見て前当主が口元を引きつらせているのが見えたわ。まさかそんな風に言い返すとは思わなかったのでしょうね。
「これは異なことを。夫人はどうやら目がお悪いようだ。しかも物事の道理を見通す目が」
「まぁ、それは失礼しましたわ。ふふ、でも私、自分では男性を見る目はあると思っておりますの。少なくとも夫は人の命を軽んじたり人様の妻と通じたりして平気な顔をしていられるような厚顔さはありませんもの」
扇で口元を隠してそう言うと前当主の表情が強張ったわ。私欲のために幼子の命を奪ったり人の妻を寝取ったりして平気な人などお断りだわ。誰のことかなんて言わないけれど。
「確かに夫は不愛想ですし無口で怖がられますけれど、それも襲撃された証拠ではありませんか?」
「何だと……」
「お医者様からお聞きしましたの。恐ろしい目に遭うと人は心を守るために心を閉ざし、時には記憶も閉ざすと。まだ六つのちいさな子が、目の前で大好きなお母様やお兄様を次々に殺されるなど、どれほど恐ろしかったでしょう……」
自分で言った言葉なのに悲しみが押し寄せてきたわ。本当にヴォルフ様はどれほどにお辛かったことか。私の言葉を聞いた会場内は、特に女性と子を持つ方々が痛ましそうに表情を歪めた。
「あの襲撃がなければこのような疑いをもたれることもなかったでしょうに。お気の毒な旦那様……それでもゾルガーの当主として務めを全うしようとする夫を、私は誇りに思いますわ」
改めて言葉にすると本当にヴォルフ様はお強くてお優しいとわかるわ。私ならきっと耐えられないもの。
「それに、出自など大した問題ではありませんわ」
「何ですと? 夫人は貴族の在り方が理解出来ぬようですな」
「あら、だったら子がいないからと養子をとることはいけませんの? 時には孤児院から子を後継として迎える家もございますわ。大事なのは当主が望み、国王陛下がお認めになることではありませんの?」
上位貴族では少ないけれど、下位貴族では珍しくないと聞くわ。血統だけでは家は続かないもの。養子を全否定したら貴族社会など成り立たない。
「こ、小娘が調子にのりおって……!」
私の発言を否定出来なかった前当主が目に怒りを込めて睨みつけてきた。小娘で悪かったわね、前当主だって昔は青二才だったくせに。平然としている私が更に気に障ったのか、前当主が手にしていた杖を私に向かって投げつけてきた。夫人たちの悲鳴が上がったけれど、その杖は私に届くことはなかった。ヴォルフ様がしっかり受け止めていたからだ。
「アウグスト、王の御前だ。慎め」
「う、うるさいっ! 貴様ごとき下賤の血が流れる者に呼び捨てにされる謂れはないわ。この忌々しい悪魔が!」
前当主がとうとう怒りに我を忘れて感情のままに叫んだ。そこにはさっきまでの温和な面影は欠片も残っていなかった。
「なるほど。だったら王家の血も下賤の血というわけか」
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