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閑話:某伯爵夫人の手記①
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閨に関する話です。
直接的な表現はありませんが、苦手な方はお控え下さい。
- - - - - - -
リーゼ様との婚姻式から半月。エルマ様とリーゼ様を招いたお茶会を終えた私は自室で一冊の本と対峙していた。この本は以前リーゼ様が話してくれたとある伯爵夫人の手記。そう、あの閨事を明け透けに記録して夫人の間では秘かな人気となっているあの本だ。ちなみにエルマ様も同じ本を持って帰られている。
「イルーゼ様、どうなさいました?」
「ひゃぁ!」
本を手にしようとしたところに声をかけられて思わず変な声が出てしまった。訝しげな表情のロッテに何でもないと伝え、本を読むから楽にしていてと伝えるとこの部屋に続く侍女の控室に向かった。扉を開けたままなのは私を一人にするなとの厳命がヴォルフ様から出ているから。
大きく息を吐いてから思い切って本を開いた。この本を読みたかったのは先日の婚姻式で耳にした言葉がどうしても引っかかっていたから。有体に言うとヴォルフ様が私で満足されているか、ということ。ヴォルフ様は私以外の女性に触れないと仰って下さったけれど……それでも不満があれば他の方に目が行くと聞いて不安になってしまった……
私の体型は、悪くないと思う。胸はあるけれど大き過ぎるほどではないし、スタイルはいいと褒めて貰ったこともある。でも、背も高いし顔立ちもきつくて年よりも上に見える。それは可憐さや瑞々しさが足りないということ。男性から声をかけられることも殆どなかったから、女性としての魅力がないのだと思う。性格も可愛げがないのは自覚しているし……
一方でヴォルフ様の好みは全くわからない。ティオに尋ねてみたことがあるけれど、ティオですら暫く言葉が出てこなかった。社交界に出た頃は縁談もあったそうだけど、ロジーナ様と婚約してからは王家を憚ってかその手の話はなくなったという。ティオが知る限り女性に興味を持ったこともなかったとか。
手記は夫とは政略で義務的な関わりしかなかった夫人が夜会で出会った男性に惹かれ、身体の関係を持った後は色々と教え込まれて閨事に溺れていくという内容だと聞いている。相手の男性は見目麗しく有名な漁色家で、最初は恋愛の駆け引きが延々と続き、夫しか知らなかった夫人は男性の駆け引きにあっさりと落ちた。そしてとうとうある夜会で一線を越えるのだ。最初は夫を裏切ることに抵抗が残っていた夫人だけど、男性の甘く真摯な言葉に心を打たれ、また男性の巧みな話術ですっかり心の垣根まで取り払われて、それから二人は……
「イルーゼ」
「ひゃぁああ!!」
急に声をかけられて身体が一瞬浮いた気がしたわ。ヴォルフ様が直ぐ側に立っていて心臓が止まるかと思った。いつの間に部屋の中に入って来られていたの? ロッテは? 声をかけてくれたらよかったのに!!
「どうした?」
「い、いえ……何でも……」
何でもないわ、ただ本を読んでいただけだもの。何も悪いことは……
「何を隠した?」
「へ? な、何も……」
直ぐには何を言われているのかわからなかったわ。隠してって……あああああ!!
「……これは?」
隠していないと言おうとする前に、ヴォルフ様の手が私の背に回っていた。か、隠していたわ、私! しかも無意識に! そしてヴォルフ様いつの間に!? 手が早過ぎます!!
「え、と……あの、それは……」
ヴォルフ様がパラパラとページを捲って文字を追っている姿に私は心の中で止めてと絶叫していた。そんな本を読んでいることをよりにもよってヴォルフ様に知られるなんて!! いえ、まだ読んでいないのだけど……!! 背中に今までに経験したことのない嫌な汗が流れた気がした。どうしよう……あんな本を読んでいるなんて、ち、痴女だと思われてしまうわ……
「あ、あの、その本は……」
誤解を解こうと何かを言おうとするけれど言葉が出てこない。ヴォルフ様は一通り目を通し終えたのか今度は私をじっと見ている。その表情に変化はないけれど……目が何か言えと言っているような気が、するわ……うう、視線が痛い。思わず目をそらしてしまった。
「そ、その……先日ご夫人方に、ヴォルフ様は……わ、私との閨にま、満足されていない、のでは、と……ヴォ、ヴォルフ様ほどの男性なら……い、一回では……物足りない、んじゃ、ないかと……」
チラ、と見上げたらまだじっとこちらを見ていた。しかも無言!! どうしたらいいの……!!
「そ、その……満足していただけないなら、よ、他所で発散するのを認めるのも、つ、妻の務めだと……でも私、閨教育を受けていなくて……どうすれば満足いただけるか、わからなくて……だから、その、そういう本があると聞いて、参考にと思って……」
もうやめて――!! と心の中で絶叫した。沈黙が痛い。やっぱり呆れてしまわれたかしら……こんな筈じゃなかったのに……!
「イルーゼは、閨に不満か?」
「ええっ? ま、まさか!! そんな筈はありませんわ。それよりもヴォルフ様が……!」
「俺には特に不満はないが?」
え? そ、そうなの?
「で、でも、世間では……ヴォルフ様なら一晩中でもって……」
あの夫人たちだけでなく世間でもヴォルフ様ならそうだろうと言われていたわ。確かに体力はおありだと思う、けど……
「ご不満では、つ、妻としての役目を果たせてないも同然ですし……そもそも、この婚姻は後継者を作るためのもので、だったらちゃんとご満足いただけるように、しないと、って……」
何を言っているのよ私! どうしてこんなことになっているの!?
「わかった」
「……へ?」
わかったって、何が? 私が痴女だってことが? ええっ? まだ婚姻して二月くらいしか経っていないのに早くも見限られてしまったの? 呆然とヴォルフ様を見上げた。
「あ、あの……ヴォルフ様?」
「善処しよう。詳しくは夜だ」
「……え、え……?」
善処って何が? 何を? どういう意味? 夜にまたこの話の続きを? まさか早くも離婚、なんて話にならない、わよね? こんなことなら読まなきゃよかったわ。どうしよう……また後でと言って部屋を出ていくヴォルフ様の後ろ姿を、私は茫然と見送るしか出来なかった……
「イルーゼ様……」
ロッテが遠慮がちに声をかけてきたけれど……改めてあの本がないことに気付いた私は益々絶望的な気持ちになった。ヴォルフ様、持って行ってしまわれた、わよね?
その日は半ば呆然としながら時間が過ぎた。あの本をヴォルフ様が持って行ってしまった。それはつまり、ヴォルフ様がお読みになるってことよね。まだ読んでいなかったのに……
「イルーゼ、待たせたな」
「ヴォルフ様……」
寝る準備を終えいつものようにヴォルフ様の寝室で待っていると、いつもよりも遅い時間にヴォルフ様が入ってこられた。湯あみを終えたばかりなのか髪がまだ湿っている。あの本を返して下さいと言いたかったけれど話を蒸し返すのも逆効果な気がして何も言えなかった。気まず過ぎて何と声をかけていいのかわからない……
「スージーからお前が悩んでいると聞いていたが、あんな本を頼るほどだとは思わなかった。すまない」
「い、いえ、謝っていただく様な事は何も……」
私が勝手に気にしているだけでヴォルフ様は悪くないわ。
「まだ若く初めてのお前に無理をかけては嫌われると、ティオに言われていた」
「え? テ、ティオに?」
ティオとそんなことまで話していたの?
「ああ。だが、そんな風に悩ませたのは俺が夫の役目を果たせていなかったからだろう?」
「え? そ、そういうわけでは……」
何だか誤解されていない? 私の満足度はどうでもいいというか、私に不満はないのだけど……私が気にしているのはヴォルフ様の満足度だもの……
「あの、ヴォ、ヴォルフ様がご満足なら、私は別に……」
「……実を言うと少し物足りなかった」
「は? えっ? ヴォル……っ?」
そのまま押し倒されて私の声はそこで塞がれた。ちょっと待って! 今物足りなかったって言ったわよね? ええっ? どういうこと――!!
直接的な表現はありませんが、苦手な方はお控え下さい。
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リーゼ様との婚姻式から半月。エルマ様とリーゼ様を招いたお茶会を終えた私は自室で一冊の本と対峙していた。この本は以前リーゼ様が話してくれたとある伯爵夫人の手記。そう、あの閨事を明け透けに記録して夫人の間では秘かな人気となっているあの本だ。ちなみにエルマ様も同じ本を持って帰られている。
「イルーゼ様、どうなさいました?」
「ひゃぁ!」
本を手にしようとしたところに声をかけられて思わず変な声が出てしまった。訝しげな表情のロッテに何でもないと伝え、本を読むから楽にしていてと伝えるとこの部屋に続く侍女の控室に向かった。扉を開けたままなのは私を一人にするなとの厳命がヴォルフ様から出ているから。
大きく息を吐いてから思い切って本を開いた。この本を読みたかったのは先日の婚姻式で耳にした言葉がどうしても引っかかっていたから。有体に言うとヴォルフ様が私で満足されているか、ということ。ヴォルフ様は私以外の女性に触れないと仰って下さったけれど……それでも不満があれば他の方に目が行くと聞いて不安になってしまった……
私の体型は、悪くないと思う。胸はあるけれど大き過ぎるほどではないし、スタイルはいいと褒めて貰ったこともある。でも、背も高いし顔立ちもきつくて年よりも上に見える。それは可憐さや瑞々しさが足りないということ。男性から声をかけられることも殆どなかったから、女性としての魅力がないのだと思う。性格も可愛げがないのは自覚しているし……
一方でヴォルフ様の好みは全くわからない。ティオに尋ねてみたことがあるけれど、ティオですら暫く言葉が出てこなかった。社交界に出た頃は縁談もあったそうだけど、ロジーナ様と婚約してからは王家を憚ってかその手の話はなくなったという。ティオが知る限り女性に興味を持ったこともなかったとか。
手記は夫とは政略で義務的な関わりしかなかった夫人が夜会で出会った男性に惹かれ、身体の関係を持った後は色々と教え込まれて閨事に溺れていくという内容だと聞いている。相手の男性は見目麗しく有名な漁色家で、最初は恋愛の駆け引きが延々と続き、夫しか知らなかった夫人は男性の駆け引きにあっさりと落ちた。そしてとうとうある夜会で一線を越えるのだ。最初は夫を裏切ることに抵抗が残っていた夫人だけど、男性の甘く真摯な言葉に心を打たれ、また男性の巧みな話術ですっかり心の垣根まで取り払われて、それから二人は……
「イルーゼ」
「ひゃぁああ!!」
急に声をかけられて身体が一瞬浮いた気がしたわ。ヴォルフ様が直ぐ側に立っていて心臓が止まるかと思った。いつの間に部屋の中に入って来られていたの? ロッテは? 声をかけてくれたらよかったのに!!
「どうした?」
「い、いえ……何でも……」
何でもないわ、ただ本を読んでいただけだもの。何も悪いことは……
「何を隠した?」
「へ? な、何も……」
直ぐには何を言われているのかわからなかったわ。隠してって……あああああ!!
「……これは?」
隠していないと言おうとする前に、ヴォルフ様の手が私の背に回っていた。か、隠していたわ、私! しかも無意識に! そしてヴォルフ様いつの間に!? 手が早過ぎます!!
「え、と……あの、それは……」
ヴォルフ様がパラパラとページを捲って文字を追っている姿に私は心の中で止めてと絶叫していた。そんな本を読んでいることをよりにもよってヴォルフ様に知られるなんて!! いえ、まだ読んでいないのだけど……!! 背中に今までに経験したことのない嫌な汗が流れた気がした。どうしよう……あんな本を読んでいるなんて、ち、痴女だと思われてしまうわ……
「あ、あの、その本は……」
誤解を解こうと何かを言おうとするけれど言葉が出てこない。ヴォルフ様は一通り目を通し終えたのか今度は私をじっと見ている。その表情に変化はないけれど……目が何か言えと言っているような気が、するわ……うう、視線が痛い。思わず目をそらしてしまった。
「そ、その……先日ご夫人方に、ヴォルフ様は……わ、私との閨にま、満足されていない、のでは、と……ヴォ、ヴォルフ様ほどの男性なら……い、一回では……物足りない、んじゃ、ないかと……」
チラ、と見上げたらまだじっとこちらを見ていた。しかも無言!! どうしたらいいの……!!
「そ、その……満足していただけないなら、よ、他所で発散するのを認めるのも、つ、妻の務めだと……でも私、閨教育を受けていなくて……どうすれば満足いただけるか、わからなくて……だから、その、そういう本があると聞いて、参考にと思って……」
もうやめて――!! と心の中で絶叫した。沈黙が痛い。やっぱり呆れてしまわれたかしら……こんな筈じゃなかったのに……!
「イルーゼは、閨に不満か?」
「ええっ? ま、まさか!! そんな筈はありませんわ。それよりもヴォルフ様が……!」
「俺には特に不満はないが?」
え? そ、そうなの?
「で、でも、世間では……ヴォルフ様なら一晩中でもって……」
あの夫人たちだけでなく世間でもヴォルフ様ならそうだろうと言われていたわ。確かに体力はおありだと思う、けど……
「ご不満では、つ、妻としての役目を果たせてないも同然ですし……そもそも、この婚姻は後継者を作るためのもので、だったらちゃんとご満足いただけるように、しないと、って……」
何を言っているのよ私! どうしてこんなことになっているの!?
「わかった」
「……へ?」
わかったって、何が? 私が痴女だってことが? ええっ? まだ婚姻して二月くらいしか経っていないのに早くも見限られてしまったの? 呆然とヴォルフ様を見上げた。
「あ、あの……ヴォルフ様?」
「善処しよう。詳しくは夜だ」
「……え、え……?」
善処って何が? 何を? どういう意味? 夜にまたこの話の続きを? まさか早くも離婚、なんて話にならない、わよね? こんなことなら読まなきゃよかったわ。どうしよう……また後でと言って部屋を出ていくヴォルフ様の後ろ姿を、私は茫然と見送るしか出来なかった……
「イルーゼ様……」
ロッテが遠慮がちに声をかけてきたけれど……改めてあの本がないことに気付いた私は益々絶望的な気持ちになった。ヴォルフ様、持って行ってしまわれた、わよね?
その日は半ば呆然としながら時間が過ぎた。あの本をヴォルフ様が持って行ってしまった。それはつまり、ヴォルフ様がお読みになるってことよね。まだ読んでいなかったのに……
「イルーゼ、待たせたな」
「ヴォルフ様……」
寝る準備を終えいつものようにヴォルフ様の寝室で待っていると、いつもよりも遅い時間にヴォルフ様が入ってこられた。湯あみを終えたばかりなのか髪がまだ湿っている。あの本を返して下さいと言いたかったけれど話を蒸し返すのも逆効果な気がして何も言えなかった。気まず過ぎて何と声をかけていいのかわからない……
「スージーからお前が悩んでいると聞いていたが、あんな本を頼るほどだとは思わなかった。すまない」
「い、いえ、謝っていただく様な事は何も……」
私が勝手に気にしているだけでヴォルフ様は悪くないわ。
「まだ若く初めてのお前に無理をかけては嫌われると、ティオに言われていた」
「え? テ、ティオに?」
ティオとそんなことまで話していたの?
「ああ。だが、そんな風に悩ませたのは俺が夫の役目を果たせていなかったからだろう?」
「え? そ、そういうわけでは……」
何だか誤解されていない? 私の満足度はどうでもいいというか、私に不満はないのだけど……私が気にしているのはヴォルフ様の満足度だもの……
「あの、ヴォ、ヴォルフ様がご満足なら、私は別に……」
「……実を言うと少し物足りなかった」
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