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話し合い決裂
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エルマ様の宣言にベルトラム侯爵とギレッセン様が目を大きく見開いた。エルマ様が逆らうとは思ってもいなかったみたいね。
「エルマ!? 何を言っている? お前は次期当主なんだぞ? しかも婚姻式も迫っているというのに……」
「その当主の座はお姉様にお返しすると申し上げましたわ」
「何を馬鹿なことを言っている!?」
「馬鹿なこと? 次期当主の座から逃げ出したお姉様を優先し私を蔑ろにしておいて何を仰っているのでしょう? 私は帰るつもりはありませんわ。ギレッセン様もどうぞ思う存分お姉様とお幸せに」
「エルマ? 何を言って……」
ギレッセン様が焦りの表情を浮かべて名を呼んだけれど、だったらどうしてエルマ様を優先しなかったのよ。子どもに興味がない侯爵様ならまだしも、ギレッセン様はエルマ様に熱い視線を向けていたのに。
「何を驚かれますの? これからは存分にお姉様を優先なさればよろしいじゃないですか。今までそうなさったように。それがギレッセン様の答えなのでしょう?」
「エルマ! 私が望むのは君だ。ミリセントじゃない!」
「今更そのように言われても信じられませんわ。私は夫になる方には私を一番に優先して貰いたいのです。他の女性を優先する男性などお断りですわ。しかもその相手が姉だなんて悍ましい……」
「エルマっ!!」
害虫を見るような目を向けられたギレッセン様が悲鳴のような声を上げたけれど、全く同情出来なかったわ。エルマ様から聞いたギレッセン様の態度は優柔不断で情けないものだった。それからも三人の応酬が続いたけれど溝は埋まるどころか離れていくようにも感じた。
「ベルトラム侯爵、今日は帰れ」
意味のない言い合いを止めたのはヴォルフ様だった。
「ヴォルフ殿、しかし……」
「このまま話を続けても平行線だ。一度帰って何が悪かったのかよく考えるがよろしかろう」
「悪かったなど……些細な行き違いがあっただけで……」
「貴殿はそう思っているのだろうが令嬢はそうではない。その認識のずれが問題だ」
全くヴォルフ様の仰る通りだった。エルマ様にとっては許し難いことなのに侯爵様もギレッセン様も大したことではないと軽く見ているのだから。
「令嬢は責任もって我が家で預かろう。話がしたければいつでも来るといい。だが令嬢は既に成人している。俺は本人の意思を尊重する」
「ゾルガー侯爵様、ありがとうございます。私は今の状態の家には戻りたくありません。気に入らないのなら廃籍して下さって構いませんわ」
突き放すような冷たい声でエルマ様がそう言うと侯爵とギレッセン様が目を見開いた。
「な、何を馬鹿なことを! 家を出てどうやって生きていくつもりだ!?」
「その時は……そうですわねぇ、イルーゼ様の侍女として雇って頂こうかしら」
動揺を露わにする侯爵様にエルマ様は冷たく返した。まぁ、それは素敵と思わず本音を漏らしたら侯爵様とギレッセン様がぎょっとした表情を浮かべた。
「お前が侍女だと? 馬鹿なことを……」
「ですから馬鹿な娘などさっさと切り捨てろと言っているではありませんか」
「エルマ!」
「ごきげんよう、ベルトラム侯爵閣下とギレッセン侯爵令息様。ゾルガー侯爵様、お騒がせして申し訳ありませんが、行き先が決まるまで置いて頂けると助かります」
「イルーゼの友人だ。好きにすればいい」
「ありがとうございます」
「ヴォルフ殿!?」
エルマ様の意志は固く、ヴォルフ様はそんなエルマ様をあっさりと受け入れてしまわれたわ。こうなってはベルトラム侯爵もこれ以上強くは言えず渋々帰っていった。ギレッセン様は最後までエルマ様に名残惜しそうな表情を向けていた。
「ゾルガー侯爵様、ありがとうございます」
「気にするな。だが話をしたいと言うなら拒むなよ」
「心得ました」
今日は帰らせたが話し合うのが滞在の条件だと言ってヴォルフ様は部屋を出ていかれた。私たちもお茶をしていた部屋へと戻ったわ。結局応接室では立ったままだった。それだけベルトラム侯爵とエルマ様の話が白熱していたのだけど。エルマ様もベルトラム侯爵も退く
「イルーゼ様もリーゼ様も、巻き込んでしまってごめんなさいね」
「まぁ、そんなこと気になさらないで下さい」
「そうですわ。むしろ頼って下さって嬉しいくらいですから」
これは本心だった。これまではずっと私がエルマ様に相談して助けて貰ってばかりだった。エルマ様は滅多に弱音を吐かないし手を貸そうとしても自分で何とかしようとしてしまう方だったから。
「それにしても腹立たしいですわ。エルマ様の我慢を当然だと思っているあの態度……しかもそれに気付いてもいないご様子ですし……」
「ええ、でもそれ以上に腹立たしいのはギレッセン様ですわ。いくら婚約期間が長かったとはいえご自身を裏切ったお姉様を優先されるなんて……」
「あんな不誠実な方に大切なエルマ様を任せられませんわ!」
「全くです。私でもローレンツ様がそんなことをなさったら許しませんわ。政略であっても守るべき一線はありますもの」
私とリーゼ様の怒りは父君であるベルトラム侯爵よりも婚約者のギレッセン様に向かっていた。彼がエルマ様を優先していたらここまで拗れなかったと思うわ。エルマ様がギレッセン様に想いを寄せているのは明らかだし、当のギレッセン様もエルマ様に熱を帯びた視線を向けていたのではなかったの? あれは演技だったのかしら? どっちにしても誰にでもいい顔をする男性なんて信用出来ないけれど。
「お二人とも、ありがとうございます。ふふ、そうですわね、私もギレッセン様への怒りの方が強いですわ。あの方だけでも私を優先して下さっていたら……」
そう言うとエルマ様は目を伏せた。彼女は以前からお父様の性格は諦めていたけれど、ギレッセン様のことは慕っていらした。なのに姉を優先されたらそんな熱も一気に冷めてしまうわね。
その日の夜、私はヴォルフ様の寝室ではなくエルマ様用に用意した賓客向けの寝室にいた。せっかくだからとリーゼ様も泊まることになってお泊り会になったのだ。学園に行っていた頃はよくエルマ様の家でリーゼ様と三人でお泊りをしたのよね。ヴォルフ様の寝室以外で眠るのは月の物の時以来だわ。
「イルーゼ様、よろしかったのかしら。侯爵様は……」
「気にしないで下さい。ヴォルフ様はそんなことを気にされる方じゃありませんわ」
多分ヴォルフ様が気にするのは警備の方だと思うわ。暫く滞在する可能性が出たためエルマ様は東棟の客間を使うことになった。南棟では警備が分散されて手薄になってしまうのよね。エルマ様は五侯爵家の次期後継者だから何かあっては大変だし、預かった責任があるもの。
「はぁ、いいわよねぇ、イルーゼ様は。ゾルガー様に大事にされて」
「それでも政略には変わりありませんよ」
「それでもよ。いえ、いっそ政略で互いに尊重出来ている方がずっといいわ」
成人もしたことだしと今日はテーブルの上には果実水だけでなく果実酒も並んでいる。お菓子を口に運びながらエルマ様のグラスに注がれるのはお酒の方。かなり鬱憤が溜まっているらしく進みが早いわ。大丈夫かしら……
「それでイルーゼ様」
「はい?」
「侯爵様とはいかがですの? その……閨など。どれくらいの頻度ですの? 侯爵様はお優しいのかしら? 乱暴なことはなさらない?」
「え? いえ、それは……」
どうしたのよ、エルマ様。そんなことを聞いてくるような方ではなかったわよ? もしかして……かなり酔ってる?
「後学のためにも教えてくださいな」
「あ、私も聞きたいです!」
止めて欲しいと思っていたリーゼ様まで乗ってきたわ。どういうこと? 何だかお二人の目がぎらついて怖いわ。どうしてそんな話になったのよ……
「エルマ!? 何を言っている? お前は次期当主なんだぞ? しかも婚姻式も迫っているというのに……」
「その当主の座はお姉様にお返しすると申し上げましたわ」
「何を馬鹿なことを言っている!?」
「馬鹿なこと? 次期当主の座から逃げ出したお姉様を優先し私を蔑ろにしておいて何を仰っているのでしょう? 私は帰るつもりはありませんわ。ギレッセン様もどうぞ思う存分お姉様とお幸せに」
「エルマ? 何を言って……」
ギレッセン様が焦りの表情を浮かべて名を呼んだけれど、だったらどうしてエルマ様を優先しなかったのよ。子どもに興味がない侯爵様ならまだしも、ギレッセン様はエルマ様に熱い視線を向けていたのに。
「何を驚かれますの? これからは存分にお姉様を優先なさればよろしいじゃないですか。今までそうなさったように。それがギレッセン様の答えなのでしょう?」
「エルマ! 私が望むのは君だ。ミリセントじゃない!」
「今更そのように言われても信じられませんわ。私は夫になる方には私を一番に優先して貰いたいのです。他の女性を優先する男性などお断りですわ。しかもその相手が姉だなんて悍ましい……」
「エルマっ!!」
害虫を見るような目を向けられたギレッセン様が悲鳴のような声を上げたけれど、全く同情出来なかったわ。エルマ様から聞いたギレッセン様の態度は優柔不断で情けないものだった。それからも三人の応酬が続いたけれど溝は埋まるどころか離れていくようにも感じた。
「ベルトラム侯爵、今日は帰れ」
意味のない言い合いを止めたのはヴォルフ様だった。
「ヴォルフ殿、しかし……」
「このまま話を続けても平行線だ。一度帰って何が悪かったのかよく考えるがよろしかろう」
「悪かったなど……些細な行き違いがあっただけで……」
「貴殿はそう思っているのだろうが令嬢はそうではない。その認識のずれが問題だ」
全くヴォルフ様の仰る通りだった。エルマ様にとっては許し難いことなのに侯爵様もギレッセン様も大したことではないと軽く見ているのだから。
「令嬢は責任もって我が家で預かろう。話がしたければいつでも来るといい。だが令嬢は既に成人している。俺は本人の意思を尊重する」
「ゾルガー侯爵様、ありがとうございます。私は今の状態の家には戻りたくありません。気に入らないのなら廃籍して下さって構いませんわ」
突き放すような冷たい声でエルマ様がそう言うと侯爵とギレッセン様が目を見開いた。
「な、何を馬鹿なことを! 家を出てどうやって生きていくつもりだ!?」
「その時は……そうですわねぇ、イルーゼ様の侍女として雇って頂こうかしら」
動揺を露わにする侯爵様にエルマ様は冷たく返した。まぁ、それは素敵と思わず本音を漏らしたら侯爵様とギレッセン様がぎょっとした表情を浮かべた。
「お前が侍女だと? 馬鹿なことを……」
「ですから馬鹿な娘などさっさと切り捨てろと言っているではありませんか」
「エルマ!」
「ごきげんよう、ベルトラム侯爵閣下とギレッセン侯爵令息様。ゾルガー侯爵様、お騒がせして申し訳ありませんが、行き先が決まるまで置いて頂けると助かります」
「イルーゼの友人だ。好きにすればいい」
「ありがとうございます」
「ヴォルフ殿!?」
エルマ様の意志は固く、ヴォルフ様はそんなエルマ様をあっさりと受け入れてしまわれたわ。こうなってはベルトラム侯爵もこれ以上強くは言えず渋々帰っていった。ギレッセン様は最後までエルマ様に名残惜しそうな表情を向けていた。
「ゾルガー侯爵様、ありがとうございます」
「気にするな。だが話をしたいと言うなら拒むなよ」
「心得ました」
今日は帰らせたが話し合うのが滞在の条件だと言ってヴォルフ様は部屋を出ていかれた。私たちもお茶をしていた部屋へと戻ったわ。結局応接室では立ったままだった。それだけベルトラム侯爵とエルマ様の話が白熱していたのだけど。エルマ様もベルトラム侯爵も退く
「イルーゼ様もリーゼ様も、巻き込んでしまってごめんなさいね」
「まぁ、そんなこと気になさらないで下さい」
「そうですわ。むしろ頼って下さって嬉しいくらいですから」
これは本心だった。これまではずっと私がエルマ様に相談して助けて貰ってばかりだった。エルマ様は滅多に弱音を吐かないし手を貸そうとしても自分で何とかしようとしてしまう方だったから。
「それにしても腹立たしいですわ。エルマ様の我慢を当然だと思っているあの態度……しかもそれに気付いてもいないご様子ですし……」
「ええ、でもそれ以上に腹立たしいのはギレッセン様ですわ。いくら婚約期間が長かったとはいえご自身を裏切ったお姉様を優先されるなんて……」
「あんな不誠実な方に大切なエルマ様を任せられませんわ!」
「全くです。私でもローレンツ様がそんなことをなさったら許しませんわ。政略であっても守るべき一線はありますもの」
私とリーゼ様の怒りは父君であるベルトラム侯爵よりも婚約者のギレッセン様に向かっていた。彼がエルマ様を優先していたらここまで拗れなかったと思うわ。エルマ様がギレッセン様に想いを寄せているのは明らかだし、当のギレッセン様もエルマ様に熱を帯びた視線を向けていたのではなかったの? あれは演技だったのかしら? どっちにしても誰にでもいい顔をする男性なんて信用出来ないけれど。
「お二人とも、ありがとうございます。ふふ、そうですわね、私もギレッセン様への怒りの方が強いですわ。あの方だけでも私を優先して下さっていたら……」
そう言うとエルマ様は目を伏せた。彼女は以前からお父様の性格は諦めていたけれど、ギレッセン様のことは慕っていらした。なのに姉を優先されたらそんな熱も一気に冷めてしまうわね。
その日の夜、私はヴォルフ様の寝室ではなくエルマ様用に用意した賓客向けの寝室にいた。せっかくだからとリーゼ様も泊まることになってお泊り会になったのだ。学園に行っていた頃はよくエルマ様の家でリーゼ様と三人でお泊りをしたのよね。ヴォルフ様の寝室以外で眠るのは月の物の時以来だわ。
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「はい?」
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「え? いえ、それは……」
どうしたのよ、エルマ様。そんなことを聞いてくるような方ではなかったわよ? もしかして……かなり酔ってる?
「後学のためにも教えてくださいな」
「あ、私も聞きたいです!」
止めて欲しいと思っていたリーゼ様まで乗ってきたわ。どういうこと? 何だかお二人の目がぎらついて怖いわ。どうしてそんな話になったのよ……
4,774
読んで下さってありがとうございます。
感想・お気に入り登録・エールも励みになります。
また誤字脱字を報告して下さる皆様に感謝申し上げます。
新たに「黒茨の魔女と金眼の下僕」の連載も始めました。
こちらもよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/687112907/698925653
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