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女狐たちの挑発
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三人は伯爵家に嫁いだけれど夫とは政略で、子を設けた後は愛人を作って遊び歩いているらしい。今度はヴォルフ様に狙いを付けたってことかしら。さっきもヴォルフ様に触れていたわよね。
「ま、まぁ、これはゾルガー侯爵夫人、お声をかけて下さるとは光栄ですわ」
わざとらしく恐縮する姿には嘲りが見えた。私を年下だと思って軽く見ているのでしょうね。実家が醜聞まみれだから余計にそう思われるのは仕方がないのだけど。
「ええ、だって私の名をお呼びになりましたでしょう? 気になりましたの」
「まぁ、それは失礼を。ですが……人の話に聞き耳を立てるのはあまり、ねぇ……」
「ええ、まだお若くて社交慣れしていないからご存じないかもしれませんが、こういう時は聞き流すものですわ」
賢しらに助言している風に装っているけれど挑発的な笑みを隠しもしないのね。喧嘩を売られていると受け取っていいのかしら?
「まぁ、それは失礼。でも……あまりにも大きな声で名を呼ばれましたので。それに、主人のことを気にかけて下さっているようでしたから」
笑みを浮かべてそう告げると益々汚い笑みが深まった。
「ふふ、まだお若い方に聞かせる話ではありませんわ」
「そうですわね。ですが一つだけ助言を。ヴォルフ様を狙っている女性は多いのですよ。つまらぬ者にその座を奪われないようにお気をつけ遊ばして」
親切に見せかけているけれどそのつまらぬ者には自分たちが入っているとは思わないのかしら。それにヴォルフ様の名を勝手に呼ぶなんて。。
「まぁ、ご忠告ありがとうございます。確かに夫は凛々しくてとても素敵ですものね」
「ええ、そうでしょうとも。あの逞しいお身体、憧れない女性はいませんわ」
「今は男盛りの真っただ中。一夜だけでもあの腕の中にと願う女性は少なくありませんもの」
「あのような雄々しい男性を求めるのは女の性というものですわ」
ヴォルフ様の身体を想像してか三人がほおを紅潮させてうっとりとした表情を浮かべた。人の夫に盛って恥ずかしくないのかしら。不快感が増してきたわ。
「でもイルーゼ様はまだお若いでしょう? 初心な新妻も可愛らしくていいけれど、ねぇ……」
ドゥルム小伯爵夫人が妖艶な笑みを浮かべて私に意味深な視線を向けた。挑発しているのかしら? 私に色気が足りないと言いたいのね。
「そうですわねぇ。侯爵様のような大人な殿方では……」
「存分に楽しめるようになるには時間がかかりますから」
二人もドゥルム小伯爵夫人に追従した。私では物足りないと、自分たちならヴォルフ様を満足させられると、そう言いたいのね。確かに私は閨のことはあまりよくわからないけれど……
「ふふ、ヴォルフ様はイルーゼ様で満足していらっしゃるのかしら?」
「……え?」
あまりにも直接的な物言いに驚いたわ。真昼間になんてことを聞くのかしら? 品がないわね。
「あら、お気になりませんの?」
「ヴォルフ様ほどの美丈夫、しかも体力がおありでしょうから、一度や二度で収まらないでしょう?」
「それは……夫は何も言いませんから……」
「そうでございましょうとも。慣れない新妻に無理をかけたくないでしょうから」
嘲るような笑みに怯みそうになるのを必死で留める。ヴォルフ様が満足されているかなんて気にしたこともなかったわ。全てヴォルフ様に任せればいいと言われたし、ヴォルフ様も何も仰らなかったから問題ないと思っていたけれど……違うの?
「あら、ごめんなさい。イルーゼ様には刺激が強すぎたかしら?」
「ふふ、お可愛らしいわ。でもまだお若いのですもの、仕方がありませんわ」
「お一人では荷が重過ぎますでしょう? 時には他で発散するのを認めて差し上げるのも妻の務めですわよ」
そういうものなの? ヴォルフ様どころかスージーだってそんなこと言っていなかったわ。それにその言い方では浮気を認めろと言っているも同然じゃない。自分たちが愛人になっても文句を言うなと言いたいわけね。でも……確かにヴォルフ様との閨は一度で終わるから満足されているかと問われると……自信がない。悔しいわ、そっちの方に知識も経験値もないのは認めざるを得ない……
「なるほど、そうですのね。ご忠告感謝します。では夫に聞いてみますわね」
悔しいけれど今はこう答えるのが精一杯だった。平静を装って笑顔を浮かべてそう告げた。同年代では大人っぽくて可愛げがないと言われる私だけど、十以上も上の相手なら無邪気に見えるかしら。
「え? 聞くって……」
「もちろん、満足されているかをですわ。皆様からのアドバイスされたことも併せて尋ねてみますね」
「え、いえ、それは……」
「ふふ、どんな答えが返ってくるのかしら。楽しみだわ」
何でも話してしまう素直で無邪気な妻を演じる。慌てている様子からヴォルフ様に知られるのは困るのね。
「イ、イルーゼ様、はしたないですわ。夫に直接尋ねるなど」
「まぁ、そうですの?」
「そ、そうですわ! 閨のことなど口にするなんてはしたない……」
「ふふっ、大丈夫ですわ。ヴォルフ様はわからないことは何でも尋ねろと仰って下さいますの。ええ、どんな些細なことでも」
一層笑みを深めると夫人たちの顔が青ざめたわ。お近づきになりたいと言いながら実は怖いのかしら。
「そうそう、皆様は夫とお親しいのですよね?」
「え?」
「夫は滅多に名を許したりしませんから。もしかして夫に頼まれて教えて下さったのかしら?」
「え? いえ、そういう訳では……」
ヴォルフ様はそんなまどろっこしいことを言うはずがないわ。不満があるならはっきり仰ると思うのよね。いえ。閨のことはわからないけれど……
「ふふっ、ありがとうございます。ああ、夫が戻ってきたようですわ、失礼しますわね」
ヴォルフ様が会場に戻てくる姿を見つけたので顔色を無くした三人の返事を聞かずにその場を離れた。周りで私たちの会話に聞き耳を立てていた人たちが慌てた様子で目を逸らした。中にはバツの悪そうな表情を浮かべる夫人がいた。それなりの人数がいたように感じたけれど彼女たちも愛人狙いだったのかしら。
それにしても……実のところヴォルフ様はどう思われているのかしら? やっぱり物足りないと思われているの? だったらどうしたらいいのかしら? スージーに相談してみる? それとも以前リーゼ様が言っていた閨の告白をした夫人の手記を読んで勉強するべきかしら。男性なら娼館に行って教えてもらうことも出来るらしいけれど、世の女性はどうしているのかしら……
「イルーゼ、待たせた」
直ぐ側まで来たヴォルフ様に笑顔を向けて見上げた。正装を召していても逞しい身体つきがはっきりわかるわ。ヴォルフ様の寝室は真っ暗だから身体を見たことはないけれど、騎士に劣らない筋肉があると思う。
「どうした?」
ぼうっと見上げていたら声をかけられて大きな手が頬をかすめた。
「い、いえっ、何でもありませんわ」
思わず大きな声が出てしまったわ。急に触れないでほしい。いやだわ、さっきの会話を思い出してしまったじゃない。心臓が無駄に早鐘を鳴らしている。この手が私の身体を……だなんて私ったら昼間から何を考えているのよ。
「どうした? 疲れたか?」
「い、いえ。大丈夫ですわ」
頬が熱を持ち始めたけれど、平静を装うために会場を見渡した。視線の先にエルマ様とバルトリック様を見つけて心を落ち着かせようとして、失敗したわ。エルマ様が今夜のために先に席を外したところだった。これからあの二人も……なんてことが頭に浮かんだのはあの人たちのせいだわ。
「ま、まぁ、これはゾルガー侯爵夫人、お声をかけて下さるとは光栄ですわ」
わざとらしく恐縮する姿には嘲りが見えた。私を年下だと思って軽く見ているのでしょうね。実家が醜聞まみれだから余計にそう思われるのは仕方がないのだけど。
「ええ、だって私の名をお呼びになりましたでしょう? 気になりましたの」
「まぁ、それは失礼を。ですが……人の話に聞き耳を立てるのはあまり、ねぇ……」
「ええ、まだお若くて社交慣れしていないからご存じないかもしれませんが、こういう時は聞き流すものですわ」
賢しらに助言している風に装っているけれど挑発的な笑みを隠しもしないのね。喧嘩を売られていると受け取っていいのかしら?
「まぁ、それは失礼。でも……あまりにも大きな声で名を呼ばれましたので。それに、主人のことを気にかけて下さっているようでしたから」
笑みを浮かべてそう告げると益々汚い笑みが深まった。
「ふふ、まだお若い方に聞かせる話ではありませんわ」
「そうですわね。ですが一つだけ助言を。ヴォルフ様を狙っている女性は多いのですよ。つまらぬ者にその座を奪われないようにお気をつけ遊ばして」
親切に見せかけているけれどそのつまらぬ者には自分たちが入っているとは思わないのかしら。それにヴォルフ様の名を勝手に呼ぶなんて。。
「まぁ、ご忠告ありがとうございます。確かに夫は凛々しくてとても素敵ですものね」
「ええ、そうでしょうとも。あの逞しいお身体、憧れない女性はいませんわ」
「今は男盛りの真っただ中。一夜だけでもあの腕の中にと願う女性は少なくありませんもの」
「あのような雄々しい男性を求めるのは女の性というものですわ」
ヴォルフ様の身体を想像してか三人がほおを紅潮させてうっとりとした表情を浮かべた。人の夫に盛って恥ずかしくないのかしら。不快感が増してきたわ。
「でもイルーゼ様はまだお若いでしょう? 初心な新妻も可愛らしくていいけれど、ねぇ……」
ドゥルム小伯爵夫人が妖艶な笑みを浮かべて私に意味深な視線を向けた。挑発しているのかしら? 私に色気が足りないと言いたいのね。
「そうですわねぇ。侯爵様のような大人な殿方では……」
「存分に楽しめるようになるには時間がかかりますから」
二人もドゥルム小伯爵夫人に追従した。私では物足りないと、自分たちならヴォルフ様を満足させられると、そう言いたいのね。確かに私は閨のことはあまりよくわからないけれど……
「ふふ、ヴォルフ様はイルーゼ様で満足していらっしゃるのかしら?」
「……え?」
あまりにも直接的な物言いに驚いたわ。真昼間になんてことを聞くのかしら? 品がないわね。
「あら、お気になりませんの?」
「ヴォルフ様ほどの美丈夫、しかも体力がおありでしょうから、一度や二度で収まらないでしょう?」
「それは……夫は何も言いませんから……」
「そうでございましょうとも。慣れない新妻に無理をかけたくないでしょうから」
嘲るような笑みに怯みそうになるのを必死で留める。ヴォルフ様が満足されているかなんて気にしたこともなかったわ。全てヴォルフ様に任せればいいと言われたし、ヴォルフ様も何も仰らなかったから問題ないと思っていたけれど……違うの?
「あら、ごめんなさい。イルーゼ様には刺激が強すぎたかしら?」
「ふふ、お可愛らしいわ。でもまだお若いのですもの、仕方がありませんわ」
「お一人では荷が重過ぎますでしょう? 時には他で発散するのを認めて差し上げるのも妻の務めですわよ」
そういうものなの? ヴォルフ様どころかスージーだってそんなこと言っていなかったわ。それにその言い方では浮気を認めろと言っているも同然じゃない。自分たちが愛人になっても文句を言うなと言いたいわけね。でも……確かにヴォルフ様との閨は一度で終わるから満足されているかと問われると……自信がない。悔しいわ、そっちの方に知識も経験値もないのは認めざるを得ない……
「なるほど、そうですのね。ご忠告感謝します。では夫に聞いてみますわね」
悔しいけれど今はこう答えるのが精一杯だった。平静を装って笑顔を浮かべてそう告げた。同年代では大人っぽくて可愛げがないと言われる私だけど、十以上も上の相手なら無邪気に見えるかしら。
「え? 聞くって……」
「もちろん、満足されているかをですわ。皆様からのアドバイスされたことも併せて尋ねてみますね」
「え、いえ、それは……」
「ふふ、どんな答えが返ってくるのかしら。楽しみだわ」
何でも話してしまう素直で無邪気な妻を演じる。慌てている様子からヴォルフ様に知られるのは困るのね。
「イ、イルーゼ様、はしたないですわ。夫に直接尋ねるなど」
「まぁ、そうですの?」
「そ、そうですわ! 閨のことなど口にするなんてはしたない……」
「ふふっ、大丈夫ですわ。ヴォルフ様はわからないことは何でも尋ねろと仰って下さいますの。ええ、どんな些細なことでも」
一層笑みを深めると夫人たちの顔が青ざめたわ。お近づきになりたいと言いながら実は怖いのかしら。
「そうそう、皆様は夫とお親しいのですよね?」
「え?」
「夫は滅多に名を許したりしませんから。もしかして夫に頼まれて教えて下さったのかしら?」
「え? いえ、そういう訳では……」
ヴォルフ様はそんなまどろっこしいことを言うはずがないわ。不満があるならはっきり仰ると思うのよね。いえ。閨のことはわからないけれど……
「ふふっ、ありがとうございます。ああ、夫が戻ってきたようですわ、失礼しますわね」
ヴォルフ様が会場に戻てくる姿を見つけたので顔色を無くした三人の返事を聞かずにその場を離れた。周りで私たちの会話に聞き耳を立てていた人たちが慌てた様子で目を逸らした。中にはバツの悪そうな表情を浮かべる夫人がいた。それなりの人数がいたように感じたけれど彼女たちも愛人狙いだったのかしら。
それにしても……実のところヴォルフ様はどう思われているのかしら? やっぱり物足りないと思われているの? だったらどうしたらいいのかしら? スージーに相談してみる? それとも以前リーゼ様が言っていた閨の告白をした夫人の手記を読んで勉強するべきかしら。男性なら娼館に行って教えてもらうことも出来るらしいけれど、世の女性はどうしているのかしら……
「イルーゼ、待たせた」
直ぐ側まで来たヴォルフ様に笑顔を向けて見上げた。正装を召していても逞しい身体つきがはっきりわかるわ。ヴォルフ様の寝室は真っ暗だから身体を見たことはないけれど、騎士に劣らない筋肉があると思う。
「どうした?」
ぼうっと見上げていたら声をかけられて大きな手が頬をかすめた。
「い、いえっ、何でもありませんわ」
思わず大きな声が出てしまったわ。急に触れないでほしい。いやだわ、さっきの会話を思い出してしまったじゃない。心臓が無駄に早鐘を鳴らしている。この手が私の身体を……だなんて私ったら昼間から何を考えているのよ。
「どうした? 疲れたか?」
「い、いえ。大丈夫ですわ」
頬が熱を持ち始めたけれど、平静を装うために会場を見渡した。視線の先にエルマ様とバルトリック様を見つけて心を落ち着かせようとして、失敗したわ。エルマ様が今夜のために先に席を外したところだった。これからあの二人も……なんてことが頭に浮かんだのはあの人たちのせいだわ。
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